健さんの
プラモコラム

その338
 1/48 ガンダムの巻


 メガサイズモデル 1/48
 RX−78−2 ガンダム/バンダイ/
 「機動戦士ガンダム」に登場
2010年3月発売 税別初出価格7800円

 またまたガンプラに新しいスケールが加わりましたね。第一報を聞いた時には、1/48ってどんな高額キットになるんだろう?と思ってたんですが、PGより安くて意外でした。フレーム、電飾、超絶ギミックも良いですけど、それを廃する事で広がる可能性も有りそうです。大型キットの抱えてる問題って、高額化よりも荷重対策の方が切実ですもんね。ダブルオーライザーの様にギミックで解決するキットと連続して、シンプル構造に立ち返るキットが出たのは面白いと思います。もちろんポリキャップにラッチを仕込む等の、新しい工夫が必要だった訳ですが。

 基本的にはHGガンダムVer.G30thをサイズアップした造形になっています。ちょっと特殊な1/35ジャンボグレード1/30バブルキャスト1/12を除けば、ガンプラの最大スケールの記録を更新した新キット、さっそく目を通していきましょう。



 頭部は、前後貼り合わせのヘルメットに、首のポリキャップやマスクパーツを閉じ込めてあるスタンダードな構成ですが、その色分けは徹底しています。バルカンは内側から砲口を仕込んで色分け。左右一体化して扱いやすくすると同時に、頭頂部カメラの取付面にもなっています。マスク、クマドリの奥に黒いパーツを仕込む事で、口のスリットや目の周囲、側頭部のダクト内側まで色分け。は底面パーツとクリアーイエローの表面パーツの二枚重ねで、質感を出すと同時に空洞に見えない様に配慮してあります。無色クリアーでないのは、無塗装でもイメージ通りに仕上がる様にという、初心者への配慮でしょう。

 アンテナとオデコセンサーは、正面から取り付け。アンテナはあまり尖っていませんが、実物も尖ってないので、手を加えたい人も、もう少しキッチリ角ばらせる程度で良いと思います。元々ボクは、こういう所を尖らせるのはカッコイイけれど、必ずしもそれがリアルだとは思っていません。強度を維持するためにも先端まである程度の太さは持たせたいですし、先端が刃物になった2メートルの金属パーツなんて、運搬中の危険度が増す様に思えますから。お台場では実際にこれをクレーンで吊るし、人が周囲で作業をした訳でして。これ以上尖ってたら、ちょっと怖いでしょ?



 アンテナ裏は、実物と同じディテールが再現されています。肉抜きの意味も有るのでしょうけれど、HGには無い巨大感を感じさせてくれる部分です。もっとも、実物はもっと端の方までディテールが続いてる気がするんですけど、これはもしかして、後で安全突起を足そうと判断される可能性を考えての事だったりとか?

 はボールジョイント。首の根元は胸前後でハサミ込む固定式なので、二重関節にはなっていません。向きを間違えない様に前後でハメ込みの形を変えてあるのが親切で良いですね。頭部側の軸受けが球状ではなく、長めの筒状パーツのため、上に引き出す事が可能です。密着させていると可動範囲は広くありませんが、引き出すと上下の可動範囲が拡大。お台場でガンダムに見おろされ、目が合った感動が鮮烈に蘇る、このキットで最重要な可動ギミックです。



 ボディです。は、首・肩関節・ダクトを前後からハサミ込み。ダクトパーツの奥にはメッシュのモールドが入ったグレーのパーツが仕込んであり、内部の補強を兼ねています。ダクトパーツは、抜け止めの突起が上に張り出していますが、これを切り取れば正面から後ハメが可能なんじゃないかと思います。試したい人は現物で確認してからにして欲しいと思いますが、青い胸本体だけで塗装したい時に楽ですよね。もちろん、エリも上から後ハメ可能になっています。

 ウエストは、腰接続用のポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。胸とは塗装後に後ハメ出来る様になっています。正面部分には胸の青いパーツが被さって、コアブロックの機首を簡単に再現。胸の張り出しは別パーツ化されていて、最後に取り付けます。開閉は出来ませんが、改造したい人には何かと便利な分割ですね。ここは実物でも別ユニット感が際立っていた部分で、スキマからコアブロックも見えてましたからね。



