健さんのプラモコラム　その４０９・ＡＧ　ガンダムＡＧＥ

健さんの
プラモコラム

その４０９
　　ＡＧ　ガンダムＡＧＥ－２
　ノーマルの巻

　ＡＧ　1/144
　ＡＧＥ－２　ガンダムＡＧＥ－２ノーマル
　バンダイ
　「機動戦士ガンダムＡＧＥ」に登場
２０１２年１月発売　税別初出価格７００円

　先日、親戚で集まった時のこと。主にヒーロー物のオモチャで遊んでいた大阪の甥っ子も、近頃ではガンダムで遊ぶ事もあるとか、そんな話をパパから聞きました。手に持ってガツンガツンぶつけて、ビームサーベルがポロリと外れたら負け、とか。そんな遊びをしている様です。なんというガンプラバトル！って言うか、その日子供たち皆で遊んでいたベイブレードと、さほどルールが変わらない様な（笑）。

　そんな話を聞きながら思ったのが、ヒーロー物の人形の様に下半身が固定されたＡＧって、ソフビからプラモに移行してくる子供達にはピッタリなんじゃないかな、という事です。握って持ちやすく、ぶつけて遊んで、そのまま置けば立ってくれる。はじめてのガンプラって、作れない年頃に、作ってもらって手に取るケースも多いと思いますからね。これまで手頃なソフビが無かったガンダムにとって、ＡＧは予想外に大事なシリーズになっていくのかも知れませんし、そういう売り方をすべきなのかも知れません。

　てな感じで、第二章に入っても続々発売されるらしいこのシリーズ、ＡＧＥ－２ノーマルに目を通していきましょう。

　頭部は、目と頭頂部カメラの色分けを兼ねた首の軸受けに、アゴ・クマドリ・オデコセンサーが一体の赤パーツを貼り付け、前後からヘルメットでハサミ込み。やはり目とクマドリの間のスキマを大きく取ってあり、そのままでもスミ入れに似た効果がある程度期待出来ます。ダクトの内側ラインでヘルメットを分割する構成はナイスですね。チンガードの裏からアゴが露出する都合で、肉厚を確保したチンガードが目立って見え、ＧＰ０２っぽい人相に見えるかも知れません。

　ボディは、首からモモまで一体のフレームに、後ろからエリ、前からウエストを取り付け、前後分割の胸でハサミ込み。ダクトはエリの一部として成形、正面の白いガードは前から貼り付けます。

　腰は、正面から黄色パーツを組み込んでおいて、前後のスカートを取り付け。サイドスカートはリアスカートと一体で、可変翼が収まるスキマを設けて成形。フロントスカートと一体の可変翼が、スキマに正面から入っていくなんて、良く考えてあります。しかも上に可動用のクリアランスにしか見えないスキマが作ってあるという芸の細かさ！もちろん動かないんですけどね。

　脚は、左右貼り合わせてクツを履かせる３パーツ構成。クツやカカトはＨＧよりもコンパクトで、設定画のボリュームには、こちらの方が近いかも。クルブシの関節部で踏ん張ってる様子や、角度が異なる足首アーマーと足の甲など、一体なのに良く出来ています。

　腕は、肩から手首まで一体のフレームを外装で左右からハサミ込み。外装が筒状成形だったＡＧＥ－１ノーマルは斬新でしたが、接着ラインが出ないというメリットが大きく大人に歓迎されやすい分割だったと言えるかも知れません。完成後に遊んでいてズレないという点で言うと、今回の様な貼り合わせ式は低年齢層が持って遊ぶのに向いているかも。肩ブロックが色分けされ造形的にもクッキリしていて、良い感じです。

ＨＧ（右）との比較。武器が小さく感じる事が多い簡易キットですが、ライフルの整流板がＨＧよりも大きく、迫力が有ります。

　肩アーマーは、前後のアーマーをコの字に一体成形し、肩関節側から腕に被せてあります。肩上部は、前後のウイング基部やサイドアーマーまで一体で縦に成形してあり、上から取り付け。ウイングは下から差し込みます。頭部アンテナもそうですが、全体を太く造形する事で先端が尖らない様にしてあり、安全突起を付け足さずに済ませています。この辺はＨＧと異なる解決法を採用してる様ですね。

