健さんの
プラモコラム

その126
 
1/100フォースインパルス
         ガンダム
の巻

( 1/100 フォースインパルスガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X56S/α フォースインパルスガンダム
「ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 コアスプレンダーのファン待望!ようやく3機編隊(+1機)の勇姿が拝めるインパルスの登場です。HGは良く出来ていただけに、腕だけ変形出来ないゴッドマーズが発売された時にも味わった、半分おあずけを食らった様なモヤモヤ感が有りましたからね。これで完全合体を楽しめますね。・・・でもアナタ、ミサイルを投棄するのも合体プロセスのうちですから〜!残念〜!!なんて斬ってしまうのは意地悪かな?!ではキットを見ていきましょう。

健さんってフィギュアの塗装も上手かったんだなぁ・・・あれ?

 頭部は、フェイスとヘルメットを別パーツ化。やはりヘルメットは斜めの分割です。アンテナは白と黄色で色分け。白いメインアンテナには、通常のプラパーツと軟質素材のパーツの2つが用意され、どちらかを選択して使います。目と頭頂部カメラは、残念ながらクリアパーツは使われておらず、シールで対応しています。はABS製。ポリパーツは使われていませんが前後可動が可能です。うつむく方向にはHGほどは動きませんが、これだけ動けば十分でしょう。(HGの首は、ホントに良く動きますから。)

 ボディは、胸部ダクトやエリのグレー部分、正面の水色のラインまでも別パーツ化。HGよりも一段と色分けが充実しました。コクピット上のV字マークはシールで対応しています。肩の変形ギミックはHGと同じ仕組みですが、サイズが大きくなった分。保持力が高くなっています。しっかりロックされているので、初めて引き出す時には、ちょっぴりビクビクするかも知れませんね。

キャラクタープレートの裏側を、あえて紹介するのです

 ウエストは左右回転が可能。ウエスト左右には合体保持用のポリキャップを内蔵していますが、ポリキャップをピッタリ押さえる目的で、設定より小さめで、やや異なる形状に造形してあります。そのためチェストフライヤー側の赤いパーツとは、斜めのラインでの噛み合わせが十分にとれないので、ウエスト中央正面に小型の突起を設けて、保持力を高めてある様です。改造に慣れている人は、パテで設定通りの形状に造形してやれば斜め部分で噛み合う様になるので、中央正面の突起は削り落としても良いでしょう。

 です。フンドシは上面の青い部分を色分け。前部スラスターは股関節パーツから独立したパーツとなり、フンドシ下面は白いパーツになりました。フロントスカートは左右独立して可動。上面にはインテイクの様なディテールを追加、下端の水色の部分は色分けされました。サイドスカートは開閉して、フォールディングレイザーを収納する事が出来ます。リアスカートは固定式。スカート類には、1/100ストライクの時と同様の、センサー風のディテールを追加、腰後部のハードポイント周辺にも、それらしいディテールを施してあります。



 も、インテイクやダクト、スラスターらしい箇所にディテールが施され、各部にセンサーの様な表現が追加されました。変形やシルエット装備の保持力を考慮してか、ヒザ関節は上下ともハサミ込み式の組立てになっています。スネ後部のスラスターは可動式になりました。ここもハサミ込みですが、奥行きと回転軸の位置関係から、後ハメにしにくかったんでしょうね。

 足首関節はHGと同様の二重関節ですが、左右スイング(と言うか、左右にズラす)の可動範囲は、今回の方が広くなっています。脚を大きく踏ん張らせる時には調節してやると、より効果的になるでしょう。足首カバーは、分割自体はHGと同じですが、分割ラインを段差としてデザイン的に処理してあり、そのまま組んでも気にならない様になっています。



 足首です。ツマ先をたたむ機構はHGと同様ですが、可能な範囲でシリンダーを再現してあります。MS時にチラリと見える分には十分だと思います。足裏パーツは、ツマ先を必要以上に伸ばそうとすると土踏まずパーツに当たるため、めくれて剥がれそうになります。足裏とクツのパーツを接着しておくと、安心して遊べると思います。

