健さんの
プラモコラム

その411
  HG ドラドの巻

 HG 1/144
 ovm−e ドラド/バンダイ
 「機動戦士ガンダムAGE」に登場
2012年1月発売 税別初出価格1200円



 フリット編の最後で明かされたUEの正体、一応同属、一応異星人という上手い塩梅の設定でしたね。今にして思えばイワークたちコロニー下層で暮らす人たちのエピソードは、連邦政府が弱者を切り捨てたり放置したりする体質である事を、種明かしの前に実例として示していたんだなあ、と再認識。また、容易に行き来出来ない遠い場所に敵本拠地を置いた事で、宇宙世紀モノと似た構図ながら戦いの様相は違った物になるんじゃないかと、今後が楽しみです。

 にとっても簡単に帰れない、地球側に紛れて暮らしつつテロに近い戦いをするしかない・・・のかな?ゼハートのドラマはそんな中で展開していきそうですし、長距離航行のための変形を省かれたドラドは、ヴェイガンの置かれた状況を良く反映しているのかも知れませんね。では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は、ハッチの合わせ目だと判明した目のラインで上下貼り合わせたマスクを、左右から外装でハサミ込み。頭蓋を上から被せてアンテナを取り付ければ完成ですが、アンテナは根元を軽く接着しておくと抜けなくて良いかも。それにしても、ますます顔つきがオーラバトラーみたいになってきましたね。



 は、従来のヴェイガン(UE)製MSで上下逆に仕込まれてきたポリパーツが、通常の向きで使われている点が目新しいですね。世の中、フレームの使い方でヘビーメタルの素性がバレる事もあったりします。実はドラドが地球圏で密かに製造されているとか、そんな展開の伏線になってたりしたら面白いかもですよ。彼ら、今でも破損パーツを残したがらないですもんね。



 ボディは、前後貼り合わせのウエストに、胸の拡散ビーム砲や首まで含めて一体化してあります。は、それに着せる様に前後から被せる構成。前へ引き出せる肩関節ポリキャップも、この時にハサミ込みます。拡散ビーム砲内部にはクリアーパーツを使用。砲の左右を覆うカバーは正面から取り付けます。



 です。ウエストとはボールジョイントで接続。腰骨は各部ポリキャップをハサミ込んでの左右貼り合わせで、尻尾の根元まで一体化しています。フンドシは下から腰骨に接続し、フロントアーマーを取り付け。積層フィン風の凹凸(スラスター?)が付いたデザインですが、飾り台取付穴を尻尾の根元に配置してあるので、フンドシの形状は損なっていません。



 スカートは、フロントスカートとリアスカートのスキマを内側から塞ぐ様に、サイドスカートを重ねて配置。どのスカートもボール接続で、リアスカートだけは球体ポリキャップを使ってあります。展開してウイングにならない事もあって、これまでのヴェイガン製MSに比べてコンパクトなスカートですが、広がる様に調整してやるのも面白いですよ。動かしてシルエットに変化を付けられるという特徴は、従来の機体から引き継いでいる感じです。

 です。モモは左右貼り合わせ。ボール式の股関節としてあり、モモ途中でのヒネリは有りません。これだけスカートに覆われたデザインで変形もしないので、今回だけの例外で軸ヒネリを入れてみるのもアリだったかな?造形が入り組んでいるから難しいかな。



 ヒザは、可動パーツをハサミ込んでの左右貼り合わせ。モモ・スネとも後ハメ可能です。ヒザアーマーは関節と一体で、段差で表現してあります。

 スネは、ヒザと足首のポリキャップをハサミ込んでの左右貼り合わせ。前面はエッジのままではなく少しフラットにしてあり、ペーパーがけしても形が崩れない工夫が・・・ん?これもバンダイエッジという事になるのかな。ヒザ下やスソの厚みが均一に見える様に処理してあれば、もっと良かったかも。後部のフィンは後ろから取り付け。ヒザを曲げた時のスキマを埋めて、密着するまで曲がった様に見せる効果も狙っているのかも。



