健さんの その300 HG 1/144 サーシェスの乗機、アルケーガンダムがようやく発売です。待てない人はスローネツヴァイの手足を伸ばして赤く塗って待っててね、という事なのかなあ、と思ってたら、そんな部分変更じゃありませんでしたね。スローネと比べて、何から何まで、とんでもなく大きくなってました。スコープドッグを想像しながらストライクドッグを組んだ時の驚きに似てる様な。パラスアテネとか、ハンマハンマ、ドーベンウルフといった、大型MSが登場した時期のワクワク感を思い出しました。 新ポリキャップ「PC−001」の保持力の限界に挑む様な、大迫力キットですよ。では、キットに目を通していきましょう。
頭部は、左右貼り合わせのヘルメットで、マスクと後頭部をハサミ込み。アゴはマスクの下から取り付けます。オデコのセンサーと左右のアンテナが大きく離してある等、ガンダムの記号を取り入れながらも違った印象になる様にデザインされてて面白いですね。(それがまた何となくセンチネルを連想させたりとか。)オデコセンサーと四つ目の組み合わせという事で、ジンクスの流れも汲んでいる様ですね。 首は、ポリパーツそのままのダブルボールジョイント。可動範囲は、シリーズ中でもトップクラスの自由度だと思います。 ボディは、ムキ出しのGNドライブに胸・肩・腰を接続した、スローネの構造を引き継いでいます。と言うより、胸板の一体感が控え目になって、構造の特徴がさらに強調されましたね。胸板はダクトをハサんで上下貼り合せてからコクピットハッチを取り付け、GNドライブの上から被せます。肩関節周辺にスキマを設ける事で、肩関節軸の自由度を増しています。 ボディの芯となるGNドライブは、前後貼り合わせ。ポリキャップで2軸可動する肩関節と、ウエストの軸受けパーツをハサミ込んであります。正面のレンズはクリアーパーツを使用。例によって、底面に貼り込むシールが用意されています。 ウエストは、球体ポリキャップで可動。GNドライブにハサミ込んだ軸受だけの、ごく短いウエストで、胸と腰がほとんどくっついたデザインですね。手足を長くするだけでなく、ボディを寸詰まりにする事で、体形の異様さをさらに際立たせています。関節を引き出せば大きくヒネる事が可能です。 腰です。フンドシは左右貼り合せ。ポリキャップをハサミ込んであり、下から取り付ける股関節軸は、前後だけでなく横にもスイング。ウエストの可動と併せて、ボディの表情付けの自由度を高めてくれます。フンドシ前部は正面から取り付け。この時ハサミ込んでやるフロントスカートは、左右切り離せばそれぞれがボール可動に出来るタイプ。ボクはニッパーで切り離したんですが、切った勢いで片方のアーマーが、(敗走するイノベイターみたいな)すごい勢いで飛んでいきました。いやー、見つかって良かったです(笑)。やっぱりナイフでゆっくり分割した方が無難ですね。 リアスカートはフンドシ後部と一体で、球体ポリキャップで接続してあります。後ろにハネ上げる事が出来るんですが、元々股関節の可動範囲は十分に確保してあり、ハネ上げたからと言って脚の可動範囲には全く関係有りません。むしろボディのヒネリ表現の一環と考えた方が良いでしょうか?ウエストを反らせた様に見せたい時に、このギミックを使うと良いかも知れません。 サイドスカート は、2枚貼り合わせの本体に、開閉式のファング格納庫ハッチ2枚と、フィンを取り付ける構成。ファング格納庫ハッチはポリキャップ無しのボールジョイントで可動し、後ハメ可能。内部にはファングがモールドで再現してあります。スカート基部は、00シリーズで肩関節の引き出しに使われているポリキャップを無可動で仕込んで、モモ上部にボール接続してあります。同じ配置で2軸接続だったスローネツヴァイよりも、自由度が上がっています。
脚です。モモは前後貼り合わせ。股関節はポリキャップを使ったボール可動となっていますが、ポリキャップは突き出た可動軸だけで保持されているため、若干前後に動きます。これは意図的な可動なのか、ガタつきなのか・・・ボクはガタつきだろうと思ったんですが、どうなんでしょうか? ボール軸受けタイプのポリキャップには真ん中に穴が開いていますが、モモが左右貼り合わせの時には、この穴にピンをハメ込んで、ガタつき防止としてある事が多いですね。今回はモモが前後貼り合わせのため、モモの中で固定されていません。軽量キットの場合はポリキャップが動けば可動範囲が広がって大歓迎なんですけど、今回に限れば、蹴りのポーズで大きく上げた脚が、ガタつきで下がってしまうため、完全固定されている方がポーズが決まりやすいのでは?と感じました。この分割方向でも、リブを配してポリキャップを前後から閉じ込める事は出来たと思いますし、上級者は内部に詰め物をすれば、ガタつきを抑えられると思います。 ヒザは、スネにポリキャップをハサミ込んだシンプルな可動で、二重関節にはなっていません。関節の丸が大きければ、二重関節にしなくても大きく曲げられるという好例ですね。ティエレン等でも使われたC字のポリキャップ隠しと、左右からハメ込む丸パーツで色分けされています。この丸パーツにスリットの表現が有るのは、軍用車両のライトカバーみたいに、GNコンデンサーのレンズ面を保護しているという事なんでしょうか? スネは、足首関節とレンズをハサミ込んでの左右貼り合わせ。正面はワンパーツ成形(+先端部色分け)のカバーになっていて、ポリキャップでスライド展開します。展開部分には内部ディテールも再現。