健さんの
プラモコラム

其の弐百六拾
 MG 真武者玩駄無之巻

 MG 1/100 真武者玩駄無
 ゲームソフト「ガンダム無双」に登場
2008年6月発売 初出税別価格5000円



 6月某日。テーブルで真武者玩駄無を組み終わり、あれこれポーズをつけていると、そこにやって来たヨメさんが一言。
「もう、ウチはプラモがいっぱいなんだから、買うのはガンダムだけにして下さい!」
そこでボクは玩駄無の顔をヨメさんの方に見せて
「ところがギッチョン、実はこれガンダムなんだよ」(ニヤリ)
と言ってやったら
「ホンマじゃあ。こりゃ失礼しました。」
・・・あれ、あっさり引き下がってくれましたよ。これは良い事が判明しました。我が家ではガンダムだけは仕方なしにでも、購入を認めてもらえているのですね。タミヤさん、オプションパーツでもいいから兵隊のヘルメットにV字アンテナをつけてもらえませんか。恐竜も色や模様が不明ですから、箱絵の想像図をトリコロールにですねぇ・・・。(もうムチャクチャ)



 まあボクもヨメさんの韓流好きを認めてるんで、韓国風に言えばロボットは全てガンダムであると、広い心で認めて欲しいもんです。てな感じで、本題に参りましょう。

 頭部は、目と頭頂部カメラにクリアーパーツを使用。残念ながら、インパルスガンダムの様に後頭部カメラまではクリアーパーツになっていません。はクマドリとアゴのパーツにマスクを取付け、前後分割のヘルメットでハサミ込む構成。デザインはVer.Kaを元にしていますが、小顔になっています。シコロ(後頭部カバー)は3分割され、側面も後面もモールドがシャープ。吹返(顔左右のカールした部分)は別パーツ化されていて、正面から取り付けます。



 ボディは、ニ軸可動の肩関節軸を前後分割のフレ−ムでハサミ込む構成。肩関節軸・フレームともVer.OYWのパーツを流用してあります。ただし外装のディテールはVer.Ka準拠の新規パーツ。パイピングで隠れていますが、エリの横には段差が付いています。はダブルボールジョイントの新規パーツ。従来の首を使わず余らせているのは、Ver.OYWの表面ディテールが過密で、Ver.Ka準拠の部分とチグハグな印象になるのを避けるためでしょう。武者デザインに必要以上のメカっぽさは馴染まない気もしますし。

せっかくなので、ランナー構成を紹介しておきましょう。
 A 新規 多色成形 頭・盾・籠手等
 B 新規 金 パイピング等
 C 新規 赤 太刀・腰アーマー・ウエスト等
 D 新規 赤 クツ・スネ等
 E OYW フレームパーツ
 F 新規 グレー 武器・バーニア等
 G 新規 黒 クツ・スネ・足首カバー等
 H 新規 黒 胸・肩・腕等
 I 1.5 脚内部メカ
 J 1.5 可動フレーム
 K 新規 金 エリ・武器・家紋等
 L 新規 白 モモ・腕・フック等
 M 新規 黒 ヒンジ・関節・武器ホルダー等
 N 新規 メッキ 武器
 O 新規 茶 武器
 PC−126プラス



 胸部ダクトは、フィンが一体で成形されたタイプ。コクピット(?)は、ポリキャップを介して取付けますが、開閉ギミックは無し。内部も再現されていませんが、阿夢呂丸(あむろまる)が操縦しているという昔の設定は、今も引き継がれているのかな・・・?コクピットの外装は金のパーツをベースに、黒のパーツと家紋(?)を正面から取り付ける構成になっています。



 ウエストは、腹巻の上下でボール可動。フレームパーツはVer.OYWの物ですが、腹巻は、よりスリムなデザインに変更。脇腹に妙な突起が付いていますが、これは、内側に従来のフレームパーツに合わせたハメ込み穴を設けた結果です。上級者は、ここを削って本来のデザインにしてやっても良いかも知れません。

