健さんの
プラモコラム

その143
 
HGフライングアーマーの巻

( HG 1/144 ガンダムMk−2+フライングアーマー/
バンダイ/
RX−178 ガンダムMk−2+フライングアーマー
「機動戦士Zガンダム」に登場)



 ついに公開された劇場版ガンダム「星を継ぐ者」、初日に見てきましたよ。ファーストガンダム3部作は、可能な限り多くのエピソードを収録した感じの編集でしたが、今回は削ぎ落とせるだけ削ぎ落として、どんどん話が進んでいく楽しさを追求した感じでしたね。もちろん加筆・変更の要素も見逃せませんが、スピード感がある分グイグイ引き込まれる展開は実に心地よく、そのままクライマックスの高速空中戦、第2部予告へとなだれ込み、「早く続きが見たい!」状態にされてしまいます。(腹八分目に抑えた絶妙の上映時間の効果!)2度見てしまった人も多いのではないでしょうか?



 新作カットのあまりの美しさに、「完全新作画にして欲しかったなぁ」なんて思う訳なんですが、その一方でエヴァンゲリオンの最終回なんかを思い出したりして。「旧作画だろうとマーカーで走り描きした絵だろうと、カミーユを表す記号があって、飛田展男氏が声を当てていればカミーユなんです」というカントクの声が聞こえてきそうで(以下自粛)えー、前置きはこの位にして、絶妙のタイミングで発売された新作キットに目を通していきましょう。



 まずはMk−2本体から。基本的にはスーパーガンダムとして発売された物と同じですが、サーベルホルダー(兼スラスター)が後方に大きく可動する様、エネルギーケーブルがメッシュパイプに置き代わっています。そのため前後貼り合せ式のサーベルラックの、前半分だけ新規パーツとなりました。

左がスーパーガンダム付属のMk−2、右がフライングアーマーとセットのMk−2。フレーム部分の色が変更されているのは装備の負荷の違いで変色・・・したのではありません。

 それにしても、内部のハメ込みピンが、最初からメッシュパイプを通す予定が有ったかの様に配置されていますね(笑)。偶然なのか最初から予定が有ったのかは分かりませんが、低価格帯でライトユーザーも多いと思われるHGUCですから、単品発売(ティターンズ仕様)の時にメッシュパイプを採用しなかったのは、ある意味親切であり、妥当な処理だったと思います。



 それから、関節やフレーム部分の成形色が、スーパーガンダムの時よりも明るいグレーに変更されています。設定画の色には、今回の方が近い様に思いますが、どうしたんでしょうね。やはりHGミーティア付属のフリーダムガンダムの時にも思った事ですが、空気遠近法を採り入れてあるんでしょうか(笑)?



 武装は、標準装備であるビームライフル・シールド・ビームサーベルの他、バルカンポッドハイパーバズーカも付属。除外可能なランナー構成になっているのに、なかなか除外されません。一度くらい除外されないと、ユーザーとしても何だか心苦しいですよね。だからメガライダー出しましょう。ね!ね!

HGUCゼータガンダム(ウェーブライダー)を上に乗せてみました。サイズの違いに驚いてしまうと同時に、形を似せてある事が良く分かります。それにしても、事前にウェーブライダー形態の有効性を劇中で見せつけ、変形のメリットを印象付けておくというストーリーの構成は上手いですよね。

 続いてフライングアーマーです。ボディは上下面のパーツをさらに前後にも分割、ウイング機首も別パーツ化されていて、意外と細かく分けてある気がするんですが、それでも1つ1つのパーツのボリュームはスゴイですね。各パーツを組み合わせていくと、上下幅の薄いデザインながらも、ガッチリと組みあがっていきます。機体下面のホバーノズルは、上下パーツを貼り合せる前に、ボディパーツ内側に取り付けておきます。

ボディの薄さに注目!航空機っぽくて、実にカッコイイのです。

 上面には、Mk−2の腕や足と接する赤いパネルを貼り込み、手首カバーフットレストを取り付けます。前側の赤いパネルはMk−2の前腕にあるハードポイントでロックされるという設定ですが、ちゃんとHGUCのMk−2に合わせた位置にジョイントが設けられています。あくまでデザインを再現した物で、接続ピンは付いていませんが。

 シールド収納部のパネルも別パーツになっています。ここにはシールドののぞき窓にフィットする様な突起が設けてあり、シールドをしっかり固定する事が可能です。



 劇場版に関して、重要なネタバレではないと思うので紹介しておきますが・・・・(些細なネタバレもイヤだという人は読み飛ばして下さい)TV版よりもスピーディな展開の中で開発期間の違和感を感じさせないためか、フライングアーマーは連邦がすでに開発していたという設定に変更され、Mk−2専用機ではなくなっています。ジム2がフライングアーマーを使う事も有り得る訳ですね。





上面にシールドをセットした状態。上から、HGUCMk−2、HGUCジム、1/144ジム2のシールドです。

 のぞき窓が大きいので保持は出来ませんが、HGUCジムのシールドも収納スペースに置く事が出来ますよ。裏面にディテールが無くて寂しいですが、放送当時の1/144ジム2のシールドを使えば、上下がスリムなのでより自然に見えるかも知れません。

 ちなみにエンタテイメントバイブル・MS大図鑑グリプス戦争編によると、Mk−2強奪は0087年3月2日、ジャブロー攻撃は5月11日です。アムロがガンダムに乗ってから(0079年9月18日)Gアーマーが届くまで(11月上旬)よりも長い期間を置いて、フライングアーマーを受け取っているんですね。(意外とゆっくりペースのストーリー?)変形合体が無い分シンプルですが、敵機だったMk−2を調べた上で開発するハンデが有ります。開発期間が長いと見るか短いと見るか、ビミョーですね。

