健さんの
プラモコラム

その152
 
1/100
 ストライク
     フリーダムガンダム
の巻

( 1/100 ストライクフリーダムガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X20A ストライクフリーダムガンダム
「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 デスティニーに続いて、またもHGより先に1/100が発売となったストライクフリーダムです。各種サイズを比較しながら紹介したいと思っているボクとしては、なんともやりづらい発売順でありますね。てな訳でHGの発売を待ってからのレビューとなりました。・・・決して遅筆でズレ込んだ訳ではないんですよ(汗)。では、これ以上ズレ込まないうちに、本題へ参りましょう(大汗)。



 頭部は、目の周囲とアゴ、アンテナを色分け。目とカメラはシールで対応していますが、カメラの配置が奥まっているので、貼るのはちょっと大変そうですね。「その149 インフィニットジャスティスガンダムの巻」でも指摘しましたが、ストライクフリーダムではハッキリと、カメラカバー後部にリアカメラが仕込まれています。前方に2つ、後方に2つのカメラ、正面に2対の目が配置されてる訳ですね。小さくなったほほのグレー部分は、今回は色分けされませんでした。

 アンテナは、内側の黄色いアンテナの方が長いデザインです。キットでは4本のバランスがほぼ均等に見えますが、設定にこだわる人はもう少し長く強調してやっても良いかも知れません。(見慣れないバランスなので、カッコイイのかどうか想像しにくいですけど。)額中央のセンサーがヒサシに埋没している等、細部で新しい試みがなされている様です。インフィニットジャスティスとの共通性も見られますね。



 ボディです。肩関節軸は1/100デスティニーと同様、上下左右にスイングが可能。でも肩上のダクトを避けて軸位置が低めになっている(内部スペースの都合)ために、なで肩の印象になって損をしている気がしますね。上下可動もあまり大きく動いてくれません。まず肩軸位置を高めに設定して、それに合わせてダクト位置を設計して方が良かったかも?上下スイング用のポリキャップを肩軸の真横ではなく、後ろにオフセットすればダクトとの干渉をかわしやすかったかな?とか何とか、担当者の苦労も知らずに色々思う訳なんですけども。

 「その66 MGカトキ版ガンダムの巻」でも触れましたが、肩にダクト(等の突起)が付いたデザインは、エリ内側との高さ関係を上手くまとめないと妙な印象になってしまいます。今回はなで肩の印象と併せて、首が浮いた様な感じになってしまっていますね。エリ内側の平面が、もう少し低ければ、自然な印象になっていたんじゃないでしょうか。



 ただし不満点ばかりでも有りませんで、1/100フリーダム(MG含む)と比べると、エリ前方の盛り上がりが強調され、胸の張り出し角度も鋭角的になり、機体の持つスピード感を一層感じさせる構成になっています。設定を比べると2機の面構成に大きな違いは無い様なんですが、ストライクフリーダムのキットの方が格段にカッコ良くなってると思います。腹部のビーム砲にばかり目が行ってしまいますが、ダクト形状の変更は注目すべきポイントでしょうね。

ストライクフリーダム(左)とフリーダム(右)の比較。カリドゥス複装ビーム砲を囲う様な面構成が良かったのか、航空機の機首の様なイメージが加わりました。

 ウエストには、レールガンの移動ギミックを内蔵。サイドスカートを兼ねるレールガンがリア側に移動し、代わりに2丁ライフルを両腰にマウント可能になる、面白いギミックです。ただ、これは本来ウエストではなく腰ユニットに内蔵されているギミックで、スペース(あるいは強度)の都合でウエストに仕込まれた様です。(設定画ではリアスカートが若干低めの配置で、移動用のアームも確認出来ます。)このためにウエストがほとんど回転不可能になっており、大胆なポーズが着けられないのが残念ですね。

 しかも、ウエストを最大限回転させようとすると、アームがウエストの白いパーツを圧迫して、パーツがめくれ気味になってしまいます。アームを削ってスリム化したり、アームの可動軸を上半身側に移設する等の改造をされる方もおられる様ですが、もしMGが発売されるなら、リアスカートが下方にスライドして、厚みのあるアームが後方に回り込むスペースを確保する様なアレンジを行っても良いかも知れません。アームのギミックを腰ユニット内で解決出来れば、ウエストは普通に回転できる訳ですから。