 足首関節は、上が前後スイング、下がボール可動で、どちらにも後ハメ可能な関節パーツの途中に、縦成形したクルブシを通してあります。丸ピン式なのでヒネリも可能。スソに覆われていますが大きくヒネれます。

 足首は、甲と足裏でクツをハサミ込み、甲とカカトで関節のポリキャップをハサミ込みます。クツは反転こそしないものの、接続方式はガフランのツメと同等で、留め方もグラグラです。甲の裏までの小さい面積で踏ん張り、クツは馴染むままに接地してる感じですね。支柱兼ウェイトになってくれる尻尾はプラモ的にも上手い発明だと思いますが、これは実機でも火星と重力が異なる地球圏での安定性を考慮して(略)



 余談ですが、トレーラーで運搬する時にはツマ先まで隠しておいた方が安心だと思います。まあ地球人も「なんだネルフか」くらいに思って、案外怪しまないかも知れませんが。

 肩アーマーは、肩ブロックのポリキャップをハサミ込んで前後を貼り合わせ、側面パーツを取り付けます。横から見た時、内側に分割ラインが通っていないのはありがたいですね。肩関節へはボール接続してあります。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 です。肩の球体は、肩アーマー内のポリキャップに下から被せる方式。上腕は筒状にワンパーツ成形され、ヒジから肩へつながるに通してあります。

 ヒジは、可動パーツをハサミ込んで組み立て、上腕・前腕へ後ハメ。前腕差し込み部でも可動するので二重関節になっています。前腕は左右貼り合わせ。ヒジアーマーも一体です。設定画には描かれていない様ですが、側面には武器装備用の角穴が開けてあります。



関節保持力がしっかりしているので意外と安定の良いキットですが、尻尾を接地させてやると、さらに調整が容易になります。

 手首は、開いた手と握った手が、左右とも付属します。手の平にビームバルカンをハメ込むのは、半開きの指に囲まれて狭かったりパーツの向きが定まらなかったりして毎回苦戦します。手の甲より先に取り付けてみたらどうかな?とか、いろいろ模索中。



 ビームバルカンビームサーベルを兼ねているんですが、ビーム刃が付属しないのは差し込みピンが細く、低年齢のユーザーが破損しやすいという判断でしょうか?HGUCを以前から買い続けている様なユーザー(しかもややマイナーなクリアーイエローの刃を持ってる様な!)に限り、自主的にお楽しみ下さい、みたいな。あ、ビームバルカンの組み立ては、ビーム刃を差し込んで持ったら簡単になるかも?



ドラド(右)、ゼダス(左)とも、クリアーのビーム刃は他キットから拝借しています。

 ところで先日の放送で、手首をやられた片腕を、まるごと分離・爆破するシーンが有りましたね。機密保持のため(軽量化もかな?)だと思いますが、ああいったシーンがちょっと入ってると、パイロットの意思も画面に出るし緊張感も高まって良いですね。ついでに、破損箇所を自作しなくても手軽にダメージモデルを作れるので、ブンドドフレンドリーな良いアイデアじゃないかと思います。



 バックパックは、積層フィンと上部カバーの2パーツ構成。左右に付くウイング状のプレートはボールジョイントで可動。ボールは上部カバーと一体で、ボール受け側は半球を一部くり抜いて、パチンと深くハマる様にしてあります。くり抜き部分にテーパーを付けてあるんでしょうか?ブラ同士ですが保持力は十分です。



ビームライフルは腰から外してあります。

 武装です。ビームライフルは、ガフランの物と同様に折り畳み・伸縮が可能。デザインは別物で、腰後部を尻尾カバーとして延長する事で、ボディから距離を取りつつ根元をコンパクトに出来ている感じですね。



 に接続しまたま前に展開する構え方しか紹介されていませんが、ガフランは外して手で抱えた設定画が描かれているので、ドラドも同様に着脱可能なんじゃないかと思います。また、ゼダスのゼダスソードの様に、三角の張り出しに手のビームバルカンを差し込んで保持させる事が可能。設定でもコネクターになっているんでしょうね。



根元と3つのコネクターからエネルギーを供給して、最大出力で敵を粉砕!ところでゴーカイガレオンバスターって、発射したビームがドッズライフルみたいな進み方しますよね。

 三連ビームバルカンは、黒パーツ(格闘用の刃?)をハサミ込んでの2パーツ貼り合わせ。突起で前腕の角穴に取り付けます。オーラショットを連想したのはボクだけでしょうか?