 です。フロントスカート(前草摺)は、4列のアーマーをヒンジパーツで連結した構成。上端はボールジョイントで左右別々に可動します。サイドスカート(射向の草摺・馬手の草摺)は、家紋を別パーツ化。腰フレームへの接続はポリキャップによるニ軸可動で、表面のスリットには太刀をマウントする事が出来ます。



 リアスカート(引敷の草摺)は、フロントスカートと違って継ぎ目での分割成形は無し。そのためヒンジは有りませんが、代わりに裏面には連結構造のモールドが別パーツで再現されています。フンドシ後部のスカートは固定ですが、左右のスカートはボールジョイントで可動します。

 腰フレームはVer.OYWの物ですが、股関節軸は新規パーツ。前後スイングのギミックを引き継ぎつつ、股関節位置を数ミリ下げた物となっています。Ver.Kaのデザインをベースとしながらも、上半身のボリュームが増した分に合わせて、プロポーションに手を加えてあるのでしょうね。従来キットの流用であるため、飾り台取付穴は用意されていません。



股関節が前方にスイングするので、力尽きヒザをつくポーズも自然に再現可能!

 は、Ver.1.5で採用されVer.OYWにも引き継がれた、システムインジェクションの可動フレームを内蔵。これによって脚の長さは元キットと同じになるハズなんですが、今回はフレームの下端、つまり足首のボールジョイントに新規パーツを被せて、スネの長さを延長してあります。被せたパーツを固定するのに最適の位置に肉抜きが有るのは、当初から拡張性を考えての事だったのかな?バンダイ恐るべし!延長された分だけ、足首のシリンダーは見えにくい位置に引っ込んでしまいましたが、スネの中でしっかり可動しています。

 可動フレームは、スネ後部の外装取付部の空洞を成形するための余剰パーツが、各部シリンダーを引き抜く補助パーツ(工具)になります。ヒザは二重関節で、完成後のスキマからシリンダーの動きがチラリと見えます。和テイストのキャラだけに、正座が出来る可動範囲の広さはシチュエーションが広がって嬉しいですね。



ヒザが二重関節になっているので、敗れて打ち首になるシーンも再現可能!

 の可動フレームを覆うモモ・ヒザ・スネの内部メカパーツは、Ver.1.5やVer.OYWと共通の物。外装は完全に新規パーツで、モモはシンプルな前後分割となり、後ろが開いて内部メカが見れるギミックは廃止されています。スネは、前面下端など、本来の外装に鎧パーツを重ねる部分も有りますが、フクラハギ左右などは内部フレームに直接鎧パーツを取り付けてあります。フクラハギ内側は、Ver.Kaのスラスターが露出したデザイン。フクラハギ後部下にはスラスターらしきスキマが有り、ここはVer.KaよりもVer.OYWに近いですね。



 足首アーマーは、カカト上にボールジョイントで接続したジョイントパーツに接続。このジョイントはVer.OYWと共通で、武者の増加装甲も、Ver.OYWに準じて分割された、ガンダム本来の足首アーマー上にマウントされています。(ハメ込み用のミゾが有るので、着脱を楽しむには適していません。)

 足首は、土踏まず中央にVer.OYWのスラスターパーツが使われ、ツマ先が上に動くギミックも引き継いでいます。外装は新規パーツ。Ver.Kaのデザイン・足裏パターンに合わせながらも、ツマ先側を延長して大型化してあるのは、ボリュームアップした足首アーマーとの釣り合いを考えての事でしょう。ゲームには詳しくないんですが、ここまで2つのキットの特徴がミックスされていると、Ver.OYWとVer.Kaが友情エネルギーで合体して武者になるとか、そんな設定でも良い気がしてきますね。どおりで身長も伸びてる訳ですよ(笑)。



