健さんの
プラモコラム

その424
 HGUC ザクマリナーの巻

 HGUC 1/144
 RMS−192M ザクマリナー
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムZZ」に登場
2012年7月発売 税別初出価格1400円



 ここ最近スケールモデル特有と思っていた仕様や売り方に近づいて来てる気がするガンプラですが、今回採り上げるザクマリナー、広告に完全新設計とか何とか書いてありましたね。これもまたスケールモデルっぽい気がする表現です。確かに最近はバリエーション展開が盛んで(略)ガンプラは新金型でも機構的には見慣れたフォーマットだったりする事が多いので、機構も含めて新設計というのは、それだけ特別な事ではありますね。

 てな感じで、今年も水泳部の夏なのです。ガンダムUCエピソード4に登場しましたが、すぐには出さずに夏を待っていたのかな?さっそく見て行きましょう。



 頭部は、モノアイシールドを上下からハサミ込み。シュノーケルは鼻の上に乗せておいて、前から差し込むクチバシで押さえます。モノアイシールドは全周と頭頂部までカバーするため固定式で、モノアイはシールで再現。アンテナは一般機用のロッドアンテナと指揮官機用のブレードアンテナの2種が付属し、完成後の差し替えも可能です。



 ボディです。胸は前後貼り合わせてエリを上からセット。正面から貼り付ける胸板は、設定通りの物の他にF型等一般的なザクに準じたデザインの物も付属します。肩関節は、前方引き出し用のポリキャップに関節カバーを被せた物。こんなにスキマが広がって防水性は大丈・・・いや、何でもありません。肩アーマーに覆われて目立ちませんし。



 ウエストは左右約20度ずつのスイングと、前屈みが可能。これは胸と腰を接続するボールジョイントを思いきり前寄りに配置してあるためで、MGザクVer.2.0に似た発想ですね。動力パイプの都合で大きくヒネる事が難しいデザインですし、この機体の場合はバックパックが大型で背を反らすのも無理と思われます。制約も特性も理解した上でのギミックですね。



 は、ウエストからフンドシまで一体の前後貼り合わせで、股関節軸はフンドシ下部ごとスイング可能。動力パイプは軟質樹脂製で、途中2箇所で折り曲げながら腹とランドセルに通す構成です。



指揮官機用のブレードアンテナと、プラモオリジナルのノーマルザク風胸板パーツを取り付けたところ。

 フロントスカートは、ウエスト正面の動力パイプ押さえから吊り下がる形で左右一体可動。サイドスカートは、腰骨にハサミ込んだ角型ポリキャップに接続してあり、真横にのみスイングします。ヒンジ下には角穴が有り、動力パイプのジョイントがスカートを貫通して、腰フレームに直結。リアスカートは腰と一体で無可動となっています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 です。モモ上部は軸可動の組み合わせ。前後貼り合わせになったモモの内部で、股関節とヒザのフレームを連結してあります。



 ヒザは、ハサミ込み式の関節でモモ・スネとも後ハメ可能となっています。スネ側差し込み部でも可動する二重関節ですが、スキマがほとんど無く機密性が高そうに見えるのが良いですね。ヒザアーマーは関節正面に固定。曲げるとアーマー裏から半円のフレームがせり出し、モモとの間にスキマが出来ない仕組みで、これも機密性の高さを表現したものでしょうか。



 スネは左右貼り合わせて、2種類ある前面パーツのいずれかを貼り付けます。これは上陸後に廃棄出来るハイドロジェットのギミックを再現した物で、完成後に交換する事も可能。薄い部分が有るので、ちょっと取り外しが難しい気もしますけどね。廃棄後のパーツを選ぶとノーマルザクに近い印象。廃棄前のパーツだと足の甲を覆うノズルが足首可動の妨げになるかと思いましたが、関節の自由度が高いので、特に問題無い様です。



ハイドロジェットを取り外した、素の状態のスネ前面パーツを取り付けたところ。

 旧1/144キットではハイドロジェット付の状態しか再現されていなかったので、上陸後のシーンを手軽に再現出来る様になったのは嬉しいですね。また着脱ではなく、その部分まるごと交換式なので、取付穴が目立つといった事もありません。

 動力パイプは、組み立て時にモモとスネの穴に通します。

 足首関節は、上が二軸可動、下がボールジョイントの二重関節。さらにクツの中から、ツマ先側を支点にしてクルブシが浮き上がる引き出し関節も採用。足の甲パーツはこの引き出し関節の前に貼り付けてあります。ツマ先立ちの様なこのギミックはHGアストレイ等、これまでにも採用された事が有りましたが、足首アーマー(今回はノズル)が固定でもほとんど平気とは!ギミックの効果を再認識しました。



 足首は、本体とクツを縦に重ねてあります。足裏にはスクリューの表現が有り、その他は通常のザクに近いイメージ。各部を見ていると、水中用ザクよりもご先祖様に近い感じですね。

 肩アーマーは、前後貼り合わせた裏面パーツに、ワンパーツ成形された外装を縦に被せる構成。サブロックの先端が露出した表現になっていますが、ここは裏面パーツを露出させてあり塗り分けが容易。しかも左肩の2発は先端を別パーツにしてあるので、取り付けなければ発射後の状態も再現出来ます。



