健さんの
プラモコラム

その280
 HG
 アリオスガンダム
の巻

 HG 1/144
 GN−007 アリオスガンダム/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場
2008年12月発売 税別初出価格1500円



 セカンドシーズンの設定が公開された時、キャラクターの中で特に印象的だったのがアレルヤでした。ずいぶん大人っぽくなったと思います。4年も拘束されていれば顔つきも変わるのかも知れませんが、ともかく「キャラの年齢が4歳上がったんだよな」と、改めて気付いたんですよね。刹那21歳、ロックオン29歳、アレルヤ24歳、ティエリアは不明ですが。

 ボクは以前から「もっとアニメキャラの年齢は高くてもいいのに」なんて事を思ってました。低年齢キャラが嫌いとかではなくて、そこに必然性や説得力が欲しいとか、「地球の危機を子供に任せて大人は何やってんの」という不在感が気になるとか、子供主体で話が進むバイファムの様な作品が際立たなくとか、そういう気持ちからですね。もちろん製作側としては、見て欲しいファン層と近い年齢の主人公を設定するのは当然で、そこも分かるんですけど。そして、それが上手くいってる作品には、傑作が多い気がします。

 ダブルオーは半年の準備期間の間に年月を経過させる事で、過去作品よりも比較的高年齢の主人公達を自然に登場させる事が出来ました。この作品が成功すれば、今後の作品でもキャラ年齢に幅を持たせられる様になるかな?なんて思う、オッサン好きなボクなのでした。では、ぼちぼち本題に参りましょう。



 頭部は、目・アゴ・首の軸受が一体の赤いパーツにマスクを取り付け、左右からヘルメットでハサミ込む構成。後頭部カメラの端に合わせてパーティングラインを通してあるため、チョンマゲも端寄りの分割となっています。アンテナは4本一体成形で前から取り付けるため、組立途中のオデコは空洞で、なんだかコクピットでも合体しそうな感じ(笑)。バイザーと、クリアー成形のオデコセンサーを取り付けて出来上がりです。

 ボディは、縦にワンパーツ成形されたウエストに、前後から胸と背中を取り付ける構成。ウエストパーツは脇の下まで一体で、胸と背中のパーツはエリ部分だけで接しています。変形要素の無いボディですが、なんだかゼータに近い印象ですね。上から取り付けるエリ内部パーツの下には、HGダブルオー等で肩の引き出しに使われていたポリキャップを閉じ込め、ウエストのボール軸受として使用しています。肩関節には、他キットでは足首に使われていたボール軸受けを上向きにセット。胸部ダクトは前から取り付けます。



 ウエストは、赤い腹巻下段を縦にワンパーツ成形。から伸びた軸を通して先端のボールジョイントを胸に接続。赤部分とグレー部分の間でボール可動し、腰との間では左右回転のみ可能です。ウエストが上下ともボール可動すると、飛行形態でのポジションが真っ直ぐに決まるか不安ですからね。

 は、ファーストシーズンで胸に収まっていた様な円柱形のGNドライブユニットが、そのままフンドシになっています。前面はセンターアーマーでほとんど隠れますが、フロントスカートとのスキマからチラリと見えるレンズには、しっかりクリアパーツを使用。組立前のレンズパーツは、隠れる部分がハメ込み穴だらけで、とてもレンズには見えませんが。露出面積が小さくても、ちゃんと色分けシールが用意されています。



股間に筒状のユニットが付いている事から、アリオスガンダムと中華キャノン間に何らかの技術的なつながりが有るのではないかと予想されます。(え?気のせいですか?)
「始まるよ先行者、中華連邦の未来が・・・」

 フロントスカートは、レンズを囲うGNドライブ前面パーツから張り出した軸受けに、極小ボールジョイントで接続。左右独立してグリグリ可動します。裏面には突起が有り、ビームサーベルを収納しています。



スカート裏のビームサーベルにビーム刃を取り付けると、こんな感じ。隠し武器として使えそうな気がします。

 リアスカートは、軸可動のポリキャップに差し込んであり、前後スイングが可能。飛行形態では一旦取り外し、向きを変えて取り付ける様になっています。フンドシ下には尾翼を装備。センターアーマー(フンドシ前部)にC字形のヒンジでハメ込んであり、前後に可動します。