 は、サイドスカート用のポリキャップをハサミ込んで、フレームを前後から貼り合わせ。ポリキャップがスキマから見えても良い様に、メカっぽい造形になっているのが有りがたいですね。フンドシ下に露出したメカ部分も忠実に再現。その迫力に圧倒された「股くぐり」の感動を思い出します。飾り台取り付け穴が無いのが残念ではありますが。(アクションベースでは支えられませんけどね。)

 フンドシ正面は、赤いパーツを内側から、V字のエンブレムを正面から取り付けます。MGサイズでは、エンブレムは裏から取り付ける事が多いですが、今回は単独パーツ化しても紛失しにくいし、ハメ込みピンも配置出来る大きさだという事ですね。キットの巨大さを改めて実感します。



 フロントスカートはボールジョイントで可動。並のガンプラの手足以上の保持力を持たせてあります。黄色いブロックは表面から取り付け。リアスカートの物とはピンの形を変えてあり、組み間違いを起こさない様に配慮してあります。裏には部品ナンバーも刻印してありますし、今回は実に親切ですね。裏面には黄色いブロックを固定するボルトをモールドで表現。これは実物にも有った物でしょうか?

 サイドスカートは、ポリキャップ接続で二軸可動。胸板やシールドならともかく、こんなパーツまで表面がカーブしているのが一目で分かるんですよ。ビッグスケールってスゴイですね。上面には、HGでは省略されていた丸ピン(留め具?)がモールドされ、再現度が上がっています。



1つ1つのパーツが大きいので、ランナー1枚に収まるパーツ数はこの程度。ナンバータグが横長なのは、数字の横に、機体のどの部分の組立に使うパーツなのかを示すアイコンが刻印されているためです。

 リアスカートは、フンドシ後部と一体でワンパーツ成形。腰フレームに後ろから取り付けます。フンドシ後部とスカートの境い目は、裏に一定間隔で補強が入れてあります。実物では多分一体になってないとは思うんですが、思わず裏の補強に溶接跡なんかを足してみたい衝動に駆られます。(誰も見ないって:笑)

 です。股関節はHGをそのままスケールアップした構造で、三軸可動します。(ただし軸自体のスイングは無し。)ここはHG発売時に可動優先でアレンジされていて、実際はモモ上部にヒネリラインは存在しません。お台場ガンダムに絶対領域は存在せず、ナマ足なのです。もちろんスカート端のちょっと上に、装甲の終わりは有るんですけども。見上げてハァハァした思い出に浸りたい身としては、可動を喜びつつも、少々残念な部分ではあります。ちなみに今回は、大きな関節部には内側にギザギザの付いたポリキャップを採用してあり、ラッチを効かせて保持力を高めてあります。



 ヒザはハサミ込み式の一重(?)関節で、2枚のランナーを重ねて組み立てるランナーロックを採用。これは1/144Vガンダムシリーズでも採用された組立方法です。関節パーツが左右共通で、2枚同一ランナー化してあり、しかもパーツが大きいため関節だけで1ランナーが埋まっている、そんな大型キットにはうってつけですね。

 もっともボクは、一度に複数の組立を行うのが煩雑な気がして、あまり好きではありませんが。また、簡単組立の一環として導入されたのだと思いますが、説明書には必要なパーツだけでなく、ランナー全体が描かれるため、かえって図が複雑そうな印象を与えている気もします。せっかくのフルカラー説明書ではありますが、無関係なパーツは薄い色で、ハサミ込んだポリキャップは一段濃い色で目立たせる等すれば、より分かりやすくなるんじゃないかと思います。



これがランナーロックによる組立。内側にポリキャップや可動パーツを仕込んでおいて、ランナー2枚を貼り合わせます。ハサミ込みパーツの干渉を避けるため、ランナー自体が折れ曲がっています。
組み上がったパーツはランナー2枚につながっていてもぎ取りにくいので、付属の工具「ダブルセパレータ」を使います。

 完成したヒザ関節は、モモのヒネリ軸受まで一体化した、モモフレームとなります。モモ外装は前後から貼り合わせ。パネルラインでの分割となっています。細かい事を言えば、実物の左足ではモモ前面装甲のスライド可動が再現されていて、側面上の四角い部分を残してモモ前面が下に動いていました。実物を徹底再現したい人にとっては、この四角い部分はモモ前面ではなく、モモ後面パーツ側と一体化してあると嬉しかったかも。この分割はHGも同様です。

