健さんの
プラモコラム

その69
1/144ソード&ランチャーの巻

( 1/144ソードストライク ガンダム・ランチャーストライクガンダム/ バンダイ/
GAT−X105 ソードストライク ガンダム・ランチャーストライクガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 主役のストライクが各スケールで発売され、5体のガンダムが出揃って、ようやく装備バリエーションがスタートです。ストライクの「ウリ」になってる機能なのに、ずいぶん待たせましたね。まあ、これ以上のペースで発売されると、買う方も大変なんですが。考えてみたら、5体もいるガンダムを全てコレクションキットとHGで展開しながら、外伝の色違いバージョンまで有るんですから、大所帯のシリーズになる訳です。

 今回は2つのキットを、まとめて見ていきますが、この2つ「ソード」「ランチャー」は、それぞれにストライクガンダムが付属した内容で、個別に発売されているキットです。念のため。



 では、一応シリーズの通しナンバー順「ソード」から見ていきましょう。(登場したのはランチャーの方が先でしたけどね。)ストライクガンダムはA1・A2ランナー、ソードストライカーはYランナーという配置。気になったのでランチャーの箱を開けてみると、やはり思った通り、ランチャーストライカーはランナーとなってました。アルファベットを、最後から順に発売していく予定みたいですね。

 今後、劇中で何通りの装備(ストライカーパック)が登場するのかは分かりませんが、ストライク本体が、「Gガンダム」のライジングガンダムの様に、派生タイプにパーツ流用された場合は、B、C・・・とランナーを追加していけそうです。記号がダブりにくい様、予定のないうちから、先回りして準備しているのかな?

 「ソード」の話題に戻りましょう。メインの武装は、15.78メートル対艦刀「シュベルトゲペール」です。こんな具体的な名前を付けられると、キットも大きさを正確に再現しなくてはならず、メーカー泣かせですね。ボクみたいな物好きが、測ってみたりしますし(笑)。計算では刃渡り11センチで、キットは、かなり正確です。でも、先端の安全突起を切り落とすと、サイズが狂ってしまいそう(笑)。形と大きさ、どっちを優先しようかな?と。(フツー、形でしょ。)



 背負わせる時には、対艦刀の穴に、バックパックのピンを差し込んで固定しますが、刃の部分のビームが一体成形のため、不使用状態に出来ません。これはドムのヒートサーベルと違って、設定に詳しくなくても稼動状態と分かりやすいデザインのため、かなり気になりますね。1/100では、ビーム刃が着脱出来れば嬉しいですね。柄の端からもビームが発生しますが、こちらは着脱可能です。また、手首(って言うか、腕)を分解しなくても持たせやすい様に、柄の端が分解可能です。

 エネルギーパイプが、ツバよりも前に出てるデザインが、なんだか破損しやすそうで気になりますね。確かに対艦刀単体の設定画はこうなってるんですが、背負った設定画では、ツバがパイプまでガードしてる様にも見え、ボクはこっちの方が、しっくり来ます。ツバには肉抜きが有りますが、簡単に埋められるでしょう。


HG(左)とコレクションキット(右)の比較。HGの方は、マイダスメッサーの下端と、対艦刀の先端の安全突起をカットして、シャープにしてあります。


 左肩のビームブーメラン「マイダスメッサー」は、肩から外して手に持たせる事が可能です。ビーム刃は着脱式の別パーツです。手首を分解しなくても持たせやすい様に、グリップの部分が割れる様に可動します。HGに装備させる場合は、手首の分解が簡単なので、グリップを接着して、分割線を消してやっても良いでしょう。動かないコレクションキットに合わせるために、武器が可動するという、面白い仕様です。

 左腕のロケットアンカー「パンツァーアイゼン」は、開状態と閉状態の先端パーツが付属。いずれもワンパーツで、裏面には肉抜きが有りますが、簡単に埋められます。この先端部分はワイヤーで射出出来るという設定です。射出シーンを再現する場合は、差込みピンの途中に段差が有るので、その辺りでピンを切り落とすと、ちょうど設定に近い形状になりそうです。あー、でもちょっと、ピンが中心からズレてますね。残念。

