健さんの
プラモコラム

その342
 HGUC リゼル隊長機の巻

 HGUC 1/144
 RGZ−95C リゼル隊長機/バンダイ/
 「機動戦士ガンダムUC」に登場
2010年3月発売 税別初出価格2200円



 HGUCで一気に発売されたガンダムUCシリーズも、このリゼル隊長機でひと区切りといった感じでしょうか。思えばジェガン、ロト、リゼルと、バリエーションやら2機編成やら、どれも何らかの形で2個ずつ買ってますね。あ、ユニコーンもそうでした。こういった手法は00の頃から特に積極的になってきてますが、小説の連載当時から量産機を発売しやすくする狙いで、意識してバリエーション機の設定に取り組んで来たのかな?なんて思わずにはいられない、この数ヶ月でありました。多分、発売ペースの速さにも貢献してますよね。で、年末くらいからは、ギラズール祭りになるのかも。(個人的には「UCハードグラフ・アルバイト工専生・姫様救出セット」を強く希望!)では、ぼちぼち本題に参りましょうか。



 今回はHGUCリゼルのバリエーションキットという事で、変更の有った箇所を中心に紹介していきます。共通部分については「その330 HGUCリゼルの巻」を参照下さい。



 頭部です。パーツ構成は一般機と共通ですが、ゴーグルの成形色がクリアーオレンジからクリアーグリーンに変更になりました。センサーの性能がより高まっているのか、あるいは変更になった主武装に合ったセンサーに載せ替えてあるのか、どうなんでしょうね。ともかく目印のツノを付ける以外の識別方法として、なかなか面白いと思います。首から下のボディは、一般機と共通となっています。



 バックパックです。機首は、右側面にメガビームランチャー用のジョイントが増設された、新規パーツとなりました。全体のデザインは変更されておらず、白い色分け部やバーニアには、一般機のパーツがそのまま使われています。



 メガビームランチャー用のジョイントパーツはABS製で、機首の組立時にハサミ込み。WR(ウェ−ブライダー)時で言う上方向にスイング可能で、肩に担いだ時に左右の角度調整(外側にのみ可動)を、ここで行う様になっています。



 左右のスラスターユニットは、完全に新規パーツとなりました。上下から可変翼をハサミ込んだスリムなユニットで、小型のフライングアーマーといった感じです。もっと機首に密着していたら、逆さになって大気圏突入も出来てしまいそう?ノズルはバーニアではなくフィン方式のデザイン。こことインテイクは、別パーツをハメ込んで色分けしてあります。



リゼル一般機(左)との比較。

 可変翼は、30度程度可動します。あまり閉じたポジションにはならず、常に使用状態といった感じですね。ロボットアニメばかり見てきたもので、可変翼と言えば「ロボットモードで折り畳むため」みたいなイメージを勝手に持ってたんですが(笑)、航空機として見ればこれ以上折り畳む必要は無さそうですし。根元には、翼を可変させるメカニックのモールドが有り、翼幅を広げた時にチラリと露出します。軸受けにはABSパーツを仕込んであり、保持力も問題ありません。



リゼル一般機(左)との比較。

 スラスターユニット上部には、サブフライトシステムとして運用するための、引き出し式のグリップが付いています。一般機ではユニット本体を組んだ後で、押さえパーツで表面から組み付ける仕組みでしたが、今回はユニット組立時にハサミ込み。MS時で比較するとグリップ位置が下がった様に見えますが、引き出し角度が異なる事もあって、WR時には、ほぼ同じ配置となっています。



「ちょっとくすぐったいぞ。」「ちょっとくすぐったいぞ。」(違)左から、HGUCリゼル一般機、HGUCリゼル隊長機、HGUCジェガン。隊長機のグリップの位置が低めになっているのが分かるでしょうか?

 スラスターユニットが別物になった事で、バックパックを支えるフレームも新規パーツとなりました。完成後はほとんど見えなくなりますが、形状には統一感を持たせてあります。従来のフレームパーツは除外されず、余りパーツとなっています。



 武装です。メガビームランチャーは、左右貼り合わせの本体に保持アームと可動式グリップをハサミ込み、側面のセンサーと砲口を取り付ける組み立て。上部センサーやエネルギーケーブルは別パーツ化してあっても良かったと思いますが、同時に、変形の最中にパーツが外れないのは嬉しいポイントかも知れません。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 保持アームは二重関節で折れ曲がり、メガビームランチャーと機首右側面を連結しています。関節部はハサミ込み式で、ほぼ全てのパーツにABSを採用。MS時には丁度胸板の上に密着する配置になり、これではせっかくの胸センサーが(略)



