健さんの
プラモコラム

その55
  SDゴッグ&アッガイ&ゾックの巻

( MSM−03 ゴッグ / MSM−04 アッガイ / MSM−10 ゾック
/ バンダイ/  「機動戦士ガンダム」に登場)


 ゾックまで発売されるとは、SDの充実ぶりも大したもんです。セット売りというのは、さすがにちょっとマイナーだから、という事なんでしょうけど。しかもゴッグを単品発売しないというのは、MSインアクションよりも、さらに慎重な判断(弱気?)とも言えますが、おかげで(?)V作戦セットにも負けない「ジャブロー攻略セット」みたいな、ワクワクするような商品仕様になっています。それでは早速、開発ナンバー順に見ていきましょう。あれ?ああー!手が勝手に、ゾックから作っていくぅー!!(バカ)

 てな訳で、意に反してゾックから(笑)。1/144と比べて、パーツは格段に少なくなってますが、もともと脚なんか動かなくても気にならないヤツですので、シンプルになってスッキリするのは大歓迎。それでも可動はこっちの方が充実してたりして。



 まずモノアイですが、ボディにはさみ込んだモノアイシールドパーツ(黒い半球パーツ)を回転させる事で、貼りつけた目玉シールが移動して見えるという、遊べるギミックが秀逸。両面テープで好きな所に貼ってはがせる1/144の自由さには負けますが、実際に動くという説得力や、モノアイシールドが別パーツになっている立体感は、「こんなHGUCが出ないかなー」と期待させるに十分です。

 かわいくデフォルメされていても、中に回転体を仕込んであるので、シルエットも真円の断面になる事が保証されてます。「水圧に強そう」に見えますね。1/144は、見た感じの印象では、少しつぶれた円の断面に見えます。SDの方がリアルと言えるかも。

 ジャバラ風の肩カバーは、1/144と違って、ボディと一体。上腕は、ボディを組み立てる時にはさみ込んでおきます。ちょっと慣れた人なら簡単に後ハメに改造出来ますが、ポリキャップをあと1枚余分に入れて、最初から後ハメ構造にして欲しかったですね。

 上腕には、後ろ側に肉抜きがあります。前後対称なのに後ろ側と言うのも変ですが、これで片面は後ろ扱いです。そう言えば、本物がそうなんだから仕方ないんですが、ハッチが前後両方にあるのも不自然ですね。これは肉抜きよりも不自然かも。解説が読みたいので、MG化を希望します。サザビーよりデカいけど。

 ヒジは前にも後ろにも、良く曲がります。上腕がクサビ形という事もあって、回すだけでスネークキューブの様に(若い人は知らないって)方向が変わり、腕の可動は充実してます。ヒジのポリキャップが丸見えなのが惜しいですが、目立ちにくいポーズがいくらでも取れます。手首関節は後ハメ可能で、回転出来ます。ただ、ツメには肉抜きがあるので、回すと見苦しくなります(笑)。

 ウエストは、ポリキャップ内蔵で回転と前後スイングが可能です。脚は、股関節がボールジョイントで可動。足裏にはバーニアが再現されてますが、成形方向の都合で、スジのモールドが一部不完全。スジの無い、ただの穴でも良かったのでは?せめてスジの本数を減らせばキレイに作れるのに。

 肩のメガ粒子砲は、2基ずつのセット。さらに内部で前後がつながって、補強の様になっています。成形の都合から、形がキレイな円すいになってないのが惜しいところ。頭部のメガ粒子砲は、モノアイ回転のためのツマミを兼ねてます。モノアイレール自体を持って回した方が楽ではありますが(笑)。



 続いてゴッグです。こちらもモノアイシールドが回転式なので、モノアイ(目玉シール)を左右に動かして遊べます。そう言えば、1/100ゴッグはモノアイが本当に可動する意欲作でしたね。実際に作ってみないと伝わりにくいんですが、1/100ゴッグは、他の可動ギミックも優れたキットです。元のデザインが動きにくそうなのに、少しでも可動範囲を広げようと工夫されてて、今見ても感心しますね。

