健さんの
プラモコラム

その399
 HG ジェノアスの巻

 HG 1/144
 RGE−B790 ジェノアス/バンダイ
 「機動戦士ガンダムAGE」に登場
2011年10月発売 税別初出価格1200円



 ガンダムがまず開発されて、後に量産向きに再設計された機体が投入される。ファーストガンダムに倣ったSEEDでもそうでしたし、敵にコピーされた00もそれに近いと思いますが、AGEではジェノアスの方が先に生産・配備されていましたね。開発・起動エピソードで始まる物語としては珍しいケースかも。

 少年がガンダムを作るというのは突拍子も無い話に違いありませんが、MSの実用化は済んでいる事、設計図と時間と設備、協力者を得られる環境を設定段階で与えてあるんでしょうね。脱線して付け加えるなら、宿命を背負わせ開発の中心人物にする事で、「乗ったら重罪」というお決まりのヘビーな展開に、半分目をつぶる口実にもなってる気がします。

 てな感じでジェノアスです。今回はガンダムが弱くなったみたいなMSとは言わせませんよ!えーと・・・もっと弱そう?まあいいや。お陰でガンダムと全く別デザインの量産機の活躍が楽しめる訳ですから。さっそく目を通していきましょう。



 頭部です。前後貼り合わせのヘルメットは、耳の部分でパーツの厚みが2枚重なる様にして頑丈に接続。ヘッドホンを付けた様なデザインの段差部分を、そのまま分割ラインに利用してあります。後ろに伸びた後頭部カメラは、ヘルメットと一体成形。チョンマゲを低く抑えたデザインは、宇宙服やバイク用ヘルメットの様なシルエットを崩さない、良いアイデアですね。ジム的なポジションでありながら、恐らくガンダムと直接の関連を持たない機体ですから、ガンダムの特徴を消す意味でも納得のデザインです。



 バイザーはクリアーパーツを使用。多色成形ランナー内の1色としてではなく、単独ランナーで成形されています。実は、先に発売されたAGジェノアスと同じ型で成形された共通パーツ。先に発売されたAGを見た時から予想してましたが、今後はこんなコストダウンも大いにアリですね。HGとAGを並べたい場合も、加工や塗装無しで同じ印象を保てるので、クリアーパーツが全く同一であると助かりますし、安価な簡易キットにクリアーパーツを導入出来たのも、共用のお陰だろうと思います。



 バイザーの内側には内部メカニックを再現。アゴまで一体で成形され、色分けを兼ねて別パーツ化してあります。上位機種であるウルフ機が、近年のジム系キットに準じたセンサー形状なのに対して、通常のジェノアスではボールの様にも見える一つ目のセンサー形状。ファーストガンダムやガンプラに慣れ親しんだ人には、性能差が感覚的に納得出来てしまうデザインですね。

 は、ポリパーツをそのまま使ったダブルボールジョイント。かしげる方向にも良く動くので、ボディをヒネった時の目線も自在です。



 ボディです。は、肩関節の引き出し式ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。コクピットハッチ(胸板)は前から取り付けます。面白いのは、ウエスト接続用のポリキャップを背中からハメ込み、バックパックで閉じ込めてある事。胸にハサミ忘れるトラブルが起きにくく、外形で閉じ込めるので保持も頑丈、傾いてピンをツブす心配も無く、パイプ状の受け穴が不要なのでコンパクト。これは良いアイデアですね。

 ウエストは、腹巻を上下に重ねる事が多かった部分ですが、今回は前後に重ね、横スイングに適した構造になっています。動かしたい軸方向を先に決め、それに合わせてデザインしてある感じですね。ウエスト後部を胸に接続(後ハメ目的で可動は無し)、ウエスト前部を腰に接続してあります。



 実機ではコの字形になった根元のジョイントで前後スイングするのだと思いますが、キットでは前後ウエストをボール接続とする事で単純化、前後スイングもここで行う仕組みにして、コの字ジョイントは無可動としてあります。との接続もボール可動で、引き出せば大きく前後スイング出来ます。

 は、前後貼り合わせの腰骨でサイドスカート用のポリキャップをハサミ込み、縦成形したフンドシと連結する組み立て。ウエストの接続穴はフンドシ側に仕込んであるので、腰骨無しでもフレームが成立している構造です。改造したい時等に融通が利きそうですね。フンドシ上部のセンサー(?)は腰骨と一体で、白パーツを貼り付ける事で分断され、別ユニットに見える仕組み。腰後部のグレー部分は別パーツ化してあります。



