健さんの
プラモコラム

その330
 HGUC リゼルの巻

 HGUC 1/144
 RGZ−95 リゼル/バンダイ/
 「機動戦士ガンダムUC」に登場
2010年1月発売 税別初出価格2000円



 劇場版Zが終わると可変MSの発売も一段落して、まだ発売されてないアレとかコレとかを待ち続ける日々が続いている訳ですが、ガンダムUCは可変MSがいっぱい出てきて楽しいですね。逆シャアの流れを汲んで無変形MSばかりになるのかと思っていたら、一度基本に帰ったMSの進化がまた始まったというか、2周目に突入したと言うか。F91までの歴史を空想する上でも、自由度が広がったんじゃないでしょうか。

 単に可変MSが登場するというだけでなく、リゼルもアンクシャも過去の可変MSをベースにしています。元になったメタスアッシマーを一過性の突然変異とするのではなく、後継機を出す事で開発史の流れの中に置き直している、その辺にまた愛を感じてしまうのです。しかも連邦の量産機。可変MSファンが、どの辺りに寂しさを感じているか、気持ちが通じてる感じで嬉しいですね。ではリファイン・ゼータガンダム・エスコート・リーダー、リゼルに目を通していきましょう。・・・リメルじゃないのね。(メタス涙・・・)



 頭部です。マスクは、うなじや首の軸受けまで一体化してあります。上からクリアー成形のゴーグルを被せ、左右からヘルメットでハサミ込み。オデコセンサーとチョンマゲは別パーツ化され、分割ラインが気になりません。ジム系のマスクとZか百式の様なヘルメットの組み合わせ、なかなか良い感じですね。

 ボディです。胸板を外したになる部分は、MS時とWR(ウェーブライダー)時で差し替える、各モード専用のパーツとなっています。MS用のボディは、フレームと背中を貼り合わせてからエリ・脇腹・腰骨を貼り付けていく構成。肩関節軸は先端がボールジョイントになった固定式の物で、怒り肩になるよう角度を付けて配置してあります。



 はダブルボールジョイント。今回のポリキャップはダブルオーシリーズ用に開発されたPC−001なんですが、ウエストの軸受けには、肩関節引出し用のポリパーツを、周囲を囲って動かない様に仕込んであります。

 WR用のボディは3パーツを重ねた物で、Zガンダムの様に折り畳んだ腕まで一体化してあります。色分けはされていませんが、ほとんど隠れる部分ですし、一体化されている方がポロポロとパーツが外れる事も有りませんから、スムーズに組み替え出来て良いと思います。



 胸板は、裏面パーツに胸板本体、腹部とコクピットを前から貼り付けていく組み立て。左右にポリキャップを仕込んであり、ボディにはピン2本で着脱します。裏面はディテール表現という程ではありませんが、各部のユニット構造を連想させる段差が付けてあります。WR時にはチラリと裏側が見えますから、簡単でもこういった表現が入っているのは嬉しいですね。

 です。ウエストはボールジョイントで上半身と接続、若干のヒネリが可能です。フンドシは、左右貼り合わせのフレームに前から外装を取り付け。さらにメタスっぽい突起をセットしてやります。メタスの突起はボディを保護してる感じでしたが、今回はWR時に吊り下げるライフルの後端をガードする配置となっています。



 股関節は、フンドシの下半分と一体成形され、着脱式となっています。最近よく見られるスイング式の構造に似ていますが、前後にスキが無く、可動はしません。WR時にはこのパーツは取り外し、代わりにアクションベースを差し込む事が可能です。

 フロントスカートは左右一体で可動。切り離すと左右独立してボール可動に出来ますが、ボールを囲う様な軸受けでないため、グラつく感じになってしまいました。ボールの間のスキマに、セロテープのカケラを丸めて詰めておくとガタつかなくなりますよ。粘着面が外側になる様に丸めると効果的でしょう。



 サイドスカートは、股関節ドラムの外側に、極小ボールジョイントで接続。変形時に着脱するので、ボールのハメ込みはユルめになっています。ポーズを変える度に、向きをこまめに調節してやると良いでしょう。

 リアスカートは、メタスを思わせる箱状のスラスターユニットになっています。外装はワンパーツ成形、フィンはフンドシと一体で成形し、色分けしてあります。



 です。股関節のドラムは3軸で可動。ドラム下の円柱にポリキャップが仕込んであり、モモ側からのピンを受け止めると同時に円柱の外周もモモにハマリ込む仕組みで、頑丈に接続してあります。

 モモの外装は左右貼り合わせ。内部フレームは股関節からヒザまで連続していて、外装を外しても自立します。MGの様な内部再現は有りませんが、自分で再現したくなった時には重宝しそうですね。



