健さんの
プラモコラム

その388
 HGFC
 シャイニングガンダム
の巻

 HGFC 1/144
 GF13−017NJ シャイニングガンダム
 バンダイ
 「機動武闘伝Gガンダム」に登場
2011年8月発売 税別初出価格1500円



 「今度のキットは大きな手が付いてるんだって。楽しみだなぁ」と思って買ってみたら、全高も大きかったんですが(汗)・・・という、ちょっぴりオーバースケールで展開中のHGFCにシャイニングガンダムが登場です。MGに続いて、今度もゴッドガンダムの方が先に出るもんだから、待ち焦がれていましたよ。

 さて、リファインシリーズが始まったら少し大きめになっていた、というのは良くある話ですが、当時と今のプロポーション造形の違いを考えると、適度のサイズアップは好ましいとも言えますね。がスラリと長く、ウエストの寸詰まり感が解消した分、全高は高めになっていますが、肩幅や腕に大きな違いは見られない感じ。当時のプラモを延長工作したらこうなりましたという状態に近い気がします。HGFC未発売のライバル機を旧キットとミックスして作るとか、旧キットのプロポーションをイジって新旧ごちゃ混ぜで楽しむ事が容易で、コレはコレで過去の資産を活かしている気がしますね。

 てな事を思ったのは、このシャイニングガンダムがHGFCゴッドガンダムよりも体形バランス・サイズとも平均的ガンプラに近い気がして、改造の芯に向いていそうだと感じたからかも知れません。早速、各部に目を通していきましょう。



胸のマルチプライヤー底面の反射シールのみ貼って撮影しています。

 頭部は、ノーマルモードとスーパーモードそれぞれを組み立て、まるごと交換する差し替え式。2枚入りの同一ランナーに頭部パーツが含まれるなんて珍しいですね。フィンとダクトが閉じた状態と開いた状態の2種の黄色パーツが有り、これを前後からハサミ込み。開いた方がスーパーモード再現用となります。黄色パーツは中でつながっていて、首のボール軸受けも兼ねた、芯パーツでもあります。



 アンテナはオデコカメラと組み合わせて、前から取り付け。赤いマスクは黄色パーツの前面に固定しておき、ノーマルモード用の閉じたフェイスカバーと、スーパーモード用の開いたフェイスカバーを、それぞれ取り付けます。



 実際は、ノーマルモードとスーパーモードの間にバトルモードが有ります。フェイスカバーだけ展開して、フィンとダクトが閉じたままの状態ですね。通常これがシャイニングフィンガーを放つモードであるため頻繁に登場し、対決シーンの再現には欠かせないと思うんですが、残念ながら再現されていません。試しに2モードのパーツをミックスして再現してみましたが、一旦組んだ物を分解するのは、あまり手軽ではありませんでした。



 ノーマルモード用の赤いマスクは、カバーを被せる都合でエッジを少し丸めてあるんですが、気にならなければ交換する必要は無いかも。フェイスカバーの交換だけなら簡単です。もし工作に慣れた人なら、マスクのエッジを引き立て、必要ならフェイスカバーの内側を少し削ってやると良いかも。2体買って3種作るとか、毎回分解するよりは楽だろうと思います。でも、キット状態で3モード差し替え再現出来たら嬉しかったですね。



 ボディです。はポリパーツで、上がボール可動、下が前後スイングの二重関節。は、左右一体の胸部ダクトと、前に引き出せる肩関節ポリキャップ、ウエストをハサミ込んでの前後貼り合わせ。設定ではウエスト横のスジ彫りと胸の分割ラインは一致してるんですが、キットでは胸を後ろ寄りで分割してあります。造形的に単調さが解消され柔らかさが出ている気がしますし、首や肩関節が後ろにズレる事で胸を張った様に見せる効果が有りそう。胸のマルチプライヤーはクリアーパーツを使用、底面に張り込む反射シールも用意されています。



 ウエストは、筒状に成形された上下2段を縦に連結し、にハサミ込み。腰との接続は球体ボールジョイントを使っていて、普段は横スイング、引き出せばグリグリ可動します。単純な横ヒネリではすぐにリアスカートに干渉しますが、関節を引き出しウエストがスカートに乗り上げる様にすると、大きくヒネれると同時に前屈みになって、躍動感も出ますよ。



