健さんの
プラモコラム


その228
 HG ガンダムキュリオスの巻

(HG 1/144 ガンダムキュリオス/
 GN−003 ガンダムキュリオス/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場)



 ガンダム00、早くもHGで主人公側ガンダムチームが勢ぞろいしそうな勢いですね。さて今回はキュリオスですが、ふと「変形するのに主人公機じゃないんだよなぁ」なんて思って記憶を辿ると、ガンダムW以降、主人公機は無変形MSなんですよね。Z、ZZの頃のイメージが強かったもので、これは意外でした。飛べる事が珍しくなくなってきたからでしょうかね。キュリオスに至っては、空中戦をしてるイメージよりも爆撃してるイメージの方が強いですし。

 今のロボットは主人公の愛機というより分身で、常に人の形をしてた方が感情移入しやすいのかな?なんて事を思いつつ、キットに目を通していきましょう。



今回もクリアーパーツの下に貼り込むシールが付属しますが、写真では使用していません。

 頭部は、目とアゴが色分けされたマスクを、左右分割のヘルメットで挟み込む構成。もっとも、赤の成形色が他に無いために、目とアゴはオレンジになってしまっていますが。トサカアンテナもハサミ込みで、変形時には可動します。後頭部はカメラの中心を避けてパーツを分割。うなじ部分も中心を避けていますが、パーツの厚みの都合からか、完全に端までズラせていないという、珍しい事になっています。耳のインテイクは、深いクボミにフィンを一枚しか彫り込めなかったFGに対して、HGでは浅い位置に複数のフィンを彫り込んであります。

 側頭部にはクリアーパーツを使用。今回も、先にシールを貼っておいてからハメ込みます。今回のガンダムは、顔以外の部分にも共通的な記号が使ってあって統一感が有りますね。は、ABS製の二重関節となっています。



 ボディは、前後貼り合せのフレーム胸部クリアーパーツをハメ込み、胸と背中の装甲を着せる構成。ワキ腹には赤の部分が有るんですが、ここはシールで色分けしています。



HGガンダムSEEDデスティニーシリーズの飾り台を使用しています。このキットに飾り台は付属していません。

 胸の両脇はボールジョイントによる可動式ですが、変形時のポジションを安定させる目的か、普段は胸本体に密着してガッチリ固定してあります。横に引き出せば、前にスイング出来る様になる他、ダクトユニットをヒネる様な動きも可能になります。ヒネった方が、スイングするよりも肩を大きく前に振れますよ。ウエストは、ポリキャップで左右スイング出来る様になっています。



右胸が下に傾いているのが分かるでしょうか?今回の肩スイング機構は、前に引き出すだけでなく、ヒネる事も可能となっています。

 です。フロントスカートは左右一体成形。切り離すとボールジョイントで独立可動出来るようになります。ここはスラスターっぽいので、いっそ軸可動の方が良いのかな?とも思いますが、それはポーズを付ける時に調整出来ますからね。

 リアスカートは、フンドシ後部と一体成形。スカートはオレンジですが、フンドシの色に合わせて白で成形してあります。フンドシの下端はスラスターになっています。ここの迫力を増すためか、フンドシは設定よりも幅広に造形してある様です。股関節軸は、HGエクシアと同様のボールジョイントでスイング可能。フンドシ下には、スライド金型で飾り台用の接続穴を開けてあります。



 です。モモは、ヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合せ。股関節軸受けはABS製で、変形時には、モモ上部まるごと取り外せる様になっています。ヒザは、ABS製の二重関節。スネのヒザ後部が大きく切り欠いてあり、モモとスネが密着するまで曲げる事が出来ます。(スカートに干渉するのでそこまで曲げる事は無いでしょうけどね。)

 スネは、ヒザ関節とウイングをハサミ込んでの左右貼り合せ。さらに外側に推進ユニットと垂直翼が付きます。推進ユニットは、フクラハギ外側をほとんど覆っているデザインですが、キットでは後ろ側が覆われず、ハミ出している造形になっています。ユニットを幅広にし、やや後ろ寄りに配置すれば覆えたかも知れませんが、それでカッコ良くなるかどうかは別の話。それから、メカデザイン原案(ホビージャパン2007年12月号に掲載)を見ると、キット同様にハミ出した状態で描かれていますね。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 スネの内側は、ゆるやかな丸みをつけた造形になっていますが、もっと直線的な方が設定のイメージに近かったでしょうか。スネ後部には謎のポリキャップが仕込んであり、謎のフタで隠してあるんですが、これはミサイルコンテナ付の豪華版の発売でも予定されてるんでしょうか?そうだと嬉しいんですが、モノが飛行機プラモだけに「ポリキャップですか?あれは重りです」なんて可能性も・・・(ないない)

 足首アーマーは、ABSの足首関節パーツを左右からハサミ込んでありますが、ここは関節というよりユニットに近い感じですね。関節パーツはスネとの間でヒネる事が出来、足首とはボールジョイントで接続してあります。アーマーは前後にスイング可能。このスイング機構で、飛行形態ではスネ推進ユニットと密着します。



