健さんのプラモコラム　その４０１・ＨＧ　ガンダムＡＧＥ

健さんの
プラモコラム

その４０１
　ＨＧ　ガンダムＡＧＥ－１
　タイタスの巻

　ＨＧ　1/144
　ガンダムＡＧＥ－１タイタス
　バンダイ
　「機動戦士ガンダムＡＧＥ」に登場
２０１１年１１月発売　税別初出価格１２００円

　ＡＧＥ最大の特徴である、ウェア換装。ようやく手足を交換したＡＧＥ－１がラインナップに加わりましたね。装備交換はＳＥＥＤで盛んに行われましたが、背負い物が変わっても、本体の体形が変わる事は有りませんでした。が、今回の面白さのキモは、体形が変わる事。目的に特化させる中にも、ユニコーンの様な変身的な演出をプラスする狙いでは・・・と思ったら、劇中でも「変身」と言ってましたね。

　ガンダムが息の長いシリーズになる中で、特殊な物や奇抜な物を登場させないと、そのうち似たり寄ったりのガンダムばかりになりそうな、でも主役は主役らしいデザインでいて欲しい様な・・・そんなジレンマを解消する意味でも、ライバルや仲間になる脇役ガンダムの役割は大きい様に思います。が、今回の様にまるで別物に換装する仕組みなら、脇役でしか登場を期待出来ない様なガンダムが主役で活躍出来ますし、保守的なファンに多いと思われる「ガンダムは１体だけでいい」という意見にも応えやすくなるんですよね。このシステム、案外今後の定番になるのかも？

　という訳で、ぼちぼち本題に参りましょう。主に新規部分について紹介していきますので、変更ない箇所については、「その３９６　ＨＧガンダムＡＧＥ－１ノーマルの巻」を参照下さい。

　頭部と上半身、バックパックはＡＧＥ－１ノーマルと共通。グレーのパーツは新規ランナーに含まれます。基本的にノーマルの時と同一形状だと思いますが、バックパック左右のバーニア内部の表現が、若干頼もしくなった様な気もします。

　腰です。フレームと股関節、前後のフンドシはＡＧＥ－１ノーマルと共通。腰後部の武器ラックも健在です。

　このシリーズでは、モモをヒネらなくてもツマ先が少し開いたポーズになる様、股関節軸に少し角度が付けてあるんですが、スカートが短く股関節が丸見えになるタイタスの場合、素立ちポーズが硬い印象にならない効果が有る気がします。股関節ドラムが常に正面に向いているＨＧジェノアスと印象を比べてみると面白いかも知れません。

　フロントスカートは、黄色いブロックだけになっています。切り離してボール可動にも出来る、左右一体可動式。パーツはＡＧＥ－１ノーマルと共通です。サイドスカートはコンパクトで、スカートと言うより腰骨のガードですね。長方形のパーツを腰フレームにボール接続してあります。

　リアスカートは、黄色いブロックが軸パーツを兼ねる仕組みはそのままですが、スカート本体が大型化。サイドスカートと同じ幅まで拡張され、縦にも長くなっています。スラスターは黄色いブロックの物に加えて、スカート下端にも追加されていますね。

　脚です。股関節は、前後貼り合わせの球体でポリキャップをハサミ込み。ドラム状だったＡＧＥ－１ノーマルの股関節よりも、ボリュームアップしています。

　モモは、赤い上部と白い本体をどちらも筒状にワンパーツ成形。モモフレームに横から差し込んだヒネリ用ポリキャップは、太いフレーム幅に対してブカブカなんですが、白い外装に差し込んだ赤い上部のハメ込み突起が、ポリキャップを横から押さえて定位置に固定します。シンプルで合理的で、なかなか面白い組み立てですね。

　ヒザは、薄型ポリキャップを組み込んだモモフレームを、関節パーツで左右からハサミ込み。後ハメするスネ側でも可動する二重関節になっています。今回も関節パーツの側面に、ＡＧＥ－１ノーマルに準じたモールドを追加。ボリュームは違いますが機構の共通性を演出しています。

　ヒザアーマーは、グレーのメカパーツと赤い表面パーツを重ねて、ヒザ関節の正面からセット。脚を曲げるとスネから離れ、ヒザ上下の曲げ具合を変える事で向きが調整出来ますね。スネに固定しなかった事で、ビームニーキック（ヒザ蹴り）のポーズが決まりやすくなっています。