 ヒザは二重関節。は薄型ポリキャップをハメ込んでおいてからハサミ込む方式、はピンタイプで、スネへの後ハメが可能です。ポリキャップがダブルオーの物になると、パーツ構成もダブルオー式になってきますね。ヒザからスネに向かうケーブルは、関節パーツの後面に、カマボコ状に一体成形してあります。



 スネは、ヒザのポリキャップと足首関節パーツを仕込んでの左右貼り合わせ。正面は別パーツ化され、後ろはケーブルパーツをハサミ込んであるので、分割ラインが目立つ所は有りません。スラスターとヒザアーマーは別パーツ化されて色分けを再現。左右の脚でパーツを共通化、小さなスラスターはハメ込み突起の形で向きを区別しやすくなっています。

 スネ後部のケーブルは、ヒザ関節にモールドされた物と、スネに固定された物が、直立状態では連続した様に見える配置になっています。ところが、ヒザを曲げると上側のケーブルがスネの奥に押し込まれ、断線した様に見えてしまいます。なるべく二重関節の上側を曲げてやると、ケーブルの見映えを損なわないポージングが出来ると思います。しかし、これを見て思ったんですが、変形時にはケーブルの接続をカットするとか、別の経路に繋ぎ替えるなんてのもアリかも知れませんね。複雑化はトラブルの元ですが、分離合体する機体だってある訳ですし。



 足首関節は二重関節ではなく、ボールジョイント一箇所で可動。WR時に左右のポジションを揃えやすいので、妥当な判断だろうと思います。可動範囲は十分だと思いますし。

 足首は、左右貼り合わせのクルブシに下からカカトを被せ、可動式のツマ先を接続する構成。カカトパーツの一部が土踏まずまで伸びて、ツマ先可動用のポリキャップを下から隠しているのが面白いですね。ツマ先は、甲・本体・足裏を重ねる構成。ツマ先を伸ばした時に出来るスキマが気にならない様に、ヒザ等で見られる様な関節表現を採用してあり、WR時の外観も良好です。



 肩アーマーは、肩の球体をハサミ込んでの前後貼り合わせ。球体にスキマ無く密着していて良い感じです。スラスターは横から取り付け。コンパクトながらメタスのデザインを引き継いでいる様ですが、前面のセンサーはWR時には腕ごと折り畳まれ、機能しなくなるんですよね。メタスの場合で考えると、進行方向に固定されるMA時にこそ役立つ配置ではないかと思うんですが・・・まぁこの辺は「遺伝」という事で納得しましょう。

 です。肩の球体は、ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。筒状に成形された上腕の中で、ヒジ関節パーツに接続してあります。



 ヒジは、関節パーツにABSを採用。前腕フレームで左右からハサミ込んであります。前腕フレームは手首基部まで続いていて、色分けの再現に一役買っています。外装は前後貼り合わせ。Zガンダムに似たデザインで、内蔵武器はグレネードランチャーまたはビームサーベルを選択出来るカートリッジ式という設定です。

 ヒジ横の白いパーツは、関節の丸モールドにハメ込んで取り付け。関節カバーの接続方法としては面白く、実機も同様に前腕から独立していると解釈しても良いかも知れませんが、触ってるうちに外れやすいのが難点ですね。先に取り付けて、甲アーマーと噛み合う構成にする等してあれば、安定が良くなったかも知れません。



 手首は、左右ともリアルなゲンコツと、右の武器持ち手が付属します。武器持ち手の手の平には突起が有り、ライフルのグリップのスリットと接続します。

 バックパックは、機首と左右のスラスターユニットの3つで構成。アーム状のフレームパーツを介して背負わせます。変形時には取り外して組み替えるため、着脱用のポリキャップを内蔵しています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 機首は上下2パーツを貼り合わせ、白いパーツとスラスターカバーを取り付ける構成。変形はメタスの様ですが、デザインはシャープになり、横へ張り出した形状などはリガズィBWSのイメージを取り込んであるのでしょう。変形後の配置はαアジールにも似ていますね。バーニアはそれぞれ単独でパーツ化。上と下の物でハメ込み形状を変えてあり、見分けがつきやすくなっています。

 左右のスラスターユニットは、側面のグレーの部分を別パーツ化して色分け、上下からハサみ込んであります。表面と面一になっていますが、少し出っ張るとか、一段引っ込むとか、スジ彫りで囲むとかした方が、それっぽかったかも知れません。ユニットのデザインはリガズィのBWSに似せてありますね。



 バーニアは球体ボールジョイントで可動式。WR時の上面には折り畳み式のグリップを装備してあり、キットでも展開可能となっています。これはWRモードをサブフライトシステムとしても運用するための装備ですが、折り畳み時に密着させるため角ばったデザインになっていて、握らせるゲンコツにも、合う向き・合わない向きが有るようです。逆に言えば、丸グリップと違って、乗せたMSのポジションが安定しやすいメリットも有るでしょう。



