健さんの
プラモコラム

その95  HGガンダムアストレイ
       
レッドフレームの巻

( 1/144 HG ガンダムアストレイ・レッドフレーム/ バンダイ/
MBF−P02 ガンダムアストレイ 「GUNDAM SEED ASTRAY」に登場)


 ついに大本命、アストレイがHGで登場です。衝撃の300円キットから1年以上。信じて待った甲斐が有りました。今にして思えば、SEEDと言うのは、巨額の費用をかけて展開した、アストレイの壮大な外伝だった様な・・ ・いや、どっちも好きなんですけどね。外伝だからこそ可能な(?)遠慮のない展開が、予想以上に良かったです。では、キットを見ていきましょう。



 頭部は、アゴと目の部分が別パーツになっているものの、マスクはヘルメットと一体という構成。つまり300円キットの頭部パーツの、目とアゴを切り欠いた様な感じのパーツですね。マスクの横には赤く塗り分ける部分があるため、初回特典のブックレットでもマスクの後ハメ加工を薦めています。小顔でスペースが足りず、一体化してあるのかも知れませんね。300円キットに比べて、後頭部のディテールが細かく、ダクト(?:耳の後ろ)内の形状も設定通りに修正されています。

 ボディは、胸板の装甲が別パーツ化され、ダクト周辺やハッチが色分けされました。奥まって塗り分けが面倒な部分だけに、嬉しいですね。300円キットと比べると、胸上面の四角いディテールの大きさが変更されています。以前の方が、ボクとしては好みでしょうか。この部分のモールドが深めになったのは、スミ入れしやすくするためなのかも。肩関節は上下左右に可動。良く動きますよ。肩上面にパーティングラインが無いのも嬉しいですね。



 は、ウエストの回転が可能になりました。300円キットでは、ウエストが骨盤に埋没した様な構成でしたが、今回はリアアーマーの位置を下げ、ウエスト回転の妨げにならない様に配置して有ります。おかげで90度ヒネる事も出来る、可動範囲の広いウエストになっています。テール表面は、一段くぼんだ形状になりましたが、300円キットの、くぼんでいない解釈も誤りではない様に見えます。左腰にはガーベラストレートの取付け穴が追加されました。サイドアーマーは、もう少し後ろに突き出ているのが正解の様です。

 です。モモは赤いフレームパーツに、前面とヒザ裏の装甲を取り付ける構成。フレームパーツと言っても、プラモのフレームではなく実機のフレームなんで、いつもと勝手が違いますね。ヒザ関節を別に仕込む訳にもいかなかった様で、ヒザはハサミ込みの組立で、二重関節にもなっていません。300円キットのヒザに関節を仕込む工作は、模型誌でも盛んに行われましたが、コイツを二重関節化するのも大変そう。MGが出るなら、装甲のスライドと併せて、見せ場になるでしょうね。(欲しい〜!)



 スネは、特にパーツが入り組んでいて面白い部分ですが、前後の赤いパーツがハサミ込みになっているのが、塗装派の人には不満な部分かも。ヒザアーマーが別パーツで、前からハメる様になっていれば、赤パーツの後ハメも容易だった様に思うんですが、色分け以外でパーツ分割を望むのは、ゼータクかな?(でも、青とか金も出るなら、ちょっとくらい豪華でもいいのに・・・。)スネ後部は、300円キットで特にディテールが省かれた部分なので、精密感が格段にUPしています。

 足首です。スネの内部が狭いデザインのため、足首の可動ギミックはクツの中に仕込んであります。珍しい構成なので、普段とは違った可動を楽しめます。足首メカパーツが無い分、ヒネリに制約がありません。クツの中から関節が引き出せる所は、MGグフにも似てる気がします。



 肩アーマーは、300円キットよりも大きくなりました。腕の接続方法が、HGの標準的な構成になったため、肩アーマー自体も、肩ブロックを前後からサンドする、標準的な物となっています。肩アーマーの内側は、実際は赤い部分が前側まで続いているようなので、忘れずに塗り分けてやりましょう。肩アーマーの側面は開放され、腕が横にしっかり上がります。これが設定本来の形ですね。

