健さんの
プラモコラム

その390
 1/144
 シャイニングガンダム&
 マスターガンダムの巻

 1/144
 GF13−017NJ シャイニングガンダム
 バンダイ
 「機動武闘伝Gガンダム」に登場
1994年4月発売 税別初出価格500円

 1/144
 GF13−001NHU マスターガンダム
 バンダイ
 「機動武闘伝Gガンダム」に登場
1994年8月発売 税別初出価格500円



 比較写真用に古いキットを引っ張り出してくると、あれこれイジってるうちに楽しくなってきますね。今回もGガンダムの新作キットに合わせて、当時の1/144キットをゴソゴソやってた訳ですが。モナカ割り、ポリキャップムキ出し、当たり前。HGと言えば1/100を指していた時代ですよ。翌年にはMGがスタートするなんて、今思えばなんだか不思議な気もしますけど。

 主要なMSが500円で買えてしまう夢の様な時代はターンエーまで続き・・・いや、少しずつ形を変えながら今も続いてるんですよね。新番組「ガンダムAGE」の600円シリーズへの期待も込めて、簡単に紹介しておきましょう。まずは1/144シャイニングガンダムから。



 頭部は、まず左右貼り合わせの後頭部を作ります。平らな顔に目だけ立体的にモールドされ、オデコにハメ込み突起だけ付いた様な状態になるんですが、これに頭の前半分を選択して取り付ける事で、ノーマルモードとバトルモードを再現します。顔を変えて何人もいる様に見せかけていた、某宇宙人を思い出しますね。



 付け替え用の前面パーツは、オデコカメラやアンテナまで一体で、目の部分だけくり抜いてあります。目を後頭部側に配置したのは塗装(シール貼り)を楽にするためですが、これはシリーズ共通の仕様。他のガンダムでも、デザインに合わせて目を別パーツにしたり、オデコやヘルメットを後で被せる等の配慮が見られます。



左:別売のグレードアップセットを使って再現するスーパーモード。
右:バトルモード。

 ボディは、前後貼り合わせのウエストを、やはり前後貼り合わせの胸でハサミ込む構成。首は根元が固定式のポリパーツです。背中にはコアランダーのコクピットが合体する穴が有りますが、その天井部分には首のポリキャップが見え、底面の奥にはウエストの上面が見えており、結構ギリギリのスペースで設計されていたんだなと、改めて思います。



 は、シリーズ共通のポリパーツが腰骨として組み込んであり、フロントスカート・サイドスカートの保持とウエストの軸受けを担当。ポリパーツはフンドシとリアスカートでハサミ込みます。

 フロントスカートはボール接続。と言っても最近のフンドシに接続してある仕組みと異なり、スカート上端の中央あたりで保持されています。厚み部分に可動用の切り欠きが出来ていますが、横に広がる・ヒネる等、今のHGと違う動きが出来るのは面白いですね。近年のMGでもフロントスカートを腰骨に接続する仕組みが時々見られます。間にジョイントを介し、材質はABSに変わっても、この仕組みは今も現役なんですよね。



 サイドスカートもボール接続ですが、大きくハネ上げなくても脚の開脚範囲を損ねないので、接続部は完全に裏側に隠してあります。左スカートにはビームソードを一体で成型。リアスカートは少し大きい気がしますが、上端のラインが設定同様に傾いている点は注目しておきたいです。



 です。股関節はボールジョイント。モモは、股関節とヒザのポリパーツをハサミ込んでの2パーツ貼り合わせです。HGUCとの身長差のほとんどはモモの長さの違いによるもの。ヒザ蹴りのポーズでヒザがスカートに隠れてしまうのを見ると、格闘技アニメの主役メカとしては確かに損をしてる感じがしますね。

 ヒザはポリパーツをムキ出しのままハサミ込む、シリーズ共通の二重関節。スネは左右貼り合わせで、ブースターのカバーは別パーツ化してあります。1/100以降のキットと比べると、ずいぶん丸っこい造形ですね。



 足首アーマーとアウトリガーは、本来なら足首に付いている物ですが、このキットではスネ下端に一体で成形、無可動となっています。足首に密着していては可動を妨げるので、ラッパ状に裾が広がった造形となり、フクラハギを強調した初代ガンダム風のシルエットを損ねているのが残念です。



