健さんの
プラモコラム

その336
 1/144 陸戦型ジムの巻

 1/144 RGM−79[G] 陸戦型ジム
 バンダイ
2009年9月発売 税別初出価格800円



 旧キットファンの皆さんこんにちは。前回からの流れという事で、今回は1/144陸戦型ジムを採り上げたいと思います。



 頭部は前後貼り合わせ。チョンマゲがずいぶん下まで垂れている造形ですが、これは頭部アップ画ではなく全身背面画を参考にした結果かも。HGUC陸戦型ガンダム地上戦セット付属の頭部より幅広ですが、こっちの顔つきの方が好みという方もおられるでしょう。

 ボディは、2パーツ構成のウエストを胸で前後からハサミ込み。1/144陸戦型ガンダムでは台形だったハッチが長方形になり、より設定に近いイメージになりました。代わりに胸部ダクトは斜めの配置にアレンジされています。バルカンが無いので、陸戦型ガンダムよりも面構成がいじやすかったのかも知れません。ハッチは開閉式で、これは陸戦型ガンダムには無かったプレイバリュー。正面から成形されているためシートの再現は僅かですが、コクピットが再現された対決セットのザクに対抗した物でしょうか。パイロットが座っていない点も、ザクの仕様に準じています。



 ウエストは、少し引き出すと回転と左右スイングが可能。フロントスカートは左右一体で可動しますが、軸位置の都合で可動範囲は広くありません。サイドスカートはポリキャップで二軸可動。横のマガジンにスリット状のディテールが追加されていますが、これは取付ピンの肉抜き効果を狙った物かも知れません。リアスカートはフンドシとは分けて成形。フンドシ後部に肉抜き穴は開いているものの、正面下からのぞき込んだ時の印象は良い感じです。

 です。股関節はボール可動、ヒザは二重関節用のポリキャップを左右から閉じ込めてあります。モモとスネは左右貼り合わせですが、ヒザアーマーは正面から貼り付けます。陸戦型ガンダムでは隠れていたヒザ関節が前から見えているため印象が違って見えますが、これはヒザアーマーが短いデザインのためです。フクラハギのサーベルラックは無可動。陸戦型ガンダムより膨らみが大きくなっていますが、これは足首の可動拡大を狙ってクルブシの幅を広げたのとバランスを取るためでしょうか。後ろから見ると足首関節の中身が丸見えになっています。



 足首は左右+甲の3パーツ構成で、ボールジョイントで可動。陸戦型ガンダムも同様なんですが、スネにハサミ込んだポリキャップの固定がキツキツではなく、左右に若干ズラせます。外側にスライドさせると、開脚時の足裏接地性が向上しますよ。

 クツの形状は、ツマ先が幅広になり、陸戦型ガンダムよりも力強いイメージになりました。同時に幅広になった足の甲は、上面もエッジ部も丸みを帯びた造形となりました。甲の奥にはシリンダーがモールドされていますが、陸戦型ガンダムの時よりも表現がそれらしくなっています。

 肩アーマーは、上腕を前後からハサミ込み。陸戦型ガンダムに比べてフックが大きくなった事で、印象が力強くなった気がします。ハメ込みピンが横から見えにくい位置に移動、分割ラインがフックの端に合わせてある等の改善も見られます。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 上腕は前後貼り合わせ。ヒジはムキ出しのポリキャップで曲げとヒネリを行います。前腕は、ヒジと手首のポリキャップをハサんで2パーツ貼り合わせ。陸戦型ガンダムもそうなんですが、手首が若干スイング可能・・・みたいな気がします。と言うのは、パーツ裏の肉で囲って固定したいのかしたくないのか、良く分からないんですよね。ポリキャップの角か前腕パーツの裏を少し削っておくと、より確実にスイング出来るでしょう。

 手首は、左右の穴あきゲンコツと、右の武器持ち手が、武器の数に合わせて3個付属します。手首を分解しなくても武器の持ち替えが出来、遊びやすくて良いですね。穴あきゲンコツは、陸戦型ガンダムでは握り穴の所で親指の造形が欠けてしまって、ゲンコツの中もパーツ裏が丸見えたんですが、今回は外観を損ねない仕上げが施されています。



 ランドセルは、下部のスキマを裏面パーツで塞いであります。バーニアは遊んでいる最中に指が触れやすく、よく脱落する部分なので、軽く接着しておくと良いかも知れません。RX−78に近い構造で、陸戦型ガンダムでも使われなかった余剰パーツを使ってあるのかな?と思わせるデザインですね。最初からジム用に設計していれば横の突起(サーベルラック)は不要だったと思いますが、付ける予定だった物を付けずに塞いである感じ。数年後にMGジムが発売される時、ここの穴をターミネーターでフタをする案が採用されましたが、元祖はこの機体でしょうか?

