健さんの
プラモコラム

その155
 
HG レジェンドガンダムの巻

( HG 1/144 レジェンドガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X666S レジェンドガンダム
「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 ロゴスとの戦いが終結した所で発動されるデスティニープランを見て、「エヴァンゲリオン」人類補完計画を連想してしまったのはボクだけでしょうか。プラン実行の施設内で黒幕と相対する元恋人、可愛がられてきたのに、最後に黒幕を裏切るクローンの「レイ」。そしてこの重大な場面に立ち会わない主人公のシンちゃん・・・。なんだか構図や名前まで、エヴァに酷似してたりして。

 そう言えば、シン・アスカという名前は「碇シンジ」「惣流アスカ・ラングレー」の名前を併せ持ってる感じですが・・・もしかして、当初からエヴァを引用して作られた物語だったりするんでしょうか?うーん、ユニウスセブンの落下も、コロニー落としやアクシズ落しよりも、セカンドインパクトに近い気がしてきましたよ。てな感じで、機体番号に獣の数字を持つMS、レイちゃんのレジェンドガンダムに目を通していきましょう。



 参考テキスト(笑)はこちら。
  「その102 HGプロヴィデンスガンダムの巻」

 頭部は、目の周囲とアゴ、額のセンサーとヒサシを色分け。青いアンテナ(サブアンテナと呼びたい所ですが、最近はこっちの方が長かったりします)は、ヒサシや頭頂部カメラと一体で成形。どことなくコンボイ司令官に似てるような。若干角ばった形の頭に高めのチョンマゲが付いた様な造形ですが、設定を見ると、丸みのある頭にアイスラッガーの様なチョンマゲが乗っているイメージですね。うーん、後頭部カメラは完全に下を向いてて役に立たない気がしますが、もしかしてチョンマゲを投げた時に役立つのか・・・?!(そんな設定はアリマセン。)

 ボディは、ウエストだけでなく、胸の下半分まで赤いカラーリングになっているのが特徴的。そのため赤いパーツはほとんどボディフレームといった感じで、首パーツも、前後可動する肩関節軸も、赤いパーツに仕込んであります。青い胸板パーツは、その上に着せてある感じですね。エリのフチには白いラインが通っていますが、整形方向の都合でスジ彫り等は無し。色分け用のシールが付属します。ワキの下のケーブルは別パーツで、左右から取付けます。



 です。フロントスカートは左右一体で可動。左右を切り離したい人用の抜け止めは単純な突起ではなく、グルリと段差を付けてあります。まっすぐ切る時のガイドにもなりますし、切った後の安定も良くなってる気がします。サイドスカートは、プロヴィデンスでは左右に2基ずつ装備していたドラグーンを1基に変更。今回は箱状のユニットではなく、他の機体と同様の後ハメ式のスカートになっています。腰周りがスッキリして、若干ヒーロー体型に近付いた様に思えます。

 リアスカートです。プロヴィデンスはドラグーン2基を装備してましたが、今回は一般的なスカートに変更されています。地上での運用を考えて、脚の可動の妨げにならない様に配慮されたデザインなんでしょうね。もっとも、ほとんど立ち姿しか想定していないドラグーンの配置と、ほとんど肩に担ぐしか想定していない大型ビームライフルがプロヴィデンスの魅力なんですけど。前回は動かない威圧感、今回は動きやすさがセールスポイントかな。



 です。モモはスタンダードな左右分割。もう少し反り返った形が強調されても良かったかも。ヒザは後ハメ可能な二重関節です。スネは、ヒザアーマーと側面・後部のスラスターを色分け。後部スラスター足首アーマーはハサミ込み式の組立で、可動します。足首アーマーはプロヴィデンスとほぼ同じデザインだと思うんですが、小さくなってしまったHGプロヴィデンスの教訓を活かして、スネ内部に引き込まれない解釈に変更。大きめに造形してあります。

 スネ正面のパネルラインは折れ曲がってるのが正しいんですが、成形方向の都合で、似た形の凹みとして表現してあります。こだわる人は一旦パテで埋めて、彫り直してやっても良いかも。スネ側面のサーベルラックは、残念ながら開閉ギミックを省略。開閉が難しい場合でも、フタを別パーツ化してあると嬉しい・・・かな?(まぁ、その場合は「動けばいいのに」って言うんだろうとは思うんですけれども。:笑)