 グリップは折り畳み式で、銃身内に収納可能。でも持たせる時には人差し指が干渉するため、あまり前に角度を振ることが出来ません。そこで、手首関節に角度を付けた新規の武器持ち手が付属しているんですが、あまりにも急角度でボール軸が今にも抜けそうな・・・あ、抜けちゃった。印象もちょっと窮屈な感じですね。ゲンコツでグリップが握れないかと試しましたが、こちらはビームサーベルの径に合わせてあるため、フィットしませんでした。残念。



 ちなみに、武器持ち手の新規パーツは手の平のみ。甲と指は従来パーツを使用します。新規ランナーに含まれる手の平は濃いグレー、従来ランナーに含まれる指パーツは薄いグレーのため、手の途中から色が違ってしまっています。普段塗装しない人も、ここだけは近いグレーで塗ってみてはどうでしょうか。



 ビームサーベルは2本付属。クリアーピンクのビーム刃は、専用ランナーの物が2本付属します。ゴーグルの成形色が変更になったため、同じランナー内にある従来のビーム刃も色が変わってしまい、余りパーツになっています。が、クリアーグリーンのビーム刃は貴重ですよね。これは大事に取っておいて、変わった色の刃にしたい時に使ってみると良いでしょう。ハッキリ言って、ボーナスパーツですよ。



 シ−ルドは、一般機と同じ物を装備。ビームライフルは除外され、今回は付属していません。



ビーム刃は、シールド先端のビームキャノンにも取付可能。上の写真では、余りパーツとして付属するクリアーグリーンのビーム刃を使用しています。クリアーピンクの刃より、若干短めになっています。

 WRモードへの変形は、一般機と同様です。背部スラスターユニットがウイングタイプになり、ずいぶん印象が変わりましたけれど。メガビームランチャーは保持アームを折り畳んで、機体に引き寄せた配置となります。



 一般機では、ビームライフルが接地する事で駐機状態を水平に保っていましたが、今回はビームライフルが無いため、前傾した状態になってしまいます。それはそれで、前傾する事を考慮したかの様なヒザアーマーの配置に感心してしまうんですけども。本当にこの状態で駐機してるのかも知れませんね。



 WRモードはサブフライトシステムとして運用可能。キットでも他のMSにグリップを持たせる事が可能です。乗るというより、掴まるという感じですね。グリップは角形なので、ポジションによっては貼り合わせ式のゲンコツが開いてしまいます。脱落・紛失に注意しましょう。



 参考までに、こちらは一般機。ジェガンとの比率も設定画が描かれていて、およそこんな感じでしたね。アクションベースの支柱は、2セット分使っています。



 バックパックを外して、リゼル本人を乗せてみました。やってる事はジャスティスガンダムと同じですね。シールドは、背中フレームの裏のクボミに、なんとなくフィットしてしまいました。(ちょっとキツめなのでオススメしませんが。)後端は股間の突起に引っ掛けて保持しています。(バーニアの噴射が熱いのでオススメしませんが。)



 WRモードの上下のクチバシで、ロトをハサミ込んで合体してみました。名付けて「ロトブースター」であります。イメージソースはタイガーシャーク(笑)。機首とシールドは、ちょっと引き出して上下幅を増しています。

 ところで最近、1枚のランナーに複数のランナータグを用意して、成形範囲に合わせてタグを切り替えるケースが増えてきましたね。初めて見かけたのはPGや大物のMGだったと思いますが、だんだんHGUCにも広がって来ました。このリゼルでは、Dランナーがその方式になっています。2つずつ必要なパーツを収めたD1ランナー、それに一般機で1つずつ必要なパーツを追加したD2ランナー、隊長機で1つずつ必要なパーツを追加したD3ランナーといった具合です。

 タグと言えば、パッケージの表記が「隊長機」なのに、追加ランナーが「リゼルC型」となっているのが、ちょっぴり気になりますね。元々は熟練パイロット用の機体なので、隊長以外が乗った例もあるという事でしょうか。今後そんな機体を発売する可能性を意識したタグ表記なのかな・・・?!

