健さんの
プラモコラム

その376
 1/48 シャア専用ザクの巻

 メガサイズモデル 1/48
 MSー06S シャア専用ザク/バンダイ
 「機動戦士ガンダム」に登場
2010年12月発売 税別初出価格7800円



 すっかり遅くなってしまいましたが、今回はメガサイズモデル・1/48ザクを採り上げたいと思います。RGが思った以上のハイペースで展開しそうな感じですから、RGが値段も大きさも通常の3倍になった様なこのシリーズも、滞らない様に紹介していきませんとね。

 ところでベアッガイ以降、メガという言葉に過剰に反応する様になってるボクなんですが、RGとメガサイズモデル、揃ってガンプラビルダーに登場したりすると面白かったかな?なんて思ってしまいます。まあTVシリーズの様に話数が多い訳でもないし、新製品を毎回絡める訳にもいかなかったとは思いますが、敵味方で3倍の身長差がある戦いとか、サイズ違いでタッグを組んでる敵とか、なんか面白そうですし。で、誰かさんが「目がサイズになってるのね」とか言ってモノアイに大鎌を仕込んだトンデモ改造を(略)

 てな感じで、大型キットというのは、それだけで妄想をかきたててくれる、ロマンに満ちたプラモなのです。では、ぼちぼち本題に参りましょうか。



 頭部は、芯になっている底面パーツの上からの可動軸を組み合わせ、可動式のモノアイをセットします。モノアイの回転軸にまでポリキャップが入っているとは、さすがメガサイズ。モノアイはレンズ部だけでなくメカ部分もクリアーパーツで成形してあるのが面白いですね。メカパーツの中はスペースに余裕が有るので、電飾を仕込むのも比較的容易だろうと思います。クリアー成形という事は、穴を開けなくてもレンズまで光が誘導出来るという事ですし、顔の奥で小さなセンサーや機械類が他にも光ってる様な工作をしても面白いでしょう。



 内部パーツにクリアー成形のモノアイシールドを被せたら、左右分割の外装でハサミ込み、頭蓋パーツを上からセット。モノアイシールドから中が丸見えになるので、内部の仕切りに張り込む黒いシールが用意されています。モノアイを動かす時は頭蓋を外してツマミを回すんですが、今回も付属するパーツセパレーターが使えます。他の工具でハサんでも良いでしょうけど。



 クチバシや動力パイプ基部は、頭部外装と一体で別パーツ化されていません。パーツ点数を抑えたビギナーに優しいキットなので、これで正解でしょう。口の中のダクトは、内部メカが露出する事で色分けしてあります。



 動力パイプは、1枚のランナーを2つに割って貼り合わせるランナーロック方式でまとめて組み立てる事が出来ます。関節の組み立て等に採用されていると、事前のハサミ込み忘れがないか気を使ったり、説明書1コマ当りの図が複雑になったりして、個人的にはあまりユーザーフレンドリーには思えないんですが、動力パイプの様な単純な物の場合は大歓迎ですね。腹部の動力パイプも同じランナーに有り、ナンバーや向きを確認しなくても、似たパーツがまとめて組み上がってくれますよ。



 ボディです。は、首の軸受けポリキャップと肩関節を仕込んでおいて、胸板表面を含むフレームパーツで前後からハサミ込み。肩関節は上下のピンをポリキャップで頑丈に受けてあり、前方向に引き出し可能です。このパーツを含むランナーには他にも大きな関節のポリキャップを囲うパーツやパーツセパレーターが収めてあり、ランナーまるごと1/48ガンダムと共通化。ポリキャップも同じ物を使っています。合理的であると同時に、一度ガンダムを組んだ人には作業を理解しやすいメリットも有りそうです。

 胸の左右外装は、横から被せる様に取り付け。ウエストは腰接続用のポリキャップをハサミ込んで前後貼り合わせ。胸とウエストをそれぞれ完成させておいてから連結する手順は、1/48ガンダムと同じですね。



 動力パイプは、正面と左右の3つに分割。それぞれの部分をランナーロックによる貼り合わせで組んでおいて、ボディに取り付けながら連結していきます。曲がり角の部分だけは成形の都合で形を崩してありますが、パイプカバーのスキマ部分まで硬質なイメージで、迫力が有りますね。ウエスト正面の動力パイプ基部は、左右つながったパイプパーツの上から被せる様にセットします。

 は、ウエスト回転軸や股関節まで一体で、前後貼り合わせの組み立て。フロントスカート用のポリキャップを表からセットして、フンドシ正面の外装で押さえます。



 ウエストの左右スイングは、左右各20度程度でしょうか、意外と大きくスイング出来ます。サイズから来る荷重の都合も有るのでボール接続にせず、軸可動を採用。ウエストとフンドシが噛み合っているRGと違って、持ち上げずにそのままスッと横に回り、腹がサイドスカートの中に滑り込んで行きます。昔はザクは体をヒネれないと思っていたのに、今ではこんなに滑らかに・・・単純なだけに、かえって感動しました。