バトルモード。(ノーマルモードとスーパーモードの頭部をミックスして組んでいます。説明書には有りません。)
旧1/144では、頭部前半分を差し替える事で再現可能。スーパーモード用の後頭部は別売のグレードアップパーツセットに含まれていました。

 です。股関節軸は、フンドシの下半分ごとスイング可能。フンドシ下面には、別売のアクションベースに対応した飾り台取り付け穴が設けてあります。フロントスカートは左右一体で可動し、切り離して独立ボール可動にも出来るタイプ。胸に届くまでハネ上げる事が出来、脚の動きを妨げません。

 サイドスカートは、板状突起でポリキャップに取り付けてあり、にのみ可動。別方向にも振れたら、ビームソードとバックパックの干渉が軽減すると思うんですが。そんな事情から、このキットは上半身を右にヒネったポーズの方が得意です。



 左サイドスカートは、ソードホルダーになっている張り出しが別パーツ。右サイドスカートは2枚入りの共通ランナーに含まれるため、1つ余りパーツになります。何かこの辺に今後を占う秘密が有りそうですが・・・。

 リアスカートは、ポリキャップ接続で可動式。下端の突起でフンドシと噛み合っていて、動かしたくない時の安定感も良好です。



桃型カプセル「バド」が欲しくなってきますね。

 です。股関節は軸可動の組み合わせで、モモ上部をヒネれる様になっています。モモは筒状にワンパーツ成形。中で股関節からとヒザからのフレームが連結しているのは、ゴッドガンダムと共通ですね。ヒザは薄型ポリキャップを仕込んだ関節パーツを左右からハサミ込み。スネ側の差し込み部でも可動する二重関節です。

 スネは、左右とヒザアーマーの3パーツ構成。側面のブースターはワンパーツ成形の固定式で、ノズルに穴は開いていないので、塗装で穴を表現してやると良さそうです。フタはヒンジを使わず、差し替えで開閉を再現。一旦取り外して、少し上に斜めから差し込んでやります。青い表面の色分けは、シールで対応しています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 足首関節は、上が二軸可動、下がボール可動の二重関節。関節パーツはアキレス腱の部分が丸見えになるんですが、メカっぽく処理してあり、なかなか良い感じです。

 足首は、甲とクツ後部を縦に重ねて、足首関節のポリキャップを閉じ込めてあります。ツマ先は、クツと足裏を重ねて組み立て、甲の裏側(土踏まずの延長面)に取り付けてあります。ハイパーモードで前にスライド拡張するギミックは、差し替えで再現しています。クツと甲の間にスキマが出来て拡張した事が一目で分かります。足裏パーツのハメ込み突起がスキマから見えて、スライドレールの様に見えなくもないですね。



 足首アーマーは、コの字形にワンパーツ成形。可動軸を甲とクツ後部でハサミ込み、クルブシの辺りに接続してあります。これとは別に、ノーマルモードでは後ろにピンとハネ上がっているアウトリガーが、ハイパーモードでは倒れてきて接地面積を拡大します。1枚ごとのピン接続で、土踏まず横に接続してあります。

 肩アーマーは、肩ブロックのポリキャップをハサミ込んで赤いパーツを前後貼り合わせ、ワンパーツ成形の白いカバーをボディ側から被せる構成。側面はMGの様なスラスターの表現は有りませんが空洞にはなっておらず、内部メカが詰まっている事を想像させます。と同時にハメ込みピンを隠し、補強にもなってるんですね。



 白いカバーはハイパーモードで展開し、エネルギーフィールドジェネレーターを露出させる物ですが、今回は差し替えで開閉を再現しています。肩アーマーごと腕を一旦取り外し、高い位置のミゾに差し直し。1/100以上のキットでは、劇中同様のスライド展開をレール可動で再現してきましたが、ポーズを調整しているうちに閉じてしまったり、引っ張り過ぎて抜けてしまったりしたものです。そんな心配の無い解決法であり、サイズ的にも確実な、ベターなギミックだと思います。



