健さんの
プラモコラム

その405
 HG Gエグゼスの巻

 HG 1/144 Gエグゼス
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムAGE」に登場
2011年12月発売 税別初出価格1200円



 連邦の白い奴と言えばガンダムですが、たまにガンダムよりも白い人がいたりします。と言ってもトールギスの時は主役ガンダムは連合側ではなかったし、今回のAGE−1は真っ赤や真っ青に換装するので、従来よりも白のイメージは希薄だし。白いMSは、そんな時に隙を突いて(?)颯爽と現れるのかも知れません。今回はパイロットとパーソナルマークで「白狼」シン・マツナガのイメージもダブらせてますね。UCのトライスターと言い、陣営にこだわらずオマージュが盛んになってきたなと感じる今日この頃であります。では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は、チョンマゲ前後のカメラと一体になった目が、芯パーツになっています。目の下からマスクを差し込み、左右の側頭部でハサミ込むとマスクが抜けない様にロックされます。側頭部のハメ込み穴外形がチョンマゲの位置決めになり、チョンマゲに前から取り付けた頭頂部カメラカバーは、ヘルメット上部を頭に上からセットする事でカメラ表面にロックされる・・・まるでパズルの様な構造ですね。



 このサイズで目の色分けが標準になりつつあるのは驚きですが、この機体の場合、白黒以外の色が付いてる箇所が、カメラとパーソナルマークくらいしかないんですよね。黄色である事が多かった(気がする)目ですが、AGE−1もGエグゼスも目が青いのは、海外での認知度アップ(特に欧米)を意識しているからなのかも?



 ボディです。は、肩関節とウエスト上部をハサミ込んでの前後貼り合わせ。エリはボディと一体で、エリ前だけは別パーツ化してあります。肩関節は前後と上にスイングしますが、AGE−1と同様に上からポリキャップにセットしておきながら、エリが被さっているので後ハメが出来ません。胸の分割ラインには段落ちモールドが有るので接着せずに済ませる事も出来ますが、エリが別パーツだったらさらに良かったかも?はポリパーツそのままの二重関節です。

 ウエストは、腹巻きの上下に球体ポリキャップを仕込んであり、ボール可動します。下側は、軸受け穴が深すぎる様です。着脱してるうちにウエストのに球体ポリキャップが入り込んで行かない様に、穴の奥にリブでも付いていれば良かったかも。予防策として、各自で詰め物をしておくと良いんじゃないでしょうか。丸めたティッシュでも何でも良いです。球体ポリキャップが定位置に有れば関節が引き出せるので、体を前後に反らしたポーズが決まります。



 です。フンドシフレームは、股関節スイング用のポリキャップを仕込んで上下貼り合わせ。フンドシ上部は、左右一体可動のフロントスカートを組み込んで上から取り付けます。この構成のため、フンドシ前部は上から見て筒状に成形してあります。フロントスカートのボールジョイントを後ろから囲う形になっていないため、独立可動させようと切り離すといつも以上にグラグラになってしまいます。ボールを太らせれば解決するので、セロテープを1周巻いてみて下さい。

 サイドスカートは、表裏2パーツの貼り合わせ。ここは下面が発射口になったミサイルポッドという設定で、内部には裏面パーツと一体で成形されたミサイルの先端も再現されています。極小ボールジョイントで腰に接続してあり、可動します。



 リアスカートは、フンドシ後部と一体で成形。フンドシ後部にはツメとレールでスライドするフタパーツを取り付けてあり、下げるとビームライフルマウント用のハードポイントが露出します。股関節は、フンドシ下部ごと前後と左右にスイング可能。底面にはアクションベースに対応した飾り台取付穴が設けてあります。フタパーツは有りません。



 です。モモ上部は、前後貼り合わせのフレームにポリキャップをハサミ込んだ3軸可動。筒状に成形したモモ外装に通し、中でヒザ関節に連結します。



 ヒザ関節は、薄型ポリキャップを仕込んで左右からハサミ込んだ上側関節と、スネ内部の下側関節で二重可動。モモへ後ハメ出来るだけでなく、スネ側も器用に組めば後ハメ出来る様、関節下端を別パーツ化してあります。スネにハサミ込んだポリキャップに関節下端パーツを被せ、ヒザを曲げたポジションで関節本体を差し込んで、下端パーツと連結。説明書ではポリキャップごとヒザを完全に組んでからスネにハサミ込む指示になっています。

 このシリーズでは関節部に積極的にディテールを入れてある事は以前から触れてきましたが、今回は側面に段差でフチ取りを付けてあります。シャルドールがベース機である事を意識してか、AGE−1ともジェノアスとも印象の異なるディテールとなっており、さりげなく別系列らしさが盛り込まれている感じですね。



