健さんのプラモコラム　その３１５・ペラモデルの巻

健さんの
ペラモコラム

その３１５
　ペラモデルの巻

　ペラモデル／バンダイ
２００９年９月発売　税込初出価格５００円

　精密さを追求するのは模型の楽しみであり、作品の大きな見所になる訳ですが、その一方で、上手く単純化された物の面白さという物も有りますよね。先日から発売を待っていたペラモデルは、立体物でありながら二次元的なペラペラ感を売りにした、ユニークなフィギュア素体。しかも、これを芯にして改造するのではなく（しても良いと思いますが）、写真を貼って自分だけのフィギュアに仕立てるアイデアも秀逸。自分を３Ｄスキャンして特注フィギュアを作ってくれるサービスなんかも有ると聞きますが、あれを二次元でやってしまえば家庭でも楽しめるんじゃないかという、その辺が発想の元になってるんじゃないかと思いますが、同時に、動く写真と言っても良いでしょう。

　普段模型に関心が無い人でも興味を持ちやすい、ある意味最も優れたモチーフ「自分」（や知人）に着目したのも秀逸だと思います。てな訳で、さっそく中身を見ていくとしましょう。

　とりあえず２体持っていれば絡ませる事が出来るだろうと思って、Ｂａｓｉｃ－Ｍ（男女共用）と、Ｋｉｄｓ（お子様用）を買ってみました。パッケージは、売り場で吊るす事も出来るブリスタータイプで、ランナーに付いた状態のフィギュアが外から確認出来ます。

　一部ガンプラの可動フレームや、ケロロ軍曹のプラモでお馴染みのシステムインジェクションで、ランナーから切り出すだけで、全身可動のフィギュア素体が完成。ゲートは、もぎ取っても跡が目立たない、タッチゲート方式となっています。それにしても地球人フレームの発売が、カエル宇宙人めよりも後になろうとは・・・。

　説明書には、初めて動かす時はゆっくり動かして関節を馴染ませてやるように、という注意書きが有るんですが、急に動かして破損するトラブルを「骨折や脱臼」と表現してるのが良いですね。

　このペラモデル、パッケージを開封して枕元に置いて寝ると、夜中に近くの人をスキャンして、ランナーの中から動き出す訳ですが・・・
すみません、ウソです。

　プリンターで印刷出来るシールと、試し刷り用のシートが付属。ペラモデル公式サイトでは、自分の写真を元にシールの編集が出来るソフトや、いろんな服装の素材が提供されています。

　Ｂａｓｉｃ－Ｍは、分割が多くてギミックが豊富。Ｋｉｄｓは四角と丸のプレートが付属し、手に持たせられます。この小道具も、シールを貼って何にでも変わる様にと、単純な形にしてあるんですね。クツが厚いのもＫｉｄｓの特徴です。

　どちらにも共通のスタンドが付属。ボール可動する支柱の先端は、腰後部の補強に接続。支柱の途中は軸可動で折れ曲がるので、高さの調節も可能です。ベースの突起は足裏に対応。これを使って片足で立たせる事も出来ますよ。

　Ｂａｓｉｃ－Ｍがヒザをつくと、Ｋｉｄｓとほぼ同じ目の高さに。大人と子供のフィギュアを出す所まではスンナリ決まっても、どの程度の身長差にするかといった事は、繰り返し検討されたんじゃないですかね。

　スタンドと小道具（丸）を使用した例。

　必殺のキックをバリアーで防ぐ（おい！）。他にも、スタンドのベースを外して支柱だけを取り付ければ、尻尾としても使えそうですね。

　Ｂａｓｉｃ－Ｍのヒジは二重関節になっていて、１８０度の曲げが可能。ウエストのヒネリ可動も出来て、ポージングの自由度が高くなっています。

　ヒザは一軸関節ながら、立てヒザや座りポーズに対応出来る程度の可動範囲は確保されています。股関節はあまり大きく開きませんが、肩車できるくらいには開きますよ。思い出すなあ・・・ウチは肩車してもらうより、プロレス技をかけられる方が多かったけど。

　腕を外して付け替えると、やや動物的なプロポーションも再現可能？ボールジョイントが小さいので、強度的にあまりオススメは出来ませんが。

　という感じで、主に可動について紹介してきましたが、自分で楽しむだけでなく、フラットなパッケージは郵送にも対応しています。家族や友人に、写真感覚でお互いのフィギュアをプレゼント出来たらという狙いなのでしょうが、なかなか気が利いたアイデアですね。ランナーに付いたままシールでデコレートし、改めて密封すれば、市販品に近い状態で自作のフィギュアをプレゼントする事が出来る訳です。説明書の一部が宛名カードになっていて、ブリスターの内側にそのまま収まるので、発送準備も手軽だと思いますよ。こういった商品を通じて、プラモが家庭の日常に広まっていけばいいなぁ、なんて思うのであります。

ペラモデル公式サイト（音が出ますので注意）

　おまけ

　ペラペラつながりという事で（笑）、トランスフォーマームービーＤＶＤ「オプティマスプライムＢＯＸ」に付属していたフィギュアを紹介しましょう。

　透明なパッケージの中に、２枚組ＤＶＤとＤＶＤケースに変形するオプティマスプライムが入ったセット商品です。この状態でのオプティマスのサイズは、ＤＶＤのパッケージとほぼ同じって事ですね。

　取り出したオプティマス。発売前は、この状態でＤＶＤパッケージを収納出来るのかと思ってましたが、背面のフタを開けて、ＤＶＤだけを収納出来るというケースでした。四角くて、なんだかカセットボットみたいですね。このまま大気圏に突入してもいいかも？左はサイズ比較のために並んでもらった、リベンジ版トイのオプティマスです。

　頭を起こし、ボディ横のスキマから腕を横に引き出します。足は１８０度回転する様に引き出し、一旦引き出した足首をＴ字になる様に押し込んで、自立させればトランスフォーム完了。背中のＤＶＤケースには、本編ディスクと特典ディスクの計２枚を収納する事が出来ます。・・・・うーん、実用ミクロチェンジ。

　発売当時は、平面的だし、凝った変形でもなさそうだし・・・と、欲しいと思わず、特典フィギュア無しの通常版を買ったんですが、あとになって「トイのオプティマスより大きいじゃないか！」と気付き、なんだか無性に欲しくなってしまったという経緯が。最近になって中古で見つけ、手に入れたんですけども。

　面白いのは、頭部パーツが表裏同形で、後頭部にも顔が付いてる事。生産工程での組み付け間違いを防ぐ狙いでしょうか？組み立てた後で塗装したのかも知れませんね。塗装は正面の方が、より顔らしく、細かく塗り分けてあります。

　てな訳で、我が家のＴＦコレクションの中でも、大型メンバーの一人加わってもらっています。敵をビビらせるために大型戦士の立体映像を投影するとか、そんな作戦も実行しちゃう彼らですから、ペラいならペラいなりに妄想を交えて遊んでも良いかも。

　リベンジのＤＶＤでは、バンブルビーに変形するケースとのセット商品が予定されていますが、さて３作目が有るとするなら、一体誰がチョイスされるのか。バンブルビーは３作目に取っておいて、リベンジはジェットファイアーでも良かった様な気も・・・。合体できれば、なお良かったですね。

その１９０おまけ記事　ケロロロボ
その３０５　リベンジ版オプティマスプライムの巻

　2009.10.10　健　竹史