 サイドスカートはポリキャップで接続。に持ち上がる方向にのみ可動します。股関節軸は固定式。フンドシ下には、ムキ出しの飾り台取り付け穴が開いています。

 です。股関節は3軸可動。ポリキャップをハサミ込んだドラム状のユニットが、モモの上でヒネれる構造です。モモ外装は筒状に成形。下面のスキマを塞ぐ仕切り板が関節パーツを兼ねていて、ヒザ関節を組んだ後で外装を被せます。外装の中で股関節に連結してあるので、外装を外した状態でも自立します。



 ヒザは二重関節。モモ下面を兼ねた上側関節パーツと下側関節パーツにポリキャップを仕込んで、左右からハサミ込み。側面のモールドはプラモオリジナルだろうと思いますが、関節ユニットを二分する様なスジ彫りが入っています。実機もここで連結するブロックビルドアップ?あるいはここでも可動するとか?想像してみるのも楽しいですね。



 スネは、左右貼り合わせておいてから前面パーツを被せます。足首アーマーは前面パーツと一体で、裾の内側にも分割ラインがほとんど露出していません。アキレス腱は平らなメカパーツを貼り付けて色分け。高いカカトと軸可動で接続してしまえそうなデザインが面白いですね。AGの様な簡易キットでポーズ変更や可動化を楽しみやすい様に、意識しているのかも。直立時にモモとスネが一体化するデザインもAGに向いている様に思えます。



 足首関節は、上が前後スイングとヒネリ、下が横スイング。可動位置が上下に分散していますが、二重関節とは違う感じですね。下はボール接続ですが若干動く程度で、ほとんど着脱目的。実質的にはポリキャップ自体の横スイングのみです。上関節の前後スイングは、しゃがみ込む方向の動きが主で、ツマ先を伸ばす方向の動きは苦手です。実機ではアキレス腱(スネ後部)ごと後ろに動く事を想定しているんじゃないですかね。

 足首は、クツとクルブシを重ねて、足首関節のポリキャップを閉じ込める構成。クルブシは横がオープンになっていて、ほとんどムキ出しになったポリキャップが大きくスイング、身長以上に開脚しても足裏が接地するほどです。足の甲とクツの区別が無いデザインは、パーツ点数を抑える狙いでしょうね。足裏は、ツマ先付近がディテールに合わせた形(と思われる)で肉抜きしてあります。 



 肩アーマーは、肩ブロックのポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。肩関節のポリキャップにボール接続してあります。分割ラインはド真ん中を通っていますが、形がシンプルで、3方向に配置されたバーニアも後ハメ式なので、ペーパーがけも比較的簡単でしょう。

 です。肩ブロックは、下から被せるポリキャップカバー式。上腕はヒジまで一体で、ポリキャップをハサミ込んでの左右貼り合わせです。筒状でないのも、ヒジ関節が独立していないのも、最近では珍しいですね。二重関節にしないなら、色分けのための色指定は止めてパーツ点数を減らすというのもアリでしょう。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 前腕は、ヒジ(上腕)とスイング式の手首基部をハサミ込んでの左右貼り合わせ。デザイン上のハードポイントは袖付近に有るんですが、手首基部の可動との両立が難しいという判断からか、ヒジ付近にシールド装備用のスリットを設け、ここにポリキャップを内蔵。本来のハードポイントはモールド表現のみとなっています。

 手首基部は筒状に成形し、ポリキャップに被せてあります。説明書では前腕にハサミ込む指示になっていますが、後ハメも可能ですよ。



 手首は、左右の穴あきゲンコツと、左の平手が付属。ガンダムAGE−1とは別物で、従来のゲンコツに近いスタンダードなデザインとなっています。

 バックパックは、グレーのメカパーツと外装の組み合わせ。筒状のバーニアは固定式となっています。



 武装です。ビームスプレーガンは、左右貼り合わせて前面パーツを被せる3パーツ構成。銃口は開孔してあり、ハメ込みピンの先端が底面になっています。センサーはシールで色分けを再現。持ち方を調節してる最中に手の甲が外れる事が多いので、ビームスプレーガンではなく手首を持ってポーズを調整すると良いでしょう。

 ヒートスティックは、グリップとロッドの2パーツ構成で、シールド裏に収納しています。ロッド部分は完成後も着脱可能で、クリアーのビーム刃に差し替えればビームサーベルにも変化。ビーム刃は2本付属し、1本は余りパーツとなります。



必殺のビームバーニア。最大6本のビーム刃を形成し、周囲の敵を一網打尽に(ウソ)。

 収納は、シールド裏の筒状ホルダーに通して固定。キツさで保持しているので塗装した後は塗膜が心配です。また、ロッド先端の尖った部分を押すのはハメ込みピンに負荷をかけないか気を使うし、指も痛くなります。指示とは違いますが、下から差し込む方が楽ではないかと思います。



