健さんの
プラモコラム

その305
 リベンジ版 オプティマスプライムの巻

( タカラトミー/
 オートボットリーダー オプティマスプライム
 「トランスフォーマー/リベンジ」に登場)

2009年5月発売 税別初出価格6800円



 トランスフォーマー・リベンジ、皆さんはもう劇場でご覧になりました?大作らしい大作ながらも最低限のキャラクター数で描かれた前作と打って変わって、登場TFは数十体に増え、ロケーションの派手さだけでなく犬からお母さんまで数段のパワーアップを遂げ、ますます面白くなってますよ。アニメ版を見てなくても楽しめるんですが、従来のアニメファンが食いつきそうなポイントはしっかりリサーチして盛り込んである様に思いました。ロボ好き・兵器好き・アクション好きで未見の方は、ぜひ劇場へ。今回もバンブルビー君がラジオをガンガン鳴らしてくれるので、ボク的にはラジオの曲も訳してくれてる、字幕版がオススメであります。

 で、今回はトイは我慢して手を出すまいと思ってたんですが、あまりのドラマの熱さに、オプティマスだけは・・・と、購入してしまいました。って事はたぶん、連動して遊べるも買ってしまうんでしょうけれど。プラモではないんですが、充実したギミックをかいつまんで紹介してみたいと思います。



 胸が左右に割れ、劇中同様、パーツの配置に斜めの要素が加わったボディが特徴的です。同じデザインを元にしながらも、完成した前作映画のイメージをフィードバックして、より再現度を高めてあるのでしょうか。ヒザアーマー等、前作トイと変形パターンが違っても同じデザインになっている箇所が、結構見受けられます。前作トイに有った指の可動ギミックは無くなりましたが、親指が斜めの配置になっている等、ゲンコツの造形はなかなかリアルです。



 前作トイから大きく配置が変わった背面。タイヤだけをモモに残し、タイヤカバーを背中に折り畳む事で、モモの周辺がスッキリしました。スネは各面の外装を分割し、スプリング接続や引出し開閉で末広がりなイメージとスキマを演出。前作トイでスネにモールドされていたクルブシがフレームパーツ側に移された事や、塗装による表現だった股関節カバーが別パーツ化された事で、脚のメカっぽさは各段に向上していると思います。



 前作トイで右腕に装備していたイオンブラスターに代わり、劇中でも印象的だったエネルギーソードを両腕に装備。普段は後方に折りたたまれていますが、ヒジ内側のスイッチを押すと、スプリングアクションで展開。変形時も取り外す必要は有りません。トラックモードでは武器が展開しない配置になっているのは、前作トイと同様。コンセプトの一つとして引き継いでいるのでしょうか。



 前作トイのオートモーフ(自動変形)に続く新たなセールスポイントが「メックアライブ」。これは細かなパーツが集まった映画版TFらしさを、内部メカの連動ギミックで演出しようという試みです。

 このオプティマスの場合は、スイッチになっている腹部のパーツを押し下げると、首が上を向いて「アーイアムオプティマスプラーイム」と劇中のセリフを喋ります。この時、目と胸の内部メカが光るだけでも十分豪華なんですが、さらに胸板が押し上がり、スプリングで接続してある胸外装パーツの各面がそれぞれスライドしてシルエットを変え、それに連動して動く内部パーツの動作が胸横のウインドウを動かして、一瞬胸を張った様に見せるという、たいへん凝った内容になっています。まるで筋肉をメカに置き換えた様で、たくましいオプティマスのイメージにもピッタリ。おそらく劇中の、宇宙の仲間にメッセージを送るシーンの再現だろうと思います。



 トラックの前面が変形する足裏。ここは前作トイでオートモ−フが採用され、バンパーを後ろにヒネると各パーツがスライドして広がり、ツマ先のクローが引っくり返るという、面白い連動変形が仕込んでありましたが、残念ながら今回は不採用。ライトもクリアーパーツでなくなっています。フロントグリル上の小さな赤い部分はオートボットのエンブレム。これが足裏に来るのはいかがなものかと思いましたが、仮面ライダー555と同じだなと思えば、前作トイよりもキック力が増した様にも見えてきますね。(そうかなー?)



 足首は特大のボールジョイントで可動。ボールジョイントの積極的導入は「G2」シリーズの頃だったでしょうか。金属シャフトを打ち込んだりビスを締めたりといった工程を「ハメるだけ」に簡略化し、より複雑な変形を導入出来たのはボールジョイントのお陰だと思ってますが、こんな重量級トイにまで使われるとは意外でした。ボールの先に突起が有るのが分かるでしょうか?軸受けは左右にスリット、前後にクボミが配置してあり、左右開脚時の接地性を高めながら、前後にはラチェットを効かせて転倒防止を図っています。



 前作(2007年版)トイ(左)と、トラックモードでの比較。ケンワースW900という車種がモチーフだそうです。再現度や表現の違いは有るものの、同一の車種なので基本的に同一デザイン、サイズも揃えてあります。ノンスケールではありますが、これは嬉しい配慮ですね。新旧メンバーを並べて遊ぶ場合にも嬉しいですし、片方だけ変形させれば、ロボットモードとビークルモードを並べて飾るという、庶民はおよそカタログの中でしか見たことのない贅沢なディスプレイが(バージョン不揃いながらも)可能です。



