健さんの
プラモコラム

その48 MG ジム改の巻

(1/100 MG ジム改 / バンダイ/ RGM−79C
ジム改 「機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー」に登場)


 どんどん高額化していくMGシリーズですが、2500円クラスは健在でした。もう、Gガンダムでしか、お目にかかれないかと思ってました。安い事は良い事です。いや、決して安くはないんですけどね。とりあえずジオが先延ばしになって、少しホッとしている所です。しかし・・・話題に出しといて、発売しないって事はないんで、「そのうち出すんだよ」という、予告なんでしょうねえ。では、目の前のヤツを見ていきましょうか。



 頭部は前後分割です。耳の前半分から冷却ダクトまでがワンパーツで、ここは後から取り付ける方式。ダクトは立体感がイマイチで、もっと奥深そうな感じを出して欲しかったですね。顔面に密着せずに浮いてしまうと、フェイスガードの様に見えてしまうので、接着すると良いと思います。

 メインカメラと顔面はクリアパーツ。顔面の奥には、例によって1つ目にも2つ目にも見えるディテールが入っていますが、解説では「デュアルセンサー」となっていますね。ノーマルのジムよりも透明カバーが湾曲してますが、左右の視界が広くなってるんでしょうか?索敵モードでは、左右のカメラが別々の物を見てるのかなー?なんて想像してしまいます。



 ボディには、ノーマルジムの時に、ガンダムの金型を使いまわすために「発明」された、コアブロック風の、無変形のコクピットブロックが内蔵されています。完成後も着脱可能。サイズはガンキャノンのコアブロックと同等ですが、互換性は有りません。Bパーツとのジョイントは共通なんですが、Aパーツとかみ合うディテールが、絶妙に(?)引っかかるようになってます。実機でも、無理矢理の交換も出来なかったんだよ、という意思表示なのかな?でも、上半身と下半身の組換え合体は可能です。

 コクピットブロックのサイズはガンキャノンに合わせてあるので、ノーマルジムとはサイズが違います。ディテールは、ノーマルジムの物を基本としながら、もう少し凝った物にアレンジされてますね。あと、微妙にパイロットが大きくなりました。それでも身長は160センチ相当(立ちポーズを測定)ですけどね。MG付属のフィギュアは、昔から、ちょっと小さめなんですよね。(ガンプラがスリムになったからかな?)



  

左から、
MGジムのコクピットブロック
MGジム改のコクピットブロック
MGガンキャノンのコアブロック


 ボディの外観は、かなりあっさりした構造です。エリとハッチ以外は、色分けに必要な最低限の分割といった感じです。ガンキャノン同様の、肩の前後(いや、前だけ)可動ギミックも欲しかった所ですが、今回は固定です。両手持ちのライフルが無いからでしょうか。

 は、フロントとサイドのスカートが可動。リアスカートは固定ですが、フンドシで押さえて取り付ける、別パーツになっています。リアフンドシ(?)の上側は、ライターのフタみたいに開いて、バズーカラックが露出します。「でも、肝心のバズーカが付いてないじゃないか!」と、言わせないためなのか、分解したマシンガンのパーツを携行できる、ウェポンラッチを取り付けられます。今回のオリジナル設定ですね。いや、バズーカラック自体、アニメ設定には描かれてないみたいですよ。

 は、モモとスネの内部フレームを再現。内部シリンダーも可動します。スネ側のシリンダーは、シリンダー本体がスライドするミゾがカーブしていて、なんだか(気分的に)凝った動きをしてくれます。なんだか嬉しいですね。いや、ホントは動いちゃいけないんですけどね。シリンダーの起点なんだから。

 その点、モモ側のシリンダーは、本体も、ロッド先端も固定されていて、本物と同じ、純粋な伸縮可動をします。おお!やれば出来るじゃん!などと感激して、動作テストをしてみました。すると、ロッドがヒザのメカ部に当たって「グギャッ!!」と折れ曲がるじゃありませんか!あやうく、へし折る所でした。これなら、シリンダー本体がスライド移動する、いつものナンチャッテ可動の方が良かったかも知れません。

 もっとも、装甲を付けた場合では、シリンダーロッドが干渉するまでヒザが曲がる事はありません。ヤバイのは、フレームのみの状態で、ヒザをいっぱいまで曲げた場合だけです。つまり、シリンダーの限界以上に、フレームのヒザは良く動くのだという事ですね。ただ今後は、シリンダーが干渉する手前までしか動かないようにストッパーを付けるべきでしょう。破損するとショックですからね。

 装甲を切り欠いて、もっとヒザが曲がるように改造したいという人は、シリンダーがスライドするよう、レールを作るのも良いですが、シリンダー本体(B1パーツ)を付けないという楽チンな手もあります。装甲を外さなきゃバレないと思いますよ。(思いつきで書いてるので、仮組みして確認してね。)

 脚の装甲は、モモ、スネとも、あっさりとした前後分割です。フクラハギなどは、パネルラインらしいスジ彫りとパーツ分割線が交差して、なにやらターンエーみたいにラインが走りまくっていますよ。これは、初代ガンダムよりも数千年進んだ機体のようなムードですね。惜しいけど、アニメ設定派の人は、接着して、分割ラインをパテ埋めしちゃいましょう。ボクは全肯定派なので、そのままですね。



 ヒザの後ろは、メッシュパイプで動力ケーブルを再現。メッシュパイプの切り口を隠してくれる構造なので、ほつれが見える事もありません。ヒザブロックが大きくなりすぎないよう、工夫して設計してる感じがしますね。これなら、シリンダーなんか無かった時代のボリュームと、あまり違わないと思います。足首のシリンダーは、ダミーで再現。余分な物を仕込んでいない、スリムなフレームです。使いまわす予定があるのかも。「MGメカフレーム1」なんて名前だし。

