健さんの
プラモコラム

その352
 MG 武者ガンダムMk−Uの巻

 MG 1/100 武者ガンダムMk−U
 バンダイ
 ゲームソフト「ガンダム無双SPECIAL」に登場
2010年5月発売 税別初出価格6000円



 MGリアル武者の第二弾、Mk−Uが登場です。前回はどうして子供の日に合わせて来ないのかなあ、なんて思ってたんですが、このキットは5月発売。今度こそ合わせてキター!と思ったら、5月末でした。んー、もしかして五月人形とバッティングを避けているんでしょうか?それとも五月人形を見て欲しくなった所で出す作戦なのか。まあ、どんな季節に出ても買っちゃうんですけども。カッコイイし。

 さて今回はバリエーションキットという事で、新規部分を中心に紹介していきます。従来と共通の部分については「その154 MGガンダムMk−U Ver2.0の巻」(エゥーゴカラー)その170おまけ記事(ティターンズカラー)を参照下さい。



 頭部は、前後貼り合わせ式のに、顔や頬ガード、のパーツをハサミ込む構成。兜の中にノーマルのヘルメット後部は無く、下のスキマは塞いであります。はクリアー成形。頭頂部カメラが無いため目だけのパーツになっています。アゴと一体のマスク基部パーツが奥に透けて見えるので、塗装しない状態では目が赤っぽく見えて、ちょっとワイルドない印象かも。オデコセンサーと吹返(顔左右の板パーツ)は表から取り付けます。この兜は機体を印象づける特徴的なデザインで、機体各部の家紋は、これを図案化した物の様ですね。

 は、外装は新規ですが従来と同じ芯パーツを使った二重関節。Ver.2.0と比べて小顔に造形されているため、同等サイズの首でも太く長く感じますね。ふと思ったんですが、歴史ブームの今、ガンダムフェイスの代わりに取り付けられるイケメン顔パーツをセットしてMGフィギュアライズシリーズで売り出せば、女性ファンを獲得出来るのでは(略)



 ボディです。は、Ver.2.0と同じフレームを内蔵していますが、球体コクピットはインナーハッチが閉じた状態の新規パーツ。無人機らしくて面白いんじゃないでしょうか。後ろ半分は省略され、シートのパーツも付属しません。エリはメッキパーツを採用、エリ内側は従来と同形の新規パーツです。胸部ダクトは、内部フレームに取り付けたメッキパーツが表面まで露出したもの。フィンやに相当するパーツは無く、シャッターが閉じた新規デザインとなっています。



 胸外装は前後貼り合わせで、さらに正面に増加装甲を被せてあります。完成後に見えなくなる部分だからか、ハッチは開閉ギミックどころか表現自体を省略。開閉のために細かく分割されていた外装は一体化され、Ver.2.0よりもパーツ構成がシンプルになっています。それでもハッチ開閉用のヒンジはフレームに組み込んであるので、外装パーツをVer.2.0から拝借すれば、増加装甲を外した胸を再現出来ます。胸左右のセンサーは肩紐に置き換わっていますが、ここはセンサーカバーを兼ねたデザインなのかも。キットでは、センサーと肩紐の中心は微妙に異なっていますが、プラの厚みを加味しなければ、一応重なった配置となっている様です。



MGガンダムMk−U Ver.2.0の胸部外装とハッチを組み付けた状態。(キットのパーツのみではこの状態になりません。)

 ウエストは、ティターンズカラー発売時に導入された、左右に軸回転可能なフレームを継承。球体コクピット下でもボール可動、筒状の腹巻は同形新規のパーツで、ウエストフレームの後ろにボール接続してあります。

 です。フンドシフレームはティターンズカラー発売時の物を使用。股関節軸は左右一体で、振り子の様に前にスイング可能です。アクションベースを使う場合はフォーク形のジョイントを使用。専用のジョイントパーツが無いのを見ると、2.0へのバージョンアップが始まって相応の年数が過ぎたんだなと、改めて実感しますね。