 は、設定の形から遠ざかった感じがします。デザインを良く見ると、アストレイには肩ブロックが無いんですね。上腕は、肩アーマー奥か、あるいはボディに直接、関節パーツで接続されているんでしょうね。MGでも発売されれば、自由度の高い可動が楽しめそうですが、このサイズでは、他のHGと同様の構成にアレンジされるのは仕方ない事なのかも。

 という訳なので、上腕の上面は肩ブロックとの接続面にアレンジされてしまっていて、ずいぶん印象が変わりました。ヒザと同様、フレームと関節の区別が難しく、可動部にスキマを設ける事が難しいので、ヒジ関節と上腕は一体になっています。上腕は筒構造ではなく、ポリキャップを仕込んだ2パーツ貼り合わせのため、普段よりも太めの印象。装甲が簡略化された分、細くなりそうですが、プラモでは太くなる元というのが面白いですね。

どんなポーズを取らせても、関節にグレーの色が見えません。フレームの色に合わせて、ポリキャップも赤で成形された特別製なのです。

 前腕は、ヒジ関節をハサミ込む組立なので二重関節にはなっていませんが、120度くらい(目測)曲がります。このサイズでは、2分割に白い装甲パーツを被せる構成は妥当でしょうね。実機では前腕が空洞の様になっていて、手首基部もスイング出来るみたいです。デザインもギミックも、MG向きの機体ですね。

 手首は、左右の穴開きゲンコツの他に、指をトリガーにかけたポーズの、ライフル用の右手が付属します。基本的に交換用手首が付いていないSEEDのHGシリーズの中では、豪華な商品仕様。アストレイのライフルにはトリガーカバーが付いていて、ゲンコツでは握れませんからね。(300円キットでは、トリガーカバーを切り欠いてありました。)

 バックパックは、アームで可動し、腰の位置まで引き下げる事が可能。スラスター部分が筒抜けだったり、密着していない背中のディテールが見えたりと、メカっぽくて面白い部分です。アームの保持力は十分ですが、キットを持って遊ぶ時には、アームに負担をかけない様、ボディを前後から掴むのは避けた方が良いでしょう。

バックパックを下げた状態。ZZの変形に似ていますが、アームは腰ではなく背中から伸びているので、ウエストが自在に回転出来るんですね。

 バックパックを引き下げると、サーベルラックが露出します。サーベルを着脱する時に、ラックのパーツがズレやすいので、背中に接着しておくと良いと思います。

 武装です。ビームライフルは、左右分割と銃口の3パーツ構成。300円キットの物より厚くなり、ディテールの精密感も増しました。なぜかフォアグリップが動かないのが残念ですね。肩可動が充実し、ヒジも良く曲がるのに、両手持ち出来ないのは惜しいです。上級者は一度切り離して可動式に改造しても良いと思いますが、フォアグリップのサイズが小さく、動いても持たせにくそう。まず形から改造する必要が有りそうです。



 シールドは、ストライクやデュエルと共通のデザインですが、裏面のモールドが、よりカッコ良くなっています。表面も、下から3分の1くらいの所にあるディテールが、ストライク、デュエル、アストレイと、新製品に付属する度に大きくなっています。不揃いにはなりますが、確かに後から発売された物の方がカッコ良く感じます。腕へ接続するアダプターは、腕の形状に合わせた新設計の物が付属します。

 ビームサーベルは、ビーム刃をクリアーパーツで再現。サーベル本体も刃も、平たい形状になっています。しかも厚み部分に細いスジ彫りが通っていたりして、つくづくメーカー泣かせのデザインですね。その分、見応えのある外観になってますけどね。

 今回の目玉は、実剣「ガーベラストレート」ですね。身長ほどもある長さは迫力十分。サヤは左右2分割ですが、口の部分に四角いリングパーツをハメて、バラバラになりにくくしてあります。剣はメッキパーツですが、ケバさの無い上品なツヤで、なかなか良い感じ。刃以外の部分まで銀色なのが難点ですけど。サヤに収めて腰に取り付けられますが、上下だけでなく左右の取付角度にも若干の余裕が付けてあります。両手で構えるポーズも可能ですよ。なんだかバットの様な持ち方にも見えますが、そこは手首可動の限界という事で、おおらかに楽しみましょう。

