健さんの
プラモコラム

その412
  HG アデルの巻

 HG 1/144
 RGE−G1100 アデル
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムAGE」に登場
2012年2月発売 税別初出価格1200円



 HGアデルが組み上がった夜の事。テーブルの上に出しっぱなしにしていたアデルを見たヨメが「昔、こんなアニメが有ったよねえ」などと一言。君、いったい何を言い出すんだ。気のせいじゃないのかね。って言うか、あんたモスピーダ見てたのか(爆)。しかしパソコンデスクに置きっ放しだったAGアデルを見ても何も言わなかったのに、スネの配色のせいですかね。確かに、スネに色が入るとソレっぽさが増量する気もしますが、アニメロボットはカラーリングで識別される説を思い出した一瞬でありました。まさかウチのヨメ、ひょっとしてバイザー顔なんか注目しちゃいないとか・・・?!

 てな訳でアデルです。既にジェノアスシャルドールがいるのに、量産MSがこんなに登場するなんて嬉しくなりますね。フルフェイスヘルメット風の頭部デザインもナイス。宇宙が主な舞台であるガンダムシリーズに、こうした宇宙服っぽいデザインが出てなかったのが意外なくらい。さっそく目を通していきましょう。



 頭部は、首の軸受けと側頭部が一体になった芯パーツに、とヘルメット後部、オデコを取り付け、クリアー成形のバイザーを顔に被せます。顔は全体としては簡素ながら二つ目が付いていて、巷ではアイアンマンと呼ばれてる様ですね。ボクは特撮怪人の何かに似てる気がして引っかかってたんですが、やっと思い出しました。シャリバンの敵戦闘員に似てません?チョンマゲは有りませんが、後頭部にはカメラらしきスリットが付いています。



 バイザーは1パーツだけの小さいランナーで、AGアデルと共用。ジェノアスもそうでしたが、シリーズ共通の仕様になってきましたね。はポリパーツをそのまま使用したダブルボールジョイント。かしげる方向にも良く動きます。



 ボディです。は、エリの内側と肩関節をハサミ込んでの前後貼り合わせ。肩関節はポリキャップで前後上下に可動するだけでなく、AGE−1と同様、真上に引き抜ける仕組みになっています。ウエスト上部は胸の下から差し込み、エリの下に連結。胸板は正面から貼り付けます。フラットなので気付きませんでしたが、AGE−1のダクトとディスプレイの形を引き継いでいるんですね。



 ウエスト下段は、上下に球体ポリキャップを仕込んであります。ここもAGE−1と同じ構造を引き継いでいますが、ひょっとしてこのパーツ、無限に連結出来る形してます?量産機好きな人は、300個くらい買ってつなげてみてもいいかもー。



 です。フレームや股関節軸はAGE−1と同じパーツをそのまま使用。フンドシ前部や前後スカートはセンサーや張り出しが控えめで、ジム以来の量産機の伝統を意識したデザインになってますね。フロントスカートは左右一体可動。切り離せば独立ボール可動に出来ますが、かなりグラグラになりますね。スキマに詰め物をすれば改善しますが、ボクは最近ではセロテープを、粘着面が外側になる様に巻いて詰めています。キツさだけでなく粘着力でボールジョイントが保持され、調整がすごく簡単ですよ。



 サイドスカートはAGE−1と同様のサーベルホルダーになっています。腰骨には極小ボールジョイントで接続。サーベルの着脱は、上を先にハメ込むとスムーズに収まる様です。



 リアスカートは左右一体で可動。フンドシ後部には引き出し式のラックが有るんですが、今回は使用しません。ドッズライフルのマウントには、閉じたラックの下のスキマを利用。コレはコレで2パターンのマウント方式が選べる、上手い方法ですね。どんなラック対応の装備が用意されるのか、今後が楽しみです。ちなみに、スキマの方にはAGスパローのシグルブレイドがフィットしますよ。



 です。股関節からモモ、ヒザ関節まではAGE−1ノーマルと共通。スネは左右を貼り合わせ、ヒザアーマーを前から取り付けます。パーツとしてはスネから分離していますが、組んでみるとラインがスネと一体化。ジムのデザインを意識しているのかも知れませんね。



 スネ後部は、箱状に張り出したスラスターユニットにバーニアをハサミ込み。スキマに差し込み、スリットで位置決め、横壁とはピン接続と、えらく頑丈に固定してあります。ちょっぴりネモっぽいイメージを狙ったデザインなのかも?スラスターユニットが干渉するので、ヒザの可動範囲はAGE−1ノーマルよりも狭くなっています。それでも130度くらいは曲がるので、困る事は無いでしょう。



 足首関節はAGE−1ノーマルの物を使用。足首アーマーはほぼ同形ですが、前面のスリット(センサー?)のモールドが大きくなっています。全体的に、若干厚肉で優しいラインにもなっているかな?