サブロック後部と肩の両方に穴が有るので、マグネットハーケン用のリード線をカットして発射シーンをイメージしてみました。パテでモコモコの噴射を造形するも良し、リード線に綿を巻いて、曲がる航跡や噴射煙を作るも良し。

 です。肩関節は、肩アーマーでハサミ込んで上寄りに配置、窮屈そうなデザインながら腕を真横まで上げる事が可能。肩ブロックは、肩アーマー内のポリキャップに下から被せます。

 上腕は、外装を筒状にワンパーツ成形。ヒジは、関節パーツを横から成形する都合で中心線を凸モールドで表現しています。防水処理だと解釈しても良いかな?なんて勝手に思ってます。



 前腕は、ヒジ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。左腕はマグネットハーケンを装備しているため甲が張り出しており、左右の腕で別デザインとなっています。

 手首は、右の武器持ち手、左の穴開きゲンコツと穴なしゲンコツが付属します。



 バックパックは、表裏と下部の3パーツ構成。ノズルの内側に色分けシールを貼り込むのは大変そうですね。



HGUCベースジャバーって、水中用サポートメカにも見えなくもない様な。

 武装です。4連装スプレーミサイルガン(サブロックガン)は、左右貼り合わせの本体に銃口を取り付ける構成。フォアグリップは本体と一体成形され無可動ですが、ディテールは動きそうな表現になっています。案外、本当に無可動の方が水の抵抗でガタつかなくて良いかも。デザインは水中用ザクの物に準じています。



 マグネットハーケンは、左腕に丸ポチを取り付けて再現。射出状態のパーツも付属し、こちらはリード線で自在にカーブを調節出来ます。先端パーツが軽く線が垂れる心配が少ないためか、折り曲げずに箱に収まる最大長さの線が用意されてるのが嬉しいですね。ちなみに旧1・144キット説明書の解説によると、ケーブルの長さは60m(42cm相当)だそうです。



旧1/144ザクマリナー(右)との比較。

 組立時間は55分でした。今後の展開ですが、関節がAランナーになってるとか、武器やモノアイシールドが除外可能になってるとか、動力パイプのランナーに切り替えが有るとか、ザク系の新スタンダードになってくれそうな予感ですね。ノーマルの胸板なんて、予告編と言うか、先行公開余りパーツ(何それ?)と言うか。待てない人はこのボディに手足を移植して遊んで下さいって事なのかも。期待して待ちましょう。


 おまけ

 併せて旧1/144ザクマリナーも紹介しておきましょう。頭部は左右貼り合わせ、左右からシュノーケルを取り付けます。動力パイプ用の穴に埋没した感じで、装備と言うよりピアスに近いかも?アンテナはやはり2種付属し、選択して接着します。



 ボディは前後貼り合わせ。首の下で前後スイングする肩関節を内蔵した、MSVシリーズ共通規格。股関節が上下スイングするフンドシは、スカート内に下から接着します。

 脚は、モモ・スネ・足首とも左右貼り合わせ。動力パイプは、スネの内側から抜け止めパーツを接着するため、事前に組み込んでおきます。ハイドロジェットはスネ本体と一体のため、分離は出来ません。



 肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込んでの前後貼り合わせ。サブロックの発射管が無機質な円柱形であるHGUCに対して、このキットでは丸みを帯びている点が面白いですね。腕は、肩ブロック・上腕・前腕とも左右貼り合わせ。手首は人差し指と3本指が動く、この時期共通の可動指タイプとなっています。

 バックパックは、箱状の本体に左右と下のパーツを貼り付ける構成。ノズル内部はメッシュ風の表現となっています。



 武装はサブロックガンが付属。フォアグリップは無く、ストックがグリップエンドでなく本体側面に付いているデザインですが、出所が良く分かりません。設定資料集には掲載される事が少なく、載っている場合でも水中用ザクに準じた物。ZZ本編でも、キットの物ではなく水中用ザクの物を装備していますね。キットオリジナルなのかも知れません。

 マグネットハーケンは固定式で、本来の設定に準じた四角型を再現。HGUCでは丸型に改められていますが、丸の方が引き込み収納時に向きを気にする必要が無く、理に適ったアレンジだと思われます。



 ところでこのキット、06−Rのリデコレーション(と言うか型改造?)キットだったんですね。発売当時に買っていなかったので「水中用ザクの流用なのかな?かなり形が違う様だけど」程度に思っていたんですが、実際手に取ってみて納得です。肩アーマーやシールド、スネやランドセルのパーツが余るんですが、これがSEED−MSVだったら、巧みに水中装備っぽくデザインに組み込まれるのかな?なんて、ちょっと妄想しました。



 このキットを組んで、ようやくHGUCザクマリナーの仕様についてもピンと来ました。流用キットとして生まれたこの機体から、進化を遡る様にザクのバリエーションを出していく素体なのかな?と。オマケの胸板パーツもノーマルザクよりむしろ06−Rを意識してたりとか?ガンプラはオマージュにあふれていますが、その表し方も様々で面白いですね。

1986年8月発売 税別初出価格600円

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 2012.8.10 健 竹史

  

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