 シールドは、表裏2パーツの貼り合わせ。面積は小さく、前腕を箱状に覆うコンパクトなデザインです。銃撃戦で身を隠すよりも打撃の防御や打突武器として重宝しそうで、接近戦での使用を重視しているのでしょう。突起物の無いビームスプレーガンを見てもそう感じます。2枚重ねになった厚み部分は迫力が有り、ここに凝った表現を加えてみるのも面白いかも。ポージングの邪魔にならず、腕との接続部を覆う事でジョイントパーツを省く事も狙ったデザインなのかも知れませんね。



AGジェノアス(左)との比較。フェイス部クリアーパーツの色が違って見えますが、これは透けて見える内部パーツの違いに拠る物。ランナーで比べると同じ成形色の様です。

 組立時間は45分でした。ウエストの動きがすばらしく自由で、デッサン人形としても使えそう?しかも、それを単純な可動の組み合わせで実現している所が良いですね。00シリーズの上体スイングという前例が有るとは言え、デザインと設計、両方で可動の事を良く考えてある結果でしょう。もうすぐウルフ機も発売されますが、そちらも楽しみです。


 おまけ

 10年は戦えそうな量の缶コーヒーを買い込んでる気がする今日この頃ですが、今度はワンダに建設機械コレクションと題したゼンマイトイが付いていたので、フルコンプしてきました。



 後列左から950Hホイールローダ、D7Eブルドーザ、901B2ミニホイールローダ、前列左から797Fダンプトラック、320D油圧ショベル、305DCRミニ油圧ショベル。適当なデザインでなく、キャタピラー社の実在の機種を再現してあるのが良いですね。どれもコーヒー缶の直径に収まるギリギリのサイズで、迫力がありますよ。ショベルはアームを取り外してあり、開封後に取り付けます。



 スケールはまちまちで表記は無し、ミニショベルが一番大きいのはご愛嬌(笑)。いずれも手巻き式ゼンマイで走りながら、ショベルやアーム、荷台を上下させるダブルアクション。本当は走行中に動かす事は稀だと思うんですが、その辺は言わない約束って事で。キャタピラは固定式で、底面の車輪で走ります。



 アーム等を動かしながら走る様子とゼンマイの音が、なんだかゾイドを連想させて楽しいのです。ゾイドやゾイコロも、オマケに出来ないか検討してもらえると嬉しいですね。もちろん建設車両も6種で終わらせず、続編を期待しています。本当はいっぱい出せるんだけど、6種だけにしておいたのだと思いますし。早い話が企画担当者はビルドロン好きに違いないと睨んでるのですが、当たってるかなどうかな?

関連記事

その396 HGガンダムAGE−1ノーマルの巻
その397 AGガンダムAGE−1ノーマルの巻
その398 HGガフランの巻

 2011.11.6 健 竹史

  

HG ジェノアス
HG ジェノアスカスタム
ガンダムトライエイジ 1弾 ガンダムAGE-1タイタス PR

  

EXP001 1/144 システムウェポン 1
EXP002 1/144 システムウェポン 2
EXP003 1/144 システムベース 1

  

機動戦士ガンダムUC サウンドトラック2
太陽の牙ダグラム DVD-BOX II
太陽の牙ダグラム DVD-BOX III

  

1/150 建設機械コレクション Vol.1 BOX
建設機械コレクション vol.2 BOX
トミカ No.65 日立建機 双腕重機 アスタコ ブリスター

  

アーマード・コア ウェポンユニット016
ウェポンユニット017
ウェポンユニット018

  

宇宙船別冊 電人ザボーガ―
電人ザボーガー&ピー・プロ特撮大図鑑
RAH ストロングザボーガー

  

ムギ球 3V用 黄 10セット
ムギ球 3V用 クリア 10個入
エレクラフトシリーズ No.15 6Pスライドスイッチ(2個入)

  

リボルテック ウォーリー
リボルテック ニモ
赤毛のアンの家 2011年 11/8号
赤毛のアンの家 2011年 11/22号

   

DVD付 衝撃の完全カラー化映像!『ウルトラQ』伝説
1/72 キャプテンハーロック スペースウルフ SW-190
1/150 木製建築模型 松江城

  

Apple iPod touch 8GB White MD057J/A
ダイニチ石油ファンヒーター S ウォームホワイト
災害備蓄用缶詰パン・3缶セット

[HOME]

inserted by FC2 system