 フロントスカートは、左右独立してボール可動。裏面にもモールドが入っています。サイドスカートは、ポリキャップを使った2軸可動。やはり裏面にはモールドが入っているんですが、表面にある縦のスジ彫りとハードポイントが裏面にもクッキリ表れていて、なんだかレール可動でもしそうな雰囲気。もちろんそう見えるだけなんですが。ハードポイントは浅く、マウント機能は有りません。



 フロントスカートは大きくハネ上げる事が出来ますが、サイドスカートがモモの可動を制限している感じですね。引き出せば可動範囲が拡大しますが、MGザクVer.2.0の様な、後ろにズラす可動の有効性が実感出来ると思います。

 リアスカートは、フンドシ後部に固定します。上端中央のバズーカラックは別パーツ化してあり、開閉ギミックは無いものの、取り外す事が可能。後に発売された量産型ザクでは、マウント可能なバズーカが付属しましたね。



 です。股関節はガンダムと同様、モモ上部のヒネリ可動と合わせて3軸可動としてあります。モモは、ヒザから伸びる芯パーツをハサミ込んでの前後貼り合わせ。動力パイプ基部は、単独パーツ化した接続部を長穴の内側にハサミ込んで取り付け。傾いて陥没した造形は自由度も気密性も感じさせてくれ、ただのや、露出した内部メカだった時代から、さらに一歩進んだ表現に思えます。

 ヒザは、ハサミ込みの関節パーツを仕込んでおいて、ランナーロックで張り合わせる組み立て。二重関節にはなっておらず、スネへは上から差し込んで接続します。ヒザ横の丸は、フタパーツに隠れる部分にもモールドが施されています。さすがRGのお兄さん、こんな所にさりげなく共通性を持たせて有るのです。



 スネは、ヒザと足首を接続するポリキャップをハサミ込んで左右を貼り合わせ、フクラハギの外装を貼り込んでやります。フクラハギの外装が上下に分割してあるのは、バーニアが増設されたS型特有の外観(プラモ用設定)を再現するため。後に発売された量産型ザクでは、ランナーの切り替えで別パーツに差し替え、推力の差を表現しています。スソ前面は、足の甲の干渉を軽減し可動範囲を拡大するため、フチ取りの厚みが不均一になっています。上級者で可動範囲にこだわらない人は、ここを均一に修正してやると見映えが良くなると思います。

 動力パイプは、ランナーロックで貼り合せた上半分と下半分の間に、筒状成形した1節のパイプカバー2個をかましてボール接続してあります。これまでは全て固定か、全体がカーブするかで解決されてきた動力パイプですが、これは新しい構成ですね。パーツ点数を減らして組み立てを単純化しただけではなく、芯になる軟質素材やスプリングの弾力を感じさせない、中央付近で集中して曲がる様子は、優れた表現として注目したいと思います。パイプの重さ、留め具に動きが制約された両端と中央部のしなり具合の違い、長さが余ればS字にも曲がる・・・ポーズをつけた後で、ちょっとパイプをイジってみるのも楽しそうです。



 足首関節は、2パーツ貼り合わせの関節パーツの上でヒネリ可動。下は左右スイングのハサミ込み関節を、足首外装パーツで両横からハサミ込み、ここで前後スイングさせています。

 足首外装はRGに準じて、割れる機構をスジ彫りで表現。実際は割れませんが、スキが無い分、外観の満足度は高いと思います。クツは本体と裏面の2パーツ構成。足裏パターンはRGザクに準じています。は固定式でも可動を妨げない様に奥の方をカットしてあり、突起が立っている様な印象。デスサイズと発売時期が近かったせいか、凶器として使えないかと一瞬思いました(笑)。カットしてある分、見る角度によっては小さく感じるかも知れません。



RGシャア専用ザク(足元)との比較。ちょうど3倍の身長差があります。

 肩アーマーは、スパイクを別パーツ化せずに、シンプルな2パーツ貼り合わせ。内側には壁を設けて、ハメ込みピンを隠しています。

 シールドも表裏2パーツ貼り合わせ。裏面には、MGザクVer.2.0以降おなじみのL字形アームを一体で成形。造形は最新の解釈ですが、展開ギミックの無いシンプルな物となっています。肩アーマー、シールドとも同じポリキャップを仕込んであり、肩ブロックの横から取り付けます。