 武装です。ビームライフルは、グリップをハサミ込んでの左右貼り合わせ。銃口はスライド金型で開孔し、別パーツにはなっていません。グリップは可動式で、畳むと代わりに、WR形態でマウントするためのジョイントがせり出してきます。Zガンダムのライフル同様、ロングビームサーベルとしても使えるという設定ですが、銃口が小さいため、残念ながらビーム刃を取り付ける事は出来ません。



シールド先端のビームキャノンには、付属のビーム刃がフィットするので、発射シーンの再現に使えますね。WRモードで取り付けてみても良いでしょう。

 ビームサーベルは2本付属。クリアーのビーム刃は多色成形ランナーに含まれていて、1本のみ付属します。前腕に収納される設定ですが、キットでは取り出しギミックは再現されていません。

 シールドは、ワンパーツ成形の本体に、左右の白いパーツと裏面、砲口パーツを取り付ける構成。アダプターは使わず、突起を直接前腕に差し込むため、装備した時のポジションは固定されています。ポリキャップもハサミ込んでありますが、これはWR時の接続に使います。



 シールドの先端には、ビームキャノンを装備しています。シールドのシルエットが直線的な事もあってギャプランを連想させますが、砲口が裏面に隠れているため、打突武器として使うにも都合が良さそうです。もっとも後端にはブレードを装備しており、こちらで殴るのが本来の使い方なのでしょう。

 マーキングシールは、ロンドベル隊や連邦軍のマークの他、組み合わせて使える数字も用意されています。008はリディ機、00は刹那機・・・あれ?詳細は原作を確認下さい。



MSモードのパーツ構成。頭部と腕部を含む上半身は、まるごとMS時専用パーツです。

 WRモードへの変形です。頭部をボディに引き込んで胸板をハネ上げ、股関節を横に広げて、手首を引っ込めた腕を前に折り畳む・・・この光景を想像しながら、とりあえず上半身をまるごと取り外します(笑)。WR用のボディに胸板と機首を移植、エリの上に機首が被さる様な配置になります。機体下面にシールドを固定すると、コクピット下の凹凸がシールド裏と噛み合います。開いたボディをシールドがロックする構成で、実機でも似たような方式で機体強度を保っているのかも知れませんね。



WR用のボディと、下半身固定用のジョイントパーツ。カカトの内股側からセットするので目立ちません。カーブした部分が股関節のドラムにフィット、その上のピンはスラスターユニットに接続します。

 は、フンドシの下半分ごとを取り外し、WR用ボディのウエストに接続。MS時よりもフンドシが短くなりますが、設定ではZガンダムのフンドシと同様、割れて脚を外側に移動させるので、辻褄は合っています。モモの有った場所が空洞になり、そこにが収まる配置はZと同じですね。



MAモードのパーツ構成。シールド後部のブレードはフロントスカートの形状にフィットし、フンドシ前部の突起の左右を囲っています。コクピットは、中で回転しなくてもパイロットシートが正面を向いていると思われ、乗り降りも簡単そうですね。

 は、ヒザを180度曲げてモモとスネを密着させ、ツマ先を伸ばします。クルブシ内側の丸穴とカカト形状に合わせてハメ込むジョイントパーツで、折り畳んだ脚の位置を固定。サイドスカートは、設定ではアームで移動する様ですが、キットではこのジョイントパーツ後部に差し直し、メタスのスネ後部アーマーに似た配置のフィンに変化します。



余りパーツを運搬し、現地でMSに組み替えて運用する事も可能(ウソ)。股関節パーツは背中のピンに差してあります。別に、バーニアの噴射で下半身が燃えてしまった訳じゃありませんよ。(笑)

 股関節はWR用ボディの側面に接続、被せたジョイントパーツの穴と2箇所で接続するので、正確なポジションに固定されます。バックパック左右のスラスターユニットは、モモに被せる様にして脚と一体化。シールド表面にビームライフルをマウントして、変形完了です。ランディングギアは有りませんが、スネ・フンドシの突起・ビームライフルの4点で安定して接地出来るデザインは見事。武器を失くした場合は、少し前傾してヒザアーマーで接地するんでしょうか。案外、ランディングギアとして使える可動式のヒザアーマーなのかも知れませんね。



ガウォークにするつもりが、スラングルっぽくなってしまいました。

 組立時間は1時間30分でした。HGUCゼータガンダムで導入された組み替え変形を採用し、なかなか良い出来に仕上がっていると思います。無理なく変形前後のプロポーションを両立させたゼータガンダムの実績と、メタスの変形を満足いく形で一度見せてもらってる事が、自然と今回の仕様につながった、という感じでしょうか。