 です。股関節は、GNドライブの横から突き出た軸に球体ポリキャップを取り付け、モモ上部のメカパーツにハメ込んであります。モモはワンパーツで筒状に成形。側面には、裏からバーニアをハメ込んだ、推進ユニットを貼り付けてあります。



 推進ユニットキュリオスではスネに配置されていましたが、股関節からヒザ横までを常にガードし、サイドアーマーとして、より有効な配置になりましたね。被弾時にも、ボディに近いほど失われる可能性が低いハズ・・・と、ファーストシーズン最終決戦での派手なヤラレっぷりを見て、イアンさんが考えた結果なのかどうかは分かりませんが(笑)。

 ヒザは、ポリキャップを仕込んだハサミ込み式の関節で、モモ側・スネ側とも後ハメ可能となっています。筒状のモモ内部では股関節メカパーツと連結してあり、モモ上部でのヒネリ可動が可能となっています。



 スネは、足首のスライドパーツとウイングをハサんでの左右貼り合せ。ウイングはレールでスライドしつつ回転、MS形態と飛行形態でポジションを変更します。レールの両端ではロックが働き、ガタつき無く固定されます。ウイングの厚みは変化を付けて造形してあり、MS形態では厚みのある部分が上面に来てヒザアーマーとしての強度を確保。飛行形態では厚みのある部分がスネに密着して根元になり、航空機らしいフチの薄い主翼を形成します。良く考えてありますね。



 スネの下半分は左右貼り合せ。スライドパーツが芯になっていて上下に伸縮します。飛行形態ではスネが縮んでコンパクト化、スキマを無くして整流効果を高めます。分割ラインがゼータガンダムに似てる気もしますね。MS形態では下半分が離れてブーツの様な印象になると同時に、初代ガンダムに似たフクラハギのシルエットが出現。ギミックは単純ながら、丁寧なデザインだと感じます。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースではなく、別の飾り台が付属します。

 足首アーマーはキュリオスと同様、足の甲に見える配置になっています。C字形のハメ込みで、スネスライドパーツの前面に後ハメ可能。表面にはフィンが付いていて、飛行形態ではスネウイングと一体化し主翼の後端を構成します。これ、フィンだけでも足首アーマーごとでも良いと思いますが、上下可動すればフラップとして機能するんじゃないでしょうか。もし1/100で実現すれば、航空機らしい表現が加わる事になり、面白いと思います。



 足首は、土踏まずパーツとカカト外装でポリキャップをハサミ込んで後ろ半分を組み立て、前からツマ先をハメ込みます。ツマ先はキュリオスと同様に筒抜けで、飛行形態では閉じたツマ先の上面(甲)の穴から、土踏まずのバーニアが露出します。足首関節はボールジョイント。スネスライドパーツの先端に接続し、二重関節にはなっていません。



 肩アーマーは、ポリキャップを仕込んだ肩関節パーツをハサミ込んでの前後貼り合せ。肩関節軸は脇ではなく、胸ユニットの上に接続してあります。変形の都合で普段と異なる構成になっているので、動きも独特。得意な可動方向にも違いが有りますし、腕を横に大きく上げると1関節伸びたみたいな感じです。アリオスにしか出来ないポーズを、色々試してみると良いでしょう。



 です。肩ブロックは上半分を省略、筒状の上腕と一緒に、ヒジからの軸を通して肩アーマー内のポリキャップに接続します。上腕はどうやら、ケルディム・セラヴィーと共通デザインの様ですね。

 ヒジは、ポリキャップを仕込んで丸い関節パーツを2つ貼り合せる、おなじみの構成。外側にはクリアーのレンズパーツをハメ込みます。



 前腕は、ヒジ関節接続用のポリキャップと、スイング可能な手首基部をハサミ込んでの左右貼り合わせ。今回はさらにワンパーツ成形の甲アーマーを取り付けるんですが、一旦取り外し、位置をズラして差し直す事で、GNサブマシンガンの展開状態を再現出来ます。銃口は別パーツ化され、色分けを再現してあります。



 手首は、左右の穴開きゲンコツの他に、完全に握った左手が付属。1/100ダブルオーの物と同様、指を関節部分で分割し、手の平に密着するまで力強く握った造形になっています。このスケールで見れるとは思っていなかったので、嬉しいサプライズでした。出来れば右手も欲しかったですね。