レールガンの移動ギミック。このアームが移動する範囲は、ウエストが切り欠いてある訳です。このアームを仕込む都合で、ウエスト可動用のピンは若干前寄りに配置されています。良く見ると、アームの側面にはライフルのマウント穴と思われるディテールが有りますね。
ボクは、マウント穴はウエストに固定してあって、ポリキャップが有る辺りが本来のアームの位置ではないかと思うんですが・・・解釈の違いなのか、アレンジなのか、ビミョーですね。

 です。フロントスカートは左右独立して可動。サイドスカートレールガンになっていて、アームで後方に移動すると、その下からビームライフルマウント用のポリキャップが露出する仕組みです。ライフル側の突起は長方形ですが、受け側が丸穴のポリキャップなので、ヴェスバーの様に前に向ける事も出来ます。実機でも可能なのかな?ところで設定画を見ると、レールガン移動用のアームは腰側に有り、ビームライフル用マウントラッチはウエスト側面に有る様に見えます。ちょうどキットとは逆の関係と言えそうです。

 股関節軸は、今回も通常のパーツの他に、初回特典パーツとして大胆に角度を付けたアクションポーズ再現用のパーツが用意されています。(こういうキットは早く紹介しなさいってば!)完成後も通常パーツとの差し替えは自在ですが、デスティニーガンダムの物とは、あえて規格を変更してある様です。簡単に見分けられる様にするためか、あるいは・・・どっちも初回版を買ってね♪という事なのかなー。

アクションポーズ用の股関節パーツを使うと、立てヒザポーズもガニ股っぽく、表情豊かに決まります。

 です。モモは側面がふくらんだ、丸みのある形状。設定ではフラットに見える前後の面も、若干の丸みを持たせてあります。スネ内蔵式スラスターの開閉を再現。開けるのが苦手な人は、シャッターの上端を押さえてやると、下端が起き上がってきて開けやすくなりますよ。スネ本体の白い部分は中央で分割してありますが、ヒザ付近の紺色の部分は分割ラインを端に寄せ、デザイン的に処理してあります。特に後ハメ加工を工夫しなくても目立たないのは嬉しいですね。

 足首カバーは、旧フリーダムの物よりも厚みが増しました。薄いパーツを工夫して分割してあるのは面白かったんですが、やはりメーカーにとっては厚い方が設計が楽だったかな?今回はスネ下端に取り付ける方式で、左右分割となっています。



 足首は、カカトからツマ先まで一体で成形しておいて、クルブシのパーツを上から被せて色分けする、1/100プロヴィデンス等と同じ方式。しかしメカニック部分が金色というのは、アストレイの前例が有るにせよ大胆ですね。次回作ではMSごとにメカニックの色が違ってる、なんてのもアリかも?!クツの形は、旧フリーダムから大きく印象が変化しましたが、サイズを比べて見ると幅も長さもほぼ同じでした。ちょっと意外?!



 肩アーマーは、上腕を前後からハサミ込む構成。側面のスラスターと上面の赤い部分は後ハメが可能で、内側のハメ込みピンは完全に見えなくなっています。前後の下端にあるプレートは、もっと大きくても良かった気がします。ここは腕と肩アーマーを独立して動かせる様に、実機では可動式になってるんじゃないかな?と思うんですね。設定画では上腕の幅よりも若干大きく見えますし。

 ・・・と思って比べて見たら、旧フリーダムのキットよりも腕が太くなってるんですね。上腕にヒネリ用のラインが描き加えられて堂々と分割出来る様になった事と、太く四角い形状になった前腕とのバランスを考えて、太くなったのだろうと思います。

これもアクションポーズ用の股関節パーツを使っています。左モモが通常位置から大きくズレて、「休め」のポーズの様な表情が出ます。腰スイングが苦手なこのキットにとって、ポージングの幅を大きく広げてくれる、とても便利なパーツだと思います。(だから、こういうキットは早く紹介しなさいってば!)