ロケットアンカーの名称は、製品パッケージでは「ピアサーロック」と呼ばれていますが、ここでは各出版物の掲載資料に倣って「パンツァーアイゼン」と表記しました。後日、必要あれば表記を訂正するかも知れません。


 バックパックは、対艦刀をマウントするアームが可動式。基部にはポリキャップを使用してあるので、保持力は十分なんですが、ポリキャップを仕込むために、バックパックの表面の一部がフタになってます。ディテールにも見える形状にはしてあるんですけどね。1/100では、バックパック裏から押さえパーツを仕込むとか、広いスペースを活かした、別の構成になっていると嬉しいですね。

 左肩アーマーは、前後分割と動力パイプの4パーツ構成。サイドアーマーは、実機では可動式だと思いますが、キットでは固定です。サイドアーマー裏側には、設定には無い(と、思われる)ブロックが出っ張っているんですが、これはハメ込みピンを隠す目的で付けられた物なんでしょうね。上級者は、ブロックも、その中のハメ込みピンも、削り落として良いと思います。ムードをブチ壊しにしない配慮がニクイですね。

 ところで左肩アーマーは、ストライクの肩に被せるのでは無く、「ストライクの肩の代りに取り付ける」組立てになっています。どうも肩アーマー前後にある「丸ポチ」が、ソードストライクの設定では、無視されているか、引込み式になっているのがネックになり、分割式にしても着脱出来なかった、という事みたいですね。アドバンスドMSインアクション版では着脱出来るらしいですが、丸ポチが着脱の障害にならない様、突起ではなく「スジ彫り」に変更されてる様に見えます。(模型誌の写真からの判断ですが。)


HGストライクに装備した状態。対艦刀の重さのため、手の甲が外れやすいので注意しましょう。左肩サイドアーマー裏の、ピン隠しの構造にご注目。


 そう言う事情も有って居直ったのか、このソードストライカー、HGストライクにも装着は可能なんですが、加工が必要となっています。しかも、HGに合わせて加工した場合、300円ストライクには取付けられなくなってしまいます。うーむ、これは2個買いでしょうか?(で、買いました。)

 まず左肩アーマーですが、コレクションキットの肩ブロックよりも、HGの肩ブロックの方が大きいため、軸受けをカットします。HGの肩ブロックの前後幅に合わせてやる訳ですね。軸受けをどこまでカットするかは、一目で分かる様になっていて、道具もニッパーだけ十分です。

 それからパンツァーアイゼンは、コレクションキットの左腕の穴を利用して取り付けるんですが、HGにはこの穴が無いため、ピンを切り落としてやります。ここはピンを切り落とした後でも、腕の前後からハサミ込む構造が生きているため、コレクションキットにも取付け可能です。ただ、位置決めが何も無くなるので、HG・コレクションキットとも、目測で取り付ける事になります。



 では続いて、「ランチャー」の装備です。バックパック左側に320ミリ超高インパルス砲「アグニ」を、右肩には120ミリ対艦バルカン砲/2連装350ミリガンランチャー・コンボユニットを装着してます。

 右肩ユニットは、前、後、サイドアーマーの3パーツ構成。ストライクの肩アーマー上にあるフックに、上から被せる様に装着します。これは無改造でHGにも装備でき、完成後の着脱も可能です。(塗装がハゲないか、ちょっと心配ですけど。)



 「アグニ」は、バックパックからの可動式アームで保持されていて、射撃位置への展開が可能です。コレクションキットはヒジが曲がらないため、アグニを、一度アームから外して、設定とは違う別の穴に接続して構えます。左腕全体を前に出して構えるため、アグニ自体も、設定よりも前寄りに構える事になり、右手がフォアグリップに届きません。片手持ちで、しかも力強いポーズにならないので、アグニを下げ気味にして、出撃前のつもりで、立ちポーズを楽しみましょう。


