健さんの その421 HG 1/144 「脚なんか飾りです」なんてセリフも有りますが、このファルシアの演出は秀逸でしたね。操られ、ユリンの意思に反してビット攻撃を仕掛けるという役回りを、脚を縛られ動けないかの様に台に乗せて表現するとは!まあ、攻撃を繰り出す前にポーズを取るシーンも有るんですがソレはソレとして。 AGで発売する口実じゃないのかと思ってしまったこの動かないMSが、フル可動のHGで発売です。すっかり定着してきた感のある女性型MSですが、こうして数を重ねる事で、プラモの小型化技術もどんどん磨かれていく事でしょう。では早速キットに目を通していきましょうか。 頭部は、マスクを目のラインで上下分割。今回は事前に髪を思わせる側頭部パーツを仕込んでおき、マスク上部で押さえさせる感じです。目のラインは横のラインを長くする事で、閉じた目の様にも、正面にモノアイが有るかの様にも見える面白いデザインですね。ヘルメットとツノを取り付ければ完成。埋没した配置で自在に動く様に、後頭部はツルンとしています。 首は、ABSパーツそのままのダブルボールジョイント。今回は機体が小柄で細身のため、各部の関節にポリパーツを使わず、ABS関節を採用しています。 ボディです。胸は、脇をハサんで前後を貼り合わせ、筒状のウエストを下からセット。肩関節の引き出しは有りませんが、肩関節を球体とする事で同じ効果を与えています。説明書では武装にカウントされていませんが、正面のビーム砲っぽい物は、周囲と中央クリアパーツ、下部ガードの3パーツ構成。ガードの端は安全上の理由から、若干丸めてあります。同様の処理をされた箇所は、キットの各部に見られますね。 ウエストは、腰との接続にボールジョイントを採用。360度回転し、スイング可動も意外と広範囲に動きます。 腰は、ウエスト接続と股関節を含む芯パーツを、前後の外装でハサミ込む構成。フンドシ下にはアクションベースに対応した飾り台取り付け穴が有ります。常にファルシアベースに乗って行動する機体ですが、ユリン以外のパイロットが乗る場合は、その限りではないのでしょう。 フロントスカートは、ボールジョイントで可動。フンドシとモモのスキマを埋める配置で、人間的な滑らかなシルエットを損ねず、むしろユニット間の境い目をつないで人間的に見せる、面白いデザインです。キットでは若干ぎこちない付き方になってますが、もし1/100で発売され、股関節にダブルボールジョイントでも採用されれば、腰から脚のラインがさらに自然になり、アーマーの付き方も変わって来るかも。設定画の段階でボールジョイントが描かれているのは面白いですね。
脚です。モモは前後貼り合わせ。この時ハサミ込む内股パーツが、股関節のボール軸受けを兼ねています。ヒザアーマーは前側外装と一体成形。突起物でもプロテクター風でもない、それでいてシャープなデザインが良いですね。 ヒザは、上下ともABSのジョイントをハサミ込んだ二重関節。左右貼り合わせの関節本体には通常プラを使ってあり、塗装派にも優しい構成です。モモへはハサミ込みますが、スネへは後ハメが可能です。 スネは、足首のボール軸をハサミ込んでの左右貼り合わせ。ボール軸はミゾの彫り込み具合で前後が区別出来るんですが、上面に目印の突起でも付いていれば、より親切だったかも? 足首は、甲を含む芯と足裏を貼り合せる時にカカトの丸っこい部分をハサミ込み。クツはフィン状のクルブシアーマーと一体で、前からハメ込みます。クツの事は全然分かりませんが、なんだかMSの足と言うより本物のクツを作ってるみたいな気分でしたね。クルブシアーマーが一体で細かなハメ込みが無いのはありがたいです。カカトには穴が有り、ファルシアベースとの接続に利用します。
肩アーマーは、前後2パーツの貼り合わせ。設定画よりも上面のカーブが強調されてますが、内部スペースとの兼ね合いや、密着感を損ねない狙いも有るのかも知れません。 腕です。肩は、筒状と言うより筒抜けの上腕に肩関節を組み合わせ、肩アーマーに付いている軸を通す事で初めて関節が出来上がり、同時にポジションが決まります。軸位置にはスライド金型で穴だけ開けておけば良く、関節軸も肩アーマーの位置決めを兼ねる事が出来るという、とてもコンパクトな設計です。上腕は細くて、肩ブロックやフレームも無い外装だけのワンパーツとなっています。
