健さんの
プラモコラム

その43 PGガンダムMK−2の巻

(1/60 PG ガンダムMK−2 / バンダイ/ RX−178 ガンダムMK−2
 「機動戦士Zガンダム」に登場)



 PGに手を出すのは、エヴァ以来です。なんだか年1回の恒例企画みたいになってますけど、初回限定のDVD付に、格安ワゴンセールが重なって、なんとか勇気が出たって感じですね。「週刊ワールドエアクラフト」が完結したら、PG積み立て貯金が出来るようになるといいなあ。なーんて思いながら、最初で最後となるか?!のPGレポートであります。(あ、でも今度は、戦車の週刊百科が欲しいッス)



 ではまず頭部から。発光ダイオード(LED)内蔵で、目と頭頂部のカメラが光ります。リアカメラは光りませんが、クリアーパーツが使用してあり、MGよりワンランク上の仕上がり。また、目はシステムインジェクションの2色成形で、目の周りは塗装しなくても黒、カメラ部はクリアーです。これはカラー再現というよりも、目以外の部分が光らないための配慮でしょう。

 は、配線が通っているので、分解不能。後ハメも不可です。ギミックが楽しめる分、不便ですが、最近発売されたMG用発光ユニットは頭部だけで解決出来てるらしいし、今後のPGでは、首が後ハメ可能になるかも知れませんね。(って言うかPG初代ガンダムで実現済み。電池は後頭部に内蔵。)後ハメの妨げになる位なら、カメラ用と、コクピット用の電池は、別々の方が親切でしょう。

 ボディは、ウエスト部分に球形コクピットを内蔵。取り出せないのが残念な、見事な出来です。外装のハッチの中にある、球形コクピット自体のハッチもスライド開閉して、文句無し。点灯ギミックをハデに演出するよう、内側のマルチスクリーンはメッキ仕上げです。江戸川乱歩ファンのボクとしては、「おお、鏡地獄だ!」なんて、乗りたくなってしまいます。それにしても、カラクリボールに似ています。発動したいよー。

 ボディはギミック的にも見どころ満載で、胸部ダクトは3枚のフィンが連動可動。ウエストや肩関節が動くと、シリンダーがチラリと見えます。肩の関節を引き出せば、上下、前後に可動範囲を拡大出来ます。MGザクF2型の肩関節も引き出し式ですが、あれの豪華版といった感じ。

 ボディ内部は、頭からランドセルにつながる配線の組立てが面白いですね。ビニールの付いたままのリード線を指示通りに配置し、「おかしいなあ、ビニールを剥かなきゃ電気が通らないのになあ」と、半信半疑のまま組み終えると、あら不思議。なんと締め付けのビスが、リード線のビニールをブチ抜けて、見事に線と金具を繋げるのでした。こんな事、他のキットでもやってるんですか?ボクは初めて見ました。

 は、ダイキャストの股関節軸パーツを採用。モモ側の関節はグリグリ可動ですが、ダイキャスト自体もスイング可動します。ウエストもヒネれるし、自由度は高いですね。スカート裏は別パーツで再現。各スカートの接続は、ボールジョイントです。

 は、モモや足首の中まで内部メカを再現。MGの時の内部デザインとは、全く違いますが、パーツ数等の制約から割り出して、各スケールごとに再現可能な範囲でのデザインとなっているんでしょう。PGサイズでは、パイピングにこだわれる程のスペースがあります。ヒザを曲げると、内部フレームが連動して、ヒザアーマーがスライドして関節を保護するギミックがナイス。「アーマーはフレームに接続されている」という設定が、完成後も楽しめます。

 スネは装甲が開くだけでなく、スラスターユニットを引き出す事が可能。スラスターのフィンは、胸のダクトと同様、3枚が連動して可動します。って言うか、元デザインでは、黒く塗りつぶされてる部分なので、フィンは追加ディテールですね。

 フクラハギ下の内部メカ部は、スプリング内蔵で、ショックアブソーバーの伸縮を再現。その左右には可動するアームが有るんですが、足首をハメ込む衝撃で、パーツが破損してしまいました。うーむ、さすが大型モデルは違うなあ。組立て工程14(スネメカの組立)では、L8パーツとL23、L26パーツを組み合わせず、組立行程19&46の、ショックアブソ−バーと足首の連結が済んでからにした方が無難でしょう。