 背中には、飛行形態時のセンサーユニットが折り畳まれています。ポリキャップをハサミ込んでの左右貼り合せで、センサー面や裏面ディテールを避けて分割ラインを変化させています。背中の突起に差し込んだ後、コの字形の関節カバーでポリキャップを隠します。



ハレルヤが覚醒したら、やはり彼専用の凶悪なモードに変化すると面白いと思うのですが・・・(写真はイメージです。)

 肩の尖ったパーツはGNビームシールド。飛行形態時には左右が密着して機首になり、開けばキュリオスの手持ちシールドに似た、巨大なハサミに変化します。各部は2パーツ貼り合せで、関節部にはポリキャップを内蔵。肩アーマー組立時にハサミ込んでやります。先端には突起とミゾが有り、左右のハサミをロック。ポジションが確実に決まります。また、キットを2つ買えば、この突起とミゾで2機が合体してアリオス・ドゥに(ウソ)

 武装です。GNツインビームライフルは、クリアーパーツをハサミ込んで2パーツ貼り合せた本体に、上から可動式の銃身をもう1本取り付ける構成。グリップは下から差し込み、丸ピンで回転する仕組みです。



GNツインビームライフルの可動ギミック。2本ある銃身のうち1本が角度調整可能、グリップは回転可能。左下は、完全に握った状態の左手。良く出来ています。

 飛行形態ではグリップを握ったまま全体が180度回転、上側の銃身を可動させ、地上攻撃を行えるという設定です。2連装の銃身の片方が動く様子はにも似ていますが、むしろキュリオスから引き継いだハサミから発想した物でしょうか?クリアーパーツはセンサーらしいんですが、このセンサーが動かなくても地上の敵を撃てるという事は、スコープの様に正面だけを狙い定めるのではなく、銃身と不揃いの方向も感知出来る装備だという事でしょうか。

 ビームサーベルは、スライド金型でビーム刃取付穴を成形。グリップ側面のスリットを使って、普段はフロントスカート裏に収納しています。クリアー成形のビーム刃は、長短2種類が1本ずつ付属します。



 飾り台は、久々にHGガンダムSEEDデスティニーシリーズでおなじみの「ベース1」が付属。フンドシ後部の、リアスカートに隠れたフタパーツを外せば接続穴が露出、専用ジョイントパーツを介して支柱を取り付けます。別売のアクションベースも利用出来ますが、アクションベースの支柱は可動するために太く、リアスカート裏の狭い所に取り付けるには、従来の「ベース1」が適しているという判断なのかも知れません。



 飛行形態への変形です。頭部は、顔がエリ内部に埋没するまで下を向かせて、を上へ向けます。ハサミを密着させて機首を構成、背中のセンサーユニットを起こしてハサミのスキマを隠します。リアスカートは一旦外し、180度向きを変えて再度取り付け。この時、スカート裏の突起を肩アーマー後部の穴に差し込んで、上半身のポジションをロックします。



 モモは90度ヒネり、推進ユニットが機体上面に来る様に移動。スネのウイングを移動させ、スネ下部を短縮。足首アーマーとツマ先を閉じ、腕をボディに密着。フンドシ下の尾翼を立て、GNツインビームライフルをグリップ部分で回転させ、前に向ければ完成です。



 飛行形態でのディスプレイには、フンドシ前部にフィットする専用ジョイントパーツを使用。機体を乗せる様にセットしますが、腹部や尾翼付け根のスキマを上手く利用してあり、安定感は良好です。2種類あるうちの低い方の支柱を使う指示になっていますが、ジョイント裏面の穴を使えば、高い方の支柱にも対応します。



HGダブルオーガンダムのGNドライブの代わりに、リアスカートを外したHGアリオスを接続してみました。アリオスのGNドライブに直結しているので、一応「2個付き」です。GNツインビームライフルのグリップを腰後部に接続すれば、手持ち武器にも変化。つまり両肩両手で合計4機の合体が可能?

 組立時間は1時間10分でした。やはり可変MSは楽しいですね。キュリオスに有った武器の変形要素をMS本体にミックスし、飛行形態のプレイバリューが高くなっているのが嬉しいです。MA形態のイージスガンダムと取っ組み合いさせたら楽しいかも。・・・もしかして機首のハサミギミック、イージスとイメージがカブらない様に、セカンドシーズンまで出し惜しみしてたのかな?どうかな?

 2008.12.26 健 竹史

  

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