健さんの
プラモコラム

その378
 MG
 ダブルオーライザー
の巻その1

 MG 1/100
 GN−0000+GNR−010 ダブルオーライザー
 バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場
2011年5月発売 税別初出価格6500円



 00の主役機、ダブルオーガンダムがMGで登場です。しかもいきなりオーライザーとセットでの発売。小出しにされると悶々としてしまいますから、こうやってポンとフルセットで出してもらえると嬉しいですね。ストーリーも完結し、ガンダムシリーズの次回作も始まるという事で、ダブルオーを出すには今がベストなタイミングだったのかも。

 でもやっぱり、このダブルオーを遊び尽くすには、このキットから発光ユニットを移植してTVシリーズの最終決戦を再現しませんとね。(そう、発光ユニットは標準装備で、ぜひ2つ付けて欲しかったです。)てな訳で、キット化の方は今後も続々とお願いしたいなと思うのでありますよ。と、念を押したところで本題に参りましょう。



レンズ底面の色分けシールと、内部の光漏れ防止シールのみ貼って撮影しています。

 頭部は、目と側頭部、後頭部カメラまで一体になった箱状のクリアーパーツを芯にして、胸から誘導した光を内側から照らす発光ギミックを採用。マスクをハメ込むグレーのパーツは頭部の下面まで覆って光漏れを防ぎ、芯パーツも不要な所は光漏れ防止のシールを貼ってやります。

 ヘルメットは左右貼り合わせ。チョンマゲと耳は別パーツ化してあり、マスクとアゴは正面から取り付け。側頭部にはクリアーのレンズパーツをハメ込んでやります。オデコのクリアーパーツにも、重ねて取り付ける2色のアンテナのスキマを通って光が当たる仕組み。これは起動時に表示される機体名を光らせる物ですが、ダブルオーガンダムとダブルオーライザーで、貼るシールが異なってきます。パーツも2つ有って交換出来ると嬉しかったんですが・・・まさか、一人2個は買うて下さいね?!



 は、胸から頭へ誘導する光の通り道になっているので、スキマを作らない様に固定式。根元の前後可動は内部の軸受パーツだけで行っています。ピン状の首可動パーツは上側で横スイング、根元側でヒネリ可動。スイングのために出来るスキマ付近では、シールを巻いて光漏れを防いでいます。

 ボディです。は、前後貼り合わせのフレームの中が空洞になっていて、MGエクシア以来おなじみの発光ユニットを入れる事が出来ます。今回は首の真下を照らす様、ユニットを上向きに仕込むため、底と天井が平らになっていますが、リング状のデザイン自体は継承。背中のフタも円盤状で、回してロックする仕組みです。



 発光ユニットは胸の他、左右のGNドライブとバインダーに仕込む事が出来ますが、付属するのは1個のみ。他の箇所も光らせたい人には、4個まで注文出来る通販サービスが用意されています。手持ちの他キットから流用する事も出来るので、予算や好みに合わせて検討されると良いでしょう。電池はLR41を2個使用。並べてセットしたその形は、まさに番組タイトルであるダブルオ(略)

 エリは上からセット。胸脇ユニットは、Z字状に畳んだ肩関節軸を上下からハサミ込み、その前にダクトユニットが固定してあります。肩関節は前後上下に引き出してスイング可能、その時に出来る外装のスキマからは、リング状にデザインされた胸フレームがチラリと見える仕組みです。



 コクピットは、胸フレームの前に貼り付ける様にセットします。シートは胸フレーム表面と一体成形、ハッチは首の前に有り、ヒンジで上に開きます。合わせてクラビカルアンテナも前にスライド移動。レール式で完成後の着脱も容易なので、コクピット内部を丁寧に塗っておくと、見せ場の一つになるでしょう。