 です。肩ブロックは、軸可動を組み合わせた関節をハサミ込んで、前後から貼り合わせ。ガンダムもそうでしたが、このサイズになると平面的なパーツにも曲面を持たせてある事がハッキリ分かりますね。パーツは左右共通。上から見ると可動用のスリットから関節パーツが丸見えですが、ハメ込みピンは隠してあります。関節パーツは実機にも有るハズですし、隠す事もないのかな?と、関節カバーに感動した世代の一人として思ってみたり。

 上腕は、ヒジ関節から伸びる芯パーツを前後からハサミ込み。外装はスライド可動の無い固定式ですが、RGザクのパネルラインをそのまま活かし、スキマも段差で表現してあります。



1/48ガンダム(左)との比較。

 ヒジは、ランナーロック方式で組み立てるハサミ込み関節。側面は前腕外装で見えなくなりますが、ここにもRGザクに準じたモールドが入れてあります。ヒジアーマーは関節パーツに取り付け。根元は前腕に埋没した配置になっているんですね。形はRGと同じでも、このサイズで見て初めて気付きました。

 前腕は2パーツ貼り合わせ。組んでおいてからヒジ関節を差し込める、ブロックビルドアップ方式です。長年見慣れた形ですが、ヒジアーマーが付いていなかったらこんな形なのかと、ちょっと不思議な感じがしました。



1/48ガンダムと互換性のある接続部。

 手首は、左右ともゲンコツ武器持ち手が付属します。どちらも2パーツ貼り合わせておいて、甲パーツを取り付け。丸指だからか、それもと慣れてきたためか、ゲンコツでは、角指タイプのガンダムには無かったスキマの表現が加わりました。指先端のクッキリ感は今一つですが、今回も少ないパーツ数の中で良く作られています。

 は、ゲンコツ・武器持ち手共通ですが、手首本体とあまりにも密着し過ぎて損をしている気がします。密着というより埋没、肉に食い込んでいる様な感じですね。なんだか巻き爪を見ている様な感じです。



 ランドセルは、内部メカと外装の二重構造。左右が一直線につながった動力パイプ基部を背中に取り付け、それを閉じ込める様にランドセルをセットします。バーニアのみ別パーツでそれ以外のメカ部分は一体成形、偏向板はフチの部分だけですが厚みの変化を再現しています。

 ランドセルは完成後も着脱が容易で内部も広いので、モノアイを光らせたい人は、ここに電池を仕込むと良いでしょう。頭の下面にはキット状態ですでにが開いているんですが、ここからランドセル上端のスキマに配線を通すのが、一番楽な工作だろうと思います。一度ボディ内部に通すよりも分解作業性も良いですし。コードが目立つのがイヤという人は、エルガイムみたいに100本くらいコードを通せば、埋もれて目立たないと思います(目立つってば)。木を隠すなら森に隠せ、我が家の家訓です。



頭の内部構造。モノアイと関連パーツはクリアーで成形され、電飾の下準備までは出来上がってる感じです。ツマミと一体の回転パーツが空洞になっていて、すぐ後には配線を外に通せる穴が開いています。


 武装です。ザクマシンガンは、左右貼り合わせの後部に、2パーツ貼り合わせの銃身、銃口を連結していく組み立て。銃身の根元にスコープを通し、回転軸に利用してあるのはRG含め近年のザクキットと同様です。スコープのレンズ面にはクリアーパーツを使用。フォアグリップは2パーツ貼り合わせで厚みも十分、ヒンジの下を押さえとして別パーツ化してあるので、後ハメが可能です。ここやスコープの根元にはポリキャップを使用してありガタつきが有りません。

 マガジンは裏面を銃本体と一体化してあり、表面パーツを被せます。着脱は出来ませんが、電池を入れるスペースにピッタリですね。とにかく大きいので、工夫すればスコープを光らせる事も出来るかも知れません。配線は埋設するのも一つの方法ですが、ディテールとしてカッコ良く露出させてしまうのもアリだと思います。

 ヒートホークは、左右貼り合わせ。グリップにはスリットが有り、ゲンコツの突起と噛み合わせて頑丈に握れます。握り方が浅く、指との間にスキマが有っても保持だけ頑丈で、少々不思議な感じですが(笑)。左右どちらの手にも対応していますが、腰に装備する事は出来ません。



 組立時間は1時間40分でした。1/48が定着するには、並べて世界観を感じさせる対決相手とか仲間が必要でしょうから、ガンダムだけで終わって欲しくないと思っていた所です。ザクがラインナップに加わった事で、このスケールの持つ可能性も一気に広がりましたね。量産型の発売にあたって、細部の違いを表現し、武器の選択肢を広げてくれた事も嬉しいです。また、飛行機戦車も豊富に手に入るスケールですから、ぜひ一度、比べてその大きさを実感してみて下さい。

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 2011.5.23 健 竹史

  

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