 前作(2007年版)トイ(左)とのトラック後部の比較。イオンブラスター(銃)が無くなり、より実車に近くなったのではないかと思います。(資料未確認のため、ひょっとしたら実車にもイオンブラスターが付いてるとか・・・無いですよね?多分。)



 前作(2007年版)トイ(左)との裏面比較。タイヤが小さくなってるのは、ロボットモードでモモの横に配置し、劇中デザインに近づけるためでしょう。材質はゴムからプラスチックに変更されています。前作トイでは腰が中央(ボディのほぼ真下)に有り、脚を前に投げ出した様な格好で、後ろの四輪は折り畳みアームでモモに引き寄せられ、腰後部に位置する構成でした。今回はボディの位置は前作トイと同様ですが、車体後端を腰として、車体後ろ半分が脚、前半分が展開した足首という構成に変更。どちらも青い部分がスネ後部ですが、全然別の場所に配置してあるのが面白いですね。変形前と後のデザインが同じでも、何通りもの変形パターンを考えて開発されている事が分かります。もちろん単なるパターン違いではなく、モモとタイヤの関係を改善する狙いがあっての、意味のある変更です。



 実際の変形。車体前部の大半を占めていた脚が後方に移動したためか、ボンネット内に腕を納める配置に変更されています。前作では武器収納の都合も有るのでしょうが、背中の後ろに回していました。今回は車体後部はパタパタと開閉し、背部アーマーを構成します。ゲンコツは、フタを開いて回転引き出し式(ZZに近いでしょうか)だった前作に対し、今回は折り畳んだボンネットが甲アーマーとしての位置までスライドする事でゲンコツが露出。ゲンコツ自体は移動しません。



 腹部前方にあった頭部が上へ移動、腕も何段階にもアームが折れ曲がって、胸の脇に移動します。胸アーマーも移動式。車体後部のカバー内に収まっていたボディフレームに、前から移動してきた胸アーマーが被さる感じの変形です。腰は、コンテナ(有りませんが)用のジョイントの上に、胸が乗っかる様に接続。ジョイント中央のピンがサウンドギミックのスイッチになっていて、連結・分離時に、劇中同様の変形音を鳴らします。



 サウンドギミックは前作トイ以上に、より劇中イメージを連想させる音がチョイスしてある気がします。前作トイでは、トラックモードで天井のスイッチを押すとクラクションが鳴りましたが、どんなシチュエーションで使えば良いのか、イマイチ良く分かりません。TFよりむしろ、スピルバーグ監督作品「激突!」のトラックを思い浮かべながら鳴らすと良いかも?(車種の選定は、この映画「激突!」へのオマージュらしいです。)今回のトラックモードでは、アイドリング時のエンジン音を採用。もの静かなオプティマスのイメージに、よりピッタリといった感じでしょうか。

 前作トイの変形音は、変形の仕上げとしてスイッチ操作で頭がせり出す時に、劇中とは異なる「効果音」を発する物でしたが、今回は前述の様に劇中と同じ音を採用。アニメと同じ変形音を使うかどうか、前作トイの開発時には不明だったのかも知れませんね。セリフを喋るスイッチは、つい手が当たってしまいやすい場所に有るので、変形の最中に3回くらいは「アーイアムオプティマスプラーイム」という自己紹介を聞かされると思います。(笑)



 こちらは前作トイ。可動指や足首のオートモーフ、連動展開するイオンブラスターなど、リベンジ版に無いギミックも有り、今でも魅力的な逸品です。メックアライブの内部メカの代わりに、胸の中には電子基盤らしき物が見えますが、たぶんダミーでしょう。分解して確かめた訳ではないので想像ですが、穴が開いてて発光ギミックが覗いていたり、左右がつながっていない等、基盤としてあまり実用的でなさそうなので。



 変形途中の前作トイ。リベンジ版とは異なり、腕を後ろに回しています。ボンネットは畳んでヒザアーマーに変化。その側面は、横のタンクと一緒に背中に回ります。



 前作(2007年版)トイ(左)との比較。同じ車種・同じサイズのトラックから変形しながら、身長やプロポーションに随分違いがあるのが面白いですね。

 せっかくだから前回買わなかったキャラを買おうかな、とも思ったんですが、新旧並べてバージョンアップの様子を楽しむ事が出来たので、良かったかなと思っています。ギミックの進化、プロポーションの追求、その速さ、勢いは、トイもプラモも同じですね。普段プラモを作ってる方も、機会があればぜひ手にとってみて下さい。・・・って言うか、出来ればプラモでも出して欲しいんですけれども。


 おまけ




 劇中イメージそのままで喋ってくれる音声ギミックですが、夢中になって遊ぶより先に、ついつい余計な事を考えてしまうボクなのであります。被れば誰でもオプティマスの声で喋れるボイスチェンジャーに、オプティマスの声を吹き込んだらどうなるのか?ひょっとしたら、もっとリアルになるんじゃないだろうか?気になったので試してみました。

 オプティマスのトイを寝かせて、スピーカーの上にマイクが来る様にボイスチェンジャーを被せます。何だかやり過ぎたデフォルメキャラみたいな姿に微妙に萌え心をくすぐられつつスイッチを入れると・・・

「ア゙ーイ゙ア゙ム゙オ゙プディマ゙ズプラ゙ーイ゙ム゙」

・・・・エコーが増量されて、ちょっぴりディセプティコンみたいになっちゃいました(笑)。

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 2009.7.15 健 竹史


  

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