 足首は、足の甲とクツが分離するという、面白い変形をします。足の甲は足首関節側に接続されていて、ポ−ズを動かしただけでクツから浮き上がる構造。つまり、もともと一体化していない別物で、しかも中はスカスカなんですね。変形時にはクツだけが折り畳まれ、土踏まずのノズルが足の甲とクツの間に露出します。足にノズルが仕込んであると言うより、ノズルの偏向板がクツの形をしている感じにも見えます。

 肩アーマーは、前後貼り合せの構成。ハネ上げる方向に可動しますが、面白いのは「胸→肩→肩アーマー」ではなく、「胸→肩アーマー→肩」という接続順になっている事。つまり胸と肩(腕)は直接つながっておらず、肩をハネ上げると腕も上にズレていきます。MS時には、肩アーマーの付け根ごとボール可動するので、ごく普通のポーズ付けが可能なので、構造を意識する事は無いでしょう。



上半身をMS形態、下半身を飛行形態にすると、こんな感じです。

 です。肩ブロックは、ABSの関節パーツを、ポリキャップ隠しの様に下から覆うワンパーツ構成。SEEDデスティニーの1/100キット等でみられた仕組みですね。筒状に成形されたヒジ関節パーツに合成ゴムのベルトを横からハメ込み、筒状の上腕に通す事でベルトを固定します。

 前腕は、ヒジをハサミ込んでの2パーツ貼り合せ。この時、上腕からヒジ内部につながるベルトもハサミ込む様に指示されていますが、ベルトと上腕の組み立てを後回しにして、前腕の塗装を済ませた後でベルトを差し込む事も可能です。手首関節にはポリキャップは使われず、プラパーツが直接軸受けになっています。ヒジ外側の丸モールドにはクリアーパーツを採用、前腕前側には、エクシア同様のハードポイントが有りますが、規格は統一されていません。



 手首は、左右の穴あきゲンコツと、右の平手が付属します。HGエクシアの左手を拝借すれば、人命救助シーンも再現可能?

 バックパックは、中央パーツをスライド金型でワンパーツ成形。機首テールスラスターは、どちらも中央パーツをハサミ込んで左右貼り合せとなっています。機首上面にはエリと同様の収納式アンテナが付いていますが、この付近だけは別パーツ化。アンテナが上手く斜めに引き込まれるのは、面白いと思いますよ。MS形態では、機首とテールスラスターは突起と穴で噛み合い、ロックしてあります。

 武装です。GNビームサブマシンガンは、左右貼り合わせの銃身に、銃口とグリップを取り付ける構成。センサー部は真ん中を避けてパーツを分割してあります。グリップは、飛行形態時には分離し、アダプターを介して前腕にマウントされるという設定。これまでのガンダム作品でも、変形時には体のどこかにビームライフルをマウントして使っていましたが、今回はグリップが外れる事で、前腕のハードポイントからもエネルギーが供給可能な事が、より明確に描けていると思います。マウント状態ではある程度角度調節(旋回)可能ですが、実機でもそうなんじゃないかと思います。これもグリップが外れてデザインの自由度が上がった事の恩恵と言えるかも知れません。



 GNビームサーベルは2本付属。リアスカート裏に装備されていますが取り出しにくく、ビーム刃も付属しません。そのため説明書には手に持った写真自体、掲載されていません。ビーム刃の取付け穴自体は開いているので、今後発売されるキットに、何らかの形で流用可能なビーム刃が付くんじゃないかと思います。



キットにはビーム刃は付属しませんが、HGアストレイの物を拝借可能となっています。

 GNシールドは、アダプターを介して前腕に接続。展開してクローとしても使えるギミックが面白いですね。クローは開閉するだけでなく途中にも関節が有り、さらに伸縮、回転、スイングも可能、パーツ差し替えでブレイドの打ち出しも再現してあり、このテの装備としては、かなり遊べると思います。各可動部にはABSが使われています。




 飾り台は付属しませんが、フンドシ下のフタパーツを外せば、別売りのアクションベースが使用可能です。説明書ではHG SEEDデスティニーシリーズの飾り台も使えると紹介してありますが、支柱に可動部が無くスリムな分、よりスッキリとディスプレイを楽しめますね。



 飛行形態への変形です。頭部は、前に寄せておいてから機首で覆います。トサカアンテナが機首上面に突き出る様に、うまく頭の位置を調節しましょう。テールスラスターは、リアスカートと噛み合うまで後ろに倒します。確実にボディを真っ直ぐにさせるアイデアですね。肩アーマーは、ジョイントパーツを引き出してから上に起こし、機首に密着させます。手首は取り外します。せっかくグリップの分離機構まで設定してあるのに残念ですが。実機では手首関節を内側に折り曲げている様に見えますね。



 は、ガニ股に開く様な変形をしますが、キットでは股関節軸受けを取り外し、HGムラサメと同様、変形後の状態にワンパーツ成形されたアダプターを介して脚を付け直します。アダプターはMS時のフンドシに被せる様な形で、股関節軸にも干渉しない様になっています。



