健さんの
プラモコラム

その39 MG マスターガンダムの巻

( 1/100 MG Gガンダム/ バンダイ/
GF13−001NH2 マスターガンダム 「機動武闘伝Gガンダム」に登場)



 MGから可動に新境地をもたらすべくスタートしたMGファイティングアクション!早くもGガンダムという傑作キットが完成し、好調な滑り出しを見せる。しかし今回、元世界ガンダム級チャンピオンの「あの男」が登場する!師弟激突の予感に緊迫するGM内(ケロロ軍曹風)!そこには、予想だにしない光景が?!(最近ますますヒートアップしてますよねえ。ガチンコ!のナレーション)

 てな訳で、Gガンのライバル機の登場です。シャイニングガンダムの発売も決まり、数々の対決シーンの再現が、今から楽しみですね。このシリーズ、ものすごく動くし。同じポーズで並べて、「早朝の北京市内、太極拳で健康増進の図」なんてのも良いですねえ。ではキットの方へ。



 頭部です。スタンダードな分割のガンダム頭に、とんがり耳を後から取り付ける構成。ヘルメットに密着したアンテナも、キチンと別パーツです。HG(旧1/100)で指摘されていた頭でっかちも解消、耳の中まで別パーツでクッキリ再現(ゴムパーツ使用)。いいなあ、と思ってたら、目は緑だって言うのに、クリアレッドで成形!Vガンダム以来の事でしょうか?うーむ、減点1ですね。

 ボディは、今回も腕組みポーズ対応で、肩の前後可動と、コクピットの引き込み可動は健在。しかもコクピットの分割ラインは、胸元との一体感が見事で、知らない人は引っ込むとは気付かないのではないでしょうか?それから、Gガンの時にはウエストが大きくて、腰が小さく、脚がスッキリしていて、生身の様な人間臭さがありましたが、今回は胸が大きく、ウエストが小さく、見慣れたアニメロボット的な印象に戻っている感じです。

 共通と思われたアクションフレームは、新規パーツでした。マスターにはコアランダーシステムは搭載されてませんが、今後、他のMFに流用出来る余地を残しておくためか、胸は空洞になっています。

 それから、模型誌の作例にあったのですが、腹部フレームのビスが背中側から締めてありますが、腹側から締めるように変更すると、組立て後のメンテナンスが容易だとの事。確かに、せっかくコクピットブロックが別パーツならば、そこからドライバーを差し込むのは理にかなってますね。文字通りのメンテナンスハッチですね。今後、新規のフレームを開発する事があれば、ぜひ採用して欲しい所です。(背面パーツで、ナットを押さえておくとかね。)

 は、前後左右のスカートが可動。しかも各スカートの間にある小さな装甲まで可動します。この固定にはヒンジは使わず、サイドスカート裏に埋め込んだゴムパーツに差し込んであります。可動方向が自在で頑丈、ポーズを戻すと正位置に戻るし、なかなか優れた機構だと思います。



 ところで、MGガンキャノン等のような軸位置が移動する、凝った股関節が、アクションフレームに採用されてないってのも不思議な話ですね。しかも、それで十分動いてるし。

 は、すっきりして人間っぽかったGガンに対して、入り組んだヒザの装甲や、角張ったモモなど、メリハリの効いた印象。くるぶしが妙に丸くなってるんですが、もう少し角い感じになってればなあ、と思うんですが。

 スネ内部は、デビルガンダム細胞をイメージした六角のモールドが入っていますが、全身に入ってないのは、フレームを使いまわす場合の制約になるからでしょうか?スネと同じランナーには、マスターにしか使わない、ウイングニアクラッシャー関連のパーツが集中しています。

 足首は、足首カバーの軸受けが長穴で、カバーが自由に動くよう配慮されています。足の甲にあるトゲ「インステップファング」は、引き出して角度を変える事が出来、蹴りのポーズに対応してます。足裏は今回もゴムで、多少の傾斜面でも安定して立てます。とりあえず腕組みさせて、デンドロ君の上にでも立たせると、テッカマンみたいでナイスですよ。