 手首は、1/100恒例のリアル穴開きゲンコツの他に、左右とも平手が付属します。1/100デスティニーにも平手が付属しますが、これは両軍のエースが握手して和解する感動のラストシーンを再現するための物なのでは?!・・・そんな風に考えていた時期が俺にもありました(笑)。実際はロングライフルを下から支えて構えるポーズに使います。ところで、左平手のボールジョイントがユルかったんですが、ボクのだけでしょうか?瞬間接着剤を塗る等してボールを太らせてやると、キツさを調整できますよ。

 ウイングは、アームの基部で2軸可動、4枚の大きなウイングがそれぞれ独立可動、さらに枝の様に配置された4枚の小さなウイングが可動します。大ウイング、小ウイング、ドラグーンが各2ランナー、バックパックや可動部のパーツは他のランナーに含まれていて、すごいボリュームです。この機体、ひょっとしてパーツの半分以上が翼と武装なのでは・・・(汗)。バックパックは旧フリーダムの物と交換出来れば面白いかと思ったんですが、残念ながら互換性は有りませんでした。

 武装です。MA−M21KF高エネルギービームライフルは2丁付属。外観は同じでも、右用と左用で異なる変形ギミックが仕込んであり、連結してロングライフルとして使う事も可能です。右用ライフルは銃身がスライドして延長、後ろのフタが90度横に倒れてスコープになり、連結用の穴が露出します。左用ライフルは後部が延長、マズル部分を右用ライフルの穴に連結して完成です。



 白いカバーはスライド金型でワンパーツ成形、赤いスコープ部を別パーツ化して色分け、グリップ収納可能と、左右共通の部分は同じ構成になっています。実機ではマウント用のジョイントも含めて全く同形で、左右の違いは無いのかも知れないなぁ、なんて思っています。(右用が必ず後ろなら、左手で構えるのは面倒臭そうでしょ?)ギミックの再現は難しいでしょうけどね。

 EQFU−3Xスーパードラグーン機動兵装ウイングは、ドラグーンの着脱ギミックを再現。ドラグーンは2枚貼り合わせの構成で、ウイング側の切り欠きにハメ込む様にセットします。射出後のウイングは極端に細く、羽根をムシられた様な感じで何とも・・・。全部で8基装備していますが、うち2基くらいはドラグーンではなく、折り畳んだ実剣なんかでも良かったかなー?なんて思います。って言うか「ストライク」フリーダムですから、ドラグーンと同じ形をした翼の交換装備が各種用意されていて、ストライカーパックの様に運用出来ても面白かったのでは?



 MMI−M15Eクスフィアス3レール砲は、2つ折り式のレールガン。3つ折り式だった旧フリーダムの物よりもコンパクトですが、これは移動してリアスカートに重ねた時にピッタリの幅にするためでしょう。ゲイツRもこれに似た装備を持っていますが、その時からストライクフリーダムに装備させる案が固まっていたのかも知れませんね。

 レールガン本体はABS製で、砲口と後端を色分け。移動用アームとの接続部分は若干のスイングが可能で、開脚した時に邪魔にならない様になっています。可動部をもっと大きく切り欠いて、しっかり動く様になっていれば良かったと思うんですが、強度的な問題から、肉厚の薄い部分を作らないためかも知れませんね。



 MA−M02Gシュペールラケルタ(ビームサーベル)は、サイドスカートにマウント可能。クリアーピンクのビーム刃が2本付属します。円形のサーベルホルダーは、意外としっかりサーベルを保持してくれます。サイドスカートを後ろに移動させる時には回転させ、サーベルを垂直にしてやります。

 MX2200ビームシールドは、クリアー成形の物が1枚付属。発生器は両腕に付いているので、どちら側にも取り付け可能です。前腕アーマー中央の発生器を取り外し、クリアーパーツを通して再度装着・・・ではなくて、クリアーパーツ自体に取付ピンが付いています。発生器は表面に貼り付ける感じ。これで「前腕から起き上がって展開した」イメージを表現しています。



 余談ですが、SEED世界の主役級ガンダムとしては、実体シールドを持たな機体は初めてですね。ビームシールドでは防げない武器を持った敵を登場させ、ピンチを演出しておいてドラグーンを浮遊シールドとして使ってみせる・・・なんてシーンが有っても面白かったのではないかと。まぁ、そんな武器が有るのかどうか、そこが問題ですが。(笑)