 ヒザは上側の関節を曲げ、主翼を展開します。足首は90度ヒネって、足首カバーをスネ推進ユニットに密着させます。ツマ先を閉じたら、足首関節を押し込んでスネと一体化させてやりましょう。



 GNビームサブマシンガングリップを外し、アダプターを介して右前腕のハードポイントに接続。GNシールドは、MS時よりも外に反った配置で腕にマウントしますが、キットではアダプターを上下逆に付け直す事で解決しています。クローを少し開いて、主翼をハサミ込む様に取り付けます。肩後部のアーマー位置を調整し、機首上面のアンテナを引き出せば、変形終了です。



 組立時間は1時間10分でした。変形プロセスはZガンダムよりシンプルですが、ウイングガンダムエアマスターの様なポーズ変更っぽい物ともちょっと違う、なかなか面白い変形が楽しめると思います。肩や足首なんかは人間っぽさを意図的に廃している様にも感じられますし、MS形態では主翼や機首を隠そうともしてません。どこか飛行機がロボットに擬態してる様な印象で、なんとなくイージスガンダムに似た味わいを感じるのはボクだけでしょうか?



 股関節の差し替え変形は、ギミック追及派の人には少々物足りないかも知れませんが、飛行形態でのポジションがカッチリと決まり、安定して遊べるので、HGとしてはこれで良かったと思います。もちろんテールユニット(ミサイルコンテナ等)を保持出来るだけの強度を持たせるためだったら、一層嬉しいですけどね。


 おまけ

 FGガンダムキュリオスを、併せて紹介しておきましょう。頭部は、トサカアンテナがヘルメットと一体成形、V字アンテナのみ色分けしてあります。インテイクのフィンの造形がHGと異なります。



 ボディは前後貼り合せで、リアスカートまで一体で成形。胸両脇のユニットは、ダブルボールジョイントを使ってFGエクシアと同様に前後スイング。ダクトは成形方向の都合でHGとは異なった表現になっていますが、フィンが閉じた様にも見えて、コレはコレで有りなんじゃないかと思ったりします。

 腰は、フロントスカートを別パーツ化してあります。股関節はフンドシの下半分ごとスイング可能、別売りの飾り台にも対応しています。



 脚です。スネは左右貼り合わせで、推進ユニットも別パーツ化されていませんが、ユニットのスキマからチラリと見えるスネ本体まで作ってあります。側面の垂直翼は、ハメ込み面積を拡大して破損しにくくする目的なのか、周囲の面ごと別パーツ化。ここのスジ彫りが、なぜか折れ曲がっていないんですが、初期稿を参考にしたとか、何か事情が有るんでしょうか?主翼・尾翼とも厚みの造形が柔らかいラインで、HGよりも飛行機っぽい感じで良いと思います。



 足首アーマーは固定式。足首はワンパーツのため、足の甲とクツにスキマが有りません。これだけ買った人は、まさかHGにスキマが有るとは思わないかも知れませんね。足裏は空洞ですが、足裏パターンやノズルを模した補強だけでなく、部分的にモールドまで入っています。見せ場なんだか、見てはいけない所なのか、だんだん分からなくなってきましたね。



 肩アーマーは前後分割。下面のディテールはHGと異なっていて、ここも初期稿を参考にしたのかも?と思わせる所です。上腕はヒネれませんが、設定にはヒネリ用の分割ラインが描かれておらず、造形的にはより正確と言えるかも。前腕は、HGよりも細く締まった造形になっています。ヒジにはシールド取付用の穴が開けてありますが、アダプターの付き方はHGよりも設定に忠実です。



 バックパックは、上下のユニットがクチバシの様にくっついたままの状態で左右分割。頭部が納まるクボミは省略され、スッキリまとまっていて良いですね。

 武装は、GNビームサブマシンガンとGNシールドが付属。どちらもワンパーツ成形です。GNビームサブマシンガンは厚みが薄いため、中央部のシリンダーがツブれた円柱形になってしまっています。GNシールドは、薄さと無可動である事がプラスに働いて、HGよりもシャープな印象。裏面に肉抜きがあるのは残念ですが、表面のカッコ良さは侮れません。先端はHGよりもシャープで、ワンパーツであるため先の丸め方が小さく、その結果HGよりもサイズが僅かに大きいというオマケ付き。装備品の小ささが気になったコレクションキットとしては、初の快挙ではないですか?(笑)



 組立時間は20分でした。フロントスカートが固定式で、腰や足首の可動がシンプルなため、カッコイイ素立ちポーズがHGよりも楽に決まります。飛行形態で飾ったHGの横に、これを並べれば・・・なんて話はSEEDデスティニーの頃からしてますが、優れたフォーマットで作られたFGは、ますますそう思わせてくれますね。

2007.12.7 健 竹史


  

HG ガンダムキュリオス
HCM-Pro48 ガンダムキュリオス
FG ガンダムキュリオス

  

FG ガンダムヴァーチェ
HG ガンダムヴァーチェ
HCM-Pro49 ガンダムヴァーチェ

  

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MIA ガンダムデュナメス
MIA ガンダムヴァーチェ

  

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