 足裏は、前後別々に可動。土踏まずに軸があるキットは多いですが、今回はもう少し複雑な動きが可能です。しかも、ここにまで動シリンダーを仕込んであります。可動に有効な付き方とは言えませんが、素直に喜びましょう。(マトモな方向に仕込んだら、シリンダーが抜けるかも。それくらい良く動く足裏です)ソールパターン(足裏の凹凸)にまで色分けが施され、退屈させません。

 肩アーマーは、側面のスラスターの内部メカを再現。今時珍しいかも知れませんが、腕と肩アーマーの動きは独立してません。肩ブロックの上に、しっかり固定されたアーマー(というかスラスターユニット)です。推力を発生する装置は、グラグラしてちゃイケナイと思うので、内部再現モデルとしては妥当では?

 です。上腕や、手首基部にまでシリンダーを内蔵してます。ヒジは2重関節、しかもヒジの内側には、装甲の引き込み可動があり、見せ場となっています。前腕の装甲が開きますが、開閉ギミックが凝ってる割にはあまり大きく開かず、メンテよりも放熱目的みたいな印象ですね。(レイズナー?)あと、肩ブロックと上腕をつなぐ軸が短いので、抜け落ちないように注意して遊びましょう。



 手首は、指の全関節が可動。1本1本の指が、システムインジェクションで可動式に成形されているので、5本の指を手の平・手の甲パーツにサンドするだけで完成。関節強度も、MGドムの様な、関節ごとにハメ込む方式よりも頑丈です。保持力も割と強いんですが、何しろ武器の重さがスゴイので、武器の突起を手の平のスリットに差し込んで持たせます

 バックパックは背中に着脱可能で、電池ボックスになっています。スラスター(サーベルラック)はボールジョイントで可動。メインのバーニアは、1基ずつが自由可動する上に、2基ずつのユニットごと、引き出す事が可能になっています。電飾のスイッチは、MGでは謎の(Gディフェンサー合体用)ポリキャップが仕込んであった部分のフタを外した部分に隠してあります。奥まって指が入りづらくて不満。ついでにGディフェンサーは発売しないのか?と、ますます不満。(値段よりも、重さ的にムリでしょ。)

 ところで、バックパックを背中に接続する時は、注意して真っすぐに差し込みましょう。ボクは、イーカゲンに差し込んで電飾の金具を歪めてしまいました。すると、接続部の金具は、スイッチの所まで一体になっているため、中の金具位置まで歪む事になり、ツマミをオフにしても、スイッチが切れなくなってしまいました。つまり、点灯しっぱなしですね。(直しましたケド)

 この辺は、プラモだから良いようなものの、家電だったら危険ですね。危険の無いように壊れるというのも、安全対策です。自動車なんかは、衝突実験をして、うまく壊れる構造を研究してますよね。だから、折れやすい接続部の金具はスイッチ金具と一体にしないのが良いかも。あるいは、「ツマミで金具を押してオンにする」のではなく、「接している金具と金具の間にツマミを押し込んで、絶縁してオフにする」なんて方法はどうでしょう?

 武装です。ビームライフルは、上面と側面のカバーが着脱可能。側面カバーは上面カバーでロックされ、分解手順が決まってるのが、それっぽくて良いですね。カートリッジも着脱可能で、予備マガジンが2個付属。フォアグリップにまでポリキャップが使われていて、グラグラしません。

 ハイパーバズーカは、筒状のパーツをスライド金型で成形。マガジンの中に、互い違いに配置された弾まで再現。マガジンは外して腰に取り付けられますが、弾がむき出しにならないよう、別パーツのカバーが付属。しかし、マガジンは1個しか無いので、予備を持って出撃してる状態は、再現出来ません。残念。グリップは、持ち角度を調整して背中に担ぎやすくするために、可動式になってますが、軸の保持力が弱いですね。



 そもそもバズーカの様な重量物のグリップが可動したら、軸にすごい力がかかって、破損するんじゃないかなー?なんて心配してたら、細い取付部を、本当に折ってしまいました。まあ、重量まで実感できるPGサイズならでは、ですね。(トホホ)肩に乗せて撃つなら良いんですが、保持力が無いという事は、脇に抱えて撃つポーズには不向きと言えるかも。