 フロントスカートは、表面パーツと裏面パーツの間にのパーツをハサミ込み、これが表面に露出する事で色分けを再現。裏面モールドのパターンは、外形の変化部分を除いてノーマル版のスカートに準じています。フンドシには二重関節で接続してあり、傾けないまま浮いたような移動が可能。特に立てヒザポーズで上に持ち上がれば、モモの可動を妨げず効果的でしょう。軸をヒネると簡単に外れるので、フンドシ正面は接着しない方が、ハメ直す時には都合が良いかも。

 サイドスカートは、ポリキャップ接続で二軸可動。前後に紫と金メッキのパーツを重ねて貼り付けて、色分けしてあります。



 リアスカートは、フンドシ後部に固定式。やはり表面パーツと裏面パーツの間に紫のパーツを閉じ込めて、色分けしてあります。左右両端のパーツは、最後に表から取り付け。バズーカラックが仕込んであり、表面にも露出していますが、外装に囲まれていて実際に展開する事は出来ません。隠れた機能の演出という所でしょうか。

 です。股関節の球体は、Ver.2.0と同様にボール可動+モモ上部でヒネリ可動します。保持力はもう少し強くても良かった気がしますが、これは個体差なのかも。まあノーマル版よりも装飾が増えた分、重量も増えてるんじゃないかと思いますから、関節がキツいに越した事はないでしょう。



MGガンダムMk−U Ver2.0(右)との比較。モモが延長された代わりに頭部が小型化され、トータルの全高はあまり変わっていません。上半身のボリュームアップに合わせたプロポーション調整といった所でしょうか。

 モモの内部フレームは従来パーツですが、股関節球体下の直線部を延長する事でモモが長くなっており、外装も長めの新規パーツとなっています。ヒザに連動した装甲のスライドギミックは健在です。

 ヒザは、Ver.2.0の関節を使っているものの、ヒザアーマーのスライド機構が有りません。このためアーマーを引き上げる連動パーツの代わりに、固定式の穴埋めパーツをハサミ込みます。



MG真武者頑駄無(右)との比較。ゲームの設定には詳しくないんですが、説明書の解説によると、二人は(仮の)主従関係にある様です。

 スネも、Ver.2.0のフレームを流用。外装は前後左右から貼り付けます。側面に装飾が追加されたり、スラスターが金メッキパーツに置き換わったりしていますが、正面以外はノーマル版のデザインをほぼそのまま残してありますね。をモチーフにした金のラインや留め具パーツを貼り込むため、パーツ点数は多めですが、側面のメッキパーツを一体化したり、3本の正面ラインのハメ込み形状を変える等、より組みやすくなるよう配慮してあります。

 足首関節はVer.2.0と同等。シリンダーが伸縮する他、関節のスイングに連動してシリンダー基部自体も上下スライドします。



 足首アーマーは、クルブシを左右からハサミ込み。メッキパーツが本体で、クボミに紺のパーツを貼り込む事で紐状に見せています。合わせ目は端に寄せてあるため、ほとんど分かりません。クルブシアーマーはグレーと紺の2枚重ねです。本来の鎧であれば、足首とスネのアーマーは一体で、連続しているのかも知れませんね。

 足の甲の可動クリアランスを塞ぐ配置のアーマーのため、足首の可動範囲は広くありません。曲げたりヒネったりして、より大きく動かせるポジションを探していると、スネと足首の六角形の留め具パーツがブツかり、ピーンとハジけてどこかに飛んでいく事もあるので紛失に注意しましょう。なんだか不吉な感じで、負け戦の兆しではなかろうかとヒヤヒヤしてしまいます(笑)。



 足首は、一部が従来と同形の新規パーツに置き換わっていますが、Ver.2.0と同等の構成となっています。先述の通り、足首関節の可動範囲は広くありませんから、踏ん張るポーズを取らせる時には、足首よりも土踏まずの関節を使い、カカトを上げる様にすると良いでしょう。

 肩アーマーは、Ver.2.0の縦壁パーツを、新規の前後パーツでハサミ込み。メッキパーツやグレーのパーツを、上や前後から貼り込んでいきます。側面がオープンになっているため、前後面の下縁を飾るメッキパーツは、せっかくのアンダーゲートの切り口が丸見えになってしまっています。ここはチョコっと塗ってやると良いかも知れません。