 足首カバーは、ガンダムver1.5にも使われた方式ですが、足の甲から可動式のジョイントを介して取り付けてあるので、大きく開脚させても、可動の妨げになりません。スネとも足首とも、独立して動いてくれます。

 ランドセルは、4つのバーニアが独立可動。ビームサーベルは左側ですが、左右どちらにも設置出来る内部フレームになっています。右側や両側にサーベルを装備したバリエーション機が有るのかな?と思って資料を探してみたんですが、見当たりませんでした。ボクが知らないだけなのか?純粋に構造解釈ってコトなんでしょうか?ランドセルカバーの着脱部は、ポリキャップを使っています。

 肩アーマーは、内部のハメ込みピンが見えないように、うまく隠してあります。肩の側面にスラスターを持つMSはけっこう多いと思いますが、MGジムクウェル等では、スラスターの下が空洞になってたりします。今回は、そのような死角もありません。肩アーマー全体が、微妙に上下可動して嬉しいんですが、可動部分に係留フックが付いてるってのは、どうなんでしょうね。スコープドッグなら、胴体上面が全部ハッチなんで仕方ないのかなあ?とか思いますが、なるべく肩よりボディに設置した方が、強度的に安心出来る気がします。

 です。上腕のみ、内部フレームを再現してます。筒状の上腕を通す、軸の部分がメカっぽいという程度ではありますが。今回初登場の構造だと思うんですが、ヒジブロックが、スライド金型使用のワンパーツになっています。これまでは、「ポリキャップを仕込んでサンドイッチ、合わせ目は分割ラインっぽくデザインしてゴマかす」というのが主流でしたが、どのMSを見てもヒジブロックがいっしょで、パターン化してましたよね。これは新スタンダードになるかも?ですよ!

 手首は、可動指タイプのみ付属。手首カバーは、前腕側に密着した、スキの無い構造です。手首を動かしても、それに付いて動いたりはしませんが、動きを妨げてはいない様子。HGみたいな、カッチリした印象で、良い感じですね。



 武装は、今回最大の見せ場です。ジムライフルと90mmマシンガンは、パーツ交換による組換えが可能だったのでは?という新提案です。共通の機関部(つまり1個しか入ってない)に、前後のパーツを取り付けて、ライフルにしたり、マシンガンにしたり出来ます。余ったパーツは、腰後部のバズーカラックにウェポンラッチ(パーツラッチと言うべきかな?)を介して取り付けられますが、出撃後に組替えたかどうかは、ちょっと疑問。まあ、ナイスアイデアには違いありませんよね。(それより、予備のマガジンを持ち歩きなさいって。)

 この2つ、もともとシルエットが似てはいますが、本来別々にデザインされた物のため、どちらかと言うとジムライフルのディテールを優先してある様です。マシンガンは、「ポケ戦」に登場した物を、多少ディテール変更して、「0083」で使ってるようですね。GP01に持たせても良いです。組換え無しの本来の物を持たせたい人は、MGジムカスタムに、2つとも付属しているので、流用すると良いでしょう。(ボクは持ってませんが。)ちなみに組換えていると、ハリケンガジェットみたいです。(笑)

 ビームスプレーガンは、スコープが付いたりして、ノーマルジムの物より豪華なタイプ。電撃ホビーマガジンには「設定を忠実に再現した・・・」とあるんですが、どの資料本を探しても、コイツの設定は出て来ませんでした。軍事機密なんでしょーか?ノーマルジムでは、突起をサイドスカートに差し込んで固定していましたが、今回はジョイントを引き出す方式です。



上から、90mmマシンガン、
ジムライフル用の組換えパーツ、
ジムクウェル付属のジムライフル、
左下はジム改のビームスプレーガン、
右下はノーマルジムのビームスプレーガン。
左上は、余りパーツ携帯用のウエポンラッチ。


 シールドは、持ち手の無い腕部固定専用タイプ。という訳で、MGガンダムの様な、ジョイント位置を移動出来るギミックは有りません。(スライドレールのディテールは有ります。)裏にはサーベルラックが有り、2本装備する事が出来ます。のぞき窓には、クリアーパーツをハメ込みます。腕への接続は、アダプターを交換する事で、腕のどの面に付けるかを選択出来ます。実機ではどうなってるんでしょ?解説書では、あえて裏面の図を描いてないみたいです。

 組立時間は、2時間15分でした。あっさりした構成なのに対して、ヒジ・ヒザ等には、これまでのMGスタンダードに満足せず、ワンランク上にステップアップしようという試みなのかなー?と感じさせるモノがあります。MGとして最低限必要な機構と、豪華キットにだけ盛り込めば良い機構を区別したという事なのかも知れませんね。可動と無関係なスネフレームなんて、すごくあっさり作ってありますし。

 気になるバリエーション展開ですが、コクピットブロック、ウェポンラッチ、フンドシ、スカート、スネ等が除外可能なランナー構成になってます。他にも、ランナーごと除外するつもりらしい部分もあり、パワードジムは期待出来そう。ジムキャノン2もイケるかな?「0083」のキット化は、まだまだ続きそうです。



おまけ



 プラ棒を入れておく容器を探していたんですが、ピッタリの物を100円ショップで見つけました。「筒型紙ボックス(大)」。直径6センチ×48センチの、書状入れです。卒業証書なんかを入れとく、アレですね。本当は中が見えるように、透明な容器が良いと思うんですけど、パスタの容器では短いので、長い間物色してたんです。これ、なかなか良いと思いますよ。

2002.7.3 健 竹史

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