 足首は、足裏の土踏まずの部分だけ塗装してやればOKという、HGプロヴィデンスと同様のパーツ構成。ただし、クルブシの黒いパーツがツマ先の方まで伸びていて、赤いクツのパーツで上下から閉じ込める様に組み立てる様になっています。単純に積み重ねるよりもガッチリ噛み合ってて、頑丈で良いという事でしょうか?ツマ先を伸ばしたポーズで飾りたい時は、スネ後部のスラスターの向きを調整してやると、より大きく動いてくれますよ。

 肩アーマーは、細長い張り出し部分を別パーツ化。断面をコの字形にワンパーツ成形した張り出しを、肩前後のパーツでハサミ込むため、上面の一部に接着ラインが出るだけで、肩アーマーの内側がキレイに仕上がります。内側のスラスターは後ハメ可能。もうちょっと、ギリギリ大きめのサイズだとカッコ良かったかなー?内側のスラスター数はプロヴィデンスに比べて減りましたが、前後にスラスターらしき穴が追加されているんですね。



 です。肩ブロックはスタンダードな構成ですが、肩アーマーとの接続がキツめなため、腕を横に上げる時には肩アーマーを持ちながら動かしてやると良いでしょう。上腕は恒例の筒状パーツ。デザイン的に大きな違いは無いと思うんですが、HGプロヴィデンスよりも柔らかいラインで造形されています。前腕はシンプルなニ分割。デザインは変わりましたが、手首を外せば、なぜかプロヴィデンスの複合兵装防盾システムがピッタリはまります。

 手首は左右とも穴開きゲンコツが付属。手の甲中央にはATフィールド・・・じゃなかった、ビームシールド発生器が装備されていて、左右どちらの手でもシールド展開状態を再現可能です。

HGインパルスガンダムにレジェンドのバックパックを背負わせた状態。コアスプレンダーは取り外しています。

 バックパックはなぜか着脱可能な構造で、バックパック裏も背中も、それなりに再現されています。背中の両端にはジョイントと噛み合う穴も有るので、試しにインパルスガンダムに背負わせてみたらピッタリでした。(ただし、コアスプレンダーは取り外しておきます。)ホビ−ジャパン2005年12月号で、このバックパックをザクに背負わせた「プロヴィデンスザク」が発表されたばかりですが、ザクの方が似合ってるかな?残念ながら、シルエットフライヤーにはフィットしませんでした。

HGソードインパルスガンダムのシルエットを背負わせた状態。ジョイントピンが動きやすいので、ビーム刃パーツ等で押さえながら背負わせてやると良いでしょう。
そう言えば、劇中でもソードインパルスのエクスカリバーを拝借して戦うシーンが有りましたね。

 また、インパルス用のシルエットをレジェンドに背負わせる事も可能です。ブラストシルエットはエリが干渉してNGでしたが、「各種シルエットには予備が有った」と勝手に想像して、同じ装備のインパルスと並べて飾るのもアリでしょう。こういう時、安価なコレクションシリーズは重宝しますね。

コレクションシリーズのフォースインパルスガンダムのシルエットを背負わせた状態。レジェンドには元々飛行能力があるので、あまり意味はありませんが。

 本題に戻りましょう。バックパックはプロヴィデンスに似たドラグーンシステムですが、今回は前に倒れる様に可動し、ガンキャノンの様な射撃形態を取れる様になっています。地球上での戦闘を想定してのギミックですが、ラスボスの後継機と言っても準主役級の扱いですし、ある程度長期間登場するのでギミックを多めに仕込みたいという意図も有るんじゃないでしょうか。さらに左右のユニットが90度起き上がりますが、上に向かって全方位射撃が出来るのかな?さりげなくアンテナとの干渉を避ける意図もある様です(笑)。

 左右のユニットが90度起き上がる機構は、一旦左右に引き出してから起こしますが、可動部分には目立たない様にABSパーツを仕込んであります。中央のアーム部分の可動部には、HGドムトルーパーのヒジ関節の様にABSの小さな軸受けをセット。狭いスペースで保持力を確保してあります。前方射撃形態では、2本の大型ドラグーンを少しハの字に開いてやるとカッコイイですよ。