HGストライクに装着した状態。コレクションキットとは、アームの接続位置が異なりますが、こちらが正解です。


 HGの場合は、アームを差替えなくても、ワキの下に抱えるように、力強いポーズで構える事が出来ます。もちろん右手もフォアグリップに届くので、両手持ちが可能です。ワキを思いっきり開くと、持たせやすいと思います。

 アグニを保持するアームは、筒状のパーツの成形にスライド金型を使っています。関節部分には、この筒パーツの大穴が開き、ポリキャップも露出して、あまりカッコ良くありません。上級者は、この辺を隠すような改造を加えてやると、グッと良くなると思います。

大穴とポリキャップにご注目。模型誌では、なかなか見られないアングルです。

 バックパックは、わずかワンパーツ。ソードのバックパックとも、バーニア等は付いていないデザインです。下部には、ストライク本体のバーニアが露出していて、これで行動するんですね。

 組立時間は、ストライクガンダムが15分(が、2体)。ソードストライカーとランチャーストライカーが、各10分くらいでした。どちらのランナーも、1色で1枚ですが、シールが付属しています。ストライクの顔面のシールも含まれているので、単品売りの300円ストライクよりも、ちょっとカラフルに仕上がりますね。それから箱の底面では組立の説明が収まらないので、別紙の説明書が付属しています。

 装備させてみた感想ですが、やはりHGの様に可動が充実していないと、アクションポーズが様になりませんね。立ちポーズは問題無いんですけどね。で、HGほどの可動は無いものの、コレクションシリーズの中でも可動が優れていると思うアストレイに、対艦刀を持たせてみたんですが、ストライクよりもポーズが決まります。やはり腕のヒネリ可動は効果絶大だと、妙な所で再認識。

 それから、スカイグラスパーとの合体は、「ソード」「ランチャー」とも肩サイドアーマーが可動する必要が有るみたいですから、無可動の仕様になっている今回のキットは、1/144スカイグラスパーが発売されたとしても、一部設定と異なる合体状態となりそうです。1/100に期待したいです。

 ところで、日本での発売は、ストライクと装備1種のセット売りになりましたけど、海外向けに発売する場合は、全種セットで発売しても良いんじゃないかなー?とも思います。アニメ終了後なら、なおさらですね。そういった意味からも、ソードの肩アーマーが、接着後に分解不可能になってしまう(つまり交換不能)構造なのは惜しいです。肩ブロックごと差替えられる、予備の肩が有れば可能ですが、新規にパーツを追加するのはキツイかな?

 それから、アニメが終了した後も、そのままF90の様な、バリエーション展開を続けても面白いと思います。未使用のまま破壊された装備が有ったとしても、おかしくないストーリーですからね。


エール、ソード、ランチャーの装備を組み合わせた例。ランチャーの右肩ユニットは、エールストライカーと若干干渉します。このため、コレクションキットをベースに使った場合、右腕が抜けやすくなる様です。写真はHGをベースに使っています。


 F90の時は、各装備の価格が統一してあったのが、面白味に欠けていたと思うので、大小様々な装備が有ると良いと思います。・・・とか言いながら、先日のSEEDメカコンテスト、ボクも応募したんですけどね。応募作からのキット化も有り得ると聞いて、ソードやランチャーと、同じ程度のランナーに収まるようにしよう・・・なんて、頭のすみっこで意識しながらデザインしたりして。(弱気だなあ。)



おまけ

 このサイズのランナー面積で、ここまで充実した装備が提供出来ると分かった訳ですから、各模型誌で、オリジナルの武装を付録で付けちゃうのもアリと思うんですが、どうでしょう?主人公機に拡張性が有ると、いくらでもキャンペーンが出来ますね。一時期の「特製アドベントカード」みたいに、色んな本に「本誌限定ストライカーパック」が付いていると、買おうかな、って思っちゃいますよ。

 あと、終了したメカコンテストみたいなノリで、ライター競作の「ストライカーパックコンペ」を特集でやっちゃう模型誌なんかが出てきても良いと思うんですけどね。お祭りするだけの魅力は十分に持ってるキャラクターだと思うんで、周囲が、どんどん盛り上げると良いですよ。いかがなもんでしょう?


2003.2.23 健 竹史

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