健さんの
プラモコラム

その38 HGUCデンドロビウムの巻

(1/144 HGUC デンドロビウム/バンダイ/RX−78GP03
デンドロビウム「機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー」に登場)



 「あれー氷川さんひょっとして、デンドロビウム、買わないんですかぁー?」
 「な、何を言うんですか津上さん、ちょうど今、ボクも買おうと思っていた所です。すみませーん、コレ下さい。」

 なんて会話が聞こえてきそうな、ちょっと勇気の要るキットです。個人消費を拡大させ、さらには置き場のない人達に新築や増改築も決意させようという、日本経済再建の切り札、小泉内閣最後の一手とも言われていますね。(誤報)初回特典も、DVDの普及からIT革命につなげようという筋書きでありましょう。(妄想)森内閣の頃から、発売時期を探っていたと見るのが正しいかと。(デマ)

 そんな訳で、見れる見れないに関わらず、初回特典「ガンダムイボルブ4」が付いてるうちに買うのが、世のためというものです。
 「あれー健さんひょっとして、DVDプレーヤー、持ってないんですかー?」(涙)では本題へ。



 まずステイメンですが、今日は時間もありませんので、すでに組んでおいた物がこちらです。(と、単品売りのステイメンを、3分クッキングのように取り出す)コアファイターが付属していない事以外は、同一のキットです。代わりに、ガンダムMK−2と同タイプのバズーカが追加されてます。(正しくは、この時代のGM系の装備)

 次に、重い上に接地できないデザインなので、飾り台を先に作ると良いでしょう。ドックの設備のようなメカニカルな飾り台です。(実は射出式カタパルトだったら面白いですね。)ランナーには「デンドロ」と書いてあり、戦艦の大型キットを連発する気は無いらしいと、ちょっと安心。

 続いてメガビーム砲です。5パーツ構成の砲身は、よじれない様に、内側にリブ(補強)が通っています。先端が別なので、キットを二つ用意して、ガーベラテトラを接着したものと差し替えて遊ぶと良いでしょう。(笑)そう言えば、今回はガーベラが付属してませんね。(無理だって)

 グリップは差し替え無しで、スムーズに展開。コンテナのフタの前にある突起は、スコープの様ですね。フタの開閉の時には干渉しないよう、内部に引き込まれます。実はコレ、アニメ製作の時には、干渉する事に気付いてなかったのかも??
 
 Iフィールドジェネレーターは、開閉状態を差し替えで再現。と言ってもパーツは余らず、シャッターバーツを外して裏返すと、作動状態のメカパーツになるという親切設計。丸いパーツですが、向きを間違えないように、廻り止めが付いています。



 メガビーム砲Iフィールドジェネレーターも、接着ラインがうまく隠れるようなパーツ分割になっており、パテ埋めが必要なのは、ディテールも何も無い、フラットな部分ばかりなので、塗装派の人も、大きさの割に負担の少ないキットだと思います。

 クローアームは、内部メカのデザインが、ほとんどの部分でパテ埋め不要となるようにアレンジされている上、ギミックもキツキツではなく、複雑そうに見える割に、スムーズに動きます。各パーツの状態で塗装後、数日かけて完全乾燥させてから組むと良いでしょう。

 アームの収納は、いくら確実とは言っても、大きさがすさまじい分、止むを得ないガタつきがありますから、所定の位置にキチンと収まっているか確認しましょう。ほとんど変形や合体のノリですね。

 クロ−は見事に展開・可動しますが、さすがにサーベルを振り回す、ツメの中のターンテーブルまでは動きませんね。サーベルのサイズが凄まじいため、設定とは違いますが、上下のツメの突起にサーベルを固定します。MGなどで見られる方法です。なにしろPG用のビーム刃のランナー(らしい)を使ってますから、すごい重量なのです。ただ、これでも劇中の刃のサイズと比べると、かなり小さいようです。砲身と違って、途中で分割出来ませんからね。



