健さんの
プラモコラム

その358
 RG ガンダムの巻

 RG 1/144 RX−78−2 ガンダム
 バンダイ
 「機動戦士ガンダム」に登場
2010年7月発売 税別初出価格2500円



 PGは1/60、MGは1/100、HGは1/144。スケールから自動的にグレードが決まってしまう、あるいはグレードを表すはずの言葉がスケールを示している。そんな現状を変えてみたいという旨の発言を、川口名人が過去何度かされてましたっけ。1/144のMGやPGが有ってもいいんじゃないか、みたいな。ガンプラ30周年の年、まさしくガンプラ第一弾「1/144ガンダム」が発売されて丁度30年の日に、そんなキットが登場しました。「リアルグレード」(RG)という新しいシリーズ名を立ち上げて。ひたすらリアルを追求してきたガンプラだけに、特別な意味を持つ名前と言えそうです。

 は1/100にも見えてしまいそうな厚みが有ります。側面に顔のアップを載せ、商品名を斜めに配置してあるのは、デザイン的なカッコ良さだけでなく、MG・HGどちらとも間違わない様にという配慮でしょうか。先日からバリエーションキットの追加ランナー等で見られたゲート形状へのこだわりも、遂にほぼ全ランナーに採用。実物大(リアルグレード1/1)ガンダムのデザインに準じており、比較する事でリアルさを実感出来ます。と同時に、HGガンダムVer.G30thが存在する事で、同スケール・同デザインのキットにも商品グレードの違いが有るのだと、伝わりやすくなっています。では、中身の方に目を通していきましょう。



 頭部は、芯パーツを黄色にする事で、とバルカンを色分け。細かいパーツをハメ込むのではなく、クマドリや側頭部フレームで黄色くない部分を覆っていく発想で、組み立てやすさとカラーリングを両立しています。目はクリアーパーツを被せる二重構造。マスクや耳のダクトはスリットを開孔してあり、従来の1/144よりも格段にシャープな仕上りです。

 ヘルメットは、後頭部・側頭部・頭蓋・バイサー・チョンマゲと細かく分割。MGに劣らない分割点数ですね。チョンマゲ前後のカメラは、筒状に成形した外装にカメラ表面パーツを差し込んで色分け。アンテナはVer.G30thよりも短く、より実物大ガンダムの長さに近い印象。容赦なく細く造形されている事もあり、ボリューム的にずいぶん違って見えます。先端のシャープさは実物以上かも。



 は、上がボール可動、下が前後可動の二重関節。可動部は、多重インサート成形による可動フレーム「アドヴァンスドMSジョイント」の一部として、組みあがった状態でランナーに収まっています。筒状の外装パーツは後方下部を切り欠いてあり、見上げる方向に大きく可動。ラストシューティング時に頭部が欠損していなければ、こんな目線になったのかな?といったポーズも余裕で取れます。ひょっとしたら、今後そんなポーズで展示する予定が有って(お台場は初陣直後、静岡はジャブローの頃を想定してる様ですし)、その再現性を考慮した可動範囲を確保してあるんじゃないかな?なんて思ったりします。うつむく方向にあまり動かないのが少々残念。外装を切り欠けば解決するんじゃないかと思いますが、ガンダムに見下ろされた感動を再現するには欠かせない可動ですから、キット状態でこだわって欲しかった部分です。

 ボディ は、変形可能なコアブロックと、ウエスト可動用のコアブロックを選んで収納、完成後も自由に入れ替え可能です。可動用コアブロックは可動フレームの一部として成形されたダブルボールジョイントに、前面パーツを貼り付ければ完成。下部や背面はオープンになった、可動優先の設計です。多重インサート成形を使って、上部が胸側の収納部と密着した状態で成形。史上最もフィット感の高いコアブロックと言えそうですが、おかげで位置決めのギザギザの噛み合わせもハンパじゃありません。



 は、前側のみ内部パーツを内蔵し、フィンのスキマからダクト内部のメカニックがチラリと見えます。ダメージやメンテナンス状態の再現にも使えそうですね。外装は前後に分割し、さらに脇の水色部分を別パーツ化。ヒンジ開閉式になっている胸の張り出しも、内側のハッチ部分を色分けしてあります。エリは、黄色い本体に黒パーツを重ね、首周辺を色分け。実物大ガンダムでも同様になっています。