 ウエストは、腰との接続部でボール可動する他、腹巻の位置で前後スイング。また、胸の下端のカーブしたレールで左右スイングするので、動きは胸にリングが有る場合と同じになります。スイング時に拡大する脇のスキマからは、モールドで表現されたリボンケーブルがチラリ。赤い外装は左右からハメ込んであります。



 は、MGクアンタと同じフレームを使ってあり、股関節を振り子式スイングで下に引き出す事が可能です。フンドシ正面は、クアンタよりも張り出しを強調した造形で、フロントスカートはより傾いた配置になっています。フロントスカートは本体・センサー・裏面の3パーツ構成で、ボール接続。普段は定位置でロックされていますが、持ち上げれば自由可動となります。やや抜けやすいので、ボールジョイントはもう少し長めでも良かったかも。

 サイドスカートもボール接続で、箱状の本体と裏面、フタの3パーツ構成。GNソードUをマウントする時は、フタパーツを一旦外して下の位置に差し直し、ハードポイントを露出させます。



 リアスカートは、ポリキャップ接続で後にハネ上げる事が可能。GNビームサーベルが邪魔になる事も無いと思います。本体と裏面パーツでハサミ込んであるサーベル用のジョイントは横にスイング。着脱部の突起は、H字形になったビーム刃の差し込み穴に合わせた形状としてあるので、丸ピンよりも位置がしっかり決まり、根元も頑丈です。

 は、基本的にMGクアンタと同じフレームを採用。外観はずいぶん違いますが、体格の共通性を保つのに一役買っています。クアンタ独自の例のギミックは存在しないため、GNコンデンサーは新規パーツになっていますが、リング状の関節に筒状のGNコンデンサーをハメ込んでいく構造は共通。発売順が逆だったら、こうはならなかったかも、そしてクアンタの発売時に、フレーム部分に大量の新規パーツが必要になっていたかも知れませんね。やはりMGは完結してから発売するのが吉、なのであります。



 モモは、前後から外装を被せます。前面にフレームが露出した部分が有りますが、ここはヒザの曲げに連動してスライドします。ABSのフレームそのままではなくプラパーツを被せてあるので、塗装も安心、厚みも十分です。

 ヒザは二重関節。ヒザアーマーが着脱容易な構造になっているのは、MGクアンタとフレームが共通だからです。ヒザ後部の外装も、クアンタのヒザ後部アーマーと同様に関節へハメ込む方式。後部アーマー中央のプレートは、上下可動式となっています。



 スネは、左右からケーブルパーツを、前後から外装パーツを取り付けます。MGクアンタでは外装を左右から取り付けていましたが、そのハメ込み穴がそのままケーブルの取り付けに使える配置になっています。足首前後のアーマーは、フレームにハサミ込んだヒンジで可動。仕組みはクアンタと共通です。

 足首です。関節と足裏パーツはクアンタの物をそのまま使用。クツや甲は同形の新規パーツの様ですね。まあダブルオーの物をアップデートしなくても、クアンタにとって足首は飾りみたいな(略)



 肩アーマーは、肩関節に通す仕切り板を内部フレームで前後からハサミ込み、前・後・上から外装を被せます。PGに準じたコンパクトなサイズとしてあり、GNドライブを横に配置した状態でも間延びした印象になりません。ハネ上げ可動はあまり大きく動きませんが、もともと肩の上がアームで塞がったデザインなので、特に問題無いでしょう。

 も脚同様、MGクアンタのフレームを流用し、ギミックを除いたGNコンデンサーを通してあります。肩のドラムは、ポリキャップをハサミ込んでの貼り合わせ。上腕はクアンタと同一のデザインに見えますが、下端を別パーツ化する必要が無くなったので、完全な筒状ワンパーツになりました。



胸に発光ユニットを内蔵し、目・オデコセンサー・側頭部を発光させた状態。

 ヒジは、芯にGNコンデンサーが通ったハサミ込み関節。スネや手首も含めてですが、レンズにはクリアグリーンのパーツが使われ、無色クリアーだった1/100キットとの相違点の一つになっています。レンズの裏には、底面のシールと同じ文字がモールドされ、浮かび上がる様なディスプレイ表示の表現として効果を上げています。