左から、MGガンダムVer.OYW、MG真武者玩駄無、MGガンダムVer.Ka。身長、頭身、引き締まったウエストに注目です。

 肩アーマーは、上面裏パーツと、肩関節軸に通す縦壁のパーツをVer.OYWから流用。外装はVer.Kaのデザインに準じた新規パーツです。これを流用すれば、Ver.OYW並に肩アーマーをハネ上げられるVer.Kaが作れるのかな?と思ったら、アーマー取付部の軸径が、Ver.OYWとVer.Kaでは違ってるんですね。サイズも僅かに大きくなっている様です。武者の増加アーマーは、肩アーマーを前後からハサミ込み。側面は別パーツ化され、シールドの取付基部になっています。



 です。肩ブロックはVer.OYWからの流用。PGガンダムの様に分割された側面パーツは、ディテールを抑えた新規パーツです。腕フレームは、筒状の上腕と前腕を二重関節のヒジでハサミ込んだABS製の物。これもVer.OYWからの流用です。上腕は外装を左右分割。前後に開きそうなパネルラインだけ残して細部ディテールは廃止してあります。ヒジやヒザの丸パーツは、キツさによっては軽く接着しておいた方が安心かも知れません。

 前腕は、外装をヒジ付近・中央・手首付近の3つに分けて、筒状に成形。篭手(腕アーマー)は、先端が若干可動します。腕の完成後に取付可能で、手首の自由度を損ねないためか、引き出しが可能。張り手ポーズでも干渉しません。



 手首は、Ver.OYWと同一の物。3本指を切り離せば全ての指がボール可動するタイプで、手首関節はスイング可能です。

 肩の盾(肩鎧:シールド)は、上・中・下の3パーツを、裏面パーツでつないであります。ハメ込みの突起が貫通して裏面パーツのモールドが欠けるくらいなら、いっそ裏面パーツを厚くすれば良かったんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。肩アーマーとは3パーツを組み合わせたアームで接続してあり、浮かせたり反らせたりといった位置調整が可能です。



 ランドセルは、内部フレームと外装の二重構造。ノズルが4基付いている点はVer.Kaに似ていますが、ノズルの造形や大きさはVer.OYWに近いです。本体はシンプルな箱形でディテールも抑え気味。2つ並んだマイナスモールドの斜めのラインの向きが、Ver.OYW・Ver.Ka・真武者で全て違っているのが面白いですね。あそこをヒネる事で、仮面ライダーの様なモードチェンジをする予定でも有ったのでしょう。放送短縮によって出番が無くなってしまった事が、今更ですが惜しまれます(ウソ)。



 ランドセル中央には、Ver.OYWに有ったシールド取付穴がモールドとして引き継がれていますが、マウント機能は有りません。その下にはポリキャップ接続で槍用のホルダーを装備。左右のサーベルホルダーは薙刀と火砲のホルダーに置き換わっていますが、基部はボールジョイントで、普段のサーベルホルダーに近い印象を与えます。



 武装です。太刀「日輪丸」は、刃の部分にメッキパーツを使用、に納める事が可能です。鞘は2パーツ貼り合わせの本体を、両端にハメたパーツで押さえてあります。サイドスカートへはアダプターに通してからマウント。グリップのディテールを損なわない様、手首に接続するミゾは付けてありません。



 槍「散光丸」は、三つ又の刃にメッキパーツを使用。は丸棒ですが、問題なく構える事が出来ます。背負わせる時は、下端の金具を一旦外し、ホルダーの丸穴に通します。斜めや横向きに背負わせてもカッコイイですよ。



 薙刀「電光丸」は、色違いの部分でを3分割。茶色の部分は六角形で、持つ位置を自由に調節出来る様に、長いミゾが彫って有ります。もちろん肉抜きも兼ねている訳ですが。やはり刃にはメッキパーツを使用。ランドセル左側のホルダーにマウント可能です。