 肩関節は前後スイングし、上へも引き出せます。関節は可動フレームの一部として完成済で、引き出し時に持ち上がるボディ上面外装は、箱状のパーツを被せるだけのシンプルな構造。二軸可動の場合、外装にスキマが有る事が多いですが、今回は外装の動きを上スイングへの追従だけとしてスキマを無くし、関節軸を通す穴を長穴とする事で前後スイングに追従する必要を無くしています。内壁に関節の直径をハメ込む事で、外装パーツの接続も単純化。上手く考えてありますね。



 ウエストは、腹巻を上下とも筒状に成形。上側は脇の部分を別パーツ化する事で、胸への取付用のツメを配置。下側は、横の色違いパーツを差し込む事で、コアブロック受けとなるウエスト底面にロック。腹巻にスキマが出来る事で可動用コアブロックの動きを活かし、特に背中を反らす方向に大きくポーズが付けられます。いわゆるガンダムスカイに合体した時、正面の視界は従来よりかなり改善しそうです。との接続部も、ボールジョイントで可動します。

 です。フンドシは、上下前後の四辺をコーナーで連結した可動フレームとして成形。歪めて平行四辺形にする事で、フンドシのシルエットを変化させる事が出来ます。これ、FGで製作したガンダムVSザクに盛り込んだアイデアにそっくりなんですよ。コアファイターが入っているので前後スイングに限界が有るなら、腰を歪めることで代用出来ないかな?というものです。機構を想定しただけでボクが作ったのは固定モデルでして、実現してもMG以上のサイズだろうと思ってました。1/144サイズに収まったのは、規格のポリキャップより細かい可動を仕込める可動フレームだからこそ、なのかも。



腰ブロックが歪む様に可動。サイドスカートを、フンドシと並行になる様に調整してやるとニュアンスが伝わりやすくなります。

 フンドシの外装は前後から貼り付け。また、下半分は別パーツ化され色分けしてあります。正面のエンブレムは、黄色いパーツをベースにして、上下に赤いパーツを貼り込む構成。Vマークの先端がダルくならない良さが有りますが、小さなパーツの扱いが面倒ですね。この部分に限らずですが、机からパーツを落として紛失しない様、広い机の真ん中の方で作業する事をオススメします。

 フンドシ後部には、開閉式のバズーカラックを装備。上下のツメが重なる様に収納されていて、砲身を上下からハサミ込んでやりますが、実際はフンドシに突起を差し込んで保持しています。展開時には、ジョイント着脱式だったHGUCガンダム等と似た外観になり、従来キットを否定しない意味でも、面白いと思います。



腰後部のバズーカラック。下のツメを開いてから、上のツメを開きます。

 フンドシ下に飾り台取付穴は無く、実物大ガンダムの股くぐりをした人も(それなりに)納得できる造形となっています。バズーカラックを開いて付属のジョイントパーツを差し込めば、アクションベース2に対応可能。でも、位置決めの段差が浅く、モデルの重さで少し傾いてしまうのが残念です。また、出来ればアクションベース1にも対応出来る様にして欲しかったですね。



キットに付属するジョイントパーツとアクションベース1は、ほぼ同じ大きさの角穴が開いていて、比較的簡単に接続する事が出来ましたので、紹介しておきましょう。
用意するのは、12mm程度にカットした5mm角棒。アクションベース1の支柱先端には、角棒がそのままフィットします。ジョイント側は少しキツい様なので、様子を見ながら少しずつ削って細くしていきます。角棒には若干の誤差があるかも知れませんので、確認しながら調整して下さい。

 フロントスカートとリアスカートは共通化してあり、どちらもボールジョイントで独立可動します。ベースとなる裏面パーツに、黄色いブロックと、上下分割された表面パーツを貼り込む構成。パーツ分割の変更で制約が無くなったのか、Ver.G30thよりも黄色いブロックが大きくなっており、こちらの方がより実物大ガンダムに近い様です。