 組立時間は1時間でした。これまで発売されたヴェイガン側MSはどこかに変形の要素が入っていて、ポーズをつけている間に背中やヘルメットが動いてしまったり、スカートがかさばったりしてましたね。それが面白くはあるんですけど、ようやく純粋な人型でスタンダードな機体が手に入りました。バイファムの前半と後半で敵メカの雰囲気が変わった感覚に似ている様な。ともあれ、これまでで一番動かしやすいヴェイガン側MSだと思いますから、ガシガシ遊んで楽しんでしまいましょう。


 おまけ

 後継機であるドラドが登場したこの機会に、AGガフランを簡単に紹介しておきましょう。頭部は、ヘルメット・マスク・アゴを全て縦に成形してあり、重ねる構成。ダイヤカットされた様なアゴの造形は好みが分かれるかも知れませんが、頬の辺りのシャープさや、変形のためのスキやヒンジが見えないヘルメットはなかなか好印象。アンテナは太めに成形してあり、これは対象年齢よりもゲイジングで遊ぶための強度確保の都合でしょう。首はボール接続です。



 ボディは、首からモモまでワンパーツ成形されたフレームに、前後から外装を被せます。腹部はフレームの一部として成形された拡散ビーム砲が露出して色分け、腰は一見すると別物に見えますが、真ん中でウエストとつながっています。腰後部も背中パーツがフレームの肉抜きを密閉、フンドシ下のU字形ミゾの後ろを塞いで飾り台取り付け穴としています。



 脚は前後貼り合わせてクツを履かせ、モモフレームに差し込みます。HGでは前後に通った分割ラインを隠す狙いでディテールを追加していましたが、AGではそれが無く、より設定に近いですね。



HGガフラン(右)との比較。微妙な違いは固体差だと思えば(略)

 腕は左右貼り合わせで、前後に動かせます。肩アーマーはワンパーツ成形で、腕に上から被せます。縦壁で腕と胸を仕切らないので、人体が甲冑を着込んだ様な表現が好みという人にはオススメかも。手首は腕と一体で無可動。左手は握った状態、右手は開いた状態で、手の平のビームバルカンの位置には武器持ち用の穴開き突起が付けてあります。2体買えば手首を切り取って接着し直す事で、両手とも平手にしたり握り手にしたりも出来ますね。こんな点も、左右のデザインが共通の、ヴェイガン製MSの面白いところです。



HGガフラン(右)との比較。武器の大きさの違いはビームライフルとビームスプレーガンみたいなものだと思って(略)

 背中は少し盛り上がった造形で、ゲイジングチップNo.002を内側にセット。ウイングの張り出しは控えめでこれはゲイジングの読み取りセンサーにチップを近づけるための、止むを得ないアレンジだったと思われます。折り畳み部から先のウイングは、腰の左右に丸ピンで固定。若干ハの字になった配置で、ボディやモモを包む感じは良好。コンパクトで角も丸めてありますが、前から見る分には良く出来ていると思います。



 ビームライフルは、展開した状態でワンパーツ成形。右側面のコネクターが丸ピンに変更されており右手で持たせる事が可能、また腰後部にも接続出来ます。伸ばした状態の尻尾として支えに使う事も出来ますね。発売当初は、HGの物を畳んだ程の長さしかなく、ギミックも代替案なのかと思ってましたが、今になって改めて見ると一通りの設定が織り込まれている感じですね。腰のスリットは長さに余裕が有るので若干の角度調節が可能。ハネ上げた状態の尻尾として取り付けても良し、裏技としては、HGのビームライフルの横にコネクターを使って連結し、合体武器にしてしまうなんて事も出来ますよ。組立時間は10分でした。

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 2012.2.5 健 竹史

  

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