 肩アーマーは、HG同様に上腕を前後からハサミ込む構成ですが、水色のスラスターと、前後の白いラインが色分けされ、再現度が向上しています。別パーツ化されたため、スラスター内に分割ラインが通る事もなく、内部の造りも、ハメ込みピンがより見えにくい形になりました。白いラインは一見すると上下対称に見えますが、途中に微妙な段差が有るので確かめて組み立てましょう。このラインが別パーツ化された事で、肩アーマーの前・後・上面が、ハッキリと別ユニットの様な印象が強調されました。



 です。前腕のハードポイントにはポリキャップを内蔵。上腕側面のスラスターにはフィンの様な、それらしいディテールが追加されました。ヒジ関節パーツは1/100SEEDシリーズの頃よりも大きめの面取りを付けてあり、単調さを感じさせなくて良いですね。さりげなく1/100ジャスティスのヒジ関節に似た形でもあるんですが、意識して似せているのかな?今後は、このヒジ関節がスタンダードになっても良いと思うんですが、どうでしょう。

 手首は、左右の穴開きゲンコツと、ライフル用の右手が付属します。ゲンコツのパーツ構成や指の角度は、1/100SEEDシリーズと統一してあります。

 バックパックです。今回は変形可能なコアスプレンダーが付属、それを変形させてセットします。メインスラスターが小さい様に感じますが、収納ギミックのある垂直尾翼やその周辺を肉薄にする訳にもいきませんし、止むを得ないといった所でしょうか。中央にはシルエット合体用の穴が有るんですが、これは設定には無いオリジナルの処理。シルエットを装備しない時には、パーツを反転させて穴を隠す仕組みになっています。

戦闘中に下半身が分離してキックする。なんて演出が本当に登場するのかは今後のお楽しみでありますが・・・コアスプレンダーの推力で強力なキックをお見舞いするなんてのはダメでしょうか?ダメですよね。

 コアスプレンダーは、白・青・赤(と可動部にグレー)で色分けされていますが、設定の色分けが細かいので、まだまだ不完全。可動だらけのためシールも付属しません。逆に言えば、ぜひ塗ってやりたい、塗りがいのある部分と言えるでしょうね。機体はやや上下に厚い感じ。と言うよりも、機首が小さいのかも知れませんね。HG付属の物と、機首の幅が変わりませんから。(まぁ、この辺はギミックとの兼ね合いで決まる、難しい部分なんですけど。)主翼・垂直尾翼・機首・機首先端を折り畳んで変形します。キャノピーにはクリアパーツが使われておらず、この辺は1/60に期待ですね。

 MSへの合体ですが、下半身との接続は、カナード(機首横の小ウイング)をウエスト内部のミゾに差し込んで固定します。上半身との接続には、コクピット上の2箇所の凹凸を利用。胸内部の凹凸と噛み合わせてやります。上半身との接続はキツくないので、HGよりも簡単に分離出来て扱いやすいですね。コアスプレンダーを仕込まずに上・下半身を合体させる事も可能です。背中は空洞になりますが、インパルスとコアスプレンダーを同時に飾ってみても良いでしょう。合体の保持にはポリキャップを2個も使っていて頑丈なため、分離しようと引っ張ったら、ウエストが腰から抜けてしまったりします。(笑)



 チェストフライヤーは、半握りのゲンコツが右ヒジに当たらない様、左手首にちょっと角度を付けてやると良いでしょう。目を引く肩アーマーの色分けが充実したので、無塗装での見栄えはHGよりも格段に良くなっています。・・・って言うか、水色って目立ちますね。(笑)

 レッグフライヤーは、ヒザ関節を定位置でロックするラチェットが仕込んであり、左右の脚の形を揃えやすいのが嬉しいですね。ヒザアーマーフロントスカートの裏が丸見えになるので、それらしいディテールが施してあっても良かったでしょうね。ウエストの合体用ポリキャップが意外に目立つんですが、サイドスカートが前を向くとか、そんな変形パターンだったら、もうちょっと目立たなかったかな?なんて思います。



 フォースシルエットはHGと同等の色分け。赤いウイングが若干角度調節できる様になりましたが、何より嬉しいのは垂直翼が倒れ、主翼も垂れ下がる様に可動する事ですね。飾らずに収納しておく時、上下幅がコンパクトになると助かりますから。各スラスターにはディテールが追加され、HGより精密感が高まりました。インパルス用とシルエットフライヤー用の合体ジョイントが切り替わる仕組みもHGと同じです。ジョイントでコアスプレンダーに連結して、強引にコアブースターにしてみるのも一興ですよ。