 ヒザアーマーは、ヒザ関節前面に固定。スライドギミックの様な凝った物ではありませんが、曲げに合わせてスネから分離するだけでも、ちょっとした変化が楽しめます。スネは、ポリキャップをハサミ込んでの左右貼り合わせ。足首アーマーまで一体で成形されています。

 足首関節は、上が前後スイング+ヒネリ、下が横スイングを担当。下側関節はHGジェノアス同様、ボールジョイントを使いながらも実質は受けのポリキャップ自体のスイングで動いています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 足首は、縦に重ねた甲とクツでポリキャップをハサミ込む構成。足裏はツマ先先端だけ肉抜きしてあります。キットでは固定式ですが、ツマ先先端の可動に対応したデザインになってますね。

 肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込んでの前後貼り合わせ。側面のスラスターは後ハメ可能ですが、奥まった配置のため、説明書では事前に組み込んでおく指示になっています。



 です。肩ブロックは、ポリキャップをハサミ込んで前後を貼り合わせ、サイドアーマーを横から貼り付けます。肩関節軸は肩アーマーではなく腕に直結。丸見えになった時も力強い印象ですね。上腕は筒状にワンパーツ成形してあり、ヒネリ部に薄型ポリキャップを仕込みます。

 ヒジは、ポリキャップをハサんで半分ずつを貼り合わせる、AGE−1と同じ方式。前腕側差し込み部でも可動する、二重関節となっています。上腕とはミゾで噛み合い、組立・分解途中でも簡単に抜けないのが良いですね。このシリーズで多用されている仕組みです。



 前腕は、フレーム前後が大きくムキ出しになったデザイン。ワンパーツ成形のフレームにU字形の手首用ポリキャップを組み込んで、外装パーツで左右からハサミ込みます。筒状の袖口は六角形ですが、内側のハメ込み形状は正方形にフィット。向きを変えて差し直せる仕組みはAGE−1と同様ですね。

 手首は、左右の穴開きゲンコツと左の平手が付属します。



 バックパックは、箱状にワンパーツ成形された中央ユニットの左右に、2パーツ貼り合わせのスラスターユニットをボール接続。さらに外側にはポケット式のサーベルラックを貼り付けます。スラスターユニットは基本的にモナカ割りながら、ディテールを避けて分割ラインを通してあります。下面にはバーニアを取り付け。どうやら円筒形タイプがこの世界の主流みたいですね。

 武装です。ビームライフルは、折り畳み式のフォアグリップと引き出し式のマウント用ジョイントを内側から仕込んでの左右貼り合わせ。銃口は別パーツ化してあります。説明書の解説によるとドッズライフルの技術も反映されているため同等の性能との事。劇中でもこういった事を、どんどんセリフに出して語って欲しいなあ、と思うんですが。



 ビームサーベルは、筒状にワンパーツ成形。サーベルホルダーはピン等を使わない角穴で、ツバを差し込んで保持します。埋没式だったAGE−1、差し込み式だったジェノアス、そして今回も、サーベルの外形を使った保持方式。低年齢層をターゲットにした作品という事もあり、ビーム刃取付穴に細いピンを差し込む様な、破損率の高い方式を意図的に避けているのでしょう。クリアーのビーム刃は2本付属します。



 シールドは、本体と裏面の2パーツ貼り合わせ。グリップは裏面パーツと一体で、ライフルの場合と同様に、ゲンコツで握らせて装備します。突起が袖口の切り欠きに噛み合って保持をサポートする仕組みもナイス。AGE−1の様な深い穴は有りませんが、袖口をヒネって差し直せば取付面を変更出来る仕様は、AGE−1から引き継いだ物ですね。



バックパック左右のスラスターユニットを少し引き出してスキマを作り、フォ−ク形のジョイントを使うと、宙返り状態でディスプレイ出来ます。

 表面のウルフマークはシールが付属。初陣ではシールドを持ったままビームサーベル二刀流「ウルフファング」を披露しましたが、シールドとサーベルを同時に持つのは不可能で、残念ながら劇中シーンは再現出来ません。ゲンコツの前にガードが張り出しているので、ジョイント接続式に変更してもポーズを制限しそうですね。この辺はMG化される事があれば何らかの方法でフォローされるポイントになって来るのでしょう。



AG Gエグゼス(左)との比較。AGとHGの違いをあまり感じさせない機体であります。

 組立時間は55分でした。今後の展開ですが、目が除外可能になっていたり、白いランナーの中に多色成形の継ぎ目が設けてあったりするので、ベースとなったシャルドールの発売は想定されているんじゃないかと思います。ジム的なポジションの量産機が2系統登場するというのは、なかなか豪華な事ではないかと思うので、ぜひ発売して欲しいですね。・・・って、これも最近のジム人気を反映しての事でしょうか?

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 2011.12.25 健 竹史

  

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