ここはGN粒子噴射口になってるんですが、プラモとしては、スライドすればヒザが前に伸びて、立てヒザポーズが決まりやすくなるという効果も有ります。正面の分割ラインを隠してくれてるのも嬉しいですね。 スネには、GNコンデンサーが面白い向きに入っています。斜め上に向けての配置は宇宙用ティエレンのタンクで前例が有りますが、後ろのふくらみがGNドライブのコーンだとすると、そのまま推進ユニットとしても効果的に思えます。設定は良く知らないんですが、GNドライブを3基搭載してるんでしょうか?キットでは、レンズ底面をスネと一体で縦壁として成形してあり、内側からシールを貼ったあと、レンズパーツをハサミ込んで組み立てます。 足首関節は、上がハサミ込み式の前後可動、下がボール可動の二重関節。クルブシはクツの芯と一体で、左右貼り合わせとなっています。カカト外装は後ろからセット。クツ上面は前から取り付けますが、先にセットしたクツ底パーツと上手く噛み合い、後ろの形状が変化した部分にもスキマが出来ないパーツ構成となっています。 肩アーマーは、クラビカルアンテナとポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。上下の面はディテールを避けて、端に分割ラインを通してあります。と言うか、少なくとも全身設定画にはこのディテールは入ってませんね。今回は特に分割を利用しやすい、分割ラインを隠しやすいディテールが、上手く追加してある感じがします。 腕です。肩ブロックは例によって、ポリキャップカバー風に下半分だけをワンパーツ成形。ひょっとしたら、本当に上半分が存在しない想定のデザインなのかも知れませんね。腕を横に上げると肩アーマーの中に押し込まれますが、より大きく可動出来る様に、肩上のフクラミとの位置関係を、設定画とは若干変更してあります。
上腕は、筒状にワンパーツ成形。ヒジは、前腕へつながる関節パーツをハサミ込んでの左右貼り合わせ。ダブルオー等の様にヒジの丸パーツに上腕が被さっていない代わりに、上腕内部が貼り合わせになっていて、広がらない様に上腕外装で押さえてあります。 前腕は、ヒジ関節パーツをハサミ込んでの左右貼り合わせ。手首関節は、貼り合わせ時にポリキャップを仕込んでおき、筒状に成形された袖パーツを取り付けます。甲の部分には凸字形のスリットが有り、左右とも武器をマウントするハードポイントとなっています。 手首は、左右とも穴あきゲンコツが付属。指先はクロータイプになっています。関節のスキマ部分の造形が良い感じですよ。
バックパックは、分離してコアファイターに変形可能。左右貼り合わせの本体に、カナードとテールスタビライザー、極小ボールジョイントで可動するウエストガード、C字のハメ込みで開閉する主翼を取り付けて完成。普段は、背中のGNドライブのコーン先端にポリキャップで接続しています。
分離状態を再現する時は、テールスタビライザーを取り外して主翼を展開、ウエストガードを後ろに伸ばします。機体下面には差し替え変形用のコクピットブロックを取り付け、本体から取り外した頭部を接続します。コクピットの分離ギミックは再現されていませんが、差し替えでも再現してあるとMS時の位置関係が理解出来て楽しいですね。背中への着脱穴はアクションベースの規格に合っているので、飛行状態で飾る事も出来ますよ。
武装です。GNバスターソードは、スローネツヴァイと同様のスライド展開ギミックを内蔵。内部のスライドレールでポリキャップの外径部分をハサミ込んで、開・閉状態の保持力を高めてあります。グリップは別パーツ化してあり、本体貼り合わせ時にハサミ込み。内部にライフルモードの砲身を内蔵していますが、スローネツヴァイと異なり、グリップと砲身が一直線の配置でないので、別パーツとなっています。グリップはゲンコツの角穴にピッタリのサイズになっていて、ガタつき無く持たせる事が出来ますよ。 GNバスターソードは腕にマウント可能。この状態で砲身を露出し、グリップを引き出せば、ライフルモードに変化します。キットでは展開状態のグリップパーツを必要時に取り付ける、差し替え式で再現しています。スローネツヴァイよりもデザインを単純化してあるのは、腕にマウントする都合も有るんでしょうね。開閉ギミックと腕へのマウントがスローネシリーズのGNハンドガンも連想させ、系列的なつながりを感じさせます。 GNシールドは、側面を展開する事でGNフィ−ルドを形成出来るという設定。スローネドライの装備も引き継いでいるという事でしょうか。2パーツ貼り合わせの本体で展開パーツをハサミ込んであり、キットでも開閉が可能となっています。 ツマ先のビームサーベルは、クリアーのビーム刃を差し込んで再現します。実機では噴射口が前にせり出して、角度調整が可能の様ですが、残念ながらキットではせり出した状態の再現は無く、角度調整は出来ません。 組立時間は1時間15分でした。可動重視というか、派手なポーズが好きな人にはオススメのキットですね。ギミックについて、とても良く考えられています。スローネでは無可動っだった肩関節をスイング式に変更、ヒネリを重視したボディ等。エリは、設定では顔の横までハネ上がってるんですが、可動優先で低めに配置してあるんでしょうか?設定の再現にこだわりたい人は、手を加えてみても良いでしょう。 欲を言えば、射出状態のGNファングが欲しかったですね。ファング格納庫ハッチが開閉する設定という事は、着脱ギミックを再現しなくても良い分、スローネツヴァイより再現が容易だったと思いますから。 おまけ |