健さんの
プラモコラム

その135
 
HGセイバーガンダムの巻

( 1/144 HG セイバーガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X23S セイバーガンダム
「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 最初はクルーゼシャアかと思っていたのに、ストーリーが進むにつれてアスランの方がシャアっぽくなってきましたね。ピンク系というか赤系の機体ばかり乗ってるし、歴代乗機のトサカは、実は羽根飾りのイメージなんじゃないかと思ってみたりもします。赤い服着てるし偽名使うしサングラスかけるしパパは偉い人だし女性に囲まれてるし・・・そうそう、セイバーのカラーリングがルナマリア機とお揃いなのは、何かの伏線なのかなー?とか思ったりもしますね。あー、そろそろ本題に移りましょう。



 まずは頭部から。例によって機関砲(MMI−GAU25A 20ミリCIWS)が斜め下を向いたデザインのため、ヘルメットも斜めのラインで前後分割。アンテナは細くなった根元をシャープに造形、無可動ですが「折り畳めそう」な感じは伝わってきます。アンテナの根元は、裏面をキチンと塗り分けてやると良いでしょう。トサカは、ヘルメット側の突起に被せる様に取り付け。そのために若干厚みが増している様に思います。裏面は赤い突起にハマっている様子が丸見えですが、ここを隠すためのシールが用意されてます。



 ボディは、コクピットハッチを別パーツ化。エリ前面(?)のラインはシールで色分けしてあります。バックパック(を含むスラスターユニット)が胸上面を覆う構成が面白いですね。エリや胸部インテークの付近にパーツの重なりが生まれ、立体感のある構成です。イージスに似たデザインに思えますが、アスランが来る事を嗅ぎつけた議長が、「懐かしい機体に似せれば乗りたくなるだろう」と企み、改装のため完成が遅れたという疑惑アリ。(信じないように!)ウエストはハサミ込みではなく、胸部完成後に下からセットします。

 です。フロントアーマーは左右一体で可動。股関節が良く動くし飛行中をイメージしたポーズなんかが似合いますから、今回は特に左右独立可動化をオススメします。サイドスカートもいつも通りに可動。下端に安全突起が付いているので、気になる人はカットしてやると良いでしょう。説明書の完成見本でもカットしてありました。(以前はカットせずに組んであったと思うんですが、最近はカットしてある場合も多い様です。)



 リアスカートは固定式で、シールド用のマウントラッチが設けられています。フンドシ(センターアーマー)は前に行くほどすぼまっていますが、設定ではほとんど平行の様です。インパルスよりも小型のスラスターの様に見えますから、意図的にフンドシをすぼめてバランスを取っているのかな?

 です。モモは股関節周辺をギリギリまで切り欠いてあり、開脚もヒネリも大きく動かす事が可能です。ヒザはほとんど密着するまで曲がり、変形の都合で逆関節にも曲げられるという充実ぶり。ヒザ関節は後ハメ式ですが、ヒザを曲げた時にポリキャップが目立ってしまいます。良く動くキットにはハサミ込み関節の方が適していると言えそうですが、塗装後に組み立てられるメリットも魅力だし、難しい所ですね。

今回も「宙に浮いてるつもり」でディスプレイ。ツマ先とアムフォルタスの先で立ってるんですが、なかなかカッコイイですよ。

 スネは左右分割で、正面からヒザアーマーを取り付ける構成。足首アーマーはハサミ込み式の組立で可動式、足首リアアーマーは固定式ですが、回り止めの突起を切り取れば簡単に可動式に出来る様になっています。アーマーの裏側には別パーツのスラスターが仕込んであり、なかなか芸コマ。足首関節は、最近多用されている、スネ側でも可動するタイプ。軸パーツを前後左右にズラして、ダブルボールジョイントと同等の動きが可能です。

 足首は、変形時にツマ先を閉じるギミックを内蔵。ツマ先とカカトを作り終えてから組み合わせる手順です。HGインパルスとほぼ同等の仕組みですが、軸位置が変更されているため変形後の形状はずいぶん違いますね。セイバーのツマ先は密着する様に閉じ、足裏のスラスターも奥まった配置で、インパルスよりも航空機的なイメージが強調されている気がします。・・・まぁ、こんなヒコーキは無い訳で、バルキリー以降に作られたイメージではありますが。



 肩アーマーは、肩ブロックを前後からハサミ込む構成で、変形時には90度回転して腕を覆います。ビームライフル用のマウントラッチは左肩のみ穴が開いているので、左右を間違えない様に組み立てましょう。内側はビームサーベルを収納するホルダーになっています。ここは四角い筒状の別パーツになっていたら嬉しかったですね。上面のマウントラッチまで一体で成形しても良いかも。1/100が発売された時には、この辺が充実してると嬉しいんですよね。