 話をSDに戻しましょう。モノアイシールドの可動は、頭頂部の丸モールド(フリージーヤード)をマイナスドライバーで回して操作する仕組みになっています。ちょっと回転がキツめだし、ドライバーを塗装面に当てる事になるので、もっと軽く回るように、ヤスってキツさを調整すると良いでしょう。上級者は、ウエストをバラせるように改造して、ボディの内側から操作出来るようにしても良いでしょう。

 腹部は、メガ粒子砲が別パーツになって色分け済み。ウエスト部分は胸にはさみ込む方式ですが、なぜか胸との間にスキマが作ってありますね。固定されてるのに、スイング可動でも出来そうな雰囲気。腰との接続はポリキャップ使用で、こちらは本当に回転できます。

 は、HGUCに準じたデザイン。そうは言っても、足首の関節は、ちょっとクリアランスを多めに取りすぎじゃないでしょうか?本当に動く訳でもないんだし。ヒザアーマーは塗装の必要があります。足裏は、やはりHGUCに合わせたデザインです。周囲の肉抜きを、デザインに見えるように配置する手法まで同じです。(笑)



 は、肩アーマーの天井に接続してあります。つまり、ボディとつながってるのは肩アーマーだけ、という事ですね。おかげで、腕の着脱がしやすい取付方向になっています。そう、HGUCゴッグを持ってる方のお察しの通り、今回もパーツ交換式で腕の引き込み(巡航形態)を再現してます。今回は、ツメをたたんだ状態の手首パーツが、別に付属します。(こっちは、ちょっと取り外しにくいですけど。)

 は、ジャバラの途中2ヶ所にボールジョイントを仕込んであり、可動します。しかしジャバラの節が、関節を仕込んである所とない所の印象が不揃いで、外観的には、ちょっと不満な部分ですね。肩部分だけでも十分可動するので、腕はあっさり無可動でも良かったかも。

 手首は、手首関節が「お手つき」方向に可動。4本指がセットで可動する他、親指がボールジョイントで可動します。ツメ基部のモールドはHGUCゴッグをマネた物ですが、ちょっと浮いちゃってるかも。

 ランドセルは、密着してないので裏の肉抜きが少しだけ見えます。そう言えば、目立つ部分には肉抜きがない、良いキットですね。背面のバーニアは2個つながった状態で再現。ディテールは良いので、上級者は切り離して整形してやると良いでしょう。これで股間の推進装置が別パーツで、もっとシャープになってたら良かったですね。背面と足裏がリアルなだけに、残念な部分です。

 ちなみに、腕の可動のためにABS樹脂が使われていて、3体の中で一番豪華な仕様になっています。



 では、最後にアッガイですね。ファーストガンダムの時にキット化されて以来、リファインキットは出てないハズですが、足裏のディテールは、どこから出て来たんでしょうね?未確認ですが、MSインアクションでしょうか?もしかして、HGUC用のデザインは、とっくに決めてあるとか?(出してくれー)

 まずは頭部から。さすがにコイツは、モノアイ可動は無しです。1/100、1/144とも前後分割でしたが、最近のザク系と同じ積み上げ式の分割です。頭部バルカンの成形方向を考えると、頭頂部だけは前後分割が良かったかも知れませんね。クチバシの長さは良い感じです。中のダクトが傾斜してるのは設定と違いますが、クチバシ上面の段差に合わせて傾いている様にも見え、説得力は有りますね。やっぱりリファインデザインは完成してるのかも?