 前腕は、外装を前・後・ヒジの3パーツに分割。前側にコネクター、ヒジにハードポイント(プラモ的には同じなんですが)を備え、武器類を保持します。前側の外装は、クアンタに比べてコネクターのが大きくなっています。プラの厚み分だけでも、武器のジョイントをより深く差し込みたいという狙いでしょうか?互換性が有るので、この1パーツだけクアンタの物と交換する事も可能です。好みで流用してみても良いかも知れません。



発光ユニットを内蔵し、GNドライブを発光させた状態。発光ユニットは1個のみ付属します。左右とも光らせるには2個、他の部分も全て発光させるには5個必要。説明書記載の通販サービスで4個まで取り寄せる事が出来ます。

 手首基部は、GNコンデンサーを中心にスイング可動。手首関節は、武器の荷重を考慮し、ボールジョイントではなく二軸可動としてあります。

 手首は、MGクアンタと同じ可動指タイプの他に、無可動の4本指を差し替える、MGウイングシリーズと同様の方式の物が付属します。交換パーツは2種で、完全に握ったゲンコツと、武器を握った状態を想定。武器を握った物はGNビームサーベルの太さを想定しているため、それよりグリップの細い物を持たせた場合は、握り方が浅い印象になります。



 バックパックは、GNドライブ保持アームをフレームパーツに組み込んでおいて、箱状の外装を上下から被せる構造。GNバーニアはC字形のヒンジで後ハメ可能で、偏向板ごと上下に大きく可動します。オーライザー合体用の穴はポリキャップを内蔵、普段はスライド式のシャッターで隠してあります。

 GNドライブ保持アームは、前後上下に二軸可動。根元でヒネれなくなった分、1/100よりも自由度は下がりましたが、バインダーの荷重には強くなりました。ヒネリは特に重要な動きではなく、代わりにGNドライブごとバインダーが回転出来る様になりましたからね。



 アーム本体は2パーツ貼り合わせ。滑らかなABS同士で噛み合わせも浅いので、外れやすいと感じる人は接着しておくと良いかも知れません。根元の厚み部分には回転式のスペーサーがハサミ込んであり、引き出せば横にハネ上げた状態を維持してくれる、荷重対策になっています。また、GNドライブを後ろに回せば、アームのコーナーが六角プレートの裏を支え、ハネ上げたポジションになります。ハネ上げないという選択肢が無いのは残念ですが、これもストッパーだけに頼らない荷重対策の一環でしょう。

 GNドライブは、コーンの継ぎ目部分にクリアーパーツとフチ取りパーツをハサミ込み。筒状の根元部分には発光ユニットを内蔵出来、ヒネれば中に仕込んだ発光ユニットのスイッチをオン/オフする事が出来ます。六角のプレートは貫通式で、PG同様にGNドライブをハメ込む筒状のホルダーが回転。裏から押さえながら回せば、分解せずに発光スイッチを入れる事も可能です。六角プレートは上下可動しますが、アームの上のツマミでロックすれば、ハネ上げた状態を維持する事が出来ますよ。 



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 武装です。GNビームサーベルは筒状にワンパーツ成形。手の平の突起に対応したスリットが両面に設けてありますが、中が空洞なので向こうが丸見えになっています。クリアーのビーム刃は2本付属。差し込み穴は丸ではなく、グリップ内を最大限空洞に出来るH字形の穴としてあります。差し込みピンの全周を囲わず、4箇所の点接触としてあるので、ピンにも優しい・・・かも知れません。