いんちきコアブースター(笑)。折り鶴の様です。主翼が上下に可動するのが分かるでしょうか?(はばたいて飛ぶ事も出来るかな?)バックパックとシルエットの位置関係を裏面から見たら、こんな感じなんですね。

 シルエットフライヤーは、機体下面を黒で成形。HGよりも設定のイメージに近づきましたが、まで黒くなってしまったので、塗装する人にとってはHGの様に白い方が有り難かったかも。シルエットとの着脱部にはポリキャップを内蔵していて、合体・分離はスムーズに行えます。やはりパーツはフォースシルエット関連のランナーにまとめてあり、他装備のインパルスには付属しない様です。

 武装です。MA−BAR72高エネルギービームライフルセンサーが可動式。メインカメラで覗くスコープと違って、射撃時に傾ける意味は無さそうに思いますが、腰後部にマウントするための可動という事でしょうか。フォアグリップは今回も無可動。やはり実機でも動かないという事なんだろうと思います。

 MMI−RG59V機動防盾(シールド)は、HGに比べて格段に色分けが充実しました。塗装の必要が有るのは裏面くらいでしょうか?展開ギミックは、表面装甲の取付け位置を変える事で再現。横の張り出しは、設定同様に引き出す事が可能です。・・・が、一旦パーツを取り外す都合で、展開時には十字マークの先の部分に空洞が出来てしまっています。1/60ではスライド伸縮が可能らしいので、スキマが出来ないんじゃないかと予想しています。腕へ接続するアダプターは、取付け方向を選べるタイプ。グリップは、倒した状態に付け替える事も可能です。



 MA−M941ヴァジュラビームサーベルは、フォースシルエットからの着脱が可能。サーベルホルダーは動きませんが、実際に抜くポーズを取らせてみると、手と垂直翼が干渉しそうな近さです。やはり手に取りやすい様に、前に倒れてきた方が自然かも。クリアーのビーム刃が2本付属します。

 M71−AAKフォールディングレイザー対装甲ナイフは、収納状態展開状態の物が2本ずつ付属。2つの状態でのグリップのサイズは統一してあります。1/100ストライクでの不満点が、一つクリアされた訳ですね。(刃のサイズは若干不揃いの様ですが。)サイドスカートのポケットに収納可能ですが、ストライクの時よりも小さいポケットに、ストライクの時よりも大きいナイフが収まっています。これはもう快挙ですよ快挙!

歴代1/100ナイフ&ポケットの比較。左からインパルス、ストライク、MGストライクです。デザイン自体に無駄が無いとは言え、このポケットのコンパクトさ、ナイフ再現のウソの少なさは見どころの一つでしょう。

 今回一番の話題は、キャラクタープレート(スタンドポップ)かも知れませんね。PET樹脂の透明プレートに、シンちゃんの全身イラストとプロフィールが印刷されています。サイズは1/20となっていますが、従来のフィギュアよりも、やや大きい感じ。プラ製のスタンドはインパルスのパーツと同じランナーから切り出します。今後、スタンドの色はキットごとに不揃いになると予想されますが、機体のイメージカラーが使われるなら問題ないでしょう。今後も関節グレーのランナーに含めたり、しないで下さいよ!

 ボクとしては、プレートよりもフィギュアの方が嬉しかったりします。2次元の物はカード類とかムック本などの方が整理しやすいですし、そもそもボク的にはフィギュアを塗るための資料がイラスト類な訳で、フィギュアが付かないなんて言語道断、そもそも立てて飾るってのは立体物への愛着を断ち切れてない証拠。こんな事ならいっそシンのフィギュアに1/100インパルスのプレートを付けて・・・あれ?それは困るなぁ。(笑)



 まぁ、食玩等で塗装済みフィギュアも多く出回っているので、塗装の必要がある上に、基本的にワンパーツというフォーマットではツライ所も有るんでしょうね。でもボクは好きですよ。単品売りフィギュアの凝った構図や、さりげない仕草とはまた違った、プラモに添えるための堂々とした素立ち。今後プレートに切り替わっても、素立ちのスタイルは続けて欲しいです。これまで塗っていなかった人や新規ライトユーザーに、「プラモにキャラクターを添える」感覚が定着する事を期待しつつ、今はガマン&応援ですね。(MGでは今後もフィギュアを付けてもらえるかな?)