ヒジは、左右貼り合わせの前腕で関節パーツをハサミ込み。二重関節ではなく、上はヒジ付近の外装を通して上腕にピン接続。ここでヒネリ可動します。ヒジ関節内側の造形は他のヴェイガンMSの様にふくらませておらず、より人間に近い印象です。 前腕は、人間の印象に近い本体に筒状成形されたアーマーを被せてあります。二股に広げる事でヒジアーマーの様な鋭利な印象を避けた、花か羽の様な優しいデザイン。オープンにする事で腕の細さも損ないませんね。手首に通す事で保持してあり、連邦側MSのシールドの様にヒネって位置を調整出来ます。
手首は、左右とも平手と握り手が付属します。手の平と手の甲を組み合わせるいつもの構成、左右対称のいつものデザインですが、他のヴェイガンMSの物より格段に小さくなっています。それでも平手にはボール接続のビームバルカンが付き、他キットからビーム刃を流用する事も可能です。 バックパックは、左右貼り合わせ。ハサミ込んだジョイントで背中に接続してあり、2軸可動します。背中から肩、エリまで覆って印象的なシルエットを形成していますが、外せば女性的な上半身が露出します。ウイングは固定式。本体は2枚を重ねて厚みと反りの変化をしっかり表現、表面パーツは密着せず先が少し浮いた状態で造形してあります。 武装です。ファルシアソードはワンパーツ成形で、根元の穴で腰後部に接続。手の平のビームバルカンに差し込めば持たせる事も可能です。 ファルシアビットは5基付属。花の様な前部と後部の2パーツ構成で、付属する軟質クリア棒を使って攻撃シーンを再現可能。背中の穴から射出された後に花びらが展開するという設定なので、閉じた状態のパーツも欲しかったですね。取り付け穴はファルシアベースに3箇所、クリアスタンドに6箇所開いています。軟質クリア棒は3本付属。必要に応じてカットし、好みの長さや本数を揃えましょう。しかしビットを配置する作業は生け花でもやってる様な感じ。またもや女性モデラーに太刀打ち出来ない分野が増えた気が。
ファルシアベースは、3面と天井を芯パーツに接続していく組み立て。丸いディテール部分は2パーツ重ねて表面からハメ込みます。他のヴェイガンMSに見られるのと同様のスラスターなのだろうと思いますが、なんだかキュベレイを思い出してしまい、「そういうポジションの機体なんでヨロシク」という声が聞こえてくる様です。下部先端のパーツはフタになっていて、外せば芯パーツの飾り台取り付け穴が露出します。 クリアスタンドは、円形のベースとグラスの様な受けパーツを連結。余った手首やフタパーツは、裏面に収納可能となっています。透けて見えるのが若干シュールではありますが。ファルシアベースをアクションベースに取り付ける場合は不使用となり、この場合は配置出来るビットは最大3基となります。
組立時間は45分でした。小柄なサイズや色から、ついミクロマンのミクロシスターを連想しました。手足もボディラインも人間的ですしね。色違いで何体も並べると綺麗そうですが、その時は是非顔をシルバーで(おい!)、あるいは小スケールのヴェイガンMSを作る芯にする、なんていった楽しみ方も出来そうです。 今後の展開ですが、ファルシアベースと足首の一部パーツが除外可能になっている事から、地上用、あるいは流行りの、ツマ先を伸ばした状態で飛行するバリエーション機が登場する予定なのかも知れません。AGE3がZZっぽい印象である事を考えると、双子が乗ったり12機くらい登場したりするのかも?とまあ、妄想たくましく、活躍の日を楽しみに待ちたいと思います。 おまけ 先日ようやく発売になったAGドラドを簡単に紹介しておきましょう。頭部は、マスクをハサミ込んで左右貼り合わせ。アンテナはオデコと一体化してあり、前から取り付けます。アンテナが外れる心配が無いので、安心して遊べます。 ボディは、首から肩関節、モモの付け根まで含むフレームパーツに外装を着せていく構成。胸は前後貼り合わせで、背中にはナンバー016のゲイジングチップを仕込んであります。胸の拡散ビーム砲やウエストは、フレームパーツが露出した物です。 腰は、リアスカートの内側にサイドスカートを一体で成形してあり、前後貼り合わせるシンプルな組み立てながら、スカートの重なりを上手く表現。AGシリーズが回を重ねて構成が巧みになってきたのか、AGシリーズのフォーマットに合わせてデザインされたのか、その両方なのか。ともかくドラドって、AGの仕様とすごく相性が良いデザインなのだろうと思います。 脚は、左右を貼り合わせてクツを履かせる、おなじみの構成。