 サイドスカートは多重インサート成形を使い、帯状の腰ブロック上面パーツにボールジョイントで接続された状態で、裏面パーツを成形。これに貼り込む表面パーツは上下2パーツ構成ですが、形を入り組ませる事で、上部張り出しの中も色分けされた様な仕上りになります。上体を左右に傾けると、サイドスカートも腰ブロック上面ごと左右に傾斜。前後方向同様、ボディの動きに追従して、腰ブロックが横方向にも歪むという発想でしょうか?ギミックとして目新しいのはもちろん、サイドスカートが股関節だけでなくウエストもガードしているという点も新鮮だと思います。

 脚にも、全体に多重インサート成形された可動フレームを内蔵。股関節から足首関節までのフレームに、足首フレームを接続します。股関節はボールジョイント。モモは、可動フレームを前後貼り合わせの内部メカパーツで覆い、さらに前・後・リング状の上端の3パーツの外装を被せます。前後面の色違い部分には、さらに表面パーツを貼り込んであります。Ver.G30thではパーツ点数を抑えるため、段差で表現されていた色違いのパネルも、面が揃ってスッキリした印象になりましたね。



 モモ正面の外装は、内部メカのスキマから露出した可動フレームに直接取り付けてあり、ヒザの曲げに連動してスライドします。今回の脚フレームはシリンダーの表現を行わず、外装のスライドギミックを採用。時代によって求めるギミックも違ってきたという事でしょうか。関節付近にシリンダーを配置すると可動範囲に制限が出るので個人的には妥当なチョイスだろうと思っています。

 それにしても、スライドによってモモにスキマというより大穴が開いてしまうんですが・・・スケールの都合とは言え、隠し武器でも取り出せそうな、ここを狙われるとヤバそうな。近藤氏の作品に見られる様な、ロングスカートの時代が遂に到来したもかも知れません(笑)。



 ヒザは二重関節。関節部をメカパーツで左右からハサミ込み、丸モールドも別パーツ化。丸の内側が色分けされ、側面には実物に近い位置に可動軸が露出して、なかなか良い感じです。ヒザ後ろのディテールは、Ver.G30thの方が可動と無関係である分、再現度が高くなっています。

 スネは、ヒザアーマーとフクラハギのみ内部メカパーツを採用。メカパーツの一部は表面に露出し、外装の色分け再現のためのパーツ点数を減らしています。カケラの様な小さいパーツが少なくなるのは、難易度を抑える意味でもありがたいですね。完成後は太く見える脚ですが、芯に通っている可動フレームはごく細い物です。保持力の高いヒザを曲げていると、持ち方によっては外装の継ぎ目で脚がしなっている様にも感じます。フクラハギとスネ前面の外装は、何らかの方法で噛み合わせ、ガッチリ固定しておいた方が安心だったかも知れません。



三日間の独房入り、いいわね(笑)。ヒザが良く曲がるだけでなく、ツマ先がピンと伸びるので、キレイに正座させる事が出来ます。

 ヒザアーマーは、ヒザの曲げに連動してスライド。ここも大きくスキマが開いてしまい、やはり中の空洞が目立ちます。父さんはスネの防弾より、ヒザ関節の方が大切なんですか(笑)!まあ実物では中身が詰まっていて、一次装甲で保護されたりしてて印象も違っているんでしょうけれども。

 スネ後部は、足首の可動範囲を拡大する狙いで外装が開く様になっています。ヒンジは可動フレームの一部として完成済み。やはり防弾の観点からやたらとスキマが開くのはどうかと思うんですが、ゴッドガンダムみたいな方式になっているのはヒンジ式で解決する都合かも知れません。もっとスケールが大きければ、真上に引き込まれるなんてのもアリかもですね。実物の足元を見学した人にとっては、フクラハギ下にスキマが再現されてる所がポイント高いんじゃないでしょうか。



