健さんの
プラモコラム

その19 HGUCガンダムの巻

( 1/144 HGUCガンダム/ バンダイ/ RX-78-2 ガンダム
「機動戦士ガンダム」に登場)


 「たしかにシステムインジェクションは新機軸です。
  このアイデアは僕の母も昔考えていたものです。」
 「ギクッ
 「もしかしたらあなたは僕のおッ母さんではないですか。
  ねッ、実はそうなんでしょう!」(意味不明)


 余談ですが、ボクはダブルエックスの事をメメガンダムと呼んでいます。



 プラモデルに初めから色が付いていたら良いのにね、と母が言った言葉が現実になったのが一昔前の事。塗る楽しみが無くなるよ、なんて笑ったボクも、新技術見たさに飛びついて買いました。正確にはドラグナーの方が少し先だったかな。しかしハイテクが災いしてHGガンダムは型寿命を迎え、引退。同じ仕様のキットは今後も大丈夫なんでしょうか?
 
 さて待望のHGUCガンダムですが、1/144でようやく納得のいく物が出て、夢のようですね。(TVCMまで流れてます。)ジムと共通点が多いので、そちらの回その17も参照して下さい。


 頭部です。MG版等に比べて若干小さい印象。形は良いと思います。首の上下可動が、もっと大胆に出来たら嬉しんですけどねえ。ポーズ自在の遊べるキットだけに惜しいです。もっとも、設計スタッフもその点を意識したのか、首を多少引き上げる事が可能です。これで少しは上を向けます。首ボールジョイントの受け側が、ジムの時よりカーブを少なくしてあるんでしょうか?偶然ではなく、スタッフの工夫だと信じたいですね。(つまり今後もそうして欲しいって事。)
 
 ボディは、色分けの都合でエリの分割が違う以外は、ジムと同じ仕様。ウエストの可動も健在。ただし、フンドシが干渉して全周回転は出来ません。それと、左右スイング可動は十分スゴイのですが、これがラストシューティングポーズを意識した物ならば、実は左右よりも前後スイングの方がポーズが決まるのです。(電撃FGコンペで作った経験から)背を反らせるのがコツで、しかも背中側から見るのが一番カッコイイかな。ご参考まで。


 ついでに、ウエストを前後左右にスイング出来る機構を提案したいと思います。まずHGUCドムトローペンの様に、腰側にポリキャップを入れます。そして腹側にボールジョイントを仕込むのです。(ウェーブ製で言えば、腰にPキャップ、腹にBジョイントね。)スイングさせる時にはこのHGUCガンダムの様に関節を引き出せば、グリグリ動くと思います。
 
 です。後部バズーカラックは完成後も着脱可能。(フタのパーツは外しにくいですが)フロントスカートは恒例の左右一体パーツ。切り離してもOKのヤツですね。黄色いブロックを組み付けた後も分解しやすいように、スカート裏に穴が開けてあります。(胸のダクトパーツも同様です。)裏の穴から、棒で突き出して分解出来ます。
 
 は、スネ形状以外は、ジムと同じ外観です。ヒザアーマーが別パーツなのが親切ですね。ヒザ下のダクトの塗り分けも簡単。旧キットでは「穴なのかなー?」とか疑いながら、マジックで黒く塗った部分です。
 
 足首の可動は2重関節で、前後の接地性が向上しました。MGステイメンに負けないくらい、ツマ先をピンと伸ばせます。ヒネリも多少向上。(足首メカ部の内側をを削れば、もっとイケそう。)残念ながら、左右(つまり開脚時の)接地性はジムと同等。追加された関節もボールジョイントだったら、もっと良くなったのに。
 
 「ここもボールジョイントだったらなあ」と思う事は、キットを組んでいると、よく有りますよね。1枚のポリランナーに入っている種類・個数の制約から、仕方なく軸可動になっている訳です。欲を言えば、こんな時のために、(ボール受け)ポリキャップ2個だけのランナーとか、用意されていたら便利でしょうね。このガンダムでも、腹と足首で、あと3個ボールジョイントが仕込めたら、かっこいいラストシューティングと、Gファイター搭乗が実現できたハズ。
 
 BB戦士のポリランナー程度の物を、必要に応じて追加する訳です。ほら、もっと可動するガンダムが設計したくなってきましたよね。


 です。ここは脚以上にジムと共通。でも、ボディ内部に、肩が前に動く機構が追加されたおかげで、ジムとは比較にならない程、表情豊かです。単にライフル両手持ちだけでなく、「ライダー変身ポーズ」までも!(ジムの平手を借用。)MSVの頃にも、肩の前後可動は有りましたが、可動範囲を前側だけに集中させると、ポーズ付けがここまで大胆に出来るとは。今後のスタンダードにして欲しい所。
 