 足首は、のパーツをAGE−1ノーマルから流用。クツは同形の新規パーツとなっています。



 肩アーマーは、肩ブロックを前後からハサミ込み。横には可動式のサイドアーマーが付いていて、腕を横に上げる際にハネ上がります。前後にスラスターが配置されていますが、成形方向の都合で穴は開いていません。構造を見る限りでは、この部分はスパローを参考に設計された様ですね。



HGアデル(左)とHG Gバウンサー(右)。どちらの背中にも装備交換用の穴が開いています。下はHGアデルから取り外したフタパーツ。

 は、肩ブロックから手首まで、全てAGE−1と共通。手首は、左右の穴開きゲンコツと、開いた左手が付属します。



HG Gバウンサーのバックパックを装備させたところ。

 バックパックは背中と一体で成形、丸バーニアは極小ボールジョイントで可動します。その上にある台形の張り出しは別パーツ化してあり、取り外すと謎の穴が露出。Gバウンサーのバックパックを拝借出来るんですが、ユーザーを待たせず同時発売してくれるのが嬉しいですね。ポリキャップは内蔵していませんが、よく使われるサイズであるPC1の直径に合わせた穴にしてあるので、他シリーズの物も含めて、いろんな装備を背負わせて遊べそうです。



手足をHGタイタスの物に交換したところ。スカートは通常のままとなります。

 武装です。ドッズライフルは、後部ユニットをAGE−1と共用。このため、モードチェンジや両手持ちといったギミックは無くなっても、ユニット構造的な組み立ては引き継いでいます。前部は引き出し式のジョイントをハサミ込んで左右を貼り合わせ、銃口を取り付け。ジョイントは腰後部にマウントするための物で、ツメで引っ掛けて引き出しやすい様に突起が付いています。が、その突起が段差に隠れているため指が入らないという残念な結果に。各自デザインナイフ等を使って、ツメを引っ掛ける所を作っておくと良いかも知れません。



手足をHGスパローの物に交換したところ。

 グリップ下のガードで腕をハサむ荷重対策は健在。もしかしたら手ブレを防いで貫通力を高めているのでは・・・なんて冗談半分で思ったりもします。



手足と背中の装備を同時に交換したところ。

 ビームサーベルはワンパーツ成形。AGE−1と同じと言えばそうなんですが、同時発売のGバウンサーと同じ日に組むと、どうしても2パーツ使ったGバウンサーの物と比べてしまいますね。形は似てるけど実機でもコストダウンされてるのかなあ・・・みたいな。クリアーのビーム刃は2本付属。色数に余裕が有るため、多色成形ランナーに含めてあります。短い刃は付属しません。



HGガンダムAGE−1ノーマルと手足を入れ替えたところ。破損時の予備パーツとして劇中でも登場させたら面白いかも。

 シールドは、AGE−1ノーマルと同じ物が付属。表面パーツは同形の新規パーツです。



HGオーライザーと合体したところ。

 そしてプレイバリューを高めているのが、AGE−1から引き継がれた手足(ウェア)の交換ギミックです。SEEDでもダガー系等の量産機がストライカーパックを装備していましたが、結局その多くは飛行ユニットを背負う物で、大部隊による空中戦ばかりが印象に残りました。今回はMS本体のシルエットが大きく変化するのが楽しいですし、ぜひ本編でも見せ場を作って活用して欲しいものです。



HGエールストライカーを装備したところ。

 個人的には、ジムがGメカに対応してるくらい画期的な事だと思うんですよね。手足を交換するシステムだと思わせておいて、交換用ボディを登場させたサプライズとも言えますし、フリット編で引退かと思っていたタイタスやスパローの活躍が続く可能性が出てきたという事でもあります。上手い展開ですね。



