健さんの
プラモコラム

その170
 
リボルテック ダグラムの巻

( リボルテック ダグラム/海洋堂/
 コンバットアーマー ダグラム
     「太陽の牙ダグラム」に登場)


 えー、ここはプラモを紹介するコーナーではあるんですが・・・今回は海洋堂の完成品アクションフィギュアシリーズ「リボルテック」ダグラムを紹介します。PVC製のフィギュアで、全然プラモじゃないんですけど、主要な関節にはABS製の可動パーツが使われ、触ったり動かしたりした時の感触が硬質なのが良いですね。

 PVCは可動フィギュアに適した素材だとは思うんですが、プラの感触が好きだからプラモにこだわりたい、という人、ボクだけではないと思います。特に可動部が柔らかいと、メカっぽさが感じられなくて。でも、このシリーズに採用された「リボルバージョイント」ラチェット式で、カチカチという音と手ごたえがメカっぽくて心地よいのです。この「リボルバージョイント」が、シリーズ名の元になっています。



 リボルバージョイント(大)は肩・ヒザ・足首・ウエスト・リニアキャノン(背中の大砲)に採用。首にはジョイント(小)が採用されていますが、こちらはラチェット無しの様です。キャノピーは透明ではなく、他と同じPVCパーツを塗装して表現。ハッチを開くとシートも再現されています。



 ターボザック(バックパック)とリニアガン(右手の銃)は着脱可能。コクピット横のクモークディスチャージャーは、ミサイルポッドと交換する事が出来ます。



 股関節は前にのみ可動。そしてスカートの下で横ヒネリ可動。つまり2軸可動ですね。スカートは腰ブロックにぶら下がっているのではなく、股関節の前に貼り付けてあるイメージで、モモを動かすと引き込まれます。商品では股関節と一体成形ですが、MG以前のZガンダムキットの様な解釈と思えば良いでしょう。



 ヒザの後ろは大きく切り欠いてあり、可動を妨げません。可動部がコブの様に飛び出しているのも、なるべく大きく可動させるため。ターボザックも、腰の可動を妨げないようコンパクト化してあります。



 ヒジは一軸可動。つまり腕をヒネる事は出来ません「それなのにポーズが決まる」事に注目。ボールジョイントである事を利用して、肩だけでヒネっているんですね。多くのロボットプラモは上腕を360度ヒネられる様に出来てますが、人間の動きでは360度の可動範囲は必要無い事、腕をヒネった時には肩も動くという事に気付かされます。やはりヒザと同様、肩の可動部はボディ上面よりも高めに設定されています。



 降着ポーズ・・・じゃなかった、「砂漠に朽ちたダグラム」も再現可能。いわゆるキービジュアルですね。手首は差し替えて楽しめる様、右手が2種類、左手が3種類付属しています。ウエストが前後に可動するのが効いてますね。



 デロイア拳法で戦うダグラム。まぁ、ただのバカ芸ではありますが、ガンダムだって格闘技をこなしたんですから、絶対有り得ないとは言い切れない訳で。何しろ1年半も放送された人気番組です。後番組のボトムズガリアンがOVA向きの素材だったこと、トランスフォーマーが爆発的にヒットした事などが無ければ、シリーズ化され、中には格闘をモチーフにした作品も作られた可能性もあると思うんですが、どうでしょう。(そういえば、レース物として作られた短編映画も有ったなぁ。)



 の軸は斜めに打ってあり、表情豊かに動きます。顔のないデザインの頭部(モチーフは戦闘ヘリだったかな?)ではありますが、意思と視線を感じさせます。



 1/72デュアルモデル(左)との比較。サイズは2割ほど小さいので、ロコホビーの1/87(HOゲージ)戦闘車両と並べれば丁度良いスケールだと思います。買った事は無いんですが、ブリスターパック入りの半完成品というのも、このダグラムに近い物を感じますし。ちょうど今月のモデルグラフィックス(2006年7月号)に、ウォーカーマシンのディテールアップパーツ例として紹介されてますよ。



 身長は低めでも、リニアキャノン先端までの高さは同じくらいです。



 リニアキャノンは本来一軸可動なのだと思いますが、これが全然違う方向に振れると、ずいぶんイメージが違ってきますね。取付け位置が高いのも良いです。実は、デュアルモデル等、従来のモデルよりもスリムな体型(胸幅が詰めてある)のため、キャノンを担げるほど肩が広くありません。肩アーマーに干渉しない位置までキャノンを高くしてあるだけかも知れませんが。



 リボルバージョイントなんて特別な名前が付いてはいますが、ラチェットが付いただけで実は従来のボールジョイントと同じ仕組みの物なんですよね。逆に言えば、効果的な配置を考えれば、これと同じ可動ギミックは従来のボールジョイントでも可能な訳です。

 もっとも、十文字のラチェットがメカニカルな印象を与えて、ムキ出しでもそれなりにカッコイイという優位性も持ってるんですけどね。(ジョイントを単品発売してくれると嬉しいんですけど。)毎月2体ずつ新作が発売されるそうなので、関節の組み込み方の見本として、好きなアイテムが出たらぜひ手に取ってみられると良いと思いますよ。


 おまけ



 遅くなりましたが、MGガンダムMk−2 Ver2.0(ティターンズカラー)を簡単に紹介しておきましょう。先に発売されたエゥーゴカラーの色替えキットです。ライフル、シールド、サーベル、バズーカ、バルカンポッドといった武装は全て付属。カタパルトデッキと作業員フィギュアが付属しない分、価格が低く抑えられています。



 ほとんど左右に動かなかったウエストは、腰フレームを新規パーツに差し替えてあります。従来通りのボールジョイントとは別に、腰と腹巻きの間で左右回転が可能となりました。(これによって、パーツ点数は2パーツ増えています。)



 可動範囲が広がった事は嬉しいんですが、ポーズをつける時に単純な左右回転で済ませてしまいがちになったと言えるかも知れません。「その154 MGガンダムMk−2 Ver2.0の巻」でも触れましたが、よじれた様なウエスト可動は、このキットの魅力だと感じていましたから。

 単純な左右回転ではVer1.0と同じで面白みに欠けますからね。ポーズをつける時には、上体を反らす等して、胸と腹巻きの間に変化を付ける様にしてやると、よりカッコ良くなるでしょう。ここが一番Ver2.0らしさが出ていて、しかもハッタリが効く部分だと思いますからね。



2006.6.1 健 竹史


   
   
 

リボルテック No1. ゲッター1
リボルテック No.2 ダグラム
リボルテック No.3 ダンテ
リボルテック No.5 EVA零号機
リボルテック No.4 EVA初号機
リボルテック EVA弐号機
リボルテック キングゲイナー


   

宮脇 修一 造形集団 海洋堂の発想
宮脇 修 創るモノは夜空にきらめく星の数ほど無限にある―海洋堂物語
あさの まさひこ 海洋堂クロニクル
 ―「世界最狂造形集団」の過剰で過激な戦闘哲学


太陽の牙ダグラム THE MOVIE COLLECTION
太陽の牙 ダグラム DVD-BOX(1)
太陽の牙 ダグラム VOL.15
大河原邦男 DOUGRAM & VOTOMS DESIGN WORKS

MG ガンダムMk−2ver.2.0(エゥーゴ)
MG ガンダムMk−2ver.2.0(ティターンズ)

[HOME]

inserted by FC2 system