 武装です。マシンガンは、左右貼り合わせの本体に可動式のストックを取り付ける構成。陸戦型ガンダムでは固定式だったマガジンは別パーツ化され、着脱式になると同時に色分けの再現も向上しています。のマガジンとサイズは異なりますが。



 ロケットランチャーは、肩当てが前後スライドし、2パーツ貼り合わせのマガジンが着脱可能という凝った内容。しかもハサミ込むのは肩当てのスライドパーツのみで、肩当て本体は後ハメが可能です。(テンションをかけてスライドパーツを破損しないよう注意しましょう。)しかも肩に当たる面には劣化してヒビ割れたゴムパッドの様な表現が入っています。ゴムパッドの表面にハメ込みピンの頭が露出してるのが残念と言えば残念ですが、ピンの先端にヒビのモールドが入ってるものだから、逆に感心してしまいます。



 ミサイルランチャーは、可動式グリップをハサミ込んだ本体に、2パーツを貼り合わせてダクトを取り付けたミサイルケース3個を取り付ける構成。当時としてはパーツ点数も多く、豪華な印象の武器でした。正面のセンサーは設定では凹んでいますが、キットでは成形の都合で凸モールドとなっています。グリップ下端のフック金具は省略。今なら市販パーツも充実していますから、当時よりも楽に再現出来るかも。

 ビームサーベルは、使用状態の物が2本付属。陸戦型ガンダムでは白で成形されていましたが、このキットではグリップも含めてクリアーピンクです。火傷に注意ですね(違)。



 シールドは、陸戦型ガンダムと同じ物が付属。ジョイントパーツがポリキャップで設定通りに展開します。ポリキャップがムキ出しではありますが、前に伸ばした持ち方が出来るのはHGUC陸戦型ガンダムには無いプレイバリューです。

 陸戦型ガンダムに比べて全高が数mm高くなり、しかも胸がコンパクトになっていて、一段とカッコ良くなっています。パーツ構成は陸戦型ガンダムに準じながら、プロポーションから細部の表現まで見直され、ずいぶん進歩した印象ですね。ところが今回確かめてみると、発売時期は陸戦型ガンダムのわずか2ヶ月後。フィードバックの早さに、改めて驚かされました。陸戦型ガンダムの武器セットを兼ねているので、間を置かずに出すのは当然のスケジュールなんですけど、良くやったものです。



旧1/144陸戦型ガンダム(左)との比較。腰の高さがずいぶん違います。

 お察しの通り、HGUC陸戦型ガンダム地上戦セットのおまけで紹介するつもりが長くなってしまったんですが、今見てもやっぱり良いキットです。1/144グフカスタムが後のHGUCにつながるジオン側のキットだとすれば、連邦側はこのキットにその「兆し」くらいは感じられるような。首から下を流用したくなる(笑)1/144陸戦型ガンダムは、その214のおまけ記事を参照下さい。


 おまけ



 せっかくなので、1/144ジムスナイパーも併せて紹介しておきましょう。



 キットは、1/144陸戦型ジムの成形色を変更し、新規ランナー1枚を追加したもの。(多色成形のハズのAランナーが、ものすごく地味です:笑)設定上でも、ロングレンジビームライフルとのマッチング調整が行われている程度で、機体としては通常の陸戦型ジムとほぼ同等という事になっています。むしろ、狙撃専門のパイロットが搭乗するとか、そっちの方が余程大事なんだろうなあ、なんて思うのは00放送後の今だからでしょうか。



新規パーツであるライフルと手首が見えやすい様に、陸戦型ジムと組み合わせてあります。

 ロングレンジビームライフルは、可動式のフォアグリップを2パーツ貼り合わせの本体でハサミ込み、スコープの前後パーツを取り付けます。レンズの再現にはジュエルシールを使用。下から手を添えて持たせるためフォアグリップを動かす事は少ないと思いますが、可動軸が細いので、丁寧に扱いましょう。その他、1/144陸戦型ジムに付属する武器は、全て付属しています。陸戦型ガンダムやEz8に持たせるのに使っても良いでしょう。



 手首は、手首関節に大きく角度の付いたライフル持ち専用の右手と、ライフル下に添える開いた平手が新たに付属。と言っても手の甲パーツは従来の物を使用。数は追加されていないので、右手は豊富に付属する武器持ち手のどれか1つをあきらめる必要が有りますし、左手は平手とゲンコツのどちらかを選んで組み立てます。まあ、このキットを買ったからにはライフルに使う手首が最優先でしょうし、手の甲を付け替えれば良いだけなんですが。新規ランナーがグレーのため、甲の色が不揃いになるのを避ける意味で、追加を見送ったでしょうね。

 この数年後、複数の手首に対して、1つの手の甲パーツを付け替えて使う時代が来ようとは(略)



キットに付属する1/1200アプサラスV。右はガウ攻撃空母付属の1/1200ザクです。

 オマケに、1/1200アプサラスVが付属します。上下2パーツと頭部、メガ粒子砲、フィン3枚というシンプルなパーツ構成ですが、正面のスキマから見えるメカニックも簡単ながら再現されています。ザクから転用されたという設定の頭は、後ろのフィンと一体で横から成形されています。トゲの先端が丸めてあるのが残念ですが、ツボ刺激の健康グッズとしては程良いサイズと握り心地ですね(笑)。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 1/1200というのはMAとしては一般的なスケールではないんですが、ジムスナイパーよりも小さいので遠近感をイメージしやすく、標的としては適切なサイズになっていると思います。戦艦と並べられるという意味でも、意義がありますね。

1999年10月発売 税別初出価格1000円

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 2010.3.5 健 竹史

  

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