 最大の見どころ、コンテナです。武器4種、ミサイル2種×2発の、8箇所の開閉が楽しめます。強度的な心配から、1個とばしに開くようにしてある訳ですね。でも、がんばってフルオープン可能に改造する人、いるんでしょうね。少しもったいないけど、全てのコンテナスロットをつぶして、差し替え再現に改造すれば、強度の心配なく実現出来るかも。幸い、フタは全て別パーツですから。

 コンテナ内の武装は、アニメではフタの裏だけで保持されている扱いになっていますが、キットでは前後2面でしっかり保持されています。ホルダーの形が、各武装に合わせて作られているため、それぞれ決まった位置に収納する事になります。

 面白いのは、左右のコンテナで、せり出す長さを、こっそり変えてある事です。たたんだフォールディングバズーカや、ビームライフルは短く、シールドや通常タイプのバズーカは長めなので、収納スペースの深さを変えてあるのです。不自然に見えないための配慮ですね。ところで、なんでシールドが右側に収納してあるんでしょう?不便だと思いますが。

 コンテナの奥には、スプリングユニットが仕込んであります。押しボタンスイッチみたいなユニットを8個組み立てて、コンテナスロットの奥に設置します。三角のフタのディテールに模した(ナイス擬態!)スイッチをスライドさせ、フタを押したら「ポン!」と飛び出す仕組みです。この辺のパーツは、ゲート処理を入念に。塗膜も厚くしない方が良いでしょう。

 それでもコンテナスロットの引き出しは、時々スムーズにいかない事があると思いますが、そんな時は、セロハンテープで引っ張ると、簡単に引き出せます。

 コンテナ全体のフタは、ポリキャップ内蔵でグラつかずに開閉出来ます。それにしてもデカイ。学校のプールにフタが付いていて、瞬時にパカパカ開く光景を想像すれば、どれだけ非常識なサイズか分かりやすいでしょう。開閉の衝撃は、ウラキ中尉を失神させるに十分であります。多分。

 コンテナ前面の上に付いている突起は、フタとの干渉を避けるため、上にスライドさせる仕組みになっています。フタは、ステイメンの肩カバーまで可動。裏にもモールドがしっかり入ってます。

 本体です。コンテナを支える支柱と、機体側面(クローの上)には、金属板が入っています。前代未聞の巨体ですが、あのテこのテの補強対策で、ビクともしませんね。側面の金属板には、一度に何種類ものビスを使う組み立てがありますが、すごく紛らわしいので、「ビス座付2.6×8」とか言う種類の名前ではなく、「5番のビス」という風に、部品番号に注目すると混乱しないでしょう。

 なにしろ5種類で80本くらい締めますから、気付いたときには数が合わなくなってた、てな事もある訳です。締め直そうとボディを分解してたら、が出てきました。すごい力仕事ですよ。

 ボディも、うまく分割されていて、パテ埋めが必要な箇所は、ほとんど有りません。ただ大きなパーツばかりなので、ハメ込みは正しい位置まで、確実に押し込みましょう。組み立てが進んだ後でズレに気付いたら大変です。また大汗かいて分解する事になります。

 スラスターは、ワンパーツなのに中々の見ごたえ。スッとハマる触感は、久しく忘れていた大型ゾイドの組み立てに似ている感じがしました。デンドロほどではないですが、ゾイドも大きなパーツで少ない点数、パチパチ組みあがり、見ごたえもあり、強度も十分という設計ですね。案外、参考にされてたりして。(特に大砲のメカあたり)

 ところで解説書の中に、サターンV型ロケット(アポロを月まで運んだヤツね)とのスラスター推力の比較が有ったので、少々補足を。サターンVの第1段ロケットの推力は680×5=3400トン。デンドロ君の推力は377.5×6=2265トン。おお、デンドロ君は、サターンVのちょうど3分の2の推力ですね。

 ところが重量は、サターンVが3050トン(うち9割が燃料と酸化剤)、デンドロ君は、わずか453.1トン(本体重量226.4トン)。サターンVの、わずか15%だそうです。ルナチタニウムって、そんなに軽いんでしょうか?物理は詳しくありませんが、まさか地上基地から打ち上げ可能だったりしませんよね?