 手首は、左右ゲンコツ、武器持ち用右手のみ。派手に活躍した機体だけに、せめて武器は両手に持たせたかったなあ。サーベルも、HGUCギャンの様な手首が無いと、「突き」のポーズが再現できません。オプションパーツが増えると、価格的にツライのも分かりますが。
 
 で、豊富な手首パーツを、新ブランド「EXモデル」シリーズで出してみたらどうかな?と思うんですよ。高額なかわりにマイナーメカを扱うという期待のシリーズです。Gトレーラーやドダイ2など、大型のキットばかり出していては、高すぎてファンに定着しにくいと思うんですよ。ドップやキュイ、脱出用ランチ等、通常300円程度の物を600円程度で積極的に出すと、普及するんじゃないですかね。その点、手首セット等は、手頃だと思いますよ。
 
 レジン製手首パーツでニーズは実証済み。「あの半額なら買いたい」「近所で売ってない」「レジンは苦手」という人も多いのでは?
 
 (余談が続きますが、Gトレーラーのオマケにエレカーを付けるくらいのアピールは必要かも)
 
 でも、別売はあくまで案の一つとして、今後も「メモリアル手首」(勝手に命名)の付属が、購買意欲をかきたてる有力手段になると思われます。力を入れて欲しいですね。
 
 ランドセルはジムに準じた形状ですが、サーベルラックの差し込み口が、サーベルの角度と一致していないため、接続が浅くて、サーベルがよく抜けます。(カトキさんは、ちゃんと描いてるぞ!)バズーカをブツけて、無くさないよう注意、です。

 武器です。シールドはジムと同一。拝借して両手に持たせると、HGUC−Gアーマーが欲しくなりますね。ま、取付位置は違うようですが。うーむ、実機は、このレールで上下スライドするのか。
 
 ライフルはスコープとフォアグリップが可動。実は1/144でガンダムが出る度に、最も変更されてきたパーツかも。バズーカは、武器セットの物より、多少短くなりました。(旧HGはもっと長い。)マガジンは、逆に大きくなってます。グリップの角度が前に向かっているのが特徴。これは、肩に担ぎやすくするためですね。デザイン変更では無く、「グリップは可動式だった」という解釈のようです。今回が初めてでは無く、PG拡張キットのバズーカも、同じ構造のようです。持って無い上に、各模型誌での紹介が詳しくないので断言しづらい・・・。
 
 ビームサーベルは、クリアパーツの刃が着脱式。ジムより豪華になってます。



 コアファイターは、コアブースター付属の物と、ほぼ同じ幅です。ノズル位置が違いますが、接着すれば組み合わせ可能。でも全長は短く、機首もグンと小さくなりましたね。コアブースター版は、今見ると長方形すぎる感じですが、大きくて優しい感じの機首は、捨てがたい魅力が有りますね。旧HG版、Gアーマー版と並べると、パイロットの身長は「北斗の拳」並にバラツキが有るようです。
 
 アニメの印象を重視したデザインと評価されてますが、胸ダクト等、モロに違う部分以外は、近年のガンダムのデザインが活かされています。肩やランドセルをFGとミックスするのも楽しいでしょうね。逆に言えば、方向性を変えてあるのは、FGの立場を奪わないためでもあるのでしょう。
 
 (FGは良いッスよ。20年間の技術進歩とデザインの変遷を感じつつ、同時に懐かしい当時に想いを馳せる、最高のアイテム。400円と言いたい所(ランナー枚数)を、あえて300円で発売し、ノスタルジーに浸ってもらおうというファンサービス!(せっかくあの頃の追体験をするのなら、消費税を取らない店で買おう。例えば、東広島ならホビーショップK2Mね)
 
 組立時間は1時間20分程度。このキットは、100点に近いと思います。満足してるのに、いじりたくなる。これって「改修」じゃなくて「改造」でしょ?サーベルラックの欠点さえも、削りたくてワクワクするもの。ムチャクチャ主観的な評価ですけど、当時のガンプラ少年って、こんな調子だったと思うなあ。



おまけ

 ゴールデンウィークに、買いだめキットを組んでいたんですが、エヴァ弐号機(初販時の物)のランナーに、怪しいネジレを発見!エヴァ零号機のランナーと見比べたら、やっぱりそうでした。バリエーションキット(金型流用)の、切り替え部分だったのですね。そのランナーから想像した、金型の構造は下図の通り。最近ではGP01とフルバーニアン等がそうですね。でも、詳しい人は、とっくに知ってた事なんだろうなあ。

2001.6.1 健 竹史




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