 シールドは、伸縮可能です。MGでは、ちょっとトリッキーなアイデアで再現してましたが、今回は本当に固定レールの上をスライドします。MGは「最長」と「最短」の状態しか再現出来ませんでしたが、段階的に「少しだけ縮める」状態も可能で、しかも、腕へのジョイント部分(リング部)をひねるとロックがかかります。裏には、MG同様、ライフルのマガジンを装備可能。例によって、のぞき窓が塞がれますけどね。(笑)腕の甲以外の面に付けたい場合のために、別パーツのアダプター(設定には無い)も付属します。

 バルカンポッドは、可動式の給弾ベルトが、指と同じシステムインジェクション製。頭部左右のラッチに固定します。ハメ込みが頑丈なので、外そうとすると頭の装甲がつられて開くのは、ご愛嬌。頑丈なのは良い事です。

 サーベルは、手に持たせるための突起が可動するので、「突き」の構えも可能です。サーベルラックに収納する時にも、この突起を使います。

 コクピットにはカミーユのフィギュアが座りますが、これとは別に、整備員が3体付属します。コクピットを覗き込むポーズのヤツだけ、ちょっと小さめなんですよね。コクポットが小さめなんで。中のカミーユは、もっと小さいんですけどね。コクピットが2重構成でキツめなのと、MSデザインがスリム化したためでしょうか?(元々、ウエストの細くなった部分に球体を仕込むってのは大変な事なんですが。)

 組立て時間は、14時間でした。左右の手足を同時進行で作ると、ランナーを探す手間だけでも相当な短縮になると思います。あとは、完成後に見えなくなるゲート跡は、ナイフで整えずに放置してます。丁寧に作れば、さらに数時間必要でしょうね。

 やはりPGは、懲りまくっていて楽しい物でした。まだの人も、ぜひ1つでもいいから、手に取ってみられると良いと思います。とにかくギミックがてんこ盛りで、重量感もズッシリ。プラの厚みも、この位のサイズだと、しっくりきます。「今日帰ったら、あの部分からだったな」なんて、1日中ニヤニヤしたりして。

 もっとも、大きいために思うようにいかない、もどかしい部分もありますが。ボディ内部などは特に、パーツの組み合わせが複雑です。パーツにパーツを重ね、それを別パーツでサンドしたら、微妙に合わないとか。頑丈なハメ込み部分は、その分キツめで、奥まで押し込むのが、結構大変です。毎回チェックして、所定の位置まで正しく押し込まないと、後でズレが出てくる訳ですね。気付いても、簡単には分解できないキツさだし。

 そこで、ボディ内部は、もっとビスを多用してくれないかな?と思うんですが。楽にハメて、ビスで締め上げる訳です。ゾイドの様に、パーツで他のパーツをロックするような方式も、何箇所か使われていますが、どんどん採用して欲しいですね。とにかく、ピンのキツさだけで保持してたら、力仕事になる上、分解が大変です。ボクの場合、コクピットの電飾が、暗くなってきたんですけど、分解が大変そうで、メンテナンスするのをためらってる有様です。



 あと、関節は十分頑丈なんですが、それ以上に重いので、時々コケます。展示は、軽めの装備が良いでしょう。ヒザは、もっと強力な方が良かったかも。立たせる時に、スネのショックアブソーバーをしっかり縮めておくと、グラつきにくいようです。(多分。)ボクは、スプリングが無いほうが安定して喜ばれるんじゃないかと思うんですが、どうでしょう?

 まあ、デンドロさえもモノにしたバンダイさんの事、回を重ねるごとに改善していくんじゃないですかね。いや、回を重ねるって言うか、クリア装甲対応のアンダーゲート方式になってるじゃないですか。え?ティターンズカラー発売?それより説明書に書いてある「VER.1.0」って何?!何回買えばいいんだぁー?!?!

 

2002.5.25 健 竹史


    特別企画
   PG脅威のメカニズム

 今回は、見どころ満載のキットにつき、さらに詳しく紹介します。
内部フレームや開閉ギミック、組立て中の状態などなど、じっくりご覧下さい!


 (その1)

 (その2)

 (その3)

 (その4)

HGUC MK2+フライングアーマー
HG スーパーガンダム
HGUC ガンダムMK2 エクストラフィニッシュ
HCM-Pro ガンダムMk-2(ティターンズ)
HCM-Pro ガンダムMk-2Iコンプリートセット
EXTENDED MIA ガンダムMk-II(エゥーゴ)

HGUC Zガンダム
MG Zガンダム
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EXTENDED MIA Zガンダム

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MG ΖガンダムVer2.0
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