健さんの
プラモコラム


その248
 MG ザクマインレイヤーの巻

(MG 1/100 ザクマインレイヤー/
MS−06F ザクマインレイヤー/バンダイ
 「機動戦士ガンダム」モビルスーツバリエーション)


 MG化2度目のザクをベースにして、初MG化のマインレイヤーを発売すると、それはVer.1.0なのか?それとも2.0なのか?どちらもアリだとは思ったんですが、表記は2.0を付けない事で落ち着いた様です。規格としては2.0なんですけど、この辺の事情は難しいですね。さて10年後、MGザクVer.3.0をベースに、新しいMGマインレイヤーが発売されたら、Ver.何と呼べばいいんでしょうね?そんな事を考えると止まらなくなるボクなのでありました。

 もっともこの出来ならば、当分はバージョンを更新する必要は無いと思ってる訳ですが。では、キットに目を通していきましょう。



 キットは、ザクF型Ver.2.0をベースに、ランドセルを機雷散布用装備(マインレイヤー)に変更した物です。ザク本体については、「その247 MGザクF型Ver.2.0の巻」「その210 MGザク(J型)Ver.2.0の巻」を参照下さい。



 ノーマルのランドセルは、ランナーから除外され付属していません。また、動力パイプ1/144ザクマインレイヤー(当時のイラスト)に準じて、パイプカバーが黒に変更されています。こういった細部へのこだわりは嬉しいんですが、ついでにボディカラーも、当時の黄緑色っぽい物に合わせてくれたら良かったかな?なんて思うんですが、どうでしょう?



 ランドセルのフィンの奥はスラスターという解釈。完成後もフィンはフチごと取り外す事が出来るので、内部も丁寧に塗装してやると良いでしょう。横向きのバーニアはボールジョイントで可動。こんな所にもポリキャップの軸受けを仕込んであります。左右のスラスターユニットは箱型にワンパーツ成形、バーニアは可動部を組んでおいて下から差込んで取り付けます。



 頭部右側の動力パイプは、ランドセル上面まで繋がっています。1/144キットではワンパーツ固定式の動力パイプを接着していたため、完成後は頭を動かす事が出来ませんでしたが、今回は後頭部にターミネーターを兼ねた留め具を設置して、そこまではポリ製の芯を通してあります。留め具から後ろは、芯の無いコイルスプリングにパイプカバーを被せてあり、首の可動を妨げません。説明書には留め具の無い、従来通りのデザインに準じたイラストが掲載され、キットと不一致となっています。



 試しに、留め具を使わず、ポリ製の芯とコイルスプリングを直結してみました。パイプの前側が少し抜けやすくなりますが、困る程ではありませんでした。首を左右に動かす度に、パイプのカーブを調整してやると良いでしょう。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 ところで、右側動力パイプのは後頭部につながっていないため、普段よりも若干短めでカーブも異なり、固定用の突起も付いていません。動力パイプが含まれるKランナーは、違いのあるこの部分だけ、コマを入れ替えるなどの方法で、通常のザクと兼用してあるのだろうと思います。パイプの長さが伸びたため多めに必要になったパイプカバーは、機雷等が含まれる新規ランナーに入っています。



 ランドセルは、内部の再現にも力が入っています。側面カバーの内側にも内部パーツが詰めてあるほどの徹底ぶりで、完成後にも時々分解してみたくなるポイントとなっています。それに何だか、過剰なメカニック表現があの頃の熱気を思い出させてくれる様で、嬉しくなってきますね。



 機雷散布ポッドは着脱可能。迅速な補給の様子を想像させるだけでなく、サイズや仕様の異なる色んなポッドが有ったのではないか?とイメージをふくらませてくれます。説明書では吸着剤や複数の閃光弾を仕込んだ物や、核弾頭装備の機雷の存在なんかにも触れていますね。ヒンジで開くカバーの内側は、ハメ込みピンが目立たない様に配慮してあります。



 5基の機雷ベルト状につなげてあり、折れ曲がり方を変える事で収納状態だけでなく、散布する瞬間も再現する事が可能です。8の字形のパーツをつなげて機雷中央部を作り、フタ状の機雷両端パーツを取り付けるという、意外とパーツ点数を多めに使った構成。ギミックを仕込みつつきれいな円柱が成形出来、ヒケを起こしにくい、良い構成ではないかと思います。



 実際に散布シーンを再現。たくさん買って機雷をどこまでも伸ばしてみたい衝動に駆られますね(笑)。機雷は取り外せるので、散布を完了して空になった状態も再現出来ます。飾り台は付属しませんが、別売のアクションベースに対応するジョイントが付属しています。



