健さんの
プラモコラム

その151
 
アクティックギア スコープドッグの巻

( アクティックギア 1/48 スコープドッグ/ タカラ/
ATM−09−ST スコープドッグ
「装甲騎兵ボトムズ」に登場)



 半完成品モデルが続きますが、タカラのアクティックギア・スコープドッグであります。発売からずいぶん経ってしまいましたし、おまけ記事の中で紹介すればいいかな〜?なんて思ってたんですが、久々にオラタコ選手権も開催されますし、ね。

 第2回オラタコ選手権・・・ホビージャパン誌のボトムズ関連模型コンテスト。2006年1月15日締切。

 また、発売元のタカラ主催の改造・ディオラマコンテスト「アクティックギア・バトリング大会」も行われます。こちらは2005年11月30日締切。




 スケールは1/48戦闘機のキットが充実してるスケールですが、最近は戦車キットの新製品も盛んに発売されてます。キャラ物ではダンバインオーガスダグラムなんかも1/48のプラモが出てましたね。スコープドッグも、放送当時に300円のキットが発売されてました。

 主な素材はABS、関節はポリアミド。一部にビス止めを採用しています。サイズも仕様も「タカラ版ハイコンプロ」といった感じですね。細部の装甲板やフック、武器類は組立式。この辺はデュアルモデルの頃から変わりませんね。

 頭部はターレットレンズ回転、スコープ可動、バイザー可動、ハッチは引き上げ&ヒンジで90度開きます。頭部上面に走っている2本のミゾは、設定では斜めになっていますが、今回は平行にモールドされています。1/24キット(名キットです。オススメ!)でも平行になってましたが、バイザー開閉用のガイドレールという解釈なんでしょうね。



 ボディは、比較的直線的なラインで構成されていて、まさに「箱」といった感じです。ボクは、この辺はデザインのポイントじゃないかと思ってるんですが、簡単に言えば「平らな鉄板ばかりで作る方が安上がりだろう」という事です。ATは生還率が低く、パイロットの立場からしても非人道的な兵器(鉄の棺おけ)ですから、耐弾性や強度なんか無視して、鉄板を曲げる工程なんか極力ケチってるに違いない!と予想しています。

 特にデュアルモデルのボディなどは縦にも横にも曲がった面で構成されていて、あまり安く作れそうにありません。(ただし、ワキの下の追加装備がウエストにフィットしやすいメリットが有ります。)1/35キットなんかも、微妙に丸みを帯びた優しいラインですね。形自体は好みなんですけど。後に発売されたガレージキットには、直線的な構成の物が多い様に思います。

丸みのあるボディがウエストに向かって細くなっていくデュアルモデルのボディ形状。両脇に装備を追加しても窮屈な印象が無く、腕をほとんど真下に下げる事が出来ます。
各商品の形状解釈の違いは、年代によって若干の違いが有ったと考えても良いかも知れません。数十年も使われた続けた機体ですから。

 もっとも、ボクも溶接で作っているという設定を確認した訳ではありません。ボディは鋳造している等の可能性も有りますから、どう解釈しても良いとは思います。ただ、あまり複雑な曲面が無い方が、溶接表現なんかを追加工作した時に自然に見えるんじゃないかな?とは思いますね。

 コクピットの再現も充実しています。パイロットの全身フィギュアが付属、左右のメカやレバーも再現。シートは足元まで作られていて、床には簡単ながらペダルも表現されています。コクピット内部から見えてしまう肩関節も、内部メカニックの一部に見える様にデザインしてあり、1/35キットよりも上手い処理だと思います。ボディ側面のディテールは、スライド金型を使ってシャープに成形してあります。



 胸正面のメンテナンスハッチは開閉しませんが、サイズを考えるとスキマが出来なくて良かったと思います。しかし、ギミック面でデュアルモデルに劣っているのが、この1点だけ(たぶん)というのはスゴイ事ですね。身長差2倍、ちょうどMGとハイコンプロほど違う訳ですから。