 は、Gガン同様に、上腕・前腕とも筒構造です。ヒジ関節部を前腕・上腕から引き抜く事が出来、ディスタンスクラッシャー(有線式ロケットパンチ)を再現する時には、ワイヤーで伸びた関節パーツと差し替えます。ボクなどは、ディスタンスクラッシャーを再現したいと言うよりは、この独立した2重関節は、すごく流用しやすいなあ、とか、そっちの方に興味があったりして。接続もポリキャップに着脱出来ますしね。

 って言うか、どこかから、ビス止め2重関節セット、発売してくれませんかねえ?

 ニアクラッシャー(前腕が伸びる攻撃)は、内部のスライド機構をメカっぽく再現してます。スムーズに伸びるのにグラつきが無いのは好感が持てますね。

 手首はラバーパーツに、プラ製の手の甲をセット。ポーズの違う手首が豊富に付属しますが、交換の時に手の甲を無くさないように注意が必要です。前腕の手首カバーは、Gガンの時と同様に回転するので、ヒジと手の甲の位置関係は自在です。シュピーゲル等、デザイン的に採用が難しいMFもありますが、MG化されるならば、なんとか盛り込んで欲しい機構ですね。すごくポーズが決まるんで。

 肩アーマーはスジ彫り部分で上下分割、突起も別パーツです。肩サイドアーマーはアーマー側ではなく腕側に付いていて、大きく腕を動かした時には、肩アーマー内に引き込まれる仕組みです。

 今回のウリ、ウイングシールドです。フレーム内蔵で重たくなったボディに、変形をオミットして可動に徹したウイングの相性は抜群!ウイングを跳ね上げても、倒れる事なくポーズがビシバシ決まります。畳んだ翼の間には、内側に収納した別の翼を(フチだけ)再現。まあ、内側の接着ライン隠しとしても嬉しい配慮ではないでしょうか。



 ところで、アトールの時の様に明記されている訳ではありませんが、各模型誌で大々的にPRされていた、隠れたプレイバリュー、「HGキットとのマント互換性」であります。部屋じゅう探してもHGが見つからず、マジで隠れたままになるかと思いましたよ。ようやく発見、取り替えてみました。

 厳密に言えば、2つのキットのウイング基部のピン径は、わずかに違うようです。HGでは、この部分にポリキャップを使っておらず、相互に交換出来るものの、フィット感はイマイチですね。もっともピン径の違いといっても、テストショット後のキツさ調整の違い程度の事だと思います。今後も、ポリキャップ不要と判断された取付け穴も、ポリキャップと同じ径に揃えて欲しいですね。潜在互換性とでも呼びましょうか?後に融通が効くって、すごく楽しみ方が広がりますから。(ミクロマンが良い例。)

 マントを畳むと、身長、肩幅ともにうまく収まるんですが、やはりHGのほうが、よりフィットする感じですね。肩アーマーなども。なにしろ、ほぼ全身が隠れてしまってますから、マントを取り替えて1枚1枚噛みあわせていくよりも、HGにMGの頭だけ交換してやれば早いのであります。・・・あわわ。



 逆に、HGにMGのウイングを付けて、翼を大きく広げてみたり、いろんな組み合わせを楽しみましょう。毎回交換するのも面倒ですから、2個ずつ、計4個作ると良いでしょう。(おいおい)残念ながら、MG発売に合わせて再生産は行なってないらしいので、HGを見かけたら、即ゲットです。ちょっと厚ぼったいけど、変形は見事ですよ。むしろMGのウイングの方が、ポージング用オプションと考えるべきなのかも。交換用の手首のように。

 フィギュアです。1/20の東方不敗・マスターアジアは、片足立ちの拳法の構え。なんと弁髪の取り付けはボールジョイントで、髪の向きが変更出来ます。一応アクションフィギュアと呼ぶべきかな?