スーパーモード。再現するには別売のグレードアップセットが必要です。

 足首は、2パーツ貼り合わせのクツに上から甲パーツを取り付け。スネ下端にハサミ込んだポリキャップにボール接続してありますが、ボールが可動しているのか軸受けが可動しているのか良く分からないのがこのシリーズのお茶目な所。より自由度を高めるため狙ってやっている事だと思いますが、ハメ込む時に軸受けが回ってしまう事がある、もどかしい仕組みでもありました。



 肩アーマーはワンパーツ成形。胸から真横に突き出た肩関節軸の根元に、丸穴を通して保持してあります。腕は、肩ブロックと上腕を区切る事なく成形し、ポリキャップをハサミ込んだ2パーツ貼り合わせとしてあります。分割されていない分、上腕の造形はHGFCよりも設定に忠実ですね。その代わりにヒネリを担当するヒジは、ポリキャップがムキ出しの上、途中で分割されています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。
手首はグレードアップセットに付属するメッキパーツの平手を使っています。

 前腕は、ヒジのポリキャップをハサミ込んでの2パーツ貼り合わせ。甲アーマーはスライド展開するんですが、貼り合わせ前にスライド部を差し込んでおき、内側にクリップ状の抜け止めパーツを取り付けロックします。強く引っ張っても絶対抜けない、ツメ等の方法よりも確実な方式ですね。甲アーマーの表面は梨地加工してあります。皮製の防具をイメージした物なのか、このシリーズには梨地加工が多用されています。

 手首は、ポリ製の穴あきゲンコツを使用。ビームソードを持つのに必要ですが、せっかく顔と腕がバトルモードに変化しても、手がシャイニングフィンガーを再現出来ないのはもどかしかったですね。



 コアランダーは、上下2パーツでコクピットをハサミ込む、3パーツ構成。スラスターアームのライン状のディテールは肉抜きとされ、コクピットが収まるスペースは空洞になる等、仕様はチープですが、この価格でコアファイターに相当するギミックを主要機体に標準装備したというのは、(番組企画段階から)大したサービスだと思いますね。

 武装は、使用状態のビームソードが1本付属。両手持ちはHGFCよりも得意だったりします。



 スーパーモードへの変形は、グレードアップセット(1994年9月発売、税別初出価格200円)でフォローされました。これはメイン5体のガンダムの遊びの幅を広げるパーツセットで、スプリング・金属チェーン・メッキパーツまで入っていて200円は大サービスだったと思います。

 展開状態の肩アーマーは、前後貼り合わせ。腕と肩アーマーを一旦引き抜いて交換します。頭部は、フィンとダクトが展開した後頭部のみ付属し、前半分はバトルモードの物を使用します。ダクトは頭と一体ですが、頭頂部のフィンは別パーツ。根元の小さな突起を頭の前後でハサミ込んで固定するもので、ポーズが決まった!と思ったらポロリと落ちたり、取り付けるのをうっかり忘れたりするので注意しましょう。残念ながら、スネと足首の変形は再現されていません。

 HGFCではバトルモードの頭部が付属していなくて惜しかったんですが、ライジングガンダムに付属させるのもアリかな?とも思っています。別売りするという辺りが、ビミョーに当時へのオマージュになってるとか何とかで。どんなもんでしょう?

 続いて、1/144マスターガンダムです。HGFCでは濃淡2色の紺色が使われていますが、このキットではボディカラーは黒。ちょっと印象が違って見えますね。ウイングを背負ってる事もあって、ランナーは他のガンダムより1枚多いんですが、お値段は据え置きとなっています。



 頭部は前後貼り合わせですが、目の部分だけ別パーツ化して閉じ込めてあります。塗装やシール貼りは楽になりますが、目とマスクの間に余裕が取ってある分、目が引っ込んで見えます。アンテナは別パーツ化されておらず、モールドで再現。安全性と無関係なので、多分歴代ガンプラの中で一番尖ったアンテナです(笑)。