 武装です。MA−BAR78F高エネルギービームライフルフロントサイト(先端の突起・照星)が少し低いかも?センサー中央くらいまでの高さが有ると良いんじゃないでしょうか。先端側面の穴も、放熱用の穴と解釈するなら少し小さいかと。上下面が丸みを帯びた形状等、全体の雰囲気はなかなか良いと思います。グリップを畳むとジョイントが露出して、バックパック中央に背負わせる事も出来ます。

 実際の銃では、先端のフロントサイト(照星)と後端のリアサイト(照門。突起の中央にミゾが彫ってある)がセットになっており、リアサイトのミゾからフロントサイトが一直線になるように覗いて狙いを定めます。スコープが付いている場合、フロントサイトは不要です。

 今回のビームライフルはセンサーとフロントサイトが付いていて実際の銃と異なる印象ですが、SEED世界では先端に何らかの突起が付いたセンサー式ライフルも多い様で、そういう様式の世界観なんだろうと思います。

センサー中央がマイナスモールドになってる(単純な光学機器ではない、複合的なセンサー?)事も含めて、現実世界の銃とは違った機構で、ちゃんと役に立ってるんじゃないかな、と。

てな話をウチのサークルのメンバーに話したら、「あまり深く考えないように」とアドバイスしてくれました(笑)。ボク自身銃に詳しくないので、参考程度に留めて下さい。

 MX2351ソリドゥスフルゴール(ビームシールド)は、手の甲中央の発生器を一旦取り外し、クリアーパーツを通して再び取付けます。発生器は割と簡単に取り外せますが、苦手な人は手の甲を外して、裏側から押し出してやると良いですよ・・・って、今回は頑丈な手の甲を外す方が面倒かも(笑)。

 MA−M80Sデファイアント改ビームジャベリンは、分離状態(通常のビームサーベル)2本と、連結状態の物1本が付属。スネに収納されているという設定ですが、今回は収納ギミックは再現されていません。クリアーのビーム刃が2本付属します。

 ドラグーンには、「GDU−X7突撃ビーム機動砲」(大)、「GDU−X5突撃ビーム機動砲」(小)という名前が付きました。小ドラグーンは背中とサイドスカートに合計8基装備。スライド金型を使ってワンパーツ成形されています。ABSのヒンジで可動する基部にもスライド金型を使用。今回はスライド金型だらけですね。

 大ドラグーンは2枚貼り合わせ+先端パーツの3パーツ構成。側面のビーム砲口はプロヴィデンスの時は穴の開いた丸モールドで表現されていましたが、今回は凸モールドで表現、サイズも小さくなってます。再現性よりも精密感を優先した処理なのかも。再現されてはいませんが、先端にはビームスパイクを装備しているという設定です。



 最近流行りのエフェクトパーツは、小ドラグーンの射出シーンを再現できる6本のクリアーパーツが付属。6本付属するうち、2本は少し長めに作られています。「その153 HGストライクフリーダムガンダムの巻」で触れた連続射出の表現とは少し違いますが、均一な美しさを損なわないバランスで距離感に違いを付けてあり、良い構成だと思います。基部を背中側に少し反らせたり、ドラグーンをヒネって向きをバラバラにすると躍動感が出ますよ。本数は足りませんが、腰のドラグーンにも対応しています。



 飾り台は、HGグフイグナイテッド以来恒例の物が流用可能。つまり飾り台自体はセットされていないんですが、低く傾いた支柱の先端に付けるアダプターパーツがセットされており、従来よりもさらに低い位置で飾る事が出来る様になっています。ドラグーンの背丈を考えて展示スペースの高さを抑えようとしたのかも知れませんが、足が地面に着かないギリギリの低さは、なかなかカッコイイですよ。支柱も後ろに伸びてるので目立ちませんし。他の飾り台との高さの違いを活かして、高低差のある空中戦を再現するのも楽しそうですね。



 組立時間は1時間10分でした。ギミックが多くて楽しいキットですが、元々の配色が地味なMSですよね。部分塗装で赤や白など、明るめの色が入るだけでも見栄えが良くなると思います。今後はおそらくZ関連のキットが中心になって、1/100が発売されるかは「?」ですけど、1/100インパルスの装備を貸し借りできる機体が有れば楽しくなりますよね。ザクに対するドムも含めて、前向きに検討をお願いしたいと思います。