 近々、隊長機が発売される事も決まっていて、ランナー各部には、それに対応した切り替えも設けてあります。あまり間を置かずに発売、というスケジュールが嬉しいですね。単品で飾るだけでなく、部隊編成を再現したいという要望を意識しての事でしょうか。ヤクトドーガの2色同時発売以降、こういう所に、特に気を配ってくれてる気がしますね。


 おまけ



 トランスフォーマームービーシリーズのスワーブを買ってみたので、簡単に紹介したいと思います。トイは先に発売されたサイドスワイプのリデコレーション(装飾替え)で、コルベットスティングレイのコンセプトモデルに変形します。



 車体後部が胸になる変形パターンのため、ビークルモードでは後ろ向きに走ってる事になりますね。ボンネットは左右に割れ、パタパタと折り畳んでコンパクト化、屋根は背中に背負っています。ドアの下半分は、ヒジ横の前輪を軸にしてハサミの様に可動し前に移動、斬撃用のブレードに変化します。足首は後輪が変化した物で、劇中では同形キャラのサイドスワイプがローラースケートの様に高速移動してました。ツマ先かカカトが接地する様に、上手く調整して立たせます。



 今回のメックアライブ(連動可動)は、脚に仕込んであります。ヒザを曲げるとモモの内側から装甲がせり出してきて、ヒザ関節をガード。MGガンプラで多用されるモモのスライド可動が、内側に仕込んである形ですね。モモにはスリットが設けてあり、中で装甲がスライド可動しているのが見える仕掛けになっています。

 もう一つは、ヒザ後部のシリンダー。ヒザを曲げると先端がモモに押し込まれ、伸縮している様に見えます。無可動ですが、スネのデザイン自体もサスペンションになっていて機能性を感じさせます。ロボットモードでの滑走時だけでなく、ビークルモードでも機能してそうですね。



 股関節は、腱の様な細いシャフト2本で腰とモモが繋がったデザイン。一体どうなっているんだろうと思ったら、この腱はゴム製で保持力は無く、クリアー成形のダブルボール関節が脚を支えていました。クリアーの部分は見なかった事にして・・・と言うか、本当に目立たず、結構それらしく見えてしまいます。面白いアイデアですね。



 てな感じで、今回もなかなか面白いギミックを見る事が出来ました。ちなみに、背中に畳んだボンネットをウイングの様に広げれば、アニメ一作目に登場していた、恐竜部隊ダイノボットのスワープの面影が感じられなくもない様な。体は赤いし、ブレードはプテラノドンのクチバシの様で・・・なるほどなあ。・・・なんて思ってたんですが、あっちはスワープ(SWOOP)、こっちはスワーブ(SWERVE)。全くの別人だったんですね。(苦笑)

関連記事

その167 HGUCメタスの巻
その92 HGUC Zガンダムの巻
その236 HGUCリガズィの巻
その94 HGUCギャプランの巻
その144 HGUCアッシマーの巻
その321 HGUCユニコーンガンダム ユニコーンモードの巻
その323 HGUCユニコーンガンダム デストロイモードの巻

 2010.2.5 健 竹史

  

HGUC リゼル
HGUCリゼル(隊長機)
機動戦士ガンダム STANDart:6 BOX

  

ホビージャパン 2010年 03月号
電撃ホビーマガジン 2010年 03月号
モデルグラフィックス 2010年 03月号

  

ガンダムエース 2010年 03月号
ゼロの旧ザク (2)
トニーたけざきのガンダム漫画 III

  

ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック 2
機動戦士ガンダム ハイブリッド4コマ大戦線
機動戦士ガンダムOOI (1)

  

機動戦士ガンダム00 2nd.season (4)
ガンダム THE ORIGIN (20) ソロモン編・後
ガンダムの常識6

  

TFムービー 限定版 スワーブ
TFアニメイテッド セットA オプティマスプライム VSメガトロン
TFアニメイテッド TA09 ブラックアラクニア

  

ROBOT魂 ガンダムF91
オフィシャルスリーブコレクション 「ユニコーンガンダム(デストロイモード)」
マクロスフロンティア マクロスFウエハース BOX

  

MGガンダム MG10周年記念モデル
MGザクII Ver.2.0 ア・バオア・クー防衛隊機
MGドム 重力戦線イメージカラーVer

  

仮面ライダーW サウンドガイアメモリ2 BOX
仮面ライダーW 変身ベルト DXアクセルドライバー
仮面ライダーW 仮面ライダーアクセル

  

PHANTOM MINDS 水樹奈々
いっしょにすりーぴんぐ [Blu-ray]
DVD付き限定版 Kiss×sis 6巻

[HOME]

inserted by FC2 system