HGUCグフとの夢の対決!足首とウエストの可動が充実しているので、こんなポーズも決まります。

 組立時間は、1時間5分でした。腕が太い等、若干の不満点もありますが、それを差し引いても十分にカッコイイ、好キットだと思います。むしろ「これでサイズの制約が無くなったら・・・」と、1/100、いやMG出来ればPGへの期待が高まっていきますね。ポーズの自由度が高いので、遊んでいて飽きませんし、オリジナルのロボットを自作する時の、素体に使っても良いでしょう。

 今後の展開ですが、赤パーツ(Bランナー)にアンダーゲート方式が採用されているので、メッキ仕様のゴールドフレームなんかも期待出来そうです。初回限定ブックレットの指南役、ロウ・ギュール君も、このゲートを見た時には気付いたんじゃないかと思いますが、ゴールド発売の可能性には触れてませんね。口が固いのも、超一流のジャンク屋の条件なのであります。


おまけ

健さんの
おまけコラム

1/144 ヘイズル改の巻

( 1/144 ヘイズル改 /電撃ホビーマガジン2004年1月号付録/
RX−121−1 ガンダムTR−1ヘイズル改
「ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに」に登場)

 電撃ホビーマガジン2004年1月号付録ヘイズル改、期待してた以上の出来栄えだったので、4つも買ってしまいました。ヘイズルのファン、AOZのファンにはもちろんですが、できるだけ多くのガンプラファンに、手にとって欲しいですね。これまでSEED関連ばかりだった、コレクション仕様のキットが、今後もし宇宙世紀モノにまで広まっていったら、こうなるのかな?という、良い見本になると思います。



 凛々しい正面。例によって足裏が空洞という仕様なので、上に向いたツマ先の下だけは、スキマを塞いでやると良さそうです。FGガンダムを思い出しますが、ボールジョイントの採用で、開脚時の接地性は、はるかに勝っています。



 ボディが前後分割のため、サイドスカートの再現は、わずかな段差による表現にとどまっていますが、別パーツのマガジンが付くので、側面のリアル感は、そんなに損なわれていないと思います。



 バックパックのバーニアは分割ラインを工夫し、下半分だけでも円錐形に成形。傾きもあるので、かなり「らしく」見えます。こういった部分は、巧みな分割そのものを楽しんで吉、でしょうね。モモ上部には、露出したフレームの表現も入ってます。



 チョンマゲはヘルメットとは別パーツ、しかも2分割でリアルに再現。特徴的な部分にはパーツを惜しんでいない構成です。その一方でライフルの薄さには驚きます。「よくぞここまで薄く!」と、感動しそうになるのを必死で抑え・・・(笑)。ガンダムMK−2のビームライフルから改造できるので、HGUCスーパーガンダムあたりの物から作ってみるとか?



 フロントスカートはボディと一体なんですけど、フンドシ(センターアーマー)横にチラリと見えるスラスターまで再現。当然ディテールは甘いですけど、塗ればクッキリしそうです。そんな些細な事よりも、執念のモールドに感動!



 股関節の可動範囲が広く、歩幅1歩分くらいの前後可動も出来るので、歩くポーズも難なく再現。「立ってるだけ」なんて言わせませんゾ!カトキ立ちも楽勝です。

 組立時間は、15分でした。組んでみて思ったんですが、この仕様、SEED以上に、宇宙世紀MSと相性が良い気がします。パーツ数の制約は有るとは言え、成形方向の都合としては、MSVの頃のキットと同程度のディテールは盛り込める訳です。

 アニメ用の線数で描かれたSEEDのMSよりも、線数に制約のないMSVや、アップデートされた一年戦争MSの方が、見栄えが良いという事も、考えられると思います。ギミックで勝負しない仕様なら、凝ったデザインの物を優先的に採り上げるのが得策です。前々から注目(&期待)してた商品仕様ですが、このヘイズルを見て、ますます今後の可能性を確信出来た気がします。

2003.11.24/2003.12.5  健 竹史


 

HG ガンダムアストレイレッドフレーム
HG ガンダムアストレイブルーフレーム

  

1/144 ガンダムアストレイレッドフレーム
1/144 ガンダムアストレイブルーフレーム
1/144 M1アストレイ

  

機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 1
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