 ボディは前後貼り合わせで、胸からスカートまでを一体で成形。ウエスト形状が複雑な事とパーツ点数の都合から、ヒネリ可動の採用を見送ったのだろうと思います。腰にはポリキャップの代わりにプラ製の軸受けが仕込んであり、股関節は脚を取り付けた後で、下から差し込みます。これって、さりげなく最新のフォーマットなのでは?!股関節パーツはグラつかない様に、フンドシ前後でキッチリ囲ってありますが、削ってやれば股関節がフリーになり、スイング可能に出来そうです。エリは肩幅いっぱいまで外側に広げて造形し、首可動との干渉を避けています。



 です。モモ・スネは2パーツ貼り合わせ。ヒザはムキ出しポリキャップをハサミ込んだ二重関節ですが、横が覆われたデザインで、前からもほとんど見えないため、他のガンダムの場合よりも気にならないと思います。



 足首は、足首アーマーまで一体で2パーツ貼り合わせ。シャイニングガンダム等と違って、スネ側からボールジョイントが出ています。スネと一体の足首関節メカでポリキャップの前後を覆い隠してある一方、クツの中は丸見えになっています。



 肩アーマーは上腕と一体で成形してあり、前後貼り合わせ。表面は梨地加工が施してあります。肩関節のポリキャップがハサミ込んでありますが、外観を損ねない範囲でミゾを切ってあるため、腕は30度程度までしか横に上がらなくなっています。



 ヒジは、ムキ出しのポリキャップで、ヒジカバーにハサミ込み。上腕へは後ハメ出来、ヒネリもここで行います。ヒジカバーは前腕スライド部まで一体で成形してあり、前腕本体でハサミ込み。HGFCでは省略されたニアクラッシャーを、レールスライド式で再現してあります。スライド部の空洞は目立ちますが、やはり有ると嬉しいギミックですね。手首軸受けギリギリの所まで使って大きく伸縮。突き技で使うイメージが有りましたが、説明書のイラストでは延長した手刀を構えたポーズが掲載されていて、これもカッコイイですね。



 手首は、他のガンダムと異なる、ツメが尖ったデザインという事もあって、シリーズ共通のポリゲンコツを使わず、プラ製の平手が付属します。

 バックパックは表面だけを別パーツ化し、ポリキャップを埋め込む厚み部分は、背中と一体で成形されています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 ウイングは、2パーツ貼り合わせておいて上面パーツを被せる、3パーツ構成。アームは無く、ウイングの片面から直接突き出たピンをバックパックに接続してあり、二軸可動します。下端を接地させて転倒防止にしようという狙いなのか、より身長の高いHGFCと同じ長さで造形されています。MGみたいに、開発の途中までは「1/144のウイングを流用してね」という方針だったとか・・・それは無いか。風雲再起に乗れませんからね。



 久々に2体をイジって思ったのは、当時、飾り台が有れば良かったな、という事ですね。リアルなゲンコツが欲しいとか、そういう方面ばかり気になってましたが、やはり動きが付くとカッコイイですし、飛びかかるシーンなんかを宙に浮かせて取らせてみると、接地性を無視出来るから自由度が各段に上がるんですよ。今のキットほど動かせないから尚更重宝するんです。

 で、前年の1/144 Vガンダムシリーズに飾り台が付いてた事を思い出す訳ですが。Vガンダムも終盤になると飾り台を廃止して価格を抑え、その流れでGガンダムキットでは飾り台に対応しない新フォーマットに切り替わってしまうんですが、フンドシ下にこっそり謎の穴を標準装備しておいても良かったかも知れませんね。当時、Vガンダムの飾り台を持ってる子供は多かったハズですし。ボクはピンバイスも持ってたんだから、穴を開けて遊べば良かったです。ついでに言うと、情景写真ばかりだったとは言え、背景にカードを飾るアイデアはアクションベース3を先取りしているとも言え、Vガンダムシリーズって、なかなか先進的なプラモだったんじゃないかと、今更ながらに思うのでありました。

 飾り台が日常的に使われる時代になりましたが、もしGガンダムが前年に続いて飾り台に対応していたら、そのまま定着していたのかも・・・?価格を抑える方が大事だったのは百も承知で、でもそんなIFも妄想してしまうのです。

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 2011.9.3 健 竹史

  

1/144 シャイニングガンダム
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