 GNソードUは、グリップとストックが分離・一体化し、実刃部分をヒネって差し直す事でソードモードライフルモードを使い分けるギミックは1/100と同様。ですが、グリップカバーをハメ込んだC字形ヒンジをカバーで覆ったり、貼り合せ式の実刃に別パーツ化した銃口をハサミ込んだりと、外観の完成度が向上しています。グリップカバーは、ヒンジパーツを兼ねて裏面をパーツ化。グリップ回転部の側面の丸をリング状に別パーツ化してあるのも、クッキリ感があって良いですね。腰に装備する時は、ここをホルダーにハメ込んでやります。



 実刃をハサミ込む様にフラットなビーム刃を取り付ければ、ビームサーベルモードも再現可能。また、グリップエンドで2本を連結したモードは、厚み部分にハメ込む形のジョイントパーツを使って再現しています。長さは若干伸びますが厚みは目立たず、ちょうど真ん中に保持用のスリットも設けてあり、なかなか良い感じです。



 ところで、モードチェンジの時に刃をヒネるギミックは、改めて考えるとなかなか理に適った仕組みではないかと思います。クリスタルセンサーが粒子制御に関わっているなら、ソードモードで刃と並行になる事は単にフラットなシルエットにまとまるだけでなく、刃を粒子でコートするのに有効だろうと思いますし、ライフルモードで銃口の真上に位置するのは、軸線を一致させて射撃精度を高めているんじゃないでしょうか。技術は謎めいていても、仕組みは良く考えてありそうです。



1/100ダブルオーガンダム(左)との比較。GNドライブの密着感の他に目を引く相違点は、フンドシの上下幅でしょうか。股関節を下に引き降ろすギミックのために拡大していて、より力強い印象になっています。

 オマケに、同スケールの刹那と沙慈のフィギュアが付属。ベースと一体で、今回の刹那は私服姿、沙慈はパイロットスーツ姿を再現しています。ランナーを見ると、ダブルオーとオーライザーは分売出来る様になっていて、二人のフィギュアも刹那はダブルオー、沙慈はオーライザーのランナーに納まっています。

 と言う事で、オーライザーと一部の装備は、次回に回したいと思います。オーライザーを含む組立時間は5時間30分でした。


 おまけ

 取付け穴でモデルの外観を損ねる事なく、手軽にアクションベースに着脱出来るY字形ジョイントパーツですが、今回のダブルオーライザーの様にボリュームが有ったり、大きな武器を持つ事で左右が極端にアンバランスになったりする場合、もっと保持力があれば大胆なポーズで安心して飾れるのになあ・・・と思うことがありますね。そんな訳で、キットの仕組みを活かしつつ、より強固にロック出来ないものかと試してみました。で、行き着いたのが、目釘を打ってしまう方法です。刀の刃を固定するアレですね。



 工作は簡単です。ピンバイスでY字ジョイントとフンドシ下端を貫通する穴を開け、同じ直径のシンチュウ線を通してやるだけ。一度パーツを分解して内部構造を確かめ、強度が有って支障の無い部分を狙って、ネジレない様に開けてやります。ボクはWAVE社の0.8mmのシンチュウ線を使いましたが、多少異なる径の物でも大丈夫でしょう。抜く時は、同じか少し小さい直径のシンチュウ線、あるいは適当な工具で押し出してやります。くれぐれもモデルを傷つけない様に・・・。



 効果はテキメン。右手に巨大なGNソード3を持たせ、バインダーも右に振って、荷重が右に偏ったポーズでも、長時間安定して飾れます。思いっきり前傾した、突撃ポーズなんかも良いですね。やはり「アクション」ベースと言うくらいですから、均衡を気にして大人しいポーズで飾るより、大胆なポーズで楽しみたいですもんね。

 キットごとに条件が違いますし、ケースごとの判断も必要ですから、ある程度工作の経験と自信のある方のみ、自己責任で行って下さい。でも、今後発売されるキットのフンドシとジョイントパーツに、目印になりそうなクボミ・・・いやいや丸モールドが、偶然配置してあったら、ちょっと嬉しいかも知れません(笑)。

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 2011.6.12 健 竹史

  

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