健さんの その292 MG 1/100 ポケ戦やスターダストメモリーでかっこいいジムが活躍し、08小隊ではガンダムとジムの距離が縮まり、Ver.1.0のスラリとカッコイイ造形に長く親しんできて、すっかり忘れてましたけど、一作目のジム、特に設定画を見た時に、「忍者みたいだな」とか思いませんでした?斜めに1本だけ差したサーベルがそう思わせるだけなのかと思ってましたけど、ガンダムが鎧武者なら、ボディのディテールは鎧の装飾、ヒザアーマーは臑当(すねあて)に相当するのかも。 そんな物を身に付けず、軽装で活躍する忍者のイメージをジムに投影しているのかな・・・なんて考えながら改めて眺めると、ジムの顔、忍者の覆面のイメージなのかも知れませんね。シールドの十字マークは実は手裏剣で・・・いや、これは余計かな。数やポジションは足軽なんでしょうけど。 てな訳で、当時のイメージにグッと近づいた、Ver.2.0の登場です。机の上に並んだガンダムとジムを眺めていると、「侍戦隊と忍者戦隊って、やっぱり格差があるのかな?」とか、つまんない事が気になってくるんですが、まあいいや。さっさと本題に参りましょう。 頭部です。内部フレームは左右貼り合せの後頭部に、顔面とクリアー成形のチョンマゲフレームを取り付ける構成。バルカンの砲身は顔面フレームと一体成形され、外装の穴から露出する仕組みです。外装は、前・後・チョンマゲ・耳という分割。耳は外装と言うよりセンサーユニットとしての再現でしょうか。頭部フレームには、耳ユニットが収まる底面までモールドが入れてあります。 ゴーグルにはクリアーパーツを使用。顔面外装の内側から取り付けますが、両横が上手く引っかかる様になっていて、目立つハメ合わせ等を使わずに固定してあるので、内側まで実機の雰囲気を楽しめると思います。首はダブルボールジョイントで可動。芯・外装・シリンダーとも、ガンダムVer.2.0と同一のパーツを使ってあります。 ボディです。胸の内部フレームはガンダムVer.2.0と同一。ダクトのフィンは新規ランナーに含まれていますが、これも同一の物でしょう。エリが胸外装に含まれるので、エリ内側パーツを上から取り付け、その後で前後分割の胸外装を取り付けます。肩関節の引き出しや、それに連動した内部シリンダーの動きもガンダムVer.2.0から引き継いでいて、なかなか贅沢な量産機となっていますね。 コクピットの張り出しは、裏面・外装・表面の黒い部分の3パーツ構成。ガンダムの様な段差が無いのでハッチのスライド開閉は有りませんが、裏面ディテールまで表現してあります。全体をハネ上げて開くギミックはガンダムと同一。胸の完成後に後ハメが可能です。
ウエストは、ガンダムVer.2.0と同一の内部フレームを使用、外装の分割も共通です。そのため、ダクトユニットの下で前後スイング、背中中央で左右スイングする機構も受け継いでいます。今回もジムVer.1.0と同様、無変形のコアブロックを収納するんですが、フレームが共通という事で、ガンダムのコアブロック(コアファイター)との互換性も有り。ジムとガンダムで上下半身を交換する事も可能です。臨時の予備パーツとしてホワイトベースに何機かジムを積んでおいて、インパルスガンダムみたいにGメカで届けても良かったかも?
コアブロックは、基本的にジムVer.1.0のデザインを踏襲。面白いのは、コアファイターで言う機首部分が別パーツになった事。前後貼り合せの本体と底面パーツを組み立て、最後に正面から取り付けるんですが、パイロットシートの他に正面シャッターがハサミ込んであり、スライド開閉が可能となっています。 ただ上にシャッターを持ち上げるだけでなく、上部パーツの折れ曲がりで保持力を持たせ、レールのキツさに頼らない安定性の工夫も良いですね。ガンダムVer.2.0付属コアファイターの、キャノピー開閉に相当するギミックですが、二重ハッチが再現される時代が来ようとは。これ見せたら姪っ子が喜びそうです。コクピット再現って、すごくウケが良いんですよ。機械の知識が無くても臨場感が伝わる部分だからでしょうか。おかげでBB戦士を見せても「人は乗ってないの?」って聞いてきますけどね。
腰です。基本フレームはガンダムVer.2.0と同一。フンドシ前後のフレームは廃止され、直に外装が付く構造です。これによって大気圏突破用の冷却装置と、腰後部のハードポイントが無くなっています。前後スカートの内側にフンドシ外装が存在するので、多重構造の表現としてはガンダム同様に凝った演出と言って良いでしょう。アクションベース用のジョイントはガンダムVer.2.0と共通。ここを利用しているGファイターとも合体可能となっています。
フロントスカートは、ガンダムVer.2.0から引き継いだジョイントパーツで、ボール可動+上下調整が可能。中央部分はフンドシ外装に重なった状態になってますが、フンドシ高さを低く抑える事で、スカートが起き上がってもフンドシに干渉しない様になっています。 また、フロントスカートには、フンドシが露出した別バージョンの物も用意されています。これはジムVer.1.0で採用された解釈を引き継いだ物。生産拠点や時期の違いと思っても良し、好みで使い分けても良しですね。フンドシ外装も、スカートの上下幅に合わせた専用の物が用意されています。
サイドスカートは、ボールジョイントで可動。他のスカートも同様ですが、スカート裏面パーツは ガンダムVer.2.0と共通となっています。ガンダムに比べてスキが少ないのか、フロントスカートを持ち上げるとサイドスカートが外れやすくなる気がしますが、リアスカートを少し引き上げるとスキが拡大、ズレを吸収しやすくなり改善する様です。
