健さんの
プラモコラム

その397
 AG ガンダムAGE−1
 ノーマル
の巻

 AG 1/144
 ガンダムAGE−1ノーマル
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムAGE」に登場
2011年10月発売 税別初出価格600円



 先日発売されたHGに続いて、新ブランド「アドバンスドグレード」(AG)でもAGE−1が登場です。SEEDやSEEDデスティニーのコレクションシリーズ、00のFGに続いて、今度の新シリーズでも1/144スケールはHGとの二本立ての商品展開となりました。発売前はICチップ内蔵でゲームに対応しているという程度の認識しか無かったんですが、ブロックビルドシステムと称した簡単組み立ての徹底や、可動ギミックの大胆な廃止等、なかなか面白いキットですね。



 (ほぼ)可動しないというのはマイナス要因と思われがちですが、きれいな立ち姿を提供しているとも考える事が出来ます。親戚の子を見ていても、組んだガンプラを「カッコ良く」立たせるという事は意外と難しく・・・まあ気にしてないだけなんでしょうけれども、そういうよいこのみんなに、カッコ良く踏ん張ったポーズで凛々しく飾る楽しさを知ってもらうには、特に下半身を完全固定してしまうのは有効です。ここ数年のカップヌードルのオマケガンプラが意外とカッコイイのは、緻密なだけでなく安定したポーズも理由だと思いますし。第一弾として4種一度に発売されたので分かりやすいんですが、単品でのカッコ良さだけでなく、集めて並べたキットの立ち姿に統一感が有るのも魅力ですね。



 また、プレイの時にハゲたり痛みやすいという理由からかも知れませんが、シールを廃した(シールに頼らない、とも言えます)仕様も良いですね。丁寧に貼り込むのは意外と難しいものですし。初めての人に手に取ってもらう、ゲーム世代にアピールするためにも、シールが無い方が敷居が低くなるのです。それと・・・ボクがそうなんですが、カラーリング再現度の高さに負けず劣らず、ひょっとしたらそれ以上に、プラの質感ってクセになるんですよ。よいこのみんなが初めて手に取るのは、こんなキットであって欲しいなあ、などと願いつつ紹介していきますので、大きくなったらオジさんみたいに、どんどんプラモを買おうね(笑)。では各部を見ていきましょう。



 頭部は、芯パーツが目の色分けと首の軸受けを担当。アゴと一体のクマドリを被せると、にシールを貼らなくてもカラーリングが再現されます。ひょっとしたらこのスケールでは、システムインジェクションを採用したHGガンダム以来でしょうか?周囲の彫りも深くて、スミ入れしなくてもクッキリした鋭い目をしています。



 ヘルメットは前後貼り合わせ。マスクだけでなくアンテナも一体で、パーツ点数が少ないだけでなく紛失・破損しやすいデリケートな箇所が1つ減ったと言えるかも知れません。多分デザイン段階から、一体化可能な形にする方針だったのでしょう。初心者や低年齢層を本気で意識してますね。はプラ同士のボール接続で、とても良く動きます。



 ボディは、首・コクピットハッチ・ウエスト・モモフレームまで一体のグレーパーツをにして、黄・赤・青・白のパーツを重ねる組み立て。黄色はエリ・ダクト・フロントスカートに分散した配置ですが、中でつながったワンパーツです。もウエストとフンドシ上部を一体で成形。上に重ねるパーツがツナギの部分を隠す事で、それぞれ1色1パーツという、極限まで簡略化された組み立てになっています。は肩関節軸まで一体で、前後貼り合わせとなっています。

 ハッチは、ボディ芯パーツの一部が露出して内側表面を再現、フチの白パーツを前から被せます。このシリーズはシールが付属しない方針なので、Aのエンブレムは塗装してやる必要が有りますが、フチを取り付ける前なら細筆での作業も比較的簡単に行えるでしょう。胸部ダクトはフィンのスキマを再現。エリは前からハメる都合で、後端は背中の青パーツに含まれます。は、ポリパーツと二重になったHGよりも再現度が高いですね。