 は、筒構成の上腕を途中でヒネれる、スタンダードな構成。ヒジアーマーが無いので、少しでも関節内部が目立たない様、ヒジ関節のピン先端をグレーに塗っておく事をオススメします。前腕には左右ともハードポイントが設けてあり、空力防盾(シールド)をマウントできます。

歴代アスラン専用機が合体!すみません毎回バカな事やって。こんな形態が、ダイレンジャーに登場してたよなぁ・・・(えー?似てるかなぁ)

 手首は、左右ともスタンダードな穴あきゲンコツが付属。実機では前腕内側のフタが開いて、変形時に手首を収納するんでしょうね。多分ZZガンダムの様な、手首とバーニアが入れ替わる様な機構で。キットでは手首を取り外し、丸い手首カバー(前腕と一体ですけど)をバーニアに見立てています。手首カバーの丸い形状も、グレーの色指定も、これを狙ってデザインされた物なんでしょうね。

 バックパックは、ヘッドカバーの左右にスラスターユニットを配置、その外側にアームで保持されたM106アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲、さらに外側にウイングというレイアウト。このユニットはバックパックとは言っても胸上面まで一体のデザインで、ボディには上から乗せる様に取り付けてあります。ヘッドカバーはレール式で上下に可動。下がった状態でも後頭部カメラの視界を塞いでますけどね。(笑)MMI−GAU2ピクウス76ミリ機関砲が仕込んであるので、こだわる人はカバーの裏面を塞いでやると説得力が高くなるでしょう。

 M106アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲は、アームでワキの下に回り込ませて使用。ボールジョイントで若干の角度調節が可能です。F91ヴェスバーに似ていますが、セイバーの場合はワキの下にスペースが確保されたデザインではなく、アムフォルタスも肩アーマー後部に位置しているので、腕を横に上げて射撃体勢を取ります。自然にヴェスバーを抱えるF91とは、やや違った印象ですね。



 MA−7Bスーパーフォルティスビーム砲は、左右分割されたアムフォルタスの組立て時にハサミ込んでやる構成。ハメ込みの突起を切り取り、アムフォルタス内部に別の位置決めを作ってやれば、後ハメも可能だと思います。アムフォルタスとは平行でない様に見えますが、ジャスティスのリフター機首にあったカノン砲の発展形ですから、内部で上下可動してると解釈しても良いかも知れませんね。

 テールスラスターは、背中に仕込んだポリキャップに接続してあり、後ハメが可能。上下に動かせますが、若干ヒネってやる事も可能です。

参考までに、1/100ガンダムF91。スマートな本体&背中に特殊武装という、今のガンダムの基本になってるMSですね。劇場版1本では物足りないという人には、小説版がオススメです。劇場版以前の経緯にたっぷりとページを割いて、すごく魅力的に描かれてますよ。

 武装です。MA−BAR70高エネルギービームライフルは、左右2分割と銃口の3パーツ構成。MA時には左肩アーマーにマウントします。手に持たせるとグラつく感じがしますが、グリップの上の方を握らせると安定しますよ。

 MA−M941ヴァジュラビームサーベルは、肩アーマーからの取り出しが可能。ジャスティスのビームブーメランを意識した配置ですね。劇中では右手で右肩、左手で左肩のサーベルを抜いて使っているみたいです。この時、ライフルはどこに収めておくんだろう?という疑問があるんですが・・・腰後部のラッチにマウント出来るように、ライフルとシールドのジョイント規格を統一してあれば良かったかも。サーベルには穴が開けてあり、クリアーのビーム刃が2本付属します。赤いボディのセイバーが持つとピンクのビーム刃の太刀筋が見えにくく、敵にとっては厄介だったりして?

仕方がないからビームライフルを肩にマウントしてみたりして・・・。

 MMI−RD11空力防盾は、腕のハードポイントに取付け可能。腕へのアダプターはポリキャップで可動し、肩アーマーとの干渉を軽減できます。例によって、アダプターにはピンが2本用意されていて、取付け方向が選べる様になっています。グリップは裏面パーツと一体のため、可動はしません。この辺は今シリーズ共通ですね。表面の整流板は別パーツ化されています。



 MA形態への変形です。ゲンコツが前腕に収納されるイメージを思い描きつつ手首を取り外し(笑)、肩アーマーを倒して腕を覆ってやります。は180度回転、ヒザを折り曲げてツマ先を畳んでやります。後頭部カバーを前にスライド、アダプターを取り外したシールドを機体下面(腰)に取り付けて、頭部を上下からカバーします。アムフォルタスは前に回りこみ、肩と一体化した様な配置にしてやり、ウイングを水平に起こします。ビームライフルを左肩に固定して完成です。



 ウイングガンダムエアマスターに似た変形ですが、機首を2対の大型武装とする事で、MS時に「重たい物を背負ってるな」と感じさせない良いデザインだと思います。双胴のジェット(?)戦闘機というシルエットも面白いんですが、これは従来のガンダムに似せない配慮というだけでなく、アスランが使ったミーティアの意匠を引き継いでいるのかも。