 足首アーマーは、コの字形に成形された本体の左右に、後ろから差し込む様に裏面パーツをセット。このパーツがクルブシ内側の色分けを兼ねていて、モールドもしっかり再現。位置的には足首関節横に接続してあるんですが、この取付基部は今までになく変わっていますね。ツマ先・中央・カカトと、連結キャタピラの様に成形された足裏フレームの後端を、パタパタと上に折り曲げるとクルブシの位置にパーツ端が来るという仕組みです。これを見てると、いつか超絶可動するペラモデルが出る日も来るんじゃないのかな?なんて思ってしまいます。



HGガンダムVer.G30th(左・顔と肩の一部を塗装しています)との比較。

 足首は前述の様に、ペラペラの足裏フレームが折れ曲がる事でツマ先とカカトの可動を実現。足裏や土踏まずのバーニア部には、表面パーツを貼り込んであります。は二枚重ねにする事で色分けを再現、ツマ先は正面から、カカトは起こしたフレームパーツに後ろからセットします。足首アーマーが大きく感じますが、これはVer.G30thに比べてツマ先が短くなっているため。お台場のイベントから1年で、さらに足首小型化の流れが進んだのか、それとも沈み込む様なツマ先可動には、寸詰まりのシルエットの方が都合が良かったのか。あるいは増加装甲を取り付けた時のボリュームを計算しての事なのか、という風にも予想出来ますね。



HGガンダムVer.G30th(左)との比較。ツマ先の違いに注目です。

 肩アーマーは、箱状にワンパーツ成形された内壁パーツに、前後と上から外装を取り付ける構成。側面ダクトは別パーツ化され、内側から取り付け。ハメ込み部分は一部表面に露出して、アーマー上面中央の色分けを兼ねています。上面内寄りの色分け部分は、上から取り付け。肩関節軸を通す穴は縦長になっていて、位置を上下に調整する事で怒り肩の表現も可能です。ガタつきを利用して、少しハネ上げる事も出来ますね。

 にも、やはり可動フレームを内蔵。肩関節の軸受からゲンコツまで完成した状態で成形されているんですが、肩軸受から余剰パーツを取り外したら、うっかり捨ててはいけません。これも後で必要となる大事なパーツです。肩ブロックは箱状に成形され、側面中央の色違い部分を縦に差し込んで取り付け。ピンに頼らず、段差やミゾ、ちょっとした引っ掛かりを使って、パーツの厚み部分でハメ込みを保持してしまうやり方は、ガンプラに欠かせない物になって来ましたね。MG並の内容をこのサイズに盛り込めたのは、このノウハウによる省スペース化技術が、大きく貢献していると思います。



肩軸受から引き抜いた余剰パーツは、グリップ(反対側はジョイント)なので、捨てない様に注意しましょう。ヒジから出ている小さなパーツは、ランナーから切り出した後で、先端を上腕・前腕のレールに引っ掛けてやります。
組み立ての簡素化と、サイズの制約を超えたギミックを可能としたアドヴァンスドMSジョイントですが、全身に芯が通っている構造のため、ユニット単位での分解が思い通りに出来ないのは、デメリットの一つかも知れません。ちょっとラストシューティングポ−ズを再現したくなっても、肩ブロックと上腕が外れてくれない、みたいな。



 上腕は、前後から外装を被せ、色分け部分の小さなパーツをハメ込む構成。後面の外装はヒジの曲げに連動してスライドします。細い腕フレームに、よく装甲を引っ張る機構を仕込めたものだと感心しますね。フレームの片側にだけ設けたレールに小さなツメを噛み合わせ、その先端の小さな引っ掛かりがレール移動する仕組みで、これ以上の小型化は難しいかな?と思わせる、細かい仕掛けです。スライドして出来るスキマからは、前面外装を固定している内部パーツがチラリと見えて、一次装甲が隠れている様な表現になっています。

 ヒジは二重関節。前からメカパーツ、後ろからヒジアーマーを取り付けます。実物大ガンダムでは、関節前面に銅の様な金属色が配されて印象的でしたが、キットではこんな所までシールが用意されています。リアリスティックデカールと特別に命名されたシートには、全身の注意書きに混じって鮮やかな金属色のシールも収録。このキットのセールスポイントの一つになっています。ヒジ横の丸モールドは、内側まで別パーツ化。根元を関節に埋没させる事で大型化し、扱いやすくしてあります。