 武装は、ザクマシンガン、ザクバズーカ、ヒートホークが付属。ザクバズーカジャイアントバズーカに換装するパーツは、今回は含まれていません。



 電撃ホビーマガジン2008年5月号で紹介されていましたが、ランドセルのランナーには、一部太くなった部分が有ります。これを切り取ってランドセル内側の謎の穴に差し込むと、MGゲルググにも背負わせる事が出来る様になります。ランナーから切り出したピンは、穴に対して少しユルい様だったので、ボクはセロテープを2周ほど巻いて、キツめに調整してやりました。ピンを抜かなくてもザクの背中にフィットするので、差したままにしておいて良いでしょう。



 ゲルググVer.2.0に背負わせると、こんな感じです。ちょっとした事ですが、これでキャノン装備、高機動型に続く、ゲルググの新たなバリエーションが広がりましたね。これまでの設定には無かった装備ですが、ゲルググがザクの後継機である事を考えれば違和感は無く、むしろザクが行っていた作戦は当然引き継げる様になっていたと考える方が自然ではないでしょうか。



 以前紹介した様に、ゲルググ1.0と2.0の間でバックパックに互換性が有るため、1.0でもゲルググマインレイヤーを再現可能です。ランナーのピンの事は説明書では触れられておらず、気付かずにランナーを捨ててしまった人もおられるかも知れませんね。そんな場合は、適当な太さのプラ棒や他キットのランナーで代用してもOKです。なにしろパーツ扱いされていませんから、部品注文も出来ませんし。



 組立時間は2時間50分でした。MSVシリーズの時にはノーマルザクとしても組める仕様で発売された機体です。F型と同時発売というだけでもニヤリとさせられるのに、ゲルググにも装備移植可能というオマケ付き。当時を懐かしむだけでなく、今のスタッフも、まだまだMSVの可能性を広げようとしているのだと感じ、嬉しい気持ちにさせてもらいました。


 おまけ


 前回に続いて、1/144MSVシリーズのザクマインレイヤーを、今度は機雷散布用ランドセルを背負わせて組んだ状態で紹介しましょう。



 頭部は、右側の動力パイプがランドセルに直結。無可動のパイプを接着して取り付けるため、首を動かす事が出来なくなります。どうせ動かせないのなら、首パーツの抜け止めを削り取り、ボディの合わせ目を消した後で接着してやっても良いかも知れません。動力パイプをコイルスプリングに置き換えて首を動かせる様にするのも有りでしょうね。使われなくなった後頭部のパイプ接続部にはターミネーター(フタ)パーツが用意され、MGよりも設定に忠実な造形となっています。



 MS本体が近年のザクよりも肩幅が広めの造形のため、肩幅いっぱいのランドセルは、MGよりも大き目の印象。ボディの動力パイプは、ノーマルランドセルの場合とは異なる、専用のパーツが用意されています。



 ランドセルは、上面の一部を別パーツ化してディテールを再現。



 右肩後部のプレートは、MGよりも小さめの造形。レーダーかと思ってましたが、説明書では集光板と解説されています。「集光?核融合エンジンが有るのに太陽光発電もするのかな?」と思ったんですが、ジェネレーターを止めて探知されにくい状態で待ち伏せし、目視判断で機雷を遠隔操作で爆破させたりとか、そんな作戦も行っていたのかな?なんて想像してみました。



 機雷は、片側4個付属。2個ずつ一体で成形され、重ねて接着する様になっています。MGを真似て接着すれば、散布シーンも再現出来ると思います。



 ノーマルザクに組んだ同キット(左)との比較。ノーマルザクにのみ隊長マークであるアンテナを取り付けてありますが、パッケージイラストでは複数のマインレイヤーが活躍しており、アンテナ付のマインレイヤーも存在したのではないかと思います。MGでもアンテナは選択式となっています。



 当時は「06R・旧ザク・ザク(U)のキットをミックスして、ベストプロポーションのザクを作る方法」が誌面に掲載されたりして、出来の良いザクを多くのガンプラ少年が欲しがっていた時代。もちろん工作そのものも楽しんでいた事と思いますが、3個のキットを潰さなくても、無改造でそれが手に入る様になった事で、大きな話題になったキットでした。マインレイヤーが手に入る事より、そっちの喜びの方が大きかった記憶があります。

 この後、アーマーを外せばノーマルガンダムにも組める1/100フルアーマーガンダムや、ノーマルゲルググにも組める高機動ゲルググ等が続き、MSVであると同時にファーストシリーズのリファインキットを兼ねる物が増えていきます。今にして思えば、Ver.2.0という発想の先がけだったかも知れませんね。

 で、ノーマルザクに組むと機雷散布用ランドセルが余ってしまう訳ですが、今後はHGUCゲルググに背負わせてみるのも面白いんじゃないでしょうか。フィットするかどうかは試してませんけども。

2008.5.13 健 竹史


  

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