 は、サイドスカートの中心で分割した前後貼り合わせ。一体化の都合とは言え、スカート間のスキが無い造形はファーストガンダム放映当時のパンツの様な堅牢な印象で、悪くありません。ビームサーベルは段差で表現してあり固定式、リアスカートの黄色部分は、白で成形してありカラーリングは再現されていません。



 フンドシ上部のセンサー(?)は、ウエストと一体化して前からハメる都合で、下面が水平になり、設定よりも厚みが増しています。コレはコレでBパーツのコクピットみたいで面白いんですが、スカートを先に組む方式にすれば、より設定に近い形に出来たかも知れませんね。もっとも、「順序を間違えると完成しない」というハサミ忘れを起こさせない事を優先しているキットですから、これで正解でしょう。こだわるあまり本来のターゲットを見失うと、HGと別に発売した意味が無くなります。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 フンドシ下には、別売のアクションベースに対応した飾り台取付穴を設けてあります。厳密に言うとU字のスリットの後ろをフンドシ後部で塞いだ物。完全な円形よりも保持力は低いですから、詰め物をする等、工夫してやると良いでしょう。HGよりも配置が後ろ寄りになっているので、支柱の圧迫感がちょっぴり軽減しているかも。

 は、モモから足の甲まで一体の、左右貼り合わせ。これに縦成形のクツを履かせた3パーツで完成します。徹底してパーツ点数を抑えてありますね。モモは筒状になり、ボディから出た角柱形の芯に通して接続。全く可動しない下半身ですが、自然に踏ん張ったポーズが出来上がっていて、机に置いた瞬間に両足の裏がきれいに接地する快感はなかなか。鉄筋か何かの様な芯のゴツさに、実物大ガンダムの建造風景を思い出しました。



 造形的には、ヒザアーマーの幅が抑えてあり、HGよりも引き締まった印象。また、足首が無可動なため足首アーマーとスネも一体化してあり、スキの少ない設定画の印象に近くなっています。前部だけは、わざわざスキマを開けて別パーツ感を強調。下から見ると足首アーマーと足の甲の間は完全に埋まってるんですが、机の上に飾って上から見下ろした眺めには注意を払っているという事でしょうか。と言うか、今回のシリーズはスキマの演出に力を入れてますね。

 側面スラスター(?)は今回も開孔。ヒザ後部は、関節がコンパクトでHGよりもデザイン的な印象は良いかも。ギミックを仕込まなくて良い分、動きそうに造形出来る・・・というのも妙な感じですが、模型ってそんな所がありますよね。アキレス腱の辺りも、埋めてある関節周りよりも、上手く角度を付けた造形の方に目が行ってしまいます。



 足裏は、甲に隠れた部分を下に張り出させる事で、ある程度ディテールを再現してあります。下半身が固定式になった分、SEEDのコレクションシリーズよりさらに立ち姿に特化した感じですが、それでも足裏再現に取り組む様になったのは、飾り台が定着したためでしょう。ツマ先にはHGには無いスリットの表現が入っています。

 は、付け根で前後にスイングさせる事が可能。脇が斜めになったハの字肩体形で、それに合わせて肩関節軸にも角度が付けてあります。上腕から手首まで一体の芯パーツに外装を被せる構造で、なんと肩アーマーは筒状の上腕と一体成形。こんな所まで一体化出来るのかと驚きました。肩ブロック内側の穴から芯パーツが露出し、そこに肩関節軸を接続してあるので、上から見下ろすと可動モデルと見分けが付かないと思います。肩アーマーはHGに比べて前後幅が狭く、引き締まったスタイルで好みだという人も少なくないかも。



 ヒジは、芯パーツ自体に角度を付けてあります。内側が空洞になっていますがあまり気にならず、埋めるのも簡単でしょう。筒状の前腕は手の甲まで一体成形。芯パーツを奥まで押し込むと、ヒジの段差が外装の厚みにブツかって、位置が決まる仕組みです。縦に成形してあるため手の甲が単調な造形になっています。上級者は甲と手首スイングの半円の境い目を強調する様、削って形を整えてやると良いかも知れません。