 MSの重量って、ずいぶん比重が軽めの設定だと思いますが、マーク2やアッシマーって、実はシャトルよりも飛行性能が高かったりして。ところで、サターンVの推力、1/144のプラモ(モノグラム/バンダイ・1978年)解説書では3750トンだそうで、さっきと違いますね。どっちが決定稿なんだろう?(笑)

 本題に戻って、ステイメンとのドッキング部分です。機体前面の床が大きく開きますが、関節にはポリキャップを使っています。ステイメンの固定は、なんと「置くだけ」です。フンドシの形にかみ合うように、底面にデコボコはありますが、よく左右にズレますし。背中もキツキツなので安定して見えますが、コンテナハッチを開いて「飛んでけピュー!」とか振り回せば、ステイメンはマジで飛んで行ってしまいます。(マネしないように)

 ところで、背中がキツキツという事は、せっかく下半身でロックしているという設定がありながら、上半身のポーズが、固定されてしまうという事です。コンテナが接近しているので肩の可動も窮屈だし、いや、窮屈にして、左右のガタつきを少なくしているのかな?下半身をジョイントで固定する案もあったらしいので、残念ですね。バズーカは「持つ」事は出来ても「構える」事は出来ないし。あと少し余裕があれば、もっと遊べたかも。



 ステイメンと言えば、このデンドロビウムに1/100を収納出来ないか?という件(その24・1/550デンドロの巻)ですが、奥行きは、やっぱり十分余裕ありますね。ただ、幅と高さがキツくて無改造では無理です。幅は、可動する床を作り直すと機体全幅も拡大する大改造になりそう。高さも、金属板ごと自作して、強度を落とさずに延長したいところ。(最低でも金属線を。)まあ、そこまでがんばっても、武器の収納は無理みたいですけど。

 ここはやはり、MGデンドロを期待すべきでしょうか?1/144を見た限りでは、困るほどのサイズにはならないと思います。価格も1/220のガレージキットの範囲内でしょう。むしろ問題はパッケージ。M市内のとある模型店は通路が狭く、おそらくHGデンドロの箱を持って歩くのが限界です。MGが出ても、店内に置けないかも。いや、買っても車に乗るかな?

 やはりココは、アオシマの懐かしい合体プラモのように、意味もなく4機に分離させて、別売りするのが得策でしょう。そうでもなきゃ、半完成品にするとか。とにかく持てるサイズになるかが問題ですね。

 ちなみにこのキットは、完成後も左右コンテナ、メガビーム砲、砲身、Iフィールドジェネレーターが容易に分解出来る親切設計です。組み立てもステイメン2時間、オーキス5時間半と、意外と手軽なのです。目立った欠点は無いし、値段相応の満足は絶対得られると思います。GMを40個ガマンして買う価値アリ!ですよ。(安いんだか高いんだか・・・笑)

               2002.3.29  健 竹史


    特別企画
   デンドロビウムのできるまで

 今回は、製作中に撮影した写真も紹介します。
かつてない「組み立てる楽しさ」を味わえる大型キット!至福の時間の全記録です。大物ならではの特殊な内部構造にもご注目!

 (その1)

 (その2)

 (その3)

 (その4)

 (その5)

 (その6)

HGUC デンドロビウム
HGUC ガンダムGP-03Sステイメン
HGメカニクス 1/550 デンドロビウム
HGメカニクス 1/550 ノイエ・ジール
HGメカニクス 1/550 ヴァル・ヴァロ
HGUC ゲルググマリーネ
HGUC ゲルググマリーネ シーマ機

機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY vol.1
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