　スネは、ヒザと足首のポリキャップをハサミ込んでの左右貼り合わせ。足首アーマーまで一体で成形してあり、途中に白いパーツをハメ込む事で、つながっていない様に見せかけています。足首アーマーの正面には分割ラインがムキ出しになりますが、ペーパーがけが面倒なクボんだ部分は白パーツに隠れるため、ラインを消す作業は簡単でしょう。

　足首関節は、上が二軸可動、下がボール接続の二重関節。と言っても、スネ下端と足の甲に後ろから差し込む、割と珍しい構成の関節になっています。このためツマ先を伸ばすのは得意ですが、ヒザを落とすポーズは苦手。足首にヒネリを加えて斜め下に曲げれば、より大きな動きを加える事が出来るでしょう。

　足首は、クツと甲を縦に重ねて、後ろに向けたポリキャップをハサミ込む組み立て。甲の真下は足裏パターンが再現出来ていますが、周辺部は肉抜きしてあります。パーツ点数を抑える狙いは分かりますが、今回は肉抜き範囲がチト多かったかも。

別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

　カカト付近は足裏から肉抜きせず、上部を空洞にしてあります。関節が良く動く代わりに、ポーズによっては空洞になっているのが目立ちますね。きっとＡＧＥシステムが急いで作ったんですよ（笑）。気になる人は、可動を妨げない程度に詰め物をしてやっても良いかも。

　肩関節は、二軸可動で前後と上にスイング。ＡＧＥ－１ノーマルとは色が異なるだけでなく、ボリュームアップした肩に合わせて長さも延長されています。延長で出来た下面の空洞はフタパーツで塞いであり、外観を損ないません。

　肩は、外側がスライド拡張する、ビームショルダータックルでのギミックを再現。ビームパーツの取付部になる外側フレームを、前後貼り合わせの内側フレームでハサミ込んであります。外装は内と外の半球をそれぞれワンパーツで成形。脇のスキマはポリキャップ隠しで塞いであるので、腕を大きく上げても気になりません。

　スライド部を展開する時は、下端の段差にツメを引っ掛けて引っ張り、前後面の六角モールドを持って完全に引き出すと良いでしょう。単にビームスパイクを発生させるだけでも活躍は描けたと思うんですが、分割ラインを消す必要を無くすと同時に、外観変化を伴う楽しさを付け加えたのはナイスですね。六角モールドは単なるアクセントではなく、半球パーツに１８０度以上回りこんだ箇所を作る事で、安定して掴める様にする事を狙っています。良く出来たデザインですね。

ビームスパイクを噴射エフェクトに見立てて、高機動モードをデッチＡＧＥ。

　腕です。上腕は筒状にワンパーツ成形。ヒジは、薄型ポリキャップを仕込んでの左右貼り合わせ。後ハメする前腕側でも可動する、二重関節となっています。ヒジから伸びたピンは上腕を貫通し、肩へ接続。肩ブロックからピンが出ていたＡＧＥ－１ノーマルとは接続方向が逆になるので、ノーマルとタイタスの腕と肩をミックスする事は出来ません。

上腕のピンの方向が逆になっている事を利用して、タイタスとノーマルの肩を接続してみました。南斗聖拳にこんなのが有った様な気がするので、意外と強いかも？

　前腕は、ヒジ接続用と手首のポリキャップを左右からハサミ込み、筒状に成形された袖を被せます。袖はレールでスライドし、一旦取り外せばビームラリアット用のビームパーツを取り付ける事が可能。スライド部には、肩同様のジャバラモールドを入れてあります。

　手首は、左右とも完全に握ったゲンコツのみ付属。２パーツ貼り合わせで指の表情をリアルに再現、さらに甲パーツを取り付けます。手首関節のポリキャップはＡＧＥ－１ノーマルと共通のＵ字形タイプですが、オープンになった面に押さえの突起が入り込んでいない分、タイタスのボールジョイントの方が若干大きくなっています。そのため、ちょっと意外ですが、手首の貸し借りは出来ません。何しろ甲の幅がノーマルの２倍という迫力のサイズですからね。

　武装は付属していませんが、肩やヒザから発生させるビームスパイク、腕から発生するリング状のビームラリアットを再現出来る、クリアパーツが付属します。ビームスパイクは１４本付属し、一度に全てのスパイクを発生させた状態も再現出来ます。形状は共通で、差し込みピンに角度と回り止めを付けてあるので、取付穴は平行ながら、放射状に伸びたスパイクをきれいに再現出来ますよ。