 組立時間は1時間40分でした。コンセプトが同じストライクと並べていじってみたんですが、体形なんかも結構違っている印象ですね。脚がジャスティスに似てると思っていましたが、他の部分にもザフトらしさというのが確立されている様な。今後も各陣営ごとの統一感が守られれば、Gガンの「国別の特徴」とUC世界の「開発順序ごとの特徴」を併せ持った様な、面白いガンダム世界に発展するかも。パーツ分けが充実してシャープな仕上がりの1/100シリーズは、そういったディテール部分まで楽しみやすいと思うので、1機でも多くの発売を期待したい所です。



 SEED関連のMGが発売された事で、非MGとしての役割がより明確になってきたのか、低年齢層や初心者を意識した説明書が付属しています。1/60SEEDシリーズの説明書にもあった、マンガ形式の組立ガイドを今回も採用。余談ですがこのマンガの登場キャラは、ウチの掲示板ではショウちゃんゲキくん(仮)と呼ばれています。インパルス=衝撃が名前の由来ですね。この名前、結構いいかもー。

 パーツリストはカラー印刷、塗装ガイドにはスラスターの奥からポケットの中まで、20カットの細部写真を添える親切ぶりです。(でも、見せたくない所はビミョーに避けてる気がするなぁー。シールド伸縮部の裏とか:笑)細部の写真を載せるという事は、細部まで手を抜けないって事ですね。説明書のプレッシャーで、ますます精密感あふれるシリーズになってくれると嬉しいです。ああ、ザクをズラリと並べたい・・・。


おまけ

 HGUCジムコマンド宇宙仕様を、軽く紹介しておきましょう。キットはジムコマンド(コロニー戦仕様)のランドセルと武器、カラーリングを変更したバリエーションキットです。・・・ん?これってインパルスガンダムと、やってる事は同じじゃないですか?宇宙で戦っている時に敵がコロニーに逃げ込んだら、射出されたバックパックに換装、機体色が変わった所でコロニー内へ突入・・・ボクの中では、今日からジムコマンドというのは、そんなMSになりました。(笑) 



 ランドセルは縦長で、エリの後ろから裏面が見えるデザイン。表裏2パーツを組み合わせる構成で、裏面にスキマが出来ない様に作られています。4隅のバーニアには角度が付けてあり、やや後ろ向きに配置されていて単調さが有りません。ランドセルの4隅は一段くぼんでいて、ちゃんと内部からバーニアが生えている様な取付け。ここしか変更箇所が無いとは言っても、なかなか丁寧に作られています。

 今紹介した点は、実は全て旧1/144キットから改善された点でもあります。出来の良い旧キットのファンも多いと思いますが、これから製作される機会が有れば、先に挙げたポイントに手を加えてやると良いでしょう。



 ビームガンは旧キットに比べて、後部のカートリッジが先端で接続されているニュアンスが強調された感じに仕上がっています。旧キットでは、ボンベ状のカートリッジの先端付近にスキが有り、ビームガン後部に、上からセットしてる様にも見えましたからね。ビームガン本体のシルエットは、前半分を長めに作ってあり、その分、旧キットよりもサイズが大型化しています。

 ところでこのカートリッジ、説明書ではエネルギーパックと解説されていますが、時代的には、ちょっと早すぎる気がしますね。これまでのNT−1アレックスの説明書でもマガジンの解説には積極的ではなく、この時代の機体のキットとしては、堂々と触れているのは今回が初めてではないかと思います。NT−1は別格のMSなので、あのマガジンがエネルギーパックだった可能性もアリだと思うんですが(未登場の武器ですし、試作やプランだけだったと考えるのもアリでしょう)、量産機であるジムコマンドならば、冷却剤としておくのが無難ではないかなー?と提言してみる次第です。



 その他の武装としては、シールドとビームサーベルが付属します。シールド裏には、やはりマシンガンのカートリッジがモールドされてます(笑)。ビームサーベルは、右手と一体の、使用状態の物も付属します。

 ランナーは切り替えだらけで、金型流用のお手本の様なバリエーション展開でしたね。用意された切り替えは、これで全て使われたと思うんですが、多すぎて見落としていないか、ちょっと気になってたりして。似ている様で大違いのジムスナイパー2は、新規ランナーだらけになると思いますが、ぜひ発売して欲しいと思います。

2004.12.17  健 竹史



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