 前腕は、箱状の外装本体に側面を貼り付け。本体を露出させて側面中央を色分けすると同時に、スキマを作ってここをハードポイントとしてあります。実物にスキマは有りませんが、縦にスリットを設けたVer.G30thよりは目立たなくなったんじゃないでしょうか。外装のスライドは有りませんが、内部ではヒジの曲げに連動してバーがスライド可動。手首基部は色違いの部分を別パーツ化してあり、前後にスイング可動します。

 手首は、腕フレームと一緒に無可動のゲンコツを成形、甲パーツを取り付けて完成します。親指のポーズは実物大ガンダムに準じ、モールドも含めてVer.G30thよりも格段に再現度が高くなりました。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 多重インサート成形された可動指タイプの手首も付属し、交換が可能。金型の肉厚を確保するため、指があらぬ方向に向いているのをヒネって整え、甲パーツを取り付けます。中指から小指は一体ですが、根元が1箇所のボールジョイントで可動するので、傾きを持たせて握り方に表情が付けられます。また、親指・人差し指・残り3本の指とも、第一・第二関節まで可動、手首関節のスイングも可能です。

 ランドセルは、左右貼り合わせの内部メカに、ヒンジで起き上がるカバーを被せる構成。ヒンジパーツは白で成形され、背面の色分けも兼ねています。また、カバーパーツとのスキマはシールドを背負う時のハードポイントとして利用。スキマは実物には無い様ですが、カバーがスライドしたのだと解釈しても良いかも知れません。



 バーニアはボールジョイントで可動。その上を覆う小さなフィンも可動します。内部メカの成形方向を活かして、カバーが開いたスキマに見えるレールも再現、上面のフックも省略せず一体で再現してあります。下部の小さなバーニアが完全に露出した形で再現してあるのは、前後の厚みが増したからでしょうか?今回の厚みの方が、より実物に近い様ですね。サーベル着脱用のピンは、可動フレームとして成形された極小のボールジョイントで可動します。



 コアファイターは、MGガンダムVer.2.0と同様、前後方向に筒状成形したパーツを多用して完全変形を再現しています。ハメ込みピンのスペースを必要としないというのは凄いメリットですね。ミサイル発射ユニットの可動は無く、引き込み式だったキャノピーは単純な開閉式になり、主翼の展開は引き出しや折れ曲がりの無いヒンジ1箇所の可動になる等、MG2.0よりかなり簡素になっています。と言うよりむしろ、必要なギミックは今回も十分揃っている訳で、改めてMG2.0の超絶ぶりを思い知らされますね。長年の夢だった1/144完全変形コアファイターですが、これに見慣れると、あんなに小さく感じてたMG2.0の物が大きく見える気がします。



コアファイターと、可動用コアブロックの背面。

 ランディングギアは着脱可能、尾翼の折り畳みは、機首の回転に連動して前進するギミックが廃止されたので、手動でスライドさせてやります。シートの回転は無く、パイロットも乗っていません。MG2.0では、機首を伸ばした状態で合体させればコクピットが程良い位置に来てくれましたが、今回は機首を縮めないと回転に干渉してしまい、変形出来ません。それだけシビアなスペースの中で頑張ってるという事なのでしょう。

 武装です。ビームライフルは、グリップまで一体の内部メカパーツを白で成形。ユニットごとに箱状・筒状成形された上部カバー、銃身等を取り付けていく構成です。近年のMGと同様ですね。可動式のスコープは前面を黄色で色分け、フォアグリップは、前方のピンをスコープ基部に通してあり可動します。MGガンダムVer.2.0に準じてフォアグリップが大きめに造形されていますが、可動指との相性は悪くない様です。グリップにはC字形ヒンジで引き出せるジョイントが有り、左右どちらの手にも対応します。



 ビームサーベルは、取付穴の付いた物と、突起の付いた物が2本ずつ付属。取付穴の付いた物は背中だけでなく、シールド裏にも装備可能。穴が気になるという人は、Ver.G30thの物を背負わせても良いでしょう。突起の付いた物は、可動タイプの手首に持たせる事が出来ます。持つ時専用ならば、いっそ突起を傾けて、突き出した様に構えられる設計にしても良かったかも。クリアーのビーム刃は2本付属。1/100用かと思うくらいに、長めに造形されています。