 機体下面のホバーノズルは、大気圏突入時の閉じた状態を再現。他に推進装置が見当たらない事から、大気圏突入中にスイスイ動いて戦っているシーンでは、Mk−2本体のスラスターを使っていた物と思われます。そう考えると、サーベルホルダーの可動は、けっこう重要みたいですね。

機体下面。黒い部分は、耐熱素材をイメージしてツヤ消し(梨地)成形されています。

 主翼後部にはフラップ(上下に動いて姿勢制御に使う部分)が付いていますが、ボディの後端も「ボディーフラップ」と解説されていますね。ここも上下に動くんでしょうか?折れ線が上面と下面で全く違う位置になっています。下向きにだけ動く物なのか、上に動かす時には引き出される様な複雑な動きをするのか、あまり詳しくないので分かりませんが。上下2枚の設定画で位置がズレているだけだろうと思いますが、MGで発売されるなら、何らかのアレンジが行われるかも。



 飾り台は、支柱の角度を5段階に調節可能。いちばん急な角度が、大気圏突入中の角度くらいでしょうか?いっぱいまで倒すと水平になります。大気圏内でサブフライトシステムとして使っている(上に立たせる)状態を再現する場合も、水平だけでなく、1段起こした角度も試してみると良いですよ。躍動感が高まる感じがしますし、左右非対称の難しいライディングポーズも、傾斜面に置けば自然に見えてくる気がします。取付け穴のフタパーツは、ベースの下に収納しておく事が可能です。



 Mk−2を伏せたポーズで乗せる場合は、ゲンコツを手首カバー内に入れ、グリップを握っているイメージでポーズを取らせてやります。キットでは穴開きゲンコツに合わせる都合で、グリップの両端だけ再現してあります。説明書の指示とは異なりますが、収納したシールドに左腕をセットするのもオススメです。腕の位置が高くなった分だけ上体が起き上がり、それだけ顔が上を向いてくれますから、戦っている緊張感が表現しやすくなりますよ。

背後から撃たれそうになったら、こんなポーズで応戦・・・しませんよね、やっぱり。

 組立時間は、フライングアーマーが20分、ガンダムMK−2が1時間でした。フライングアーマー単体ではEXモデル扱いになって3000円になってしまったかも?と思うんですが、Mk−2とセットにすれば2000円で発売できる、という事なのかなー。どうせMK−2は3機製作されていますから、ダブって困るという事もない訳で。(要塗装ですけど)あー、バンダイさん、今からでもEXガンダムトレーラーにガンダムを付けて、1800円くらいで再発売しませんか?ガンダムが難しかったら、G−3でもプロトタイプでも良いと思いますけど、どうでしょう?

フライングアーマーとGディフェンサーを同時に装備してみました。劇中には登場しませんけど、宇宙でなら不可能な組み合わせではない・・・ハズ?!

 おまけ

 年末公開予定の映画「男たちの大和」のロケセットとして、実物大の戦艦大和が作られたと聞いて、尾道市まで見学(見物でしょ?!)に行ってきました。場所は渡船で向島に渡ってすぐの所にある兼吉バス停(このバス停も映画「あした」のロケセットを移築した物)の右(西)にある丘の上から見下ろす事が出来ます。丘を登る道には急な所もありますが、数分で登れます。

兼吉の丘の上から見る大和セット。こちらは島で、川の様に見えるのが尾道水道、対岸が本土側(尾道市街)です。渡船は2005年現在、大人片道100円。頻繁に往復している便利な船です。

 ここに到着する前に、尾道を一望できる千光寺公園に登ってみたんですが、どこに大和があるのか分かりませんでした。でも、来てみて納得!あまりの巨大さに造船ドックのスペースいっぱいに作られているうえ、船首部分の周囲も歩ける様に足場を作ってあったため、スキマが無くて船の形(シルエット)が見えなかったんですね。



 後ろ半分を作っていないのは、ドックに収まらなくなるからの様ですね。決してソードインパルスに切断されたのではありません(笑)。途中で途切れた寸詰まりの艦体に機銃が密集する様子は、ウルトラセブンのアイアンロックスを見ている様な、不思議な眺めでもありました。・・・えー、変な感想ばかりでスミマセン。艦橋が見当たりませんが、後からCGで合成するのだろうと思います。

 大和のスペックや尾道の地形に詳しい訳ではないのですが、もし実物の大和が尾道に来ても、狭い水道を通れたかな?幅も水深も足りなかったかも知れないなぁ、なんて思ってしまいました。もしそうなら、この眺めは、魅力的であると同時に不思議な光景とも言えるかも知れません。

 映画「男たちの大和」は、ぜひ劇場に足を運んで見たいと思っていますが、見事に再現されたセットを見学出来た事で、公開がより一層待ち遠しくなりました。いつまで見れるか分かりませんし、都合のつく方は、ぜひセットを見学されてはどうでしょうか。

 (もし行かれる場合は、映画関係者や地元の方の迷惑にならない様に、くれぐれもご注意下さい。丘の付近は住宅地や畑になっていますので。)

2005.6.7 健 竹史

HGUC MK2+フライングアーマー
HG スーパーガンダム
HGUC ガンダムMK2 エクストラフィニッシュ
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HCM-Pro ガンダムMk-2Iコンプリートセット
EXTENDED MIA ガンダムMk-II(エゥーゴ)
1/200 スペースシャトル オービター

EXTENDED MIA Zガンダム
GFF Zガンダム
HGUC ゼータガンダム
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機動戦士ZガンダムDVD-BOX Part 1

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