 おまけに、キラ&ラクスキャラクタープレートが付属します。シン&ステラの時と同様、1枚のプレートに2人並んで描かれた、描き下ろしイラストです。今後も1/100スケールの発売が有るなら、アスラン&メイリン&ルナマリア&カガリ&ミーアなんていうプレートが付属してもいいかも?(デスティニーは、つくづく彼の女難のドラマだった様な気がしますね・・・。)

初回限定の飾り台とアクションポーズ用股関節パーツで、対決シーンを再現。ディアクティブカラーセット売り限定とかで、今後も売り続けてもらえませんかねぇ・・・。

 初回限定の飾り台は、デスティニーガンダムに付属した物の色替えで、バックパックに接続するパーツのみ新規に用意されています。ウイング装備のガンダムは宙に浮かせると魅力が倍増しますから、今後の出荷分に付属しないのが惜しいですね。

 組立時間は1時間50分でした。組んでみるまでは、と言うか、旧フリーダムと並べて比べるまでは、フリーダムのマイナーチェンジではないかと甘く見ていたんですが、「よりカッコいいフリーダム」になる様に狙ってデザインされてるのかな?と思う様になりました。例えば翼の配置なんかも、畳んだ状態で肩幅程度に収まっていて、旧フリーダムの「背中から離れた感じ」が解消されています。生物的に自然ですし、閉じても展開しても背後のガードとして有効ではないかと思います。


飾り台の角度調節ギミックは使わないで下さい・・・と言われても、支柱を倒せば高低差を使った対決シーンが再現出来るのではないかと思って、ちょっと試してみました。ストライクフリーダムなら、ウイングと脚を思いっきり後ろに向ければ、支柱を倒しても多少は安定してくれます。
それでも通常よりバランスが悪いですし、接続部分の保持力も不確実ですから、この状態で飾り続ける事はオススメ出来ません。また、落下の恐れのある場所では短時間でも真似されませんように・・・。

 2丁ライフルのアイデアも、武装追加、プレイバリュー(連結)の追加といった意味の他に「左右対称の美しさ」を生み出す効果が有りそうですし。(せっかく翼が対称な訳ですから。)腰がほとんど回転しない等の残念な部分は有りますけど、強度組立難易度の事を考えると妥当なアレンジと言える気もします。対象年齢を高めに設定できるMGが出れば、よりシビアな設計で改善出来るかも知れませんね。


 おまけ


 

男たちの大和/YAMATO 限定版
男たちの大和 / YAMATO

 7月17日から「男たちの大和」ロケセットの一般公開が始まったと聞いて、また尾道に行ってきました。いやー、凄かったですよ。これまで見た中で、いちばん大きな模型です。展示会で「作品に手を触れないで下さい」ってのは常識ですが、今回は模型の上を歩かせてもらえるんです。興味のある方は2006年3月31までですので、ぜひ行ってみられる事をオススメします。木曜日と年末年始は休業。料金は大人500円、子供200円。10月からは9時から16時までオープンしています。(念のため、事前にご確認下さい。)

 大和、模型、映画、軍事、歴史、平和・・・いろんな観点から意義のある見学が出来ると思いますが、この企画自体が「映画の町、尾道」だから実現したんだろうなぁ、という熱気を感じさせてくれます。戦艦にはついてはド素人なので詳しい解説は出来ませんが、写真を交えて紹介します。

「男たちの大和」ロケセット見学レポート
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  (その2)
  (その3)
  (その4)


2005.9.11 健 竹史

1/144 ストライクフリーダムガンダム
HG ストライクフリーダムガンダム
1/100 ストライクフリーダムガンダム
1/60 ストライクフリーダムガンダム フラッシュエディション
コズミックリージョン ストライクフリーダムガンダム
HCM-Pro19 ストライクフリーダムガンダム

HG インフィニットジャスティスガンダム
HCM-Pro18 デスティニーガンダム
EXモデル 1/1700 ミネルバ
限定 1/1700 エターナル コーティングバージョン
限定 1/1700 アークエンジェル コーティングバージョン
1/400 ミーティアユニット(SEED DESTINY)


ガンダムSEED DESTINY オフィシャルファイル メカ 04
ガンダムSEED DESTINY COMPLETE BEST

辺見 じゅん 決定版 男たちの大和〈上〉 ハルキ文庫
書籍:戦艦大和
DVD:戦艦大和
ホビー:戦艦大和

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