 ハイパーバズーカは、砲身やグリップ基部、ダクトを筒状に成形してあり、連結していく組み立て。肩当ては下から取り付けます。箱状に成形されたマガジンの側面スリットは開孔してあり、後ろから差し込んだ砲弾が見える様になっています。グリップはスイング可動式。C字ヒンジならぬL字の浅いミゾで、差し込んだあとでズラす様にセット、基部側の極薄のピンと噛み合わせてあります。C字ヒンジの様にパーツに切れ込みが入らないので、強度を落とさず良い構造かも知れません。グリップの引き出しジョイントは、やはり左右両手に対応しています。



 シールドは、本体と表面パーツの間に色味の違う赤パーツをハサミ込み、ジョイント穴付近を色分けしてあります。十字エンブレムは正面から取り付け。本体に埋没していないので、取り付けずに組みたい人には嬉しいかも。折り畳み式のグリップは、グリップ基部ごとレールで上下スライド。腕へのジョイントは回転可能です。ランドセルにマウントしたり、裏面にサーベルやライフルを収納する事も可能で、プレイバリューは高いですね。

 ところで、腕へのジョイントと、折り畳み可能なグリップは、腕フレームの肩関節から引き抜いた余剰パーツをそのまま使います。なかなかエコで面白いと思うんですが、時間のかかる手の込んだキットでもありますし、シールドを作るギリギリまで、全パーツがランナーに付いているのが理想だと思うんですよね。ランナーにはパーツ管理・紛失防止の役割もある訳ですから。実物と同じく足から順に組み上げるプロセスは大歓迎ですが、腕フレームから引き抜いたらすぐに、ランナー内のシールド裏パーツ(G18)にハメ込んでしまうのも一つの方法でしょう。何しろ可動フレームは、部品注文する際はランナー単位の注文で700円ですからね。うっかりグリップを紛失すると、思わぬ出費になりますよ。



ボディは、腹巻の中央で上下に分離。腹巻上段も取り外し可能で、Gメカとの相性も良さそうに思えます。

 オマケに、同スケールのアムロのフィギュアが付属します。1/20キャラコレを思わせる、ヘルメットを取ったパイロットスーツ姿。これを見てるとキャラコレと同じポーズで、同じ10人を並べたくなりますね。雑誌付録とかで実現してくれませんかねえ。ラインナップはもっと多くても嬉しいです。

 組立時間は3時間50分でした。パーツも芸も細かくて、MGを組むより作業量が多い感じがしましたが、ガンプラの一つの到達点として、ぜひ組んでみて欲しいキットですね。ランナーには切り替えが多数用意してあり、どこまでバリエーションが予定されているのか、ちょっと想像がつきません。スタンダードサイズで現時点の最高峰キットを出す訳ですから、バリエーションのベースキットとして、フル活用しないのは勿体無いですよね。



 考えてみれば、これほど拡張性の高いガンダムのキットは珍しいかも知れません。外装がモザイクの様に細かく分割してあるので、何箇所かカケラの様なパーツを外せば、どこでも増加アーマーの保持に使えてしまえそうなんですよね。スネであれば前面下端と後面の色違い部分とか。肩アーマーは部分的に外すだけでなくフレームだけ使っても良いでしょうし、前腕は手首基部を使うだけでも、同じ素体が中に隠れている印象になりそう。Gメカと合体する時には、前後フンドシの下側パーツを外すのもアリでしょう。



 RGブランドの後続キットとしてはシャア専用ザクが予定されている様ですが、組んで眺めていると、どこかトイに近い雰囲気も持ち合わせている気がしますから、トイで売れそうな(実際に売れてる)キャラクターまで、手を広げてみてはどうかと思います。MGサイズが標準になって、1つ1つのアイテムが大きいR3シリーズよりも、小さいサイズにギミックとディテールを詰め込んだシリーズの方が、手を出しやすく、集めやすい面も有るんじゃないかなと。バイファム、エルガイム、ドラグナー・・・まずはお台場に実物大のザブングルを展示する所からですね(おいおい!)いや本当に、このクオリティと価格で1/35スコープドッグが出たら、小隊買いも出来そうでしょ?