リアスカートは、一枚で後部全体を覆うデザイン。左右別々に動いていたガンダムVer.2.0のジョイントを引き継いでいて、左右2箇所で保持してあります。引き下げる事でウエストのヒネリ範囲が拡大しますが、内側のフンドシ外装は下がらないので、そこが可動限界となります。 試しにフンドシ外装を取り外してみると、腰がより大きくヒネれる様になりました。大胆なポージングを追求したい人は、各自の判断でこのバーツの上端を少し削ってみるのも良いかも知れません。でも、試してみてて気付いたのですが、少なくともガンダムにとっては、腰まで入り込んだコアファイター機首を保護する意味で可動限界は必要なんですよね。コアファイターはジムにも収納可能ですから、可動を拡大したい人は、この点に注意して遊ぶ必要が有りそうです。
脚は、基本的にガンダムVer.2.0と同一です。ヒザアーマーの有無というデザインの違いが有るので、ここに関わるスネ前面アーマー、ヒザ内部フレームのみ新規パーツ。クツは新規ランナーですが同一形状の様です。
ヒザ関節前面に装甲が貼り込んでありますが、これはガンダムVer.2.0にも有る物です。ヒザアーマーが短いジムを発売する時に関節が露出しない様、最初から考えてあったんですね。デザイン的には、関節保護は最低限の物になりましたが、ヒザ下のダクト穴が無くなり耐弾性は上がっている様に思います。ただの廉価版ガンダムではなく、運用データを設計に反映してあるのでしょう。 肩アーマーは、ガンダムVer.2.0と同じ内部フレームを使用。外装は新規ランナーですが、これはカラーリング再現のためで、形状は同一の物の様です。 腕は、ガンダムVer.2.0の物をそのまま流用。前腕のハードポイントも健在です。ボクは初めて手に取ったジムが旧1/144キットだったもので、肩関節にラチェットが効いていたり前腕が大きかったりと、ガンダムと全く別物という印象が有ったので、ここまで共通だと、かえって新鮮ですね。 手首は、左右とも可動指タイプが付属。ここもガンダムVer2.0の物を、そのまま引き継いでいます。
ランドセルです。内部フレームはガンダムVer.2.0と同等。サーベルホルダーが内部に引き込めるギミックを使って、サーベル1本装備に変更してあります。ガンダム同様に2本装備する事も可能。バーニアはボールジョイントで可動。バーニア底面にボールジョイントが露出していますが、最近のシリーズで謎の粒子で飛ぶ設定に慣れてしまったせいか、噴射口が塞がっていても、あまり気になりませんね。(あ、気になりますか?やっぱり。) ランドセル外装とサーベルラックは、成形色の違いから新規ランナーに含まれていますが、ガンダムVer.2.0とほぼ同一の様です。丸モールドの大きさに少し違いが見られますが。バーニアは小型になり、ガンダムとの機動性の違いを表現してあります。その割に、はるかに大きい足裏バーニアは同一サイズのままなんですけどね。 武装です。ビームスプレーガンは、内部フレームパーツに外装を被せていく構成。最近ではおなじみの仕様ですが、こんな小さな銃にも採用されていると改めてその徹底ぶりに感心します。スライド金型による筒状成形を多用し、実機をイメージさせるユニットごとのパーツ分割。トリガーは内部フレームの一部が露出する構成となっています。 ビームサーベルは、ガンダムVer.2.0と同じ物が2本付属。ビーム刃も2本付属します。ビーム刃・グリップとも、1本は余りパーツ扱いになっていますが、2本装備させる事も可能です。2本装備した機体も有ったという解説は、MGジムVer.1.0にガンダムの金型を流用する時、余りパーツの有効利用として導入されましたが、今回はサーベルラックをランドセル内に折り畳む事で、いつでも1本装備と2本装備を切り替える事が可能となっています。 シールドは、表面パーツと十字エンブレムが同形新規のパーツになっていますが、他のパーツは ガンダムVer.2.0そのままです。そのため、Gファイターを含めれば組むのは3度目なんですが、表面装甲どころか、のぞき窓のシャッターにまで曲面を採用してあるのに気付き、改めて感心しました。言われてみればボディの丸みのあるラインは耐弾性を考慮した物で、そんなMSが持っているシールドなら、同様の配慮が有るのは当然ですね。キット開発スタッフのこだわりが見える造形です。 ハイパーバズーカは、ガンダムと同等の物が付属。腰後部のハードポイントは無くなっているので、もし背負わせるならランドセルのハードポイントを使う事になるでしょう。武器は少なくて良いから安くして欲しいという意見も有るかも知れませんが、Ver.1.0にも付属した武器ですし、それに今回も付属した事で、ガンダムに2本のバズーカを持たせる事が可能になりましたね。 組立時間は2時間50分でした。試作機と量産機の違いを随所に盛り込むのではなく、可能な限りガンダムのパーツを引き継ぐ方向でまとめられたジムに仕上がってます。という事は、例えばフルアーマーガンダムが発売されれば、ほぼそのままパーツを流用してフルアーマージムが作れてしまうんじゃないかとか、今なお増殖中のジムバリエーションが続々MG化されれば、その装備をガンダムに搭載出来るんじゃないかとか、組み替えの楽しさが広がりそうな気がしますよ。
他に、ジムUもこのキットをベースに発売出来そうですね。別バージョンのフロントスカートはジムUそっくりですし(サイドスカートとの噛み合わせは無くなるかも?)、ランドセルはポリキャップで簡単に換装可能。むしろ注目点は全天モニターの内蔵でしょうか。実機同様に中身がバージョンアップすれば、いかにもMGって感じですもんね。 おまけ |