健さんの
プラモコラム

その53 MG ガンダムシュピーゲルの巻

( 1/100 MG ガンダムシュピーゲル/ バンダイ/
GF13−021NG ガンダムシュピーゲル 「機動武闘伝Gガンダム」に登場)


 SF考証もニュータイプも良いけどさぁ、ガンダムの一番の魅力ってさぁ、やっぱミリタリズムだと思うんだよねー」とおっしゃる、そこの兄貴!シリーズ史上最もミリタリズムにあふれた、硬派なガンダムの登場ですぜ。すばらしい!まるでゲルマンの魂が形になった様な・・・え?ちょっと違いました?これは失礼。



 てな訳で、待望のシュピーゲルです。これまでに発売されたGガンMGシリーズは、どれも変形や拳の格闘という要素が共通していたし、同一流派の師弟だったので、ここからさらに何体発売されるかが勝負ですね。コンセプトの異なる物ほどコレクションに幅が出るので、武器が特徴的なシュピーゲルは大歓迎。プロポーションの違いが楽しめるボルトとノーベル、左右非対称のローズは、ぜひ出して欲しいですね。では各部を見ていきましょう。

 頭部です。ヘルメットはワンパーツ。チョンマゲを上から乗せる分割で、パテ埋め不要となってます。メインカメラはクリアーですが、この分割ならばリアカメラも簡単にクリアーに出来たと思います。惜しいなあ。目の上は、ヘルメットとの間にスキマが出来やすいために処理が注目される部分ですが、今回は顔面パーツがオデコまで作ってあるので、顔を下から覗き込むと、本当にヘルメットをかぶっている様な印象。後頭部もパーツ化されてますし。

 ボディは、今回もアクションフレーム内蔵のため、肩が前後可動。解説書内の名場面ではハッチが開いてるんですが、組み立てるまで「改造かなあ?」とか思ってましたが、本当に開閉可能でした。同スケールのシュバルツが付属しないのが惜しいなあ。腕組みポーズ対策の「胸板引き込み」と両立してるのがスゴイですよね。



 胸の周囲に配置された黄色い丸パーツ(A25)ですが、ランナー状態で見て、3方向にゲートが配置されています。どうせなら、ゲート跡が正面に向かない様に配置してあれば良かったでしょうね。正面に向く物と向かない物が混在してるので、仕上がりが不均一になりそうです。

 は、前後左右のスカートが全て可動。でもスカートが長く、モモが太いので、これまでのMFよりもポージングには慣れが必要かも。まあ、ハイキックを繰り出すドイツ軍人なんて、少数派だろうから問題ないか。5枚のスカートの配置がシビアですが、フロントスカートを浮かせたり、めり込ませたり、サイドスカートと重ねたりすると、サイドスカートの可動範囲が拡大します。腰をヒネった様な視覚効果も得られるかも。

 モモは、毎度の前後分割なんですが、分割部内部にかみ合わせ構造を仕込んで、補強してあるのがナイスです。いつもは補強しようにも、モモの幅に余裕が無いんでしょうけどね。さらに今回は、前面に装甲を重ねたデザインですが、こちらの厚みもフィット感も良好です。

 スネは、ギミックも色分けも無く、今までで一番シンプルと言えそうです。忍者と言えばギミックだらけの様な印象が有りますが、コイツが一番シンプルというのも面白いですね。やはりネオジャパンは忍術の本場なのか?!いやいや、むしろ何のギミックも無いシュピーゲルの様な機体が、変幻自在の活躍をするから忍者っぽいのかな。忍者物の戦隊ロボはカラクリ扱いでギミック満載。忍者MFは、あくまで身体の延長ってコトですね。



 スネの装甲は、ピッタリ組み合わさるのが、作ってて楽しい部分ですね。ところでマスターガンダムの時は内部フレームにデビルガンダム細胞風のモールドが入ってましたが、今回は入ってませんね。自己修復機能だけを使っていたから、開発時から形は変わっていないという解釈でしょうか?それとも初期状態をキット化したのかな?もしそうなら、付属のフィギュアは、メカキョウジと入れ替わる前の、本物のシュバルツ?!えー、真トロワという表記がアリなら、真シュバルツとでも呼びましょうか?ああ、ショックで論点がズレていく。

 足首は、今回も土踏まずの部分で足先が可動します。今まで気付きませんでしたが、足の甲が白くないんですね。スネと連続した、軍用ブーツのイメージなのかな。

 です。今回、肩関節の組立て(工程1)を間違って、G25パーツ側(後側)から締めるビスを、間違ってG4パーツ側(前側)から締めてしまいました。E3パーツ(肩)が上手くハマらなくなるので、後で気付いて組み直しましたが、間違っても組めてしまうというのは、あまり親切ではないかも。まあ、何度も組んでいるフレームも、気を付けないと間違うという事ですね。

 前腕は、シュピーゲルブレードを装備してる関係上、ヒネる事が出来ません。ブレードを構える向きによっては、脇を閉めたポーズ・ヒジを張ったポーズが選択出来ない、もどかしさが出てくるかも。大問題ではないので、デザイン優先という判断は妥当でしょう。