 手首は、HGと同等の角穴が開いたゲンコツとなります。但し、手の甲だけを外す事が出来ないので、HGのサーベルを持たせる事は出来ても、ドッズライフルを持たせる事は出来ません。

 背中は、下に向いたメインバーニアやシャフトまで一体成形。前からのパーツでは覆えないウエスト後部のスキマも、このパーツで塞ぎます。その上に被さるバックパックは箱状に成形され、ゲイジングチップの収納スペースになっています。



 ゲイジングチップは文字通りのブラックボックスに収まった状態でパッケージされ、表面に刻印された001の文字でこのキット専用のチップである事が識別出来ます。別売のゲイジングハロや店頭のゲーム機に読み取らせてバトルが出来るという、今シリーズの目玉機能。よく分かりませんが、お風呂で遊んで濡らしてはいけないんでしょうね、多分。

 ゲイジングチップを収納する都合で、バックパックはHGよりもかなり大きく造形されています。後部フィンのスキマやバックパック前部のスキマから、チップをセットしてある事が目視確認可能。上部のウイングはHG同様に一体成形してあるんですが、縦の部分を短くしてあり、上端の高さはHGより若干低くなっています。プレイ中に破損しにくくする狙いもあるのでしょうね。



 武装です。ドッズライフルは、厚みを抑えてあるもののHGと同等のサイズで造形。特殊な構造の手首に持たせるため、グリップ下のパーツが着脱式になっています。本体はワンパーツ成形なので、フォアグリップを引き出したり、分解してモードチェンジするギミックは再現されていません。右側面の中央部には肉抜きが有るので、上級者は埋めてやると良いでしょう。

 シールドは、裏面パーツを廃してあるものの表面のA字形エンブレムは別パーツ化してあり色分けを再現。安全対策のためか先端を少し短くしてあり、上端に厚みを持たせてありますが、基本的にHGと同じ大きさ・形状としてある様です。腕への接続は、左腕のピンに差し込んで行います。



 ビームダガーは、サイドスカートから取り外す事は出来ませんが、手持ち用の物が2本付属します。クリアーでない通常プラ製で、ビーム刃まで一体成形。HGの物より刃が短い方が好みという人は、通常プラである事を利用して、好みの長さに削って加工しても良いかも知れませんね。



HG(左)との比較。腰やウエストの可動が充実した今の時代だから余計に、調整無しで左右の均整が取れた立ち姿で飾れる簡易さは、このキットの魅力と言って良いでしょう。

 組立時間は10分でした。今後の展開ですが、手足を交換したタイタスとスパローの発売が決まっています。今回のランナーからドッズライフルとシールド表面パーツが除外可能になっており、赤と白のランナーはまるごと差し替えになる様です。の芯パーツは筒状に外装を通すだけでなく、横からのハサミ込みに対応するためと思われる穴も開けてあり、流用される事になりそうですね。



HG(左)との比較。巨大なバックパックが目を引きます。その大推力からAGE−1の皮を被った別物とも評され、AGE−2に移行する直前の機体であるとも言え・・・すみません、ウソです。

 腕の付け根と首しか動かないので、可動に期待する人にとっては興味が沸きにくいかも知れませんが、持ってゲームに使うには全身フル可動のモデルよりも適している訳ですから、目的に合った仕様という事で割り切り、文字通りゲームのコマとして楽しみましょう。プラモの組み立てが楽しい、仕組みに触れるのが楽しいという人には、パズルの様な分割の面白さが味わえる、ぜひ押さえておきたいキットになっていると思いますよ。



AGガフランと手足を交換したところ。こんな遊びをしながら、タイタス、スパローの発売を待っているのであります。

 可動しない代わりに可動の制約も受けない。簡略化を狙った設計自体が見どころになる。どこまでキット仕様を意識したのか、大胆な分割と妙に相性の良いデザイン・・・。HGに及ばない所と、HGに無い魅力が混在してる点が、何より面白いと思います。安価なキットですから、ぜひ手にとってみて下さい。

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 2011.10.13 健 竹史

  

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