 おまけ




 RGガンダムの発売に合わせて、電撃ホビーマガジン2010年9月号の付録に、ゼーレ・・・じゃなかった、MSハンガーのキットが付いてきます。この機会に、併せて紹介しておきましょう。



 キットは単色ランナー1枚構成のシンプルな物で、5分程度で組み上がります。ハンガー本体とステップを組み合わせ、ヒンジとシリンダーでベースに接続。シリンダーはロッドをハサミ込んでの貼り合せ式で、伸縮位置をロックする機構は特に有りません。シリンダーロッドにはラッチに使えそうなギザギザが有りますが、角度を把握するための目盛りの意味で付けてあるのかな?



 MSをステップに乗せて、傾斜させる事が出来ます。最大に倒した時にシリンダーがほぼ垂直になる配置で、きれいにまとまっています。裏面は空洞ながら、それらしいモールドを入れてあります。ほとんど見えないステップの裏にも、モールドやベースとの位置決めが有り、ちょっとした事ですけど嬉しくなりますね。



 ガンダムやガンキャノンだけでなく、いろんなMSを飾ってみても面白いでしょう。そういえばザクを鹵獲したエピソードも有りましたね。実際にこんな光景が有った可能性も・・・。



 HGUC EX−Sガンダムを載せてみた例。ファーストガンダムの数年後には、大型のMSや背負い物の大きなMSが続々登場し、ハンガーの規格に合わない例も少なくなかったのではないかと。



 サンダーバード2号の発進シークエンスも再現可能!(笑)

「ウーフェイ、俺は(略)

 ホワイトベースのMSデッキをイメージして楽しみたい人は、3個買いがオススメです。ガンキャノンが2体欲しくなること請け合い。贅沢を言えば、これに壁面や天井、カタパルトが付いていたらどんなに楽しいでしょうね。いつの日か、コアファイターの分離・合体用のアームまで付いたディオラマセットが発売されたらいいなあ・・・なんて思うのであります。

関連記事

その306 HGガンダムVer.G30thの巻
その338 1/48ガンダムの巻
その1 MGガンダム1.5
その19 HGUCガンダムの巻
その66 MGカトキ版ガンダムの巻
その97 MGパーフェクトガンダムの巻
その137 MGガンダムVer.OYW0079の巻
その262 MGガンダムVer.2.0の巻
その263 1/144ガンダムの巻
その357 MGフルアーマーガンダムの巻
その341 MGユニコーン用MSケージの巻

 2010.8.5 健 竹史

  

リアルグレード ガンダム
ガンダムデカール RG ガンダム用
GANDAM on EARTH

  

ホビージャパン 2010年 09月号
電撃ホビーマガジン 2010年 09月号
モデルグラフィックス 2010年 09月号

  

ガンダムエース 2010年 09月号
機動戦士ガンダム艦船&航空機大全集
機動戦士ガンダム THE ORIGIN (21)

  

飛び出す! 3Dゴーグル付 僕たちの好きなガンダム一年戦争
ガンダムの常識 宇宙世紀MS大百科 連邦軍篇
SDX キャプテンガンダム

  

機動戦士ガンダムI
機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編

  

EXモデル 1/144 ガンダムトレーラー
EXモデル 1/144 ガンペリー
モデリングサポートグッズ メカニカル チェーンベース 004

  

大人のガンプラ大全
ティターンズの旗のもとに(上)
ティターンズの旗のもとに(下)

  

テレビくん 改版 水木しげる妖怪傑作選 1
墓場鬼太郎 (1) 貸本まんが復刻版
1/350ソフビ 太陽の塔

  

Fate/stay night Blu-ray BOX
Fate/complete material II Character material
涼宮ハルヒの憂鬱 ブルーレイ コンプリート BOX

  

仮面ライダーW サウンドガイアメモリ レジェンドライダースペシャル BOX
S.I.C. 極魂 モモタロスイマジン
ムービー・マスターピース アイアンマン・マーク6

[HOME]

inserted by FC2 system