 サイドアーマーは、肩アーマー前後面でハサミ込み。軸可動で横に広がりますが、メッキの装飾パーツがブツかる所で止まってしまうため、あまり可動範囲は広くありません。

 です。肩関節はVer.2.0の物を使ってあり、前や上に引き出し可能。肩ブロックや上腕は新規パーツですが、デザインやパーツ構成は従来と同様。上腕ヒネリ部のアーマーも健在で、サイドアーマーと二枚重ねのデザインが良いですね。



 ヒジは、Ver.2.0の物を流用した二重関節。曲げに連動して前腕の外装が引き込まれる機構も引き継いでいます。

 前腕です。外装を左右と甲の3分割とする構成は引き継いでいますが、装飾を貼り込んだデザインのため新規パーツとなっています。ハードポイントに装着する篭手の厚みに合わせて、ヒジアーマーが大型化。ここのスリットを塞ぐため、内部フレームも新規です。袖の装飾は、ヒモの途中に留め具が付いた様なイメージだと思うんですが、バラバラのパーツを貼り込む構成のためモザイクの様な印象。メッキパーツとグレーのパーツは、並ぶのでなく端だけでも重なる様な配置になっていれば、さらに良かったかも。



 篭手は、本体と裏面パーツの間に、スライド式のツメがハサミ込んであります。引き出した状態では少しグラつきますが、面白いギミックですね。前腕ハードポイント内のポリキャップに、ピンで接続してあります。

 手首は可動指タイプで、Ver.2.0と同等の物が付属。手の甲・手首関節カバーは、同形新規のパーツを使っています。



武器ホルダーを外した状態。

 バックパックは、ノーマルと同じデザインの物の上に、ウェポンラックを被せたもの。スラスターやバーニアの可動軸、背中に接続するジョイントはVer.2.0と同じパーツを使っています。外装のデザインはVer.2.0に準じている様ですが、ウェポンラックの取り付け穴が追加されました。また、Gディフェンサー合体用の穴は、フタパーツが外装と一体化され省略。内側のハメ込み穴は健在なので、ちょっと不思議な感じですけども。

 武装です。火砲「昇竜丸」は、ノーマルのビームライフルの後部を組み、前部のパーツでハサミ込み。本来は前部を増加パーツで覆った物ではないかと思うんですが、キットでは後部よりも幅がスリムになっています。後部もVer.2.0と同一ではなく、ディテールを大幅に簡素化。腰にマウントするための突起やフォアグリップは無くなっています。センサーはハサミ込みで可動しますが、途中までしか倒れないので、収納は出来ません。



 手に持たせる場合はグリップのスリットを手の平の突起に接続。左右どちらの手にも対応します。上部フック内側とトリガーカバーをコの字形のホルダーでハサミ込めば、背中に背負わせる事も可能。この辺の外形はVer.2.0のライフルとほぼ統一してある様で、拝借して来ればノーマルのライフルを背負わせる事も出来ますよ。微妙にキツいのでオススメはしませんが。



 太刀「虎鉄丸」は、左右の腰に2本装備。メッキパーツの刀身・鍔・柄・頭(かしら:グリップエンド)の4パーツ構成で、刃先をシャープに再現してあるため、取り扱いに注意する様に指示してあります。手の平の突起に対応したスリットは設けず、柄のモールドの再現を優先。2本にディテール等の違いは有りません。



 は、左右を貼り合わせておいて、筒状に成形された口と鞘尻をハメ込みます。太刀は実際に収納可能。腰に装着する場合は、3面をコの字形に囲ったホルダーに通して、サイドスカートの上に引っ掛けます。柄がポージングの邪魔になる場合は、サイドスカートごとヒネってやると良いでしょう。



 薙刀「閃光丸」は、刃と石突(柄の端の金具)にメッキパーツを使用。刃が金色というのは珍しいんじゃないでしょうか。長さは真武者玩駄無の「電光丸」よりずいぶん短く、コンパクト。両手で持たせると物足りない気もしますが、背負ったまましゃがんでも邪魔にならず、片手で持たせても様になるので、サイズに合ったポーズを試してみると良いでしょう。柄にスリット等は無く、可動指の握力だけで持たせます。背負わせる時には石突を一旦取り外し、リング状のホルダーに通します。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 この他、バックパック上のサーベルラックには、ビームサーベルを装備しています。ビ−ム刃は付属しませんが、取り付け穴を利用したジョイントはMG Ver.2.0と共通パーツなので、他キットから拝借して来る事は可能です。グリップのデザインは日本刀の柄の様に、柄巻(つかまき)の表現の入った新規の物。スリットが設けてあり、手の平の突起に接続して持たせます。