 おまけ

 装備を追加して発売されたMG百式(商品名:百式+バリュートシステム)も、簡単に紹介しておきましょう。百式本体はメッキを廃して、装甲パーツを黄色で成形。一部のパーツは新規パーツが用意されています。背部バリュートパックの幅に干渉するため、バインダー取付用の支柱を長い物に変更。バインダー間の幅が通常より広めになっています。スネ外側は、脚部バーニアユニットを取り付けるために穴の開いた外装パーツを用意。内部フレームも、ピンを使わず板状の突起で外装パーツを保持する仕組みの物に交換されました。「最初から板でハメとけば良かったのに」と思われるでしょうが、従来パーツはパーツ裏に板が無い分、ヒケが少なくて見栄えが良いのです。ヒケをパテで埋めたらメッキが台無しですもんね。従来の外装パーツは、脚部バーニアユニットを外した時に差し替えられるので、捨てずに取っておきましょう。



 新規パーツのバリュートシステムはランナー3枚分のパーツを使ってあり、かなりのボリュームが有ります。背部バリュートパックは、上・下・中央をユニットごとに組立てて連結する構成。説明書では上をパラシュートラック、下をサブ・プロペラントタンク、中央をバリュートパックと説明している様に見えますが、上下のユニットは同じパーツを使っています。上下ともサブ・プロペラントタンクで、その中央上端に廃棄用パラシュートが仕込んであるのだと解釈したいと思います。劇中でも設定の図解でもパラシュートは上からだけ出ていますが、3つのユニットはバラバラに外れる様なので、下のタンクにもパラシュートが仕込んであるのかも知れませんね。



 タンクにはMSに固定するためのロックが付いています。設定では上下共通の形に描かれていますが、キットでは上側のロックは武器用のラックに接続する仕組みにアレンジされています。中央のバリュート収納部には畳んだ状態のバリュートが仕込んであり、4枚の外装を組み合わせて実機同様にフタをする構成。中央の減速用ノズルはポリキャップで上下に可動します。



 脚部バーニアユニットは箱を組んでいく様な構成で、内側にもしっかりディテールが入れてあります。降下した後、地上で使うユニットなので上側面の角穴はインテークだろうと思ったんですが、当時の資料では下部バーニアを「ロケット」と説明しています。だとすれば、ここはインテークではなく左右移動用のノズルなのかも。どちらにせよ使い捨ての装備だと思うので、スス汚れの塗装表現は不要かも知れませんが。



 胸部バーニアユニットは、減速用バーニアがボールジョイントで可動。固定用のロックも可動しますが、これは胸板に添えてあるだけ。キットへの取付には、ハッチ左右のカバーを開いて出来たスキマに突起を差し込んで固定してあります(!)。クワトロ大尉、生きた心地がしなかったんじゃないでしょうかね。(実機ではそんな事はアリマセン。)

無事地上に降下して戦闘を開始した百式。ケーブルさえ外せれば完璧なんですが・・・。この状態、結構好きなんで、ちょっぴり残念です。

 胸部と背部のユニットはケーブルで接続されていますが、これは胸部ユニット側に固定されていて、背中側だけ取り外せる様になっています。でも、出来れば逆にして欲しかった所ですね。バリュートを捨ててしばらくは、胸部ユニットを付けたまま戦う訳です。ケーブルさえ外せればこの状態を再現出来たのになぁ。HGUCで発売される事があれば、ぜひケーブルを外せる設計でお願いします。

 パーツ点数は大幅に増えましたが、メッキ仕様でなくなったために以前よりも価格を下げて発売されています。バリュート装備が好きな人はもちろん、自分なりのゴールド塗装をしたいと考えている人にとってはメッキを落とす手間も省けますから、今後はこちらのキットをオススメします。それから、バリュートのランナーには切り替えが用意されているので、各部のロックパーツだけ交換して他のMSも発売される可能性があります。この辺は「君たちの応援しだいだぞ!」な部分だと思いますが、マラサイ、GM2、ハイザック、ネモ、リックディアス、ガルバルディと、ぜひ一通り出して欲しいですね。(うーん、ランナーの切り替えが足りない様な気もするなぁ・・・)

2005.11.20 健 竹史

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