健さんの
プラモコラム

その157
 HG
UC ヘイズル改の巻

1/144 HGUC ヘイズル改 /バンダイ/
RX−121−1 ガンダムTR−1ヘイズル改
「ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに」に登場)



 紹介するのがすっかり遅くなってしまいましたが、電撃ホビーマガジン誌上で連載の公式外伝から、ヘイズル改が発売です。出来の良さ、シールドが(集めれば)いくつも付けられるプレイバリュー、初回限定の豪華ガイドブックにつられて、いくつも買い込んだ人も少なくないのでは?そういうボクも3つ買ってしまい、広島以西の皆さんには品薄で大変なご迷惑をおかけしました(←大げさ)。

ウサギの名前なのに・・・なぁんだ、ガンダムか(笑)。模型誌の連載企画だけあって、ディテールが大めで立体映えするデザインです。

 プロポーションは、以前本誌に付属したコレクション仕様キットからさらに練り込まれ、ますますカッコ良くなっています。ぜひ「その95」のおまけ記事と比べてみて下さい。では、本題に参りましょう。

 頭部は、前後分割のヘルメットにアゴとマスクを組み込み、アンテナと額のセンサーを取り付ける構成。さらにチョンマゲを別パーツ化して、上面が全てカメラになった特徴的な頭部を再現しています。アゴからチョンマゲまでの高さはHGUCガンダムMk−2と同程度ですが、チョンマゲの上下幅が広い分だけツブれた様な頭の形になっています。



 頭の側面にはHGUCガンダムMk−2と同じラッチが付いていて、バルカンポッドを拝借する事が可能です。ヘルメットが前後分割のため、Mk−2の様なディテールは入っていませんが。まぁ、肩の補助アクチュエーターユニットが干渉するので、結局そのままではバルカンポッドは付かないんですけど。このユニット、設定では取り外して良い事になってるのかな?HGUCでGMクウェルが発売されたら頭部だけ移植して、その時にバルカンを付けてやっても良いでしょう。

HGUCガンダムMk−2のバルカンポッドを取り付けた状態。補助アクチュエーターユニットは取り外しています。

 ボディは、ウエストの上半分を胸パーツにハサミ込んでおいてから、ウエストの下半分と重ねる構成。ちょっと変わっていますが、上下で異なるウエストのカラーリングを再現するための物です。エリの内側・上部ハッチ・下部ハッチ・ダクトも別パーツ化されて、シャープ&カラフルで良いですね。エリの内側には初代ガンダムの様にラインが入った絵と入っていない絵が有る様ですが、今回はラインの無い方を立体化。DHM誌の付録キットはライン有りでしたが、この辺は改訂されたのかバリエーションなのか、詳しくなくてスミマセン。



 です。フロントスカートは左右一体可動ですが、HGレジェンドガンダムと同じ仕組みで、切り分けしやすくなっています。(時期的にはヘイズルの方が先でしたが。)サイドスカート予備エネルギーパック(以下Eパック)用のハードポイントになっています。HGUCガンダムMk−2と角穴の規格を統一してあるのが嬉しいですね。リアスカートは、ガンダムNT−1アレックスチョバムアーマーを思わせるデザイン。ただしデザインはNT−1の物と若干異なり、着脱出来ない固定装備の様です。

シールドブースターを3枚装備した「高機動形態」。キット1体につきシールドブースターは1枚のみ付属しますから、この状態を再現するには3体買う必要があります。

 フンドシ正面は、エンブレム周囲の赤い部分を色分け。フンドシ側面の小さいスラスターは、フロントスカートに半分隠れる様な配置になっています。もちろん完全に露出してる方が正しいんですが、フンドシと一体成形する都合で後ろ半分を省略、あえてスカートで隠したのだと思います。フンドシ下面の丸バーニアは、成形方向の都合で完全に省略。こだわる人は、市販の丸バーニアを貼り付けてやると良いでしょう。

 フンドシ正面にはさらに、DHM誌の付録キットには無かった多目的ラッチが追加されています。ラッチは設定通りにスライドして開きますが、オプション装着時の保持力を考えて内部ディテールは省略。パーツ保持用の噛み合わせが設けられています。多目的ラッチの下に本来のフンドシが再現されている訳ではないので、今後のバリエーションキットに付属すると思われる(付けてネ!)新規フンドシパーツを待ちましょう。