 は回転に加えて、上下方向にも良く動きます。ヨダレカケの形状も、頭との密着感を損ねない程度の曲面で構成され、良く検討されていると思います。従来キットよりも引き締まった印象です。

 ボディは、ヨダレカケが追加装甲の様に見えるため、ついダークブラウンのボディにライトブラウンのパーツを貼りつける構成を連想してしまいますが、その逆でした。ライトブラウンのボディに、両脇だけダークブラウンのパーツが貼り付けてあります。可動ギミックを仕込むスペース確保も、強度的にも、こっちの方が合理的ですね。

 ボディを横から見たシルエットは、下にいくほど細くなり、イメージ通りだと思います。股関節カバーとボディラインの両立は可能なんですね。股関節の接続はボールジョイントで、可動範囲も十分だと思います。脚を上げるほど開脚してしまいますが、関節部を細く、遊びを大きく取ってあるので、これまでよりは自由度が上がっています。ダブルボールジョイントでも使えば、さらに改善するかも。

 モモは、後ろが大きく肉抜きされてます。スネは肉抜きどころではなく、後ろが存在しないと言った方が正しいくらい。ヒザ可動のための切り欠きですね。このため、ヒザは90度曲がります。足首は固定ですが、ツマ先の上にスキマが作ってあり、動きそうな印象になってます。ワンパーツで、足裏ディテールもシャープに再現。HGUCやMGが同じデザインになるのかどうか、気長に待ちましょうか。

 ランドセルはワンパーツ。成形方向の都合でバーニアが歪んだ筒みたいになってます。作り直したい人は、プラパイプの輪切りを使っても良いのですが、プラ棒の先にコトブキヤの丸パーツを接着すると、噴射口のフチがキレイに出来ますよ。参考まで。



 です。肩はボディにハサミ込んで組立て。ヒジはポリキャップで接続するので、後ハメが可能です。と言うよりも、右腕の延長パーツ(フレキシブルアーム)の着脱のためですね。着脱が確実なのは嬉しいんですが、どうせ丸い腕なんだし、ヒネっても動いた様には見えない訳ですから、ヒジのポリキャップを廃止し、肩に使うという選択も有ったのでは・・・?いや、ダメなのかな?でも、とりあえず左腕は伸縮しない設定なので、左ヒジのポリキャップは、全く役に立ってないんですよね。

 ここはひとつ、以前ホビージャパン「究極のアッガイを作る」で展開された、「腕は交換可能だった」説を活かして、両手伸縮カスタムとか、オリジナル武装タイプを作って楽しむと良いでしょう。

 手首(?)は、左手がミサイルランチャー、右腕がメガ粒子砲&クローとなっています。右腕はツメの伸縮を、手首差替え式で再現。ヒジが曲がらないので、正面への攻撃ポーズは出来ません。首が可動で良かったなあ。(笑)



 組立時間は、ゾックとアッガイが各15分、ゴッグが25分でした。アッガイはたくさん欲しいなあ、なんて思うんですが、ランナーの配置は3体がミックスされた状態なので、分売は無理だと思います。ゾックのツメがゴッグのカーキ色だったり、そういう部分にも影響が出てますね。

 ところで、マイナーだからセット売りになったんだとは思うんですが、平均500円の豪華セットです。400円のSDズゴックよりも大きくどっちがメジャーなのか分からなくなってしまいましたね。どいつもSD映えするヤツばかりなんで、大きくなって嬉しいんですけどね。では最後に、一言ずつ抱負を語ってもらいましょう。

 「今日こそ地球連邦から、宇宙移民者の自治権を取り返すでゴンスー!」
「おー!」
「ぴぃー!」
えーと、誰が誰の役なんだよ?

今日のところは、ひとまず引き上げるでゴンスー!



おまけ

 気が向いた時だけ買ってるSDですが、セットにする事で、もっと楽しくなる事って、あるんですねえ。セットが似合うと言えば、アッグジュアッグゾゴックアッグガイ「ボツメカ4体セット」なんてどうでしょう。何だか、急に欲しくなってきたんですけど。今後しばらくは、リファイン商品を減らしてガンダムシードの充実に力を入れるらしいので、安価なSDの充実で、オールドMSファンを楽しませてくれればと思います。半年後あたりに、また豪華セットを組んでもらえると、今度も飛びついて買っちゃうかも。


2002.9.9 健 竹史

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