 機能の面では、実は下半身をヒネらない方が、下面にスラスターが集中するのでホバリング等に有利ではないかとも思ったりするんですが、そんな配慮をしてない所が、高速戦闘機っぽくて良いのかも知れません。ところで、「ウェーブライダー」みたいな変形後の呼び名が無いのが寂しいですね。これがハイネの機体だったら、「サンダーバード」とか呼んだりしてると思うんですが。(笑)

 組立時間は1時間でした。本体も背中の装備も良く動くので、いじる度にシルエットが変化して楽しいキットです。MS時にウイングを上に回せば百式にも見えます。劇中のアスランのポジションと相まって、なかなかビミョー。でも、カラーリング的に近いのはジョニーライデン専用06R−2だったりして。戦後の写真集でアスラン・ザラと誤って掲載されるアレックス君、実は悩める別人でした・・・なんてオチがあったら、マニア狂喜、ファン激怒?(笑)

ビームサーベルにつかまって、エルガイム風に飛んでみるの図。「シン、間違ってもサーベルの出力をONにするなよ。」(汗)

 おまけ

  例によって、コレクションシリーズのセイバーも軽く紹介しておきましょう。MSとしてはコレクションシリーズではおなじみの構成。変形に必要な可動は追加されず、主に差し替えによる再現となっています。また、一部の変形は省略してある、簡易変形キットという仕様です。



 腕は、肩アーマーの回転は再現されているものの、手首の取り外しは不可、ヒジには角度が付いているのでMA形態でも表情が消えず、やや不自然な印象。やはりMAへの変形はオマケと考え、代わりに立ちポーズの美しさは守るというコンセプトですね。ヒジ上側に角度を付けていないのは、可動化したいユーザーに配慮した結果でしょうか?(最近は、今回の様な曲げ方のヒジが多くなってます。)ヒジ下側にだけ可動軸を仕込めば、腕をまっすぐに伸ばせますよ。上級者向けの改造とは言え、二重関節化するよりも難易度は低くなっています。

 は、一旦外して前後逆に取り付ける方法で回転を再現。ツマ先は閉じませんが、伸ばし気味に足首の角度を調整、足首カバーを閉じてやります。ヒザ関節が曲がりませんが、大きなシルエット変化を伴う変形は上半身に集中しているので、思ったほど気にならない感じです。



 後頭部カバーは、一旦取り外して前寄りの位置に取付け。テールスラスターは背中ではなく、後頭部カバーの裏に取り付けてあります。機体強度の点ではHGの様に背中に付いている方が説得力が有りますが、パーツを増やさずに可動させるには適した構成でしょう。

 アムフォルタスを支えるアームは、ビーム砲側のみ一軸可動。背中側は可動せず、差し替えで90度動いた状態を再現します。ウイングも可動式ではなく、展開状態と折り畳み状態を差し替えで再現しています。

 武装は、ビームライフルとシールドが付属します。ビームライフルはHGと同等のサイズ。スコープの前後方向の厚みは薄く作ってありますが、これはくぼんだ中央部の厚みを守ったため。左右どちらの肩にもマウント可能ですが、これは左右の組み間違いに配慮した結果でしょうか?シールドは、HGに比べてずいぶん小さく感じます。ワンパーツ成形のため、整流板に角度が付いていません。印象を設定に近づけるため、整流板の取り付け幅は根元ではなく先端の幅に合わせてあります。切り取って角度を付けたい人は、再接着する時にはキットよりも内側寄りに接着してやりましょう。ビームサーベルは肩アーマーと一体で、残念ながら取り外し出来ません。



 組立時間は15分程度でした。アムフォルタスやウイングもHGより小さめに造形されています。MA時での肩アーマーとの一体感を考えると、アムフォルタスのサイズはHGの方が正解に近い気がしますが、そんなに貧弱という印象は有りません。軽量なキットでの自立を考えると、やや軽量な方が安定感が増すとも思いますし。

 もっと特徴的なのはスラスターのサイズの違いでしょうか。HGの肩や背中のスラスターは、ポリキャップを仕込む都合で設定よりも大きくなっているのでは?とも思えます。コレクションの薄いスラスターは、設定に近いというだけでなく、妙にカッコイイ気がするんですが、どうでしょう?ボクにはこのセイバー、大出力のスラスターで強引に飛んでるギャプラン等とは違って、空力的に優れた設計で軽々と飛んでるイメージがあるので(あくまでイメージですよ)、コンパクトなスラスターも良いなぁ、なんて感じています。スネや足首アーマーも細く作ってありますが、これも狙ってやってるのかな?


   2005.3.21  健 竹史


  

1/144 セイバーガンダム
HG セイバーガンダム
MIA セイバーガンダム

 

1/48 F-86F-30 セイバー U.S.エアフォース
1/32 F-86F-40 セイバー JASDF

  

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