 です。モモは左右ニ分割。左右にかなり大きく開脚出来ます。ヒザは二重関節。モモ側から出たポリ軸を、関節パーツを通してスネ側のポリキャップに接続します。なんだかヒジ関節でよく見る構成に似てますね。この構成の都合で、ヒザ後部の動力パイプがスネの奥まで入っていないのが少々残念です。

 スネは、付録キットよりも格段にボリュームアップしました。上半身にオプション装備複数のシールドが用意されている事を考えると、この位のボリュームが丁度良いのかも知れません。前後分割のスネ本体に左右からフクラハギを貼り付け、前後のスラスターはフィンと一体で別パーツ化。正面左右のダクトも別パーツになっていて、どの面のディテール再現も良好、接着ラインが出ないように処理してあります。あえて言うなら、ヒザアーマー裏は付録キットよりも単調になってしまったかな?



 足首は、スリッパの中からクルブシが浮き上がる様なギミックを仕込んであります。HGアストレイの構成に似ていますね。このためカタパルト上で踏ん張った様なポーズが得意なんですが、スネにボリュームが有るので迫力が出ます。足首アーマーはクルブシに接続。スネからも足首からも独立しているので、クルブシと一緒に浮き上がると「装甲が動いた」様に見えて面白いですよ。ツマ先は付録キットよりも厚みを強調、ゴツい印象になりました。



 肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込む前後2分割。付録キットよりも若干ボリュームが増しました。側面のスラスターは、接着ラインを端に寄せて、内側のディテールを損なわない様に配慮されています。スラスターの位置は、付録キットでは肩アーマー端よりも内寄り、今回は肩アーマー端よりも出っ張った位置に設定されています。どちらの画稿も存在するので、まぁどっちでも良いと思うんですが、今回の方が肩アーマーの内側が見えにくいと言うメリット(?)が有ります。

 は、肩関節軸が前後可動式。ヒジは、このサイズでは珍しい二重関節。HGUCシリーズでは初めてだと思います。そのため肩ブロックからヒジまで軸が通っておらず、上腕ヒネリ部分は初期ガンプラに見られた様なハサミ込み式回転軸になっています。ヒジ関節はABSで構成され、スライド金型を使って前腕ハードポイントの内部パーツまで一体化してあるのが面白いですね。ヒジは二重関節にしない方が外観の再現度は向上するんですが、肩のフォールディンググリップを握らせる都合から、例外的に二重関節を採用したのだと思われます。

高機動形態では、フォールディンググリップを握る事で腕の位置が固定され、安定した巡航が可能となります。耳に手をあてて「あーあー、聞こえない」とか言ってる様にも見えます(笑)。
なお、このゲンコツはHGUCアドバンスド・ヘイズルに付属している物です。このキットには付属しないので、ご注意下さい。

 手首は、ライフル用の右手、サーベル用の右手、左の平手が付属します。手の甲と指の分割はHGマラサイに準じた構成で、ライフルを持たせても手の平のディテールが見えるリアルな物。しかし、せっかくヒジを二重関節にしておきながら、フォールディンググリップを握れる穴開きゲンコツが付属しないとは・・・。「シールドブースターが1枚しか無いからゲンコツを付けても仕方がない」という発想かも知れませんが、世の中にはボクみたいに3個買いしちゃう人もいる訳で。もちろん待ちきれずに、従来キットのゲンコツ巡航形態を試したかったからです。

 バックパックは、ブーストポッドの可動を再現。アームを引き出してから起こしますが、アームとレールの部分にはABSパーツを使用。ブーストポッドは上面に接着ラインが出ないパーツ構成で、前後のバーを別パーツにするなど親切な設計。シールドブースター用のハードポイントにはポリキャップを仕込んであります。

腕のシールドが起きすぎてしっくり来ないという人は、手首を若干引き出してやると良いでしょう。これで少し距離が稼げますから、わずかでも角度が違ってきます。

 シールドブースターの荷重に配慮してか、バックパックと背中はツメの付いたロックで強固に接続してあります。分解を想定していないので、背中のバックパックに隠れる部分のディテールは無し。付録キットの方が精密さで勝っていますね。全身にギミックが満載なので、遊ぶうちにうっかり背部バーニアが取れてしまう事があります。ここは接着しておくと良いかも知れません。