 スネは、左右とヒザアーマーの3パーツ構成。ヒザ関節と足首関節は、スネ完成後に上下から差し込みます。今回は後ハメが徹底していて塗装が楽そうです(そう思うならたまには塗装しろって?:汗)。足首を二重関節にしてないのは、転倒防止の意味が大きいのでしょうけども。フクラハギ下の装甲のスキマが可能な範囲で再現してあるのが、ちょっと嬉しいポイントですね。



 余談ですが、実物は排気やスラスターに見立てたミストを噴射するため、内壁を濡らしたと思われるが、スネの表面を流れている事がありました。展示がもっと長期間だったら、こんな事もウェザリングのヒントになったかな?なんて思いながら、興味深く眺めて来ました。

 足首アーマーは、2パーツ貼り合わせ。分割ラインを端に寄せず、中央に通してあるのを不満に思う方もおられるかもしれませんが、これは左右パーツを共通化するためにも妥当な判断。むしろ中央で分割しないと、前面の緩やかなカーブがキレイに再現出来なかったでしょう。この辺はスケールによって分割の考え方を変えるべき場所なのかも知れませんね。裏面のハメ込みピンは丸見えですが、ピンの配置に連続する形で補強を通してあり、見えても意外と気になりません。



 クルブシの丸モールドは、異様に細かくモールドが入れてあります。ここは観覧に行った人が、最も間近で見れたメカニック部分。製作スタッフも目の高さで見られる事を意識したに違いなく、見せ場に成り得る密度感を与えてあります。HGでは完全に省略してありましたが、ビッグスケールはこうでないと。気合いが入りすぎて、Iフィールドジェネレーターにも見えるんですが(笑)。完成後に全く見えなくなる裏面にもモールドが入れてあり、のぞき込んでも見えなかった内部への好奇心を、あの日に戻ったかの様に思い出させてくれます。

 足首です。ランナーロックで組んだ足首関節をさらに可動パーツでハサミ込み、それを左右貼り合わせので閉じ込めてから、クツと足裏を取り付ける構成。荷重を考えてボール可動は採用せず、全て軸可動。ヒネリはスネへの差し込み部分で行います。クツ内部の低い位置から関節が傾いているため、開脚時の接地性はイマイチ。干渉を避けるため、カカト上のアーマーが上に向かってすぼまっておらず、甲の内側にスキマが目立つ一因になっています。(HGに比べて外装を薄く成形してあるからでもありますが。)



 足首関節のディテールは、HGではアレンジされたのか、あるいは検討段階の物だったのか、実物とは別物だったんですが、今回は実物と同じ物に改まりました。大きな軸関節やそれに被さる内部カバー、スライドするらしいアキレス腱付近のプレート等、プラモで普段見慣れたシリンダー式とは違ったデザインを楽しめます。甲パーツのクルブシ下のスキマも、土踏まずが割れた時にスライドする内部パーツがモールドで再現されています。

 肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込んでの前後貼り合わせ。側面のダクトの奥には厚み表現とも取れる補強が入っていて、スキマの中が見えても気にならないと思います。HGでは段差で表現されていた識別灯は、スジ彫りに変更されました。



 です。肩ブロックは、ランナーロックによる前後貼り合わせ。内部にハサミ込むポリキャップは、プラパーツで囲ってから仕込んであります。グレー1色の成形ですが、実物の側面中央には白い部分が有ります。こだわりたい人は塗装してやると良いでしょう。

 上腕は、ランナーロックでヒジ関節をハサミ込んだフレームが詰まっています。外装は前後貼り合わせ。実物の外装下端はヒジの丸モールドを囲うように垂れ下がってるんですが、キットでは可動範囲を確保するために、少し短めにカットしてある様です。



 ヒジは、上腕フレームでハサミ込む一重関節。関節パーツへ横からポリキャップをハメ込み、前腕へは後ハメ式になっている等、00シリーズに近い構成ですね。ヒジアーマーは一体のためグレー成形ですが、実物では白となっています。

 実物の複雑な関節を簡素化してあるため、中心部に通してある横一文字のカバーが分割されています。実際はこの上下に通してある2本の軸のスキマを保護しているんでしょうね。ここに木の枝なんかが入ったら面倒な事になりそうですし。同様のカバーはヒザ後部にも有ります。



 前腕は左右貼り合わせ。HGでは側面に設けてあったハードポイントは後部に移動、ポリキャップが仕込んであります。主に腕を左右共通化する狙いだと思いますが、結果的に正面から見た時の印象が実物に近くなりましたね。実物の手首内側付近には、開閉式のライトが付いてるんですが、残念ながら今回も省略。現地で見た時には「これがシャイニングフィンガーという物か!」とワクワクしたんですが・・・え?作業時に手元を照らすためなんですか?