ハイヒール気味で土踏まずのスラスターフィンがのぞいて見えるとか、この辺もワンパーツで表現の可能性を探ってきたAGらしいカッコ良さが漂ってます。カカト裏が空洞なのが立ってる状態で丸分かりなんですが、模型的にはむしろ面白くて見せ場になってるんじゃないかと。 肩アーマーはワンパーツ成形。180度以上をカバーするデザインですが、横から被せる方式とし、それに合わせた成形方向とする事で上手く造形してあります。上面の表現がちょっと硬いかな?とも思いますが、問題ない範囲でしょう。 腕は左右2パーツを貼り合わせ。右手が平手、左手はゲンコツになっています。平手は取り付け穴の様なビームバルカンの様なやっぱり取り付け穴が設けてあり、ビームライフルを持たせる事が可能です。肩アーマーは横から被せますが、肩の上に取付部を設ける事で、横から丸見えになる肩の球体の外観を損なっていません。
バックパックのウイングは、複数の板状突起がハサミ合って根元を頑丈に保持。本来は無可動ですが、こっそり横に動かすのもアリでしょうね。 武装です。ビームライフルは、伸ばした状態の尻尾をワンパーツ成形した物。HGよりも大幅にコンパクト化してありますが、これは腰に取り付けた際に、転倒防止の支柱として丁度良い長さでもあります。AGガフランの物とほぼ同じ長さですが、手への接続ピンを後ろ寄りに配置。脇に抱える部分が短いため前後スイングしか出来ない腕にも持たせやすく、前に長いのでより大きく見え迫力が有るというメリットが有ります。尻尾状態では、ひょっとしたら肉抜きを影として利用して、面構成の強調に利用してます?
三連ビームバルカンはワンパーツ成形で、腕のハードポイントに板状突起でハメ込みます。裏面が肉抜きされているんですが、これは実は三連ビームバルカンと同形の格闘用装備で、盾とカッターが一体化した物だと思えば・・・って、冗談で書いてるうちに、本当にアリの様な気がしてきましたー。 組立時間は10分でした。ヴェイガン系MSのカッコ良さが良く出ていると思うので、HGを組んだ人も、AGでカラーバリエーションを楽しんでみてはどうでしょうか。 2012年4月発売 税別初出価格600円 関連記事 その398 HGガフランの巻 その411 HGドラドの巻 その409 AGガンダムAGE−2ノーマルの巻 その397 AGガンダムAGE−1ノーマルの巻 その402 AGガンダムAGE−1タイタス&スパローの巻 その412 HGアデルの巻 その413 HGGバウンサーの巻 その416 HGゼイドラの巻 その417 MGガンダムAGE−1ノーマルの巻 その419 MGガンダムAGE−1タイタスの巻 2012.5.6 健 竹史 HG ファルシア AG ドラド ゆりん 色々ゆりん [DVD] ROBOT魂 [SIDE AB] ビルバイン 君と僕はそこにいた [Single, Maxi] WHITE justice Animation Side [Single, Maxi] Ma.K.塗装カードファイル 天 マシーネンクリーガーグラフィックスVol.3 Mak 1/20 ファイアボール 機動戦士ガンダムUC サントラ3 ガンダムUCインサイドアニメーションワークス1 ROBOT魂 デュエルガンダム(アサルトシュラウド) Fate/stay night セイバー・リリィさん 超合金 レイキャシール 関節技EX 極め手 100角 G・グレイ ガンダムパーフェクトファイル 2012年 3/27号 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE コレクターズパック【Blu-ray】 モデル アート増刊 教えて!F1プラモの作り方 フェラーリ編 figma バファローベル えっくす☆きゅーとふぁみりー 魔女っ子☆せら リトルウィッチ オブ ザ ウィズダム figma DOG DAYS レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワ モデル アート増刊 日本海軍 戦艦大和 スーパーセキュリティZERO [ダウンロード] プラモデルの作り方 (1977年) 1/48 アポロ11号 指令船 1/35 アメリカ戦車回収車 M32B1 宇宙戦艦ヤマト 2199 1 [Blu-ray] 魔法少女まどか☆マギカ KEY ANIMATION NOTE vol.3 vol.4 vol.5 [HOME] |