 です。肩ブロックは、肩アーマー内の横スイング用ポリキャップに、下から箱状のカバーを被せる方式。コブは垂れ下がり、上腕に被さる様に処理されています。上腕は筒状にワンパーツ成形。ヒジは、薄型ポリキャップを仕込んだハサミ込み関節で、上下とも後ハメ式。前腕の差し込み部でも可動するため、二重関節となっています。



 前腕は、ヒジと手首のポリキャップをハサミ込んでの2パーツ貼り合わせ。甲アーマーは、やはり従来だと引き出し式で展開する所ですが、今回は一旦取り外し、差し直す事で展開を再現しています。アーマー裏に仕込んだL字形のパーツが90度回転する事でジョイント長さが変化。スマッシュブースターがジョイントの押さえになっています。ブースター後端のバーニアは2基一体で成形されています。



 しかしシャイニングフィンガーって、下手をすると、冷却装置がフル稼働中であろう本体に高熱の噴射炎を浴びせてる感じになりますね(笑)。ノズルがMF本体の方に向かない様、腕を上手くヒネってポーズを工夫してやると、命中の瞬間まで加速している様な、それらしいポーズが作れるかも知れません。

ガチョ〜ン

 手首は、左右の完全に握ったゲンコツ、左右のソード持ち手の他に、ワンパーツクリアー成形の平手が付属。必殺技「シャイニングフィンガー」の発光状態を表現した物ですが、発光していない平手も欲しかったですね。ソード持ち手は角形グリップをしっかり握れて良いんですが、それが両手持ちさせづらい(上段に構えるのはOKでした)原因にもなっています。片手だけでもガタつきの有る物が付属していたら、ボーズの幅も広がったのでは?特にシャイニングフィンガーソードは、両手持ちで繰り出す印象が有りますし。



繰り出す前の手にビッグエフェクトパーツを取り付けると、遠近感が狂って、なんだか妙な感じですね。

 この他、ビッグエフェクトパーツと称して、巨大な右手が付属します。実体のある物ではなく、イメージや、闘気が視覚化した物という扱いなのでしょう。側面はエネルギーの流れの様に造形、甲側は空洞になっていて、ここに通常サイズの平手をハメ込んで使用。劇中の迫力ある演出を再現出来ます。ゴッドガンダムにも流用可能としてありますが、通常手首ごと流用すれば、他作品のMSにだって使えてしまいますから、どんどん遊んでしまいましょう。



 バックパックは、コアランダーが変化した物。本体は2パーツ貼り合わせで、先にハメ込んだコクピットを裏面パーツが押さえています。コクピットは薄く、ほとんどキャノピーのみ。説明書でもキャノピーのつもりで塗装してる様で、確かに開閉ギミックに見立てた方が遊びの幅が広がるかも知れませんね。裏面も肉抜きされてますし。丸ノズルは極小ボールジョイントで接続してあり可動、アーム部のスラスターは別パーツ化してあります。



コアランダー、フロントビュー。右は旧1/144に付属する物です。

 本体への合体は、コクピットを90度起こす様に引き出して、背中の穴に差し込みます。従来はコクピット自体のキツさで保持する事が多かったのですが、今回はコアランダーの左右両端に噛み合う突起をガンダムの背中に設けてあり、そこで保持する仕組み。キツキツで擦る距離が最小限で、噛み合わせのミゾ等でコクピットの造形を損ねる事もなく、見た目もディテール風と、なかなか上手い解決法じゃないでしょうか。



コアランダー、リアビュー。右は旧1/144に付属する物です。

 ところで本編を見返すと、ハイパーモード変形時スラスターアーム(コアランダー本体も?)がハネ上がる描写が有りますね。過去のキットにも可動する物は無かったと思いますが、「このギミックが有ればソードの干渉を余裕でかわせるのに・・・」と思ってしまいます。



 武装です。ビームソードは、長短2種が1本ずつ付属。どちらもグリップとツバの2パーツ構成で、2本重ねて左腰のホルダーに収納します。グリップの途中にミゾが有り、ここがホルダーの突起と噛み合ってズレ防止になっています。クリアーのビーム刃も長短1本ずつ付属。ゲンコツにピッタリとフィットし、少し前に突き出した様な握り方になります。