 手首は、左右ともゲンコツと武器持ち手が付属します。ゲンコツは2パーツ貼り合わせ。少ないパーツ点数の中でも、握った4本の指の角度が少しずつ違っている等、表情を豊かにしようと頑張っていると思います。指をムクで成形出来るスケールを超えているため、親指も中心で分割。甲アーマーが人差し指にかかり過ぎているので、整えてやると良いでしょう。甲のカーブが極端な気がしたんですが、写真で確かめると、実物でも相当カーブしてるんですね。



同スケールのR3レイズナー(左)、アクティックギア・スコープドッグ(下)との比較。お台場で見た感想としては思ったほど大きくは無く、レイズナーやダクラムはかなり小さく感じるのでは?と思いました。コアファイターは余程コンパクトに作らないといけないかも。
ふと思ったんですが、この中で機体として一番強いのはレイズナー、パイロットとして一番強いのはキリコなんでしょうね。

 武器持ち手も2パーツ貼り合わせ。やはり手の平の厚みがワンパーツでの成形限度を超えているため、グリップで隠れる部分だけを巧みに空洞化。も肉抜きしてありますが、間近で見ないと分からないと思います。ライフルやサーベルのグリップは2本の突起で保持され、安定感は良好です。左右どちらの手も人差し指をトリガーにかけたポーズですが、ライフルのグリップは左手に対応していません。でも改造してライフルを左手に持たせたい時には、ライフルの保持穴を加工すれば済むので、親切な措置だと思いますね。手首基部がスイング出来ないので、代わりに左手の手首関節には少し角度を付けて、両手持ちしやすくしてあります。



 バックパックは、本体をワンパーツ成形。垂直上昇用のスラスターを再現するため、下半分だけ裏面パーツを取り付けます。バーニアは固定式ですが、スキが無くて良い判断だったと思います。シールド接続用とサーベル保持用のポリキャップを内蔵していますが、サーベルホルダーのを塞いであり、抜いても中が見えないのが良いですね。着脱に支障の無い範囲でディテールを足してやっても面白いかも。



 実物ではバーニアがスイングするだけでなく、ランドセル自体が斜めに起き上がるという解釈で造形されていました。背中から浮き上がったスキマに、2本の曲線レールが見えるんですよね。あの解釈は面白いと思いました。サーベルホルダーは背中に固定され、ランドセルと一緒に起き上がったりはしない様です。

 武装です。ビームライフルは、スコープとフォアグリップを左右貼り合わせの本体でハサミ込み、銃口を取り付ける構成。スコープは内側の黄色い部分を別パーツ化、可動部にポリキャップを使用しています。フォアグリップは、2枚貼り合わせて厚みを再現、やはり可動部にポリキャップを使ってあります。HGを大きくした様なシンプルな構成でも、厚みや荷重に関わる部分は、さすがビッグスケールといった感じです。



 グリップには手首の突起に対応した角穴が有り、穴の両端に2本の突起が入って固定します。穴は結構深いもので、右手に対応する面にしか開けられなかった様です。左手にも持たせてみたかったですが、少々残念ですね。

 フォアグリップにも手首の突起に対応したスリットを設けてあり、安定した両手持ちの再現が可能。2本のスリットを利用して保持する案は、このフォアグリップの元のデザインを損なわず、逆に利用しようと考えた結果なんでしょうね。但し、フォアグリップの前後幅は、片手持ち専用だったHGよりも詰めてあります。MGガンダムVer.2.0でも採用された幅広の造形が好みだという人には、こだわりたい改修ポイントかも知れません。