 スカート類は全て可動、脚は降着ギミックを再現してあります。ギミックを仕込む時の問題点として「サイズが小さい場合はスペースの確保が難しい」と言われますが、軽量モデルであるために保持力がさほど問題にならず、プラスに働いた部分もあるのかも知れません。例えばデュアルモデルの重量は相当なもので、降着ギミックを仕込んだために関節が弱くなる様ではマズイですし、保持力の心配のある引き出し機構を使わず、全て軸可動で構成するのは大変だったと思います。(スカートに隠れてあまり目立ちませんけど、モモの形を変えて解決してます。)もちろんアクティックギアにギミックを仕込むのが簡単だったろうという意味ではありませんが。



 ヒザ関節部分の露出を設定よりも大きく取ってあり、1軸関節にしては大きく動かす事が可能です。そのためにヒザ後部アーマーがスネだけを覆っていて、ヒザ後部を保護していなんですけど(笑)。このアーマーが妨げになってヒザの動きが制約されるという、過去のキットの反省を活かしたアレンジです。足首はダブルボールジョイントで大きく可動。可動範囲確保のため足首の内側が大きくくり抜いてあり、足裏のグライディングホイールの再現が簡易的な物になっていますが、何しろ名前が「アクティックギア」ですから。可動を楽しむという開発目的を優先したのは良かったと思います。足裏の接地性も優れているので、上級者は股関節の周辺を削って開脚しやすくしてやると、さらに遊べる様になると思います。(実施する場合は各自の判断で、慎重に行いましょう。)

 足首側面にあるターンピックの可動も再現されています。横の突起がツマミになっているんですが、設定でも、この突起ごとピックが下がっている様なので、最初からツマミにする事を意図してデザインされていたのかも。今回初めて気付いたんですが、ローラーダッシュで旋回する時だけでなく、降着ポーズの設定画でもピックが打ち込まれている様です。バランスを崩さず器用に立ち上がるのを見て不自然に思っていましたが、ピックで足首を地面に固定しているから可能だったのかも。・・・毎回打ち込んでいたら、格納庫の床が穴だらけになってしまいそうですけど。(笑)



 肩関節はボールジョイント。腕を横に上げる場合は、肩アーマーを若干引き出して可動範囲を広げる事が可能です。前腕はアームパンチ機構を再現。さすがに内部までは作り込まれていませんが、動くだけで嬉しくなりますね。アームパンチ再現の影響で、ヒジアーマーの取付面積が小さく、若干外れやすくなっています。紛失しない様に注意しましょう。

 手首は左右とも握り手が付属。ヘビーマシンガンは右手と一体成形されていて、手首ごと交換して持たせます。保持力の点からも、このサイズではベストな方法でしょうね。ハイコンプロでも同じ方式が採用されています。身長は8センチ程度ですが、ヘビーマシンガンはガンダムシリーズの1/144キット付属のライフルに負けないボリュームがあります。上級者は銃口に穴を開けてやっても良いでしょうね。

 スコープドッグ単体売りの他に、装備付きの物も発売されています。ボクは今のところパラシュートザックだけ持っているんですが、ザック本体をハネ上げるギミックが仕込まれていて、背負ったまま降着ポーズが取れるのが嬉しいですね。ザックは組立て式で、予備マガジンの間のスキマ等もキチンと表現されています。成形方向の都合で省略されている側面のフックを自作したり、パラシュートを布っぽく作り直してやると、さらに良くなると思いますよ。

1/24デュアルモデル(ゲームソフトに付属した復刻版)、1/35ジョイントモデルとの比較。プロポーションは今風なスマートな物になり、成形色も一段とリアルになってる気がします。
トイもキットも含めれば、この他に1/60や1/12、1/8でも発売されてますが、全てのサイズでコクピットが再現されてるってのも、スゴイ話ですね。スクラッチ作品では1/1の物まで製作されましたし・・・。

