健さんの
プラモコラム


その237
 HG ガンダムスローネアインの巻

(HG 1/144 ガンダムスローネアイン/
 GNW−001 ガンダムスローネアイン/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場)



 昨年末、おいっ子たちに部分塗装で作ったガンプラをプレゼントして以来、ヨメさんのガンプラを見る目が変わりました。「今まで気付かなかったけど、ガンプラっていいよね」とか、そんな目じゃありません。「ダンナにガンプラを作らせて持っていけば好感度UP!」とか、どうもそんな目で見てるように思えてならないのであります。先日も、このスローネアインの可動やギミックの事なんかを熱心に聞いてくるんですが・・・強奪されない様に気をつけないと。

 では、今一番狙われてるスローネアインの紹介と参りましょう。



胸のGNドライブの奥には、付属のシールを貼り込んであります。

 頭部は、顔を左右分割のヘルメットでハサミ込み、V字アンテナ、チョンマゲ、トサカを取り付ける構成。アゴが赤くない配色のため、顔は目やアゴまで含めたワンパーツとなっています。チョンマゲは、従来で言う額のセンサーが後頭部まで延長された様な配置で、むしろモヒカンといった感じ?上部のスリットからトサカが貫通し、ヘルメットの奥まで差し込んであります。

 はポリパーツをそのまま使用。上下可動だけでなく、前後移動も得意です。



 ボディです。シールを貼り込むレンズ底面からウエストの軸受けまでが一体になったパーツを芯にして、前後分割のGNドライブを組み、胸板と脇のガードを取り付ける構成。ほとんどムキ出しのデザインになっているGNドライブは、肩関節軸とウエストも一体成形。これまでのガンダムとは異質のデザインですが、どうやってパーツ点数を減らすか、キットのパーツ構成まで意識したデザインだと感じます。胸板は上下方向から成形してあり、2枚貼り合わせの構成。エリも一体です。胸板上面のコクピットハッチは別パーツ化。ダクトは下からハメ込む構成となっています。

 GNドライブのレンズにはクリアーパーツを使用。今回は胸の内側から取り付けます。底面に貼り込むシールも用意されています。



「胸のレンズは本当に光ってるんだねー」
「これは内側にキラキラシールが貼ってあるんだよ」
「キラキラシールはいいから愛する奥さんのプリクラ貼ろうよ」
・・・どこのミケーネ帝国ですかソレは!(笑)

 腹部は、軸受けになる芯のパーツにABSを採用、ポリキャップを仕込めないほど細いウエストを再現しています。GNドライブの上だけ胸板で保護し、下半分を完全に露出したデザインは、ガンダムである事を強調する意味が有るのでしょう。GNドライブさえ付いていれば、外観も行動もガンダム離れしててOK。むしろガンダムを名乗る事に違和感を感じさせる事がデザインの狙いかと。登場時こそ味方ですが、にせウルトラマンショッカーライダーのポジションを連想させます。



 です。フロントスカートは左右一体ですが、切り離せば独立してボール可動するタイプ。リアスカートは固定式となっています。股関節はフンドシの下半分ごとヒネれる、これまでのガンダムと同等の機構。フンドシ下のフタパーツを外すと、飾り台の取り付け穴が露出します。



 です。モモは、ヒザ関節をハサミ込んでの前後分割。股関節軸受のポリキャップは、腰外側のグレーのパーツにセットしておいてからモモ外装にハサミ込みます。この腰外側のパーツはランナーから除外出来る様に切り替えが設けてあるんですが、HGティエレンの辺りから始まった識別の刻印は、「a」「c」となっています。それぞれ「アイン」「ドライ」を示しているんでしょうね。「ツヴァイ」はサイドスカートの付いたデザインのため、ラッチのモールドがピンに置き換わったパーツが代わりに付属するのだろうと思います。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 ヒザは、関節パーツの下側にポリキャップを内蔵し、上側にABSのヒンジパーツをハサミ込む、左右貼り合せの構成。上側はモモパーツでヒンジを前後からハサミ込み、下側はヒザメカパーツ自体をスネでハサミ込みますが、外側側面にだけ丸パーツが付いているのが気になりますね。この丸はモモと一体で成形されています。最低限の装甲しか持たないデザインと考える事も出来ますが、これ、モモと一体の丸にピンを付けて、ヒザを横からハメ込む事を意図したデザインじゃないかと思うんですが、どうでしょうか?