 スコープは、黄色い内側パーツの向きが正しく決まる様に、幅方向を少しカットして直線部を設けてあります。普段ならハメ込みピンの形カットするとか、ピンを2本にするといった方法が考えられますが、外から見て確認出来る解決法にしてあるのは、初心者への配慮という事なんでしょうね。外装パーツ側には真円の形をかすかにモールドしてあり、修正を加えたい上級者にも親切な設計となっています。

 シールドは、白い本体パーツに赤い表面パーツと十字エンブレムを取り付ける構成。今回はさらに、左右2箇所のジョイント穴付近も別パーツ化してあります。こういう張り出しが別になっていると、筆塗りが楽なんですよね。基本的に裏面のモールドはHGに準じていますが、この穴に対応した、折り畳まれたジョイントのモールドは無くなっています。って言うより、裏にはジョイント穴自体が無いんですが。穴さえ開いていれば、この厚みの中にジョイントが縮んで収まっているとか、そんな解釈も出来るかも知れません。



同スケールのアクティックギア・スコープドッグとの比較。

 腕への取付は、コの字形のアダプターを介して行います。HGでヒジ横に密着していた丸モールドは健在ですが、今回は、かましたアダプターの厚み分だけスキが出来ています。腕の後ろに取り付ける事も出来ますが、アダプターとシールドの間にスキが出来ている所を見ると、これは背負わせる時に使うピンがたまたまフィットするだけで、狙って仕込んだギミックではないのかも知れません。

 シールドを背中に背負わせる時には、コの字形のアダプターをシールド裏のスライドユニット(キットでは固定式)に被せ、ランドセルとのジョイントとして利用します。と同時に、余りパーツにならない様にという配慮でも有るんでしょうね。アダプターをフィットさせるため、スライドユニットの表面に張り出しを、シールド裏面にクボミを追加してあります。このままではスライドユニットが動きそうに見えませんが、一体成形の都合で少し形が崩してあるだけだと考えても良いでしょう。



 ビームサーベルは2パーツ貼り合わせ。手の平の突起に対応したスリットが有り、左右どちらの手にも持たせる事が出来ます。ビーム刃は、クリアー成形の物が2本付属しますが新規金型ではなく、これまで1/60サイズで使われてきた物。このため従来よりも2割以上小さく見えて、迫力に欠けるのが残念ですね。この機会により大きなビーム刃を用意してもらえたら、HGUCデンドロビウムにも持たせられて喜ぶ人も多かったんじゃないかと思うんですが。根元はピンの差し込み穴が奥まった位置に有り、噴出口の中にビームの途中まで埋没する形でセット。ビームパーツの安定感を増すと同時に、根元を太く見せる事で迫力を増す効果を出しています。

 ランドセルへの接続は、ビーム噴出口の外径をポリキャップに差し込みます。細いピンを利用した場合に比べて、転倒したり不用意に手が当たった時にも、抜けるだけで破損しにくいんじゃないかと思います。



 実物でも特に印象的なディテールの一つだった、グリップエンドの避雷針は省略。破損しやすさや安全性を考えても、妥当な判断だと思います。簡単で効果的なディテールアップポイントなので、ピンバイスを持っている方は金属線で再現しても良いでしょう。

 ところで、ボクの周りにも「ガンダム以上にザクが好き」という人が多くて、お台場にザクも飾って欲しかったという意見も結構ある様です(ボク含む)。その場合、避雷針の都合を考えると指揮官機になってしまうのかな?とか、量産型を飾るなら避雷針の処理も見所の一つになるのかな?なんて思ってます。



 「初期のザクは落雷を想定しておらず、コロニー落着で気候が不安定化した地上では雷の被害に逢った機体も少なく無かった」とか「特に指揮官機がアンテナに落雷を受けて犠牲になった」なんてエピソードが有っても面白いかも。・・・初登場時のグフ、非常に危険ですね。もし対策済みでなかったら「ラル隊長が連邦の新兵器にやられたー!!」「退却だー!!」なんて事になってた可能性も(笑)。

 組立時間は1時間30分でした。パーツ構成が近いので作業量はHGと同程度ですが、パーツが大きい分、難易度はより低くなっていると思います。説明書の組立順も足元から頭に向けて連続しているので、途中で休憩してもどこまで作ったか一目で分かります。実物の建造手順にも近いのでイメージも膨らみ、飽きにくいとも言えますね。