 組立時間は4時間10分でした。真武者頑駄無では通常成形の金色パーツでしたが、今回はメッキが多用され、より豪華に見えますね。この辺はBB戦士の武者ガンダムで使われなかったメッキパーツが、ムシャガンダムMk−Uで採用された事へのオマージュだったりするのかも知れません。目新しい要素としては、黒Mk−Uベースでキット化されたのは今回が初めてとの事。BB戦士や1/144で発売された時には白Mk−Uベースでしたが、黒一色ならではの統一感が、実にカッコイイですね。

 さて、そろそろリアル頭身で中国風の甲冑も見てみたい気がしますね。三国伝の勢いなら、そのうちMG化される可能性も有るんじゃないかな?なんて思うんですが、どうでしょう。


 おまけ

 今回のキットの元となった、BB戦士の方のムシャガンダムMk−Uも紹介しておきましょう。漢字で表記する場合は「武者頑駄無摩亜屈」となります。



 頭部は、前後貼り合わせの本体に、上から兜を被せる構成。頭頂部の穴にピンで接続、ピンにはスプリングギミックに対応したクビレが有ります。このキットの頭部にスプリングギミックは有りませんが、武者ガンダムの兜と規格を統一してあり、そちらのキットで遊ぶ事が出来ます。顔を押すと兜が飛び上がって脱げる、例のギミックですね。兜を脱いだ状態は軽装タイプと呼ばれ、後のシリーズにもこの規格を引き継いでいる物が有ります。スプリングの無いキット同士で兜を交換(手足頭も含めた組み替え遊びの一環でしょうか)するのも面白そうですが、やはりスプリングギミックを内蔵したキットを一つ持っておくと、遊びがグンと楽しくなると思います。ふと思ったんですが、歴史ブームの今、ガンダムフェイスの代わりに(略)



武者ガンダムと、兜を交換した状態。頭のサイズも統一してあり、ピッタリとフィットします。武者ガンダムには兜の発射ギミックが有り、顔がスイッチになっています。セットする時はアゴを引き、発射する時には目の辺りを押し込む(またはアゴを持ち上げる)のがコツです。



 ボディは、手・足・首のポリキャップをハサミ込み、前後2パーツを貼り合わせ。ダクトやフンドシ前部が別パーツ化され、武者ガンダムよりも凝ったパーツ構成になっています。肩アーマーは2パーツの組み合わせで、上腕の穴を前後から丸い突起でハサミ込んで接続してあります。武者ガンダムとは、手・足・頭だけでなく肩アーマーも交換可能です。
後の500円サイズの物(シリーズNo.98・青龍頑駄無)とも体各部の交換を試してみましたが、体格やポリキャップは別物で交換不可。兜のみ交換可能でした。さらに後のキット(シリーズNo.145・武者ローズ)では、兜のピンの規格も変更され、板状の角ピンになっていました。



 武装は、弾丸が発射可能な銃、鞘に収納可能な刀2本、薙刀が付属。軽装モード時に外した武器・兜・肩アーマー・バックパックは、パートナーであるイーグルに装着し、武者イーグルにする事が可能です。この時イーグルから外した羽根は、軽装Mk−Uの肩に取り付け、装飾となります。



 イーグルとのコンビネーション、そして軽装モードへの換装は、MG武者ガンダムMk−Uには無いプレイバリューですね。もっとも、手足が寸詰まりでないMGの体形では、兜と肩アーマーを外した程度では、あまり軽装に見えないかも知れませんけども。

 実はBB戦士の武者ガンダムを組んで以来、弾丸発射ギミックの魅力にハマってしまったみたいで、初期のBB戦士やドラグナーシリーズを、少しずつ買い集めています。何を狙って撃つ訳でもないんですけど、中に仕掛けがある物って、作っててワクワクしますね。

 1989年4月発売 初出税別価格300円

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