1/144ソードストライカーを装備したところ。

 組立時間は55分でした。実に魅力的な量産機で、キットもその楽しさを存分に引き出してくれていると思います。主要なランナー3枚のうち2枚をAGE−1ノーマルと共用しているんですが、それがプラスに働いている様にも思います。主役機と機構が統一され、体格も統一され、拡張性も引き継いで。結構な数のパーツが余るんですが、それを使えば部分的色違いの機体やAGE−1との中間型なんかも割と手軽に作れてしまいそうです。



背中にドラド尻尾を装備、ついでにライフル前部をバクト尻尾に換装したところ。ヴェイガンはこれを恐れて破損した機体を残さず処分するのですね・・・。

 今後の展開ですが、ブロウスペ・・・じゃなくてディーヴァカラーの発売が決まっています。女性シンガーと同じ名前のMSが歌姫を意味する戦艦に配備されてると言うのも、なんだか面白いですね。

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 おまけ

 先に発売されたAGアデルも併せて紹介しておきましょう。頭部は前後2パーツを貼り合わせて、HGと同金型のバイザーを取り付け。内部の顔はこのキットでも再現されています。HGよりも構成がシンプルなため、耳の周囲に分割ラインが無くスッキリした印象。後頭部カメラのモールドが無いので、彫ったり描き込んだりオレ設定を作ったり、各自の好みや腕前に合わせて対処しても良いでしょう。



 ボディは、首からモモまで一体の白パーツがフレームになっています。胸と背中は前後から取り付け。胸板はフレームが露出した物で、そのためHGよりもプラの肉厚分、周囲のフチ取りが幅広になっています。腰は、スカートで前後からハサミ込み。フロント・リアのスカートは本来の厚みの所で段差を付けてあり、切り離して可動化させたい人にとってはAGE−1の時よりも親切に感じるかも。ウエストをのぞき込んだ時、ちょっとスキマが目立ちますけどね。AGE−1の腰パーツとカットした黄色パーツをそのまま仕込んで中間型をデッチAGEられたら面白かったかも。(近い形にはなっている様です。)



 脚は、左右貼り合わせてクツを履かせ、モモフレームに差し込んで接続します。今回もヒザ関節上下やツマ先にスキマを設け、スネ後部バーニアは穴としてあります。素体としてイジりたい人には加工しやすいんじゃないでしょうか。色分けはモモに合わせて白で成形。設定の配色を再現したい場合、スネは塗装してやる必要が有ります。



 肩アーマーは縦にワンパーツ成形してあり、腕に上から被せます。サイドアーマーも一体。前後・側面といった目立つ部分にディテールを足してあるHGも魅力的ですが、縦成形を活かしてスラスターに穴を開けてある点は見逃せませんね。ヒンジの別体感ある表現も縦成形ならでは。ヒンジ幅も細めで良い感じです。もっともAGとHGのどちらが正確かと言うと、設定にヒンジなんか描かれてないんですけれども(笑)。



 腕は、手首まで一体で左右貼り合わせ。デザインはAGE−1と共通ですが、腕の芯パーツに筒状の外装を被せていたAGE−1よりも、プラモとしてはスタンダードな構成だと思います。ヒジや指の色分けは無くなりましたが、手の甲の表現はより自然になり、ヒジ周辺にはスキマの表現が入りました。



AGアデル(左)と、HGアデル(右)との比較。

 バックパックはワンパーツ成形で、エリ幅以上にまでサイズアップ。ただし後ろへ向けてすぼまる形にしてあり、なるべく大きく見せない工夫がされています。ここはゲイジングチップを収納してあり、チップのナンバーは010となっています。

 武装です。ドッズライフルは、本体とグリップ下ガードの2パーツ構成。ガードはグリップをゲンコツの穴に通してから取り付けます。ワンパーツ成形のため厚みを抑えてあり、銃口の直径よりも本体の厚みが薄かったりします。シールドは2パーツ貼り合わせ。AGガンダムAGE−1ノーマルの物と同一形状です。

 組立時間は10分でした。基本的なプロポーションはAGE−1と統一してありますが、前腕がより太い造形に変更されています。こちらが好みという人は、構造は違いますが技術次第で移植にチャレンシしてみるのも良いかも知れません。

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 2012.2.17 健 竹史

  

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