　バックパックは背中と一体で、ゲイジングチップはボディ組立時に仕込んでおきます。チップのナンバーは００９。これは高速戦闘が得意な予感が！

　武装です。シールドは、２パーツを貼り合わせて色分けを再現。袖のスリットはディテール再現だけのための物で、シールド保持用のスリットは腕側面に別に開けてあります。２方向とも取り付けられたら良かったと思うんですが・・・。

　ハイパードッズライフルは、下面を肉抜きしてワンパーツ成形した本体に、上下からカバーを被せる構成。手に持たせる時は、下のカバーを一旦外します。グリップは固定式で、胸部ディスプレイに差し込む突起は別に付いています。下のカバーを外せば、ＭＳ形態の胸にマウントする事が出来ますよ。ＨＧの胸にもフィットします。

ボディフレームをカットし、腰の突起のコブを切り取ってあります。キットのままでは、この状態になりません。

　しかし変形する訳でもないのに、胸に穴を開けてまでギミックを再現しなくても・・・と思ったら、背中のスリットに対応しそうな突起が、リアスカート上端に付いているではありませんか。そのままでは差し込めない様に小さなコブが付いていましたが、ここを削るとピッタリとフィットしました。これはどうやら、指やスカートを切り離せるキットが有る様に、希望する人だけ簡易変形出来るようにというボーナスギミックの様ですね。

飾り台はＨＧガンダムＡＧＥ－２ノーマルの物を拝借しています。別売のアクションベースも使用可能です。

　これを利用するには、首からモモまでつながっている内部フレームを、途中のどこかで切り離さなくてはいけません。やり方は色々有るでしょうし、工作好きな人は大改造しても良いと思いますが、ボクはウエストにハメ込む台形部分の上でカットしてやりました。

　胸を一度分解して組み直してやれば、ＨＧの様にウエストから下の部分を後方に折り曲げた状態になってくれます。小さな突起一つで上半身の荷重を支えるので、補強パーツでも自作してやりたくなりますが。

右：キット状態では一体になっているボディフレームを、途中でカットしてやりました。
左：フンドシとフンドシセンサーは重なっておらず、前後にズラして引き抜くのを妨げない構造になっています。

　ＨＧの変形とは少し異なりますが別の案として、ウエストを上半身側に付けたままにして、ウエストと腰の間で分離させる方法が有ります。再現度は若干落ちますが（え？何を今更？）これだと胸を分解する必要が無いのでお手軽です。ウエストは、フンドシ上部のセンサーごと前に引き抜く事が出来るので、これを利用したものです。

先の例とはウエストのポジションが異なる点に注目。ライフル下のカバーを加工して、少し前に移動させてあります。

　ライフル下のカバーがフンドシ上部のセンサーに当たるので、ライフルが少し上を向いてしまいますけどね。ライフル下カバーのハメ込み突起を切り欠いて、カバーを少し前に差し込み直してやっても良いでしょう。あるいはセンサーをカットしてフンドシに接着すれば、ライフル下カバーを加工する必要は無くなると思われます。（試してはいませんので、念のため。）

カバーのハメ込み突起を切り欠いて、取付位置を前にズラせる様にした例。

　てな感じで、メーカーの意図した通りかどうか分かりませんが少しイジってみました。不完全な変形には気が乗らないとか、ＨＧが発売されてるんだからそれでいい、という方もおられるでしょうが、どこを省略するか、どんな代案を示せるか、そこは不完全ゆえに簡易変形の醍醐味になってる気もします。ほら、高額キットでは完全変形しちゃって、こんなストライダーフォーム、見れないじゃないですか（意味不明）。店頭でゲイジングバトルしてる時に、チョチョイと変形して見せるには、これで十分な気もしますし。

　遊び心にニヤリとさせられ、ちょっと得した気分のキットでした。工作好きな人が完全変形を目指して改造してみるのも良いと思いますが、お手軽裏技程度に考えて、ストライダーフォームのＨＧの横に立たせる、２モード同時ディスプレイ用のキットにしてみてはどうでしょうか。

　おまけ

　前回だけでは飽き足らず、ＨＧガンダムＡＧＥ－２でもう１つバカ芸を。手足が一直線に連結しているのだから、取付位置を入れ替えても連結出来るのではないかと思い立ち、試してみました。結果はご覧の通り。危険を感じるとこのモードに変形して、エビの様にバックで逃げていくというオレ設定であります。ちなみにＡＧＥ－２のメカデザイナーは（略）

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　2012.2.7　健　竹史