 ・・・とまぁ、てんこ盛りのギミックを可能な限りに詰め込んであって、ものすごく楽しめるトイに仕上がってます。下手に金属パーツを使っていないので、模型として工作に取り組むのにも適しています。大改造しても良いでしょうし、ヒンジを成形する都合で切り欠かれている部分や、上腕内側の穴等を修正してやるだけでも良いでしょう。デカールが無いのが残念ですが、プロポーションが若干スマートになっているので、1/60キットの物を試してみるのも良いかも知れません。

放送当時の1/60トイ「ATコレクション」と、同スケールのゴッドガンダムの比較。ちなみに体重を比較してみますと・・・軽い順に
マーシィドッグ    6.795トン
ゴッドガンダム   7.5トン
ベルゼルガ     8.333トン
ダイビングビートル 8.415トン
となっています。平成ガンダムは軽いのです。

 バリエーション展開が容易なメカだけに、逆に「ドッグ系以外のATもちゃんと発売して欲しいな〜」と思います。「メロウリンク」とか「青の騎士ベルゼルガ物語」なんかも含めたシリーズになってくれると嬉しいですね。ATフライ(輸送ヘリ)まで予定されてるので、期待していいかも?!平手や、各種ポーズのフィギュアも欲しいところ。「コクピットでアーマーマグナムを構えるキリコ」なんてのは、ぜひ再現したい必殺技みたいなモンですし、どうでしょう?欲を言えば、人気がダグラムまで飛び火してくれないかなー、なんて思ってるんですけどね。


 おまけ

 こちらも遅くなってしまいましたが、ケロロ軍曹を軽く紹介するであります(笑)。キットは下アゴ、白目、腹、帽子が色分けされ、帽子と腹の星マーク、口、目のシールが付属。手足を交換する事で各種ポーズを再現できます。足裏の穴を使って飾り台に接続すれば安定したディスプレイが可能で、片足でも立たせる事が出来ます。



 共通の仕様でケロロ小隊のメンバーが続々発売されていて、ランナーにも共通部分がある様です。それぞれ数点ずつの武器が付属していますが、このケロロにはビームライフル、バズーカ、シールド、ケロボール、バックパックが付属。シールドは手に持たせたり腕にハメたりして、構え方を選択出来ます。バズーカは手に持つだけではなく、背中の穴を使って背負わせる事も可能です。



 面白いのは、目の表情が変化するギミック。頭の中には目が4つ仕込んであり、一度頭の中に押し込んで180度回転、再び顔の表面まで押し出す手順で表情を入れ替えます。頭の中はヨツメウオみたいですけどね。回転・押し出しのために、後頭部にはレバーが付いています。目のシールは面積が広くてシワが寄りやすいので、自信のある人は黒目の部分だけ丁寧にカットして貼るのも良いでしょう。



 肩と股関節は着脱可能なボールジョイント。股関節は、ボールを前寄りにセットしてやると安定が良い様です。手は伸びた物、ヒジが可動する物、敬礼ポーズの右手が付属。足は伸びた物、ヒジが曲がった物が付属します。



 首は着脱可能になっているんですが・・・3種類付属するジョイントパーツを付け替える事で、首の取付穴径を変える事が出来る様になっています。これで、規格の異なる各種ガンプラやBB戦士のボディを使った「着せ替え遊び」が可能になるんですね。どのジョイントがどのキットにフィットするか、なんて対応表まで付いてます。ジョイントパーツは紛失しないよう、飾り台の後ろにセットしておく事が可能。交換用の手足や武器を無くしてもジョイントパーツだけは無くしちゃイカンのであります(笑)。

 それにしても、ボクが人生の大半を費やして集めてきた物が、カエル宇宙人めの着せ替えパーツだったとは・・・。まぁ、コミックでもボディを装着して人間になりすますとか、色々やってましたもんね。ついでに、MGガンダムの頭にセットできる、裸男のボディがあると嬉しいんですけど。

 このキット、ヨメさんも作ってみたいと言うので、2人分買ってきました。(ヨメさんの方だけシールを貼ってあります。)プラモなんて作るの初めてですから、少しでも説明書が読みやすくなるかとA3サイズに拡大コピーしてみたら、なかなか好評でした。初心者に勧める時には、ぜひお試しあれ。

2005.10.2 健 竹史


  

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