健さんの その445 HGUCで発売されたこの機会に、旧1/144ゾゴックも紹介しておきましょう。赤くて体長機の印が10本も付いている、強そうなMSでありますよ。 ボディは、手足をハサミ込んでの前後貼り合わせ。ブーメランカッターは表面に出ている部分だけをパーツ化してあり、角度を揃えなら1枚ずつ接着していきます。根本のハメ込みが角度を決めてくれる訳ではないので、ある程度乾燥するまで気が抜けません。しかも共通パーツではなかったりします。 発表当初は奇抜に感じた武装ですが、よく考えたらズゴックのツメに相当する武器を、ミサイルに相当する位置に配置した感じですよね。体格だけでなく構成もズゴックに準じてるんですね。ちなみにパッケージ横の解説では「ブーメラン風のカッター」と記述してあり、当時から本当にブーメランとして射出する武器と認識していたかは、ボク自身記憶が定かではありません。 モノアイは凸モールドで表現。胸正面に防御上のウィークポイントが有るなんて!と長年思ってましたが、無敵のキングジョーだって胸に発光部分が有るのです。気にしない、気にしない。 ウエストは無可動。脇のインテイクは穴を開けてあり、ボディ組立前にフィンパーツを内蔵しておく事で成形方向の都合を回避しディテール再現してあります。プラの厚み分引っ込んでいるため、胸正面のインテイクとは印象が不揃いになってますが。 脚です。股関節は、ボディ組立時にハサミ込み。球体なので開脚に適していると思ったんですが、旧1/144ゴッグ等と同じ斜めのパンツに沿って回転する機構となっています。脚を上げるとナナメに上がり、テディベア座りが得意なアレですね。ゴッグと一緒にテディベア座りさせると和みそうです。一段埋没させているので見映えは悪くありません。 モモは左右貼り合わせ。球体の下でハサミ込み、ヒネリ可能としてあるんですが、やはり球体に一段埋没させてありスキの無い印象。ここはHGUCの方がブツ切りの単純接続だったりします。ツマ先をハの字に開く事が出来、ここの可動は立ち姿のカッコ良さに大きく貢献してますね。 ヒザ関節はモモにハサミ込んだジョイントが左右スイング、スネ内部で前後スイングする2軸可動。どちらも奥まった軸配置で関節にスキも無いのでほとんど動きませんが、機構としては面白いですね。 足首は左右貼り合わせ。足首関節は十字形のジョイントをハサミ込んであり、前後左右に2軸可動します。ヒザと足首の関節はジョイントパーツで接続してあり、スネ外装はその途中にピン1本で接続。ハサミ込んであるとは言え、開脚に追従して振れるというフリーに近い状態での保持となっています。あまり動かないので目立ちませんけども、ジョイントパーツのガタつきから生じる足首の振れやスネのヨジレは良い隠し味になってる印象。ヒザ正面の切り欠きから関節が丸見えな点も面白いですね。 肩アーマーは、上腕をハサミ込んでの前後貼り合わせ。腰と同様、ハサミ込むボディ側のラインが若干斜めになっているので、腕を前後に回すと開いた感じになっていきます。上腕はモモを思わせるタマゴ形で、横スイングのみ可能。ヒジは、足首と同様の十字形ジョイントをハサミ込んであり、前後と左右に2軸可動。関節が奥まった位置に有るため、結局あまり動かないんですけども。どこから見ても均等な円柱形デザインなので、前後左右に均等にスイングさせなくても一方向の曲げ+ヒネリの方が大きく可動する訳ですが、そこは多軸関節化の過渡期という事で。 前腕は、ヒジ関節と手首伸縮部をハサミ込み。前方がすぼまった造形のため伸縮部は細く、HGUCに見慣れた今では余計にそう感じますね。伸縮のストロークは8ミリ程度。こんなにヒジの可動範囲が狭いなら、いっそ上腕まで入り込む様な長い伸縮ギミックを仕込んでヒジを固定式にしてしまっても面白かったかな?なんて思ったりもします。片腕はヒジ可動、片腕は伸縮に特化、ついでに交換可能だったら、ボクみたいな人が2個買ったんでしょうけど、アッガイと違って左右の手に機能差は無い設定ですからキットとしては好ましく無いかな、やっぱり。 手首は、左右とも微妙な平手が付属します。2パーツ貼り合わせで、指先だけが曲がっている造形。パンチかチョップに決めてくれていればシチュエーションをイメージしやすいんですけど。しかし広島文化圏では富をかき集める形である事から、ゾゴックは商売繁盛の縁起物として喜ばれています(ウソ)。 バックパックは、背中と一体の本体に、中央の張り出しと下部、プロペラントタンク、円筒、パイプ、バーニアを貼り付けていく構成。HGUCでプロペラントタンクや円筒の密着感を高めたくなった気持ちは、このキットでスキ具体を確認するとよく分かります。水の抵抗は二の次といった感じで背中を平坦にし、プロペラントの配置を高くし、その代わりバックパックの構成パーツは一体感を高めてある。比べるとHGUCの工夫が分かって面白いですよ。 このキットのバーニアは下に向いた垂直上昇用の配置ですが、HGUCでは腰後部の物と角度を揃えてあり、突撃時の加速性を意識したアレンジとなっている様です。当時のキットで当時の解釈に触れると、ズゴックよりもさらに戦闘的なデザインに、HGUCがどこに着目してまとめられていったのか分かって楽しいです。 ところでこのキット、手足のほとんど全てのパーツナンバーが、右はA、左はBという記号で区別してあり、それがパーツ内側に刻印されています。例えば右上腕は2Aと3A、左上腕は2Bと3Bという風に。お陰で番号を参照する手間が激減し、とても組み立てやすくなっています。(プロペラントタンクだけはABが逆になってますが、入れ替わっても支障ありません。)こんな親切さも、このキットの魅力の一つですね。 おまけ
右腕は、上腕・前腕とも2パーツ貼り合わせで、ヒジ関節でポリキャップ接続してあります。前腕にはさらに甲アーマーを取り付け。上腕もヒジ部分の幅が左腕とは異なる新規造形の物なので、もう1セット作って完成後に交換したい場合は、上腕ごと差し替える事になります。 |