健さんの
プラモコラム

その46 MG シャイニングガンダムの巻

( 1/100 MG シャイニングガンダム/ バンダイ/
GF13−017NJ シャイニングガンダム 「機動武闘伝Gガンダム」に登場)


 シャイニングライディーンと、顔面が開閉するキャラクターが立て続けにキット化されてますね。ラーゼフォン応援キャンペーンなの?それとも人事異動で、ホビー事業部に恥ずかしがり屋が急増中で、アイテム選択にも深層心理が現れて来ているのかな?(考えすぎ)そんなシャイな彼らを、3ヶ月で堂々とした男に鍛え上げるべく・・・(もういいって、ガチンコネタは)



 てな訳で、Gガンも着々と充実してるんですけど、今回はアンダーゲートじゃないんですね。劇中で光るシーンがあるかどうかを、入念にチェックして、キットの仕様を決めてるんでしょうかね。名前的には、一番メッキやクリアーが似合いそうなガンダムなのになあ。それでは各部を見ていきましょう。

 頭部は、頭頂部のフィンや、側面のダクトもガタつきが無く、変形状態を保持できます。目はクリアー成形ですがメインカメラはクリアーになっていません。フェイスカバーの開閉は、差し替えで再現します。ここまではHG(旧1/100)と同じですが、オープン状態の顔面が赤で色分けされているのと、フェイスカバーの開き具合を変更してあるため、ずいぶん印象が違いますね。武者のイメージが、より強調されました。

 ところが、アクションフレームで派手なポーズが決まるようになると、なぜか武者というより、歌舞伎みたいに思えてきたりして。格闘技がテーマなんで、主人公機は素手で戦うのが正当なんですが、この顔ならば剣技を多用すると良かったかな?なんて思えてきます。ううっ、なんだか剣術使いを主人公にした(ドモンでも可)続編が見たくなってきますね。

 もっとも、解説書にも「ネオジャパンの歴史的な武道、あるいは芸能に着想を得たとされる意匠」なんて書いてあり、歌舞伎の要素も含まれてないとは言い切れませんね。あと、ノーマルの顔は「オタフク」だし・・・あわわ。いや、怒ると形相が変わる機構自体、映画に出てきた伝説の神像がモデルか?・・・オデコのクギを抜いて、切り札に使っちゃう「ハニワガンダム」なんて、ダメっすか?(だめ)



 ボディは、胸の左右の黄色い部分と、マシンキャノンは、内側でつなっがっている一体パーツ。紛失しにくい、良い配慮ですね。胸の中央は、例によって引っ込みます。エリの無いガンダムって、なかなか引き締まった印象にならないんですが、胸元の装甲がスライドする分、設定にない段差やレールが出来ていて、ちょっとカッコ良くなった気がします。マシンキャノンのカバー(肩の盛り上がり)は、HGの方が味があったかも。エネルギーマルチプライヤーは、ジュエルシールで再現。キレイですね。

 ウエストは、赤い部分の比率が大きい、MGゴッド同様の体形です。あまり角張っていないのは、ウエスト回転のための配慮でしょうか。

 は、全てのスカートが可動。左脇にはビームソードを装備。取り付けは、短いソードが上です。逆にすると、ソードが抜けやすくなるので、気付くと思います。

 は、側面ブースターのモールドが、格段にシャープになりました。強度を落とさないように、HGと同じ、エンジンと一体のバーニア(中央)を、スライド金型でシャープに再現。左右の2個は裏でつながっていて、ガタつきは有りません。フタは2重関節で、大きく開きます。

 スネ前面のバーニアは、HGではシステムインジェクションで内側が黄色く色分けされてたんですが、今回は白い単色パーツです。深い部分なのに、塗り分けが大変だなあ、とか思ったら、設定では黄色くないようです。

 足首は2重関節で、すごく良く動きます。さすがMG!と思ったら、HGも2重関節でした。HGは、保持力は強くないけど、なかなかの出来ですね。腕はともかく、脚の可動はMGに負けてない気がします。

 足首は、派手に変形する部分でもありますね。中にはギミックが詰まっているので、足裏のゴムは薄めですが、それでもMGスタンダードは守り通してます。変形とは別にツマ先が可動するし、このキットの大きな見せ場ですね。



 肩アーマーは、スライド変形するショルダーカバーが一体成形。謎のスジ彫りが無くなって、スッキリしました。ここ以外も、全身の「謎の」スジ彫りは廃止されていますが、ターンエーガンダムに見慣れると、やたらスジ彫りが恋しくなってきます。スジ彫りは良いですよ!謎めいてて。(笑)スジ彫りセンスだけを競うようなコンテストとかやったら、面白いかも知れませんね。

 肩アーマー内部には、スラスターが追加され、ハメ込みピンを隠しつつ、説得力を高めてます。黄色い本体に、赤いフチを横からハメる方式。横からっていうのがエライですね。カバーが上がった時に、黄色い部分(エネルギージェネレーター)が見えて赤い単色パーツだったHGよりも、機構が強調されますね。スライドレールが全く見えない仕組みに変更されたのもポイント高いです。動きもスムーズになりました。

 は、ゴッドと同じ構成で良く動きますが、前腕カバーが腕を隠さないデザインという事もあって、ゴッドよりも筋肉質なシルエットに変更されてます。上腕の外側も、たくましいラインですね。

 前腕カバーは、例によって腕輪パーツに接続されているので、自在な位置に回転出来ます。展開ギミックは、当然スライド引き出し式にはならないので、2重関節式です。ゴッドに近い仕組みですね。

 手首は、握り手、平手(手刀)、ソード持ち手、クリアグリーン成形のシャイニングフィンガーが、左右とも付属します。腕組み用の手はゴッドガンダムから流用しましょうって、ちょっとセコイですね。そう言えば、手刀を見て思い出すのは、毎回の登場シーンで見せた、ファイト前の準備体操。ついに、アレが出来るのですね!