 説明書はフルカラーで、工程ごとの細かいアドバイスも添えてあり、パーツ裏にナンバーが刻印してある親切ぶり。”ワンランク上の仕上がりを目指すなら・・・付属の「ガンプラステップアップアニュアル」を見てみよう!”と書いてあるという事は、付属の冊子は初回限定ではないという事でしょうか?ニッパー、ナイフ、スミ入れペン、スプレーと、1つの工具の使い方に1ページずつ割り当ててあります。結果、手ほどきが丁寧になると同時に説明書が身軽になりました。箱を開けた時、この豪華なマニュアルの方が説明書で、ペラペラの説明書はチラシかと思ったくらいです(笑)。

 てな感じで、豪華な割に初心者にもオススメ出来る親切キットなんですが、これ、子供だけでなく不慣れな大人にも製作可能だと思います。オススメとせず「製作可能」と言ったのはですね、例えばイベントでこのガンダムを30体並べようなんて事になった時、オジサンからお姉さんまで、職場やサークル総がかりでも作れるレベルじゃないかと思うんですよ。パーツナンバーの横には手・足・ボディ等を示すアイコンも刻印され、どの部位か想像しやすい様になってるんですが、作業の分担にも役立ちそうな気がします。ほら、パーツセパレータも2個付いてますし(笑)。このキットでは、パーツのもぎ取り用途にも使えるのでダブルセパレータと呼んでいますが、クボんだ部分でしっかり握れて、尖った所の無い安全設計は好感が持てますね。



「カタパルト接続、ガンダム発進!」「行きまぁーす!」
てなシチュエーションを、HGと1/48で再現してみました。誘導員(HGガンダムVer.G30th)が持っているライトスティックは、1/144プロトタイプガンダムのビームサーベルです。カタパルトは、お台場ガンダムの展示スペース。(あれ、カタパルトだったのか:笑)
こんな写真を撮りたくなって、保存用のキットを開封しちゃう、そんな自分が嫌いではありません(苦笑)。

 今後の展開ですが、武器と武器持ち手が除外できるパーツ配列である事から、HGと同様、展示スペース型の飾り台が付いた「お台場ガンダム」(あるいは静岡ガンダム)としての発売も予定されてるんじゃないかと思います。今度こそ、飾り台に手すりが付いてると嬉しいですけど。出来ればご当地限定じゃなくて、全国販売をお願いしたいです。あと、1/48と言えば飛行機モデルが充実してますから、2万円くらいでGアーマーを・・・いや、ちょっと考えさせて下さい。


 おまけ




左はPGダブルオーガンダム。スケールは1/60で、右の1/48ガンダムとは異なります。

 HGガンダムVer.G30th(1/144:写真中央)と比べて、全高が丁度3倍、体積は27倍の差がある大型キット・・・これ、簡単な工作では済みませんけど、改造してサイコガンダムを作ったら迫力あるでしょうね。設定通りのHGサイズでは満足出来なかった人も、これくらい大きければ納得出来るのでは?モナカキットに近いので、PGベースよりは改造しやすい気がしますが。

 って、よく考えたら、あと25mm全高を高くすれば、1/100サイコガンダムのサイズになっちゃうんですね。MG仕様でなくていいから欲しい・・・いや、むしろ中身が詰まってなくて軽い方が、浮遊状態でディスプレイするにも都合が良いですよね。このキットを機会に、軽量大型キットの発売が活発化したら嬉しいです。

 ついでにもう一つ。HGとのスケール差が3倍という事はですよ、ディテールの違いは有るにしても(なにしろ元が藤田版ですから)、1/144のZガンダムを、1/3スケールである岡山のZガンダムに見立てて並べられるという事ですよね。1/48岡山ゼータ、欲しくなってきましたね。格納庫の拘束具を引きちぎって歩き出してる様なポーズの(ポーズ案は却下)。ひょっとして、机上でなくても並んだ姿を見る機会は来るかも知れませんね。実物大ガンダムが全国で巡回展示されるなら、道の駅「久米の里」を候補地として検討して頂きたいものです。

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 2010.3.9 健 竹史

  

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Real-G 1/1scale GUNDAM Photographs
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TV版 機動戦士ガンダム 総音楽集
機動戦士ガンダム 劇場版総音楽集

  

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