 武装らしい武装は持たない機体ですが、マスタークロス(布技)とダークネスフィンガー用の手首が、クリアーレッドで付属します。よくぞ付けた!と感激する反面、「コイツらのとばっちりで、目が赤くなったのかー」と、素直に喜べなかったりして。HGの目は、ちゃんとクリアーグリーンです。うーむ。

 と言えば、このキット、アンダーゲート方式なんですよねえ。ゴールドメッキ版が出るんでしょうか?明鏡止水バージョンとか言って、みなさん金ピカになってましたし。ただ、肩アーマー、上腕、手首カバー等のような筒構造のパーツは、アンダーゲートにする事が不可能です。その他にも、可能なのにアンダーゲートになっていない箇所もチラホラ。

 やるのなら、とことんメッキ対応にして欲しい所ですね。ついでに言えば、クリアーオレンジ成形等の方が、明鏡止水って感じがすると思いますが、どうでしょう?って言うか、可動フレームが透けて見えるのって、うれしくありませんか?あー、マントの中が透けるのも面白いので、ぜひHGも同時発売で。金メッキの代用は、(近いものなら)塗装でも可能ですけど、クリアーは何をやっても再現出来ませんから。

 それでも、メッキガンダム勢ぞろいってのは、企画として成立しやすいと思うし、やっぱりメッキが妥当でしょうかね。ホンネを言えば、メッキは反射の輝きであって、発光の表現には感じられないんですけど。金属の質感とも違いますし。(キレイには違いないんで、再現性ヌキで言うなら好きですが。)

 そうそう、HGでは黒一色だったボディカラーが、黒と濃い紫の2色に変更されて、単調さが解消されています。この辺はポイント高いのではないでしょうか?

 組立時間は、2時間50分、HGを探す時間が3時間程度でした(笑)。機体の魅力と相まって、すごくお買い得感のある逸品であります。格闘好きで悪役びいきの上に翼フェチのガンダムフリ−クだと言う方には、超オススメ致します。・・・いや、誰が見てもカッコイイんですけどね。



おまけ

 互換性を楽しむ・・・と言えば、遅ればせながらMGガンダムEZ8を組んでみました。その背中のコンテナが、ベストメカコレクションのゴールドライタンに、すごく近いんですよ。バックパックのフォークリフトには、もともと伸縮ギミックが有るので、多少のサイズ違いは問題ありません。ライタン側にミゾを彫ってやると、よりフィットするでしょうし、ちょっと試すだけなら両面テープで十分。陸ガンファミリーの最強武装、数年前に再販され、今ならまだ入手可能だと思いますよ。一発バカ芸ネタでした。


2002.4.3 健 竹史

  

MG マスターガンダム
MG ハイパーモード マスターガンダム
MIA マスターガンダム (ビッグスケール)

  

BB戦士 マスターガンダム
BB戦士 デビルガンダム
BB戦士 Gガンダム

  

機動武闘伝Gガンダム 完全収録ガンダムファイト (大型本)
S.H.フィギュアーツ ドモン・カッシュ (機動武闘伝Gガンダム)
MIA マスターガンダム&風雲再起

  

新装版 機動武闘伝Gガンダム(1) (コミック)
新装版 機動武闘伝Gガンダム(2) (コミック)
新装版 機動武闘伝Gガンダム(3) (コミック)

機動武闘伝Gガンダム発動の章 (文庫)
機動武闘伝Gガンダム綺羅の章 (文庫)

  

アニメーター逢坂浩司 イラスト&ワークス
Toshihiro Kawamoto Artworks The Illusives I 1985-1995
Toshihiro Kawamoto Artworks The Illusives II 1996-2005

  

機動武闘伝Gガンダム 1&2
機動武闘伝Gガンダム 3
機動武闘伝Gガンダム 4

  

機動武闘伝Gガンダム 5
FLYING IN THE SKY [Single]
Trust You Forever/Beat The ウエル [Single]

[HOME]

inserted by FC2 system