 火砲「種子島」は、本体左右・上面2パーツ・巣口(銃口)・センサーといったパーツ構成。センサー火鋏の意匠を取り入れてあり、後部のケーブル火縄ですよね。本物の火縄銃では、引き金を引くと火鋏が倒れてきて火薬に着火、発砲する仕組みになっています。ケーブルは造形的に少し歪んでいますが、作り直したいという人はメッシュ模様の入った素材を使うと一層風情がますでせう(多分)。



 手の平に接続するミゾは左右に有り、どちらの手でも構えられますが、グリップが太くて、ちょっと持たせにくいかも。ランドセル右側にマウント可能ですが、上下逆に取り付けて前に傾ければ、ザクキャノンのライバルっぽくなりますよ(笑)。



 組立時間は3時間15分でした。適度にメカっぽい装飾が面白く、色分けも細かいので見ていて楽しいですね。武器を余らせずフル装備で飾れるのもナイスです。ゲームとの兼ね合いも有るのでしょうが、それでも、なぜ子供の日に間に合う様に発売しなかったのか、そこが惜しいですね。まあ、来年の子供の日には、金の部分がメッキ処理された豪華版が発売されてるのかも知れませんが。(アンテナだけはアンダーゲートになってましたが、果たして・・・?!)

 と言いながらも、Ver.2.0直前のタイミングを狙ったという意味ではタイムリーだとも言えます。Ver.1.5とVer.OYWのフレームパーツとVer.Kaのデザインをまとめて投入し、過去のMGガンダムの歴史を振り返っておいてから2.0の発売につなげる意図でしょう。



 もう一つ。昔発売された1/144武者ガンダムでは、システムインジェクションを使った可動フレーム「MSジョイント」が採用されていました。今回Ver.1.5の脚フレームを流用したのは、その武者ガンダムへのオマージュなのでしょう。どうせなら2.0の発売を待って、より動く武者を・・という考え方も出来るでしょうけれど、過去の歴史があるからこそガンプラは面白い訳で。今後もアイデアと愛情次第で、過去の金型がどんなマウンテンサイクルに化けるか化けないか、ちょっと楽しみなのであります。


 おまけ




 この機会に、BB戦士のムシャガンダムも、あわせて紹介しておきましょう。ボディは、ポリキャップやジョイントパーツをハサミ込んでの前後貼り合わせ。手足や頭は後ハメ可能となっています。武装は刀、薙刀、銃が付属。刀は鞘に収納可能、銃はスプリングで弾丸が発射可能となっています。火鋏と火皿の位置関係は、MG真武者の火砲「種子島」よりも、それっぽい配置になってたりします。(まあ、あちらはあくまでセンサーなんですけど。)



 スプリングアクションは頭部にも仕込んであり、顔面を押すことでカブトが飛び上がって脱げる仕組みになっています。スイッチを目立たなくする工夫なのでしょうが、顔面が弱点みたいで、そういう意味でも面白いですね。



 ガンダムは軽装タイプにも出来、その場合は、兜と肩鎧を脱がせて台座に飾る事が可能。武器も台座にセット出来ます。手足の可動はシンプルですが、ギミックは多彩で楽しい内容となっています。

 スプリングギミックの付いたキットに触れるのは何年ぶりでしょうか。久しぶりだからかも知れませんが、改めて組んでみると、単純ながらも楽しいものですね。プラモはオモチャっぽさを脱却してからディスプレイするホビーとしてめざましい進歩を遂げてきましたが、「作るオモチャ」としての意義も失わず残して欲しいですね。ゼンマイ、モーター等のギミックモデルも、時々無性に作りたくなる事が有るんですよね。古き良き時代の感覚を分かってくれてるシリーズとして、ケロロ軍曹シリーズあたりで、スプリングやゼンマイを組み込んだ展開をしてくれないかなぁ・・・と、ちょっと期待してるんですけど、どうでしょうか?

 1988年10月発売 初出税別価格300円

 2008.7.21 健 竹史

  

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