 前腕の内部フレームは他と共通の筒型なんですが、前腕の装甲は筒型ではなく、左右分割なので、いつもの様な差し込み式の組立ては出来ません。どうするのかなー?と思っていたら、ヒジ関節下側パーツ(G5)の角穴に角ピンを差込む方式でした。あの角穴、ただの肉抜きじゃなかったんですね。Gガンダム発売時から、シュピーゲルの様な前腕をヒネりにくいMFへの流用も考慮してあった、と言えそうです。

 手首は発光を伴う技も無いので、全てラバーパーツです。握り拳、ブレード持ち手、平手(これからブレードを持ちます、という手)は左右とも付属。腕組み用の、左右で異なる手も付いています。

 肩アーマーは、左右共通パーツです。中央ではなく、片方に寄せた部分で分割してますが、前後の外観は同等になるよう、気を配ってあるようです。アーマー内部のバーニアは、腕の可動に干渉しないよう、引き込み可動します。

 シュピーゲルブレードは、展開、収納、刃の回転、ハンドルの折りたたみが可能です。前腕パーツにはさみ込んで組立てますが、前腕の合わせ目は、パネル分割ライン風にスジ彫りを追加してあるので、パテ埋めの必要はありません。



 コアランダーは、アクションフレーム内のガイドに接続するので、Gガンダムと互換性が有ります。間違ってお兄さんのランドセルを背負って登校してしまった、幼い頃の苦い思い出が甦るドモン・・・あ、8歳も離れていれば、それは無いか。

 コクピットの変形部分が単純なピン接続のため、コアランダーを引き抜く時、コクピットだけがボディ内部に残ってしまう事があります。脱出したと見せかけて不意を突く、ゲルマン忍術なのでしょうか(笑)。簡単につまんで取出せますし、何度か着脱すれば、パーツが適度に磨耗して、より確実に取り外せるようになるみたいです。

 ランドセル上のメインスラスター(可動部分)は、各面のディテールを上手くかわした丁寧な分割で、好感が持てます。組み付けにはピンではなく、板ハメを使っています。板ハメには、2分割したパーツの成形方向が一致しなくてもハメ合わせる事が出来る、こんなメリットも有るんですね。ディテールの向きが成形の妨げになる、テーパーの制約が軽減出来るという事です。



 ランドセル下側のスラスターですが、フチをコアランダーのシルエットに合わせた結果なのか、真四角ではなくなっていますね。ここは設定通りに真四角の方が、全身の四角いスラスターと統一感が出て良かったのではないかと思います。そう言えば、ワキの下のスラスターも六角形になってますが、台形(いちおう四角形)が正解です。ここはアレンジすべきでは無かった気がします。

 このスラスターホビージャパン誌掲載の画稿では真四角なんですが、キットの説明書掲載の画稿では六角形ですね。他の部分もずいぶん違いますね。ホビージャパンは(たぶん)カトキさん、解説書はBEE−CRAFTさんの物の様です。後者が方がキットに近いですね。

 フィギュアです。1/20のシュバルツとレインが付属するという大サービス。シュバルツはボディが前後分割、アンテナ(?)と後頭部の飾りが別パーツです。アンテナを付けてない状態では、コンドールマンみたいですね。マスクは、耳のふくらみまで再現。見下ろし気味の視線なので、高い所に置いたら良いでしょう。目が合ったら、高笑いが聞こえてきそう。残念ながら、は付属しません。



 レイン「ネオドイツの女」バージョンです。覆面の有無が選択出来ますが、首にスキマが出来やすいので、どちらかに決めて接着すると良いでしょう。設定によると、モモは素肌だそうです。(重要:ここは試験に出ますよ。)欲を言えば、シュバルツもキョウジの素顔と選択出来たら嬉しかったかな。ところでこの2体、ランナーの途中を仕切れるよう、切り替えが設置されてます。

 組立時間は、2時間20分でした。国の代表選手というMFらしさが良く現れたデザイン、ストーリーの鍵を握る最大のキーパーソン。放映当時から、ぜひ出して欲しい機体だったんですが、待った甲斐がありました。特殊なギミックが少ない分、ハッチ開閉の様な見所を用意してありますし、デリケートな部分の無い頑丈なパーツ構成を楽しめると思います。

 ところで、アンテナだけアンダーゲート方式だったんですが、他のパーツは通常のゲートで、クリア成形のステルスバージョン等の発売は、特に考えられていない様ですね。残念。ステルスと言えば、比較用として1/144を探したんですが、とうとう見つかりませんでした。忍術で隠れてしまったかな?(コレクションは整理しなさい!)



おまけ

 コクピット内で回転するシュバルツと、その通りに回転するシュピーゲル。他のファイターもそうですが、人とMFの位置関係はどうなっているのか?シュバルツは2倍の速度で回って目を回さないのか?なんて、放映当時から気になったモンです。機体解説にある「重力制御」って、この辺の解決にも使われているのかも知れませんね。
 
 最近それ以上に気になってたのが、中のファイターの繰り出す技で、コクピットは破壊されないのかな?という事です。パンチやキックの威力も、(時には光線?も)重力や電位を制御して、打ち消しているのかなー?とか思ったりして。


2002.8.25 健 竹史

  

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