 シャイニングフィンガーソードは武器と言うより技なんですが、グリップまで含んだソード状のパーツとして付属しています。ビームソードにシャイニングフィンガーのエネルギーを送り込んで形成するビーム剣で、ハイパーモードでのみ使用可能。威力絶大の割にはソードよりも短めの造形なんですが、あまり長いと対決シーンに使いづらいので、妥当な判断でしょう。オープニングで印象深い「G GUNDAM」の文字が刻印してあります。

 組立時間は1時間10分でした。変形箇所を可能な限り差し替え式で解決した仕様は、ギミック好きの人には不満が残るかも知れませんが、一度モードチェンジした後はガシガシ動かせて、遊び勝手が良い印象ですね。イジってて外れやすいのは腰のビームソードくらいでしょうか?また、大きな手を付属させるとか、演出面でもGガンらしい大胆さが出てきましたね。



旧1/144シャイニングガンダム(左)との比較。

 今後の展開ですが、腕とスネのブースターが配置された部分がもぎ取れるランナー配置になっていて、メッキ処理する構想が有る(あるいは有った)のかも知れません。ここだけメッキにするのか、ここ以外全部をメッキにするのか、どっちも考えられる機体なんでヤヤコシイんですが。

 また、頭、肩アーマー、前腕、フクラハギカバー、コアランダー下面、武器等が除外可能になっていて、ライジングガンダムの発売は期待出来そうです。分からないのは肩ブロックが除外可能になっている事ですが、もしかしたらコブの造形を控えめにする等して、女性的な腕に見せようという試みが予定されているのかも知れませんね。


 おまけ

 放映当時、日東科学から発売されていた1/144・1/200のダグラムシリーズが、童友社から再販されたので買ってみました。まだビニールは開封してないんですけども。って言うより、素組み用・塗装用のほかに保存用が欲しくなる、夢のような再販企画ですね。当時価格は1つ200円。後続番組であるボトムズ・ガリアンでも、スタンダードサイズのプラモとは別に、他社からミニサイズのシリーズが出ていましたが、当時、24部隊専用ソルティックを組んだ印象としては、出来も良くて可動も充実していた記憶が有ります。(この辺は思い出ですので、どこまで正確か分かりませんが)技術の向上やユーザーの目が肥えた事、低価格帯は食玩やカプセルトイが主流となっている事など、当時と状況がずいぶん変わってきている気がしますが、低価格プラモが巷にあふれていた時代は、今から考えるとすごく魅力的に感じます。



 10種まとめてのセット売りだとは聞いていましたが、そのまま取っておきたくなる様なボックスに入っての発売。フタを開けると、ギッシリと並んだプラモの上に、最初に読んでねと言いたげな、お断りを記した台紙が。なになに・・・当時のそのままのパッケージや説明書を再現しているので著作権表記は「日本サンライズ」、今は売ってないダグラムカラーもそのまま記載?日東の社名もそのままですよ。ただダグラムが欲しいだけではない、当時のキットと当時のメーカーに思い入れのあるファンには、たまらないサービスです。童友社さん、ありがとうございます!



 「その205 ガンプラコレクションVol.1の巻」でも触れましたが、当時の表記やレイアウトを残すには、現在の商品情報を表示する外箱が必要になります。まさか実際と異なる表示を放置も出来ませんからね。外箱を用意するのも結構な手間だと思うんですが、当時の物を残すって、とても文化的に意味がある事だと思います。



 ここ数年、「待望の」と言っていいキャラクタープラモの再販が何度か有りましたね。その中には当時のメーカー、当時の開発者への敬意を感じる物も少なくありません。初版や当時物を珍重する人がいる様に、丁寧に再販された物というのも、すごく魅力的だなあと感じる、この頃なのであります。なんだかこのまま、再販物コレクターになってしまいそうな予感が・・・。

童友社 ダグラムコレクターズBOX 製品情報ページ

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 2011.8.30 健 竹史

  

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