 コアランダーは、ゴッドに比べても、HGに比べても、コクピットがずいぶん小さくなりました。どうしたんでしょうね?ボディフレームはゴッドと共通ですが、フレーム側に付いている、コアランダー合体用のレールが、合体部を引っかくとか、しっかり水平を狙って合体させないと、ズレて入りやすいとか、そんな部分が不評だったのかな?接続は頑丈なんですけどねえ。アレ。今回はコクピット側面を、モロに引っかいて、塗装が台無しになると思うんですが・・・そうか、コアランダー状態では、隠れる面だから構わないという判断なのかな。



左から、HG、MG、MGゴッドガンダムのコアランダー


 HGでは、コアランダーはシステムインジェクションでカラフルだったんですが、今回は塗装の必要があります。まあ、HGの物はカラフルとは言え、青パーツに埋もれたためか、赤色の発色が悪かったんですけどね。コクピット裏は、HGの方がディテールが入ってて豪華な感じ。本来、モビルトレースシステムに乗り移るためのハッチなんかが有っても良いと思うんですが。

 って言うか、各国のコアランダーに互換性でも有れば、少しは遊べるギミックなんですけど、ジャンプ力だけでガンダムに乗れちゃいそうな超人ばかりだし、もし続編を作る事があるなら、マスターガンダムのウイングシールドみたいに、個別の特殊装備を用意した方が楽しいと思います。あと、ランドセルを背負ってないガンダムって、もっといても良いと思うんですよね。背中って、セクシーなポイントなんで、意味も無く隠す必要は無いハズです。

 ところでコクピットのドモン兄貴、ゴッドの物よりも小さめですよ?予選期間中に、大きくなったのかなあ。「成長したな!ドモン!」・・・て、シュバルツ兄貴は、ホメてくれるかな?(笑)



 ビームソードは、刃をクリアパーツで再現。腰から抜いて、着脱出来ます。ちゃんと長・短1本ずつ付属しています。あと、武装じゃないんですけど、どこかに煙幕弾を隠し持ってるようです。(第1話で使用。キットには付属しません。)

 恒例のフィギュアは、ファイティングスーツ姿のドモンが付属。背中の3本のアンテナは別パーツで、取り付け穴に差し込みながら、夏休みの昆虫採集を思い出しました。ブースカを連想する人もいるかも。

 カラーリングについてですが、スーパーモード状態で開く肩、腕、脚の内部メカは、設定ではグレーですが、劇中では金色になっているシーンがあります。当時のビデオが見当たらないので詳しく分かりませんが、本来グレーで、発光しているという事でしょうか?グレーに塗られたシーンもあるようです。

 当時のムック本を見ても、後半のストーリー紹介が中心で、シャイニングは扱いが小さいですね。前半主人公機の彩色資料にもならないとは!資料不足と言えば、もう一つ、説明書に変形の説明がありますが、「この状態がバトルモードで、この状態がスーパーモード」と、ハッキリ書くべきだと思いますね。43工程がバトルモード(顔面と腕の展開)、45工程がスーパーモード(さらに肩、脚、頭、足首が展開)なんですが、8年前のアニメ本が入手できるハズもなく、アニメを見ずにプラモを買う人もいるハズ。ちょっと不親切では?

 組み立て時間は、2時間半でした。出るハズだと思われるモノが出尽くして、これで打ち止めにならないかと、ちょっと心配なんですけど、シュピーゲルは参考出品まで行ってるみたいですし、どんどん数を充実させて欲しいですね。バリエーション機であるライジングが出れば、武装タイプのMFという事で、コレクションにも幅が出ます。自在可動のフレームで、ボーガンやシールドを構えると、さぞ絵になると思います。



 あと、真人間の乗機ばかりですが、ここまで動くと、極悪人みたいなポーズが、すごくサマになるんですよね。ネロスガンダムなんか、人気はともかくとして、このフレームにふさわしいアイテムじゃないでしょうか?海外のMSインアクションでは、マジでネロスを発売しちゃったらしいし、この勢いに便乗して出してくれませんかねー?

 



おまけ

 友人に借りて、コミック版の「0083スターダストメモリー」を読みました。幻(裏設定?)のコアファイターが登場したり、デンドロ君に増加装甲を付けたり、単にファンサービス的なアレンジを加えたストーリーかと思ってましたが、OVAを補完して、より理解が深まる、良いコミックだなと思いました。ニナとガトーの関係など、最初からバレてもOKなので、しっかり扱っていて不自然さが消えているし、落ちるコロニーを見ているしかなかったOVAに比べ、もう一工夫加えているのも良いですね。全2巻と手頃だし、オススメです。


2002.6.9 健 竹史

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