 組立時間は1時間20分でした。一般機よりも微妙に早く組めましたが、これは二度目だからであって、実際の作業量は同等だろうと思います。外観からしてそうですけど、本体には手を加えず、背負う物の違いによるバリエーション展開、なんだかZガンダムのウェーブシューターみたいですね。そもそもリゼルはZ系の機体ですし、本当にオマージュだったりして?それぞれに付属する武器もライフルと大型ランチャーと、Zの武器を踏襲しています。一般機と両方揃えると、Zの系譜をより強く実感出来ると思いますよ。


 おまけ

 ウチではヨメさんとパソコンの奪い合いになる事が多いんですが、そんな待ち時間のために、小さなプラモを買い置きしておく様になりました。スナップキットではあっという間に組みあがってしまって「パソコンまだ空かないの〜?」なんて事になるので、接着剤が必要なキットの方がかえって好都合だったり。でも、いつでも中断出来る程々の難易度が良かったり。最近集中して作ってる「たまごひこーき」シリーズの中から、いくつか紹介したいと思います。



 まずはシリーズNo.12、F4Uコルセアです。左右貼り合わせのボディに主翼と水平尾翼を取り付ける組立は、リアルプロポーションの飛行機モデルと大差無いかも。エンジンはハサミ込み式で、プロペラは手で回せます。近年シリーズが復活した後に新金型のキットも加わっていますが、これは接着剤が必要で、おそらく昔も発売されていた物だと思います。プロペラ機は主翼が大きくて、同シリーズのジェット機よりもボリュームが有りますね。



写真のフィギュアは「ハセガワ1/72 ミグ23−S フロッガーB」付属の、あくまで仮に乗せてみた物です。
「ソビエト連邦に下ったか。その姿は忍びん・・・」(笑)

 コクピットは簡単な作りで、パイロットフィギュアは付属しません。が、他のプロペラ機を買っても室内のスペースが同じくらいだったので試してみると、他キットの1/72フィギュアがピッタリのサイズでした。ボディの太さは1/72よりずっと大きいので、実際に乗せて製作すると大型機みたいになりそうですけども。いかにもスケールモデルメーカーらしい発想と言いますか・・・でもフィギュアを流用しようにも、飛行機モデルにはパイロットが付属してないキットも多くて。そうだ!ゾイドの(略)



 続いてシリーズNo.14、F−16ファイティングファルコン「サンダーバーズ」。やはり接着剤が必要です。こちらはデフォルメ体形のパイロット(上半身のみ)が付属、今度こそパイロットも含めてノンスケールです。主翼端のミサイルパーツも付属しますが、サンダーバーズは救助た・・・いやアクロバットチームなので、この場合は取り付けません。前輪がかなり後ろ寄りに配置されているので前にコケやすく、やや不安定なモデルとなっているので、ボディ後部に重りを仕込むという、飛行機モデル製作の醍醐味を存分に楽しめます(笑)。



 このシリーズはランナー枚数に関わらず、基本的に同一価格となっています。数枚組の物もあれば、F−16の様に(キャノピーを除けば)1枚のみの物も有ったりします。F−16は割と小柄な機体だったと思うので、他と並べた時に、丁度良いイメージになるかも知れません。



 最後に限定商品のT−4「芦屋スペシャル」。デカールがふんだんに付属し、ちょっと高額になっています。ブルーインパルス仕様も発売されていて、こちらは限定ではありません。詳しくないんですが、新金型なのかスナップフィット方式です。透明キャノピーに接着剤を使わなくて良いというのは、ボクの様に作りなれない人には有り難いですね。脚まわりの造形も細かく、付いてるだけでも嬉しい脚カバーが、このキットでは開閉選択式。このシリーズはひこーき自体がキャラクターみたいな物なので、パイロットを乗せずに作るのも良いかなと思ってたんですが、出来の良いフィギュアを見ると、乗せないのはもったいないかな、と迷ってしまいます。



 少しずつ順調にラインナップも増えている様で嬉しい限りですが、楽しみにしているブラックバードがなかなか再販されません(泣)。また、前回発売時はスケール専門だったメーカーも、キャラクター物を手がける様になってずいぶん経ちますから、バルキリーやウルトラメカなんかも出してもらえると嬉しいですね。実在の飛行機では、B−2爆撃機とかナイトホークとか、直線主体のステルス機を「たまご化」して欲しいです。難しい注文かも知れませんが。

 何より、パッケージにかわいらしいイメージキャラクターを描いた事が大きなヒット要因だと思ってますんで、何らかの形で商品化を・・・まずは痛デカール付のキット辺りから検討して頂ければ。たまごひこーきに限らず、リアルモデルに彼女達のデカールを付けるのもアリだと思ってるんですけど、どうでしょうか。

ハセガワ「たまごひこーきシリーズ」紹介ページ

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