 武装です。ビームライフルは、Eパックの着脱とフォアグリップの可動を再現、Mk−2のライフルの先端を詰めた様なデザインですが全く同じという訳ではなく、上部フック(?)が大きい等、若干異なるデザインとなっています。予備のEパック(をセットしたEパックホルダー)は左右のサイドスカートに装着可能。裏側は空洞になっています。

フォールディンググリップと腕の位置関係はこんな感じ。ボクは余分に買ったパーツを使ってグリップを接着した物を用意しましたが、グリップは少し前寄りに傾けた方が良い様です。接着したい方は、事前に入念な位置チェックを行い、左右均等になる様に注意して工作しましょう。

 このEパックホルダーは、キットでは再現されていませんが腕のハードポイントにも装着可能という設定だそうです。絵の通り腕側面に付けるには、シールド用のアダプターみたいなL字のジョイントパーツが必要かな?

 ビームサーベルは、バックパックの右上に1本装備。クリアーのビーム刃が付属します。



 シールドは、ジムコマンドと同系列のデザインの物が付属。左右に(持ち手?)が無い、連邦のエンブレムが無い、裏面にマガジンが無い等、似てはいますが別物となっています。表面上部のマイナスモールドは別パーツ化されて見栄えが向上、裏面は先端部の厚みを増して、打突武器としての説得力を高めています。腕へのアダプターは取付方向を選べるタイプ。ジョイント部はピンではなく、メカっぽくデザインされています。MGガンダムMk−2と同じ処理ですが、こちらの発売の方が若干先でした。

肩の補助アクチュエーターユニットと、ユニット内に折り畳まれているフォールディンググリップ&多目的ランチャー。(写真は2体分のパーツを使っています。ご注意下さい。)

 肩の多目的ランチャーは差し替えで展開状態を再現。説明書では「グレネードランチャー」と表記されていますが、初回版に付属した「アドバンス・オブZガイドブック」によると、スモーク弾等も使用可能と解説されています。高機動形態で出撃する際には、ランチャーではなくフォールディンググリップを装備。こちらも差し替えで展開状態を再現。ポーズを付ける間に外れやすいので、3個買ったうちの1つは展開状態で接着、補助アクチュエーターユニットごと差し替える様にしてやりました。



 シールドブースターは、にも背部ブーストポッドにも取付可能。腕に装備する時はノーマルシールドと同じアダプターを使い、ブーストポッドに装備する時はピンを引き出してやります。表面の出っ張り(プロペラント?)や後部のノズルを色分けしてあり、裏面のディテールも再現。厚みが有るので迫力がありますね。イラストを見ると表面突起部の側面にもディテールが入っており、MG化される事があれば、さらにディテール満載のシールドブースターが拝めるかも。

 組立時間は1時間15分でした。シールドブースターが1枚しか付属しないのは残念でしたが、シリーズ第1弾は比較的安価に提供して、多くの人に手に取ってもらいたいという事なんでしょうね。おかげで3個買いしてしまいましたけど、「シールド欲しさ」だけでは余分に買う気にならなかったと思います。普段のキットよりも造りが細かく、満足度が高く感じたんですよね。拡張性も高く、今後が楽しみな機体(キット)です。

2005.12.9 健 竹史


 おまけ


 読者の方から、HGUCヘイズル改とHGUCガンダムMk−2のバックパック取付け部分には互換性が有るとの情報を頂きまして、さっそくバックパックを取り替えてみました。(ゴンさん、ありがとうございました!)Mk−2のバックパックを背負ったヘイズル改は、Gディフェンサーとの合体も可能です。



 ここで、ブーストポッド自体にもポリキャップが仕込んである事を思い出し、バックパックを取り替えずにGディフェンサーと合体させてみたんですが、なかなか面白いシルエットになってくれました。水平のウイングで、大気圏内でも飛んでしまいそう。(接続が浅くて抜けやすいので、この状態でディスプレイしない方が良いでしょう。)



 もちろんMk−2の方にもヘイズル改のバックパックが取付け可能。Mk−2高機動形態です。



 ついでに、付録キットとの比較写真も追加で紹介しましょう。今回のHGUCの完成度の高さは、付録キットで形状を検証した上での、2度目の立体化である事も有利に働いたのではないかと思います。と同時に、付録キットが高い評価を得た事が正式発売につながったのだろうと思うんですね。この付録キット、今改めて見ても、とても意義深い企画だったと思います。



2005.12.12 健 竹史

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