 スネは、後部スラスターとヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。前面は中心に分割ラインが通っていますが、これは設定でもそうなっています。前面を別パーツ化する事も、別パーツ化せずに真ん中で分割する事も可能な、プラモの事情に配慮したデザインですね。ヒザ関節はスネの後ろに配置してあり、180度曲がります。可動を妨げない、上手いデザインですね。後ハメも可能だったろうと思うんですが、背中の装備が大きいので、荷重に配慮してハサミ込みになったのかも知れませんね。



 足首関節は、上下ともポリキャップを使用した二重関節。上側は前後スイング、特に前へ大きく引き出せます。下はボール可動。ムキ出しの関節なのでポリキャップが見えてしまっていますが、ヒネリも自在でプレイバリューは高いですよ。ポリキャップを隠したい人は、薄いプラバンを貼ってやると良いかも知れません。上側は説明書ではハサミ込んで組み立てていますが、後ハメも可能です。関節パーツと一緒だとポリキャップを調整しやすく、ネジれてツブすトラブルを避けやすいんですよね。指示通りに組んで、塗装前に一旦関節を引き抜くのが良いかと思います。



 足首は、左右貼り合わせの本体に外装を取り付ける構成。土踏まずの部分は無可動となっています。ツマ先の外装は下に行くほどスボまった形ですが、斜め前から履かせる方式でワンパーツ成形。カカトの外装は後ろからハメ込みます。足の甲のアーマーは上から被せてあるんですが、設定では足首関節より幅広に描かれていますね。ちょっと浮いた感じの配置と言い、実際は可動式の足首アーマーなのかも知れませんね。

 肩アーマーは前後分割。先に上面のサーベルホルダーを組んでおき、腕や側面のブロックと一緒にハサミ込んでやります。上面はほとんど隠れるので、接着ラインを消してやる必要は無さそうです。サーベルホルダーの横にはアンテナが有り、左右に可動。これはエクシア等のエリのアンテナに相当する物だと思います。色指定は本体色のダークブラウンですが、成形色がになっているのは、ツヴァイやドライで後ろ半分が白の指定になっているのに合わせたものです。



 です。肩ブロックから突き出たピンが、筒状に成形された上腕を通してヒジのポリキャップに接続するスタンダードな構成ですが、ヒジのポリキャップカバー(関節メカパーツ)は、なんと下側からハメ込み。前腕側にはポリキャップカバーが動くカーブに沿って内壁が設けられていて、カバーが外れて落ちる事は有りません。

 上腕を組んでから前腕にハサミ込む様に指示してありますが、前腕にポリキャップを上下逆に取り付け、カバーを被せて180度回転させれば、後ハメも可能ですよ。死角無くポリキャップを隠せるので、これは今後のスタンダードになるかも知れませんね。ヒジの可動範囲の広さにも注目です。



腕内部の様子です。左が完成状態。関節メカパーツの動きに沿って配置された内壁のカーブが分かるでしょうか?
右は後ハメの方法。説明書の指示とは上下逆に組立て、関節を180度回してから上腕をセットします。
また、上腕の下端もヒジ関節の一部になっている点に注目。塗装は必要ですが、これによってヒジが120度くらい曲がる様になっています。

 前腕は、左右貼り合わせの構成。内側は中央を避けてパーツ分割してあり、接着ラインが気になりません。甲側にはハードポイントが設けてあり、ツヴァイ・ドライでは武器をマウントする様になっています。

 手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属します。

 背中のスラスター(?)は、前後2パーツの貼り合わせで、ディテールを損ねない様に配慮されています。GNドライブの後端に埋没する様に取り付け。後部下側には設定に描かれていないクボミが有りますが、例によってハイディテールなデザイン画稿が有るんでしょうか?



 バックパックは、開閉式のハッチをハサミ込んで組み立てる、左右貼り合わせ式のユニットが2基並んだデザイン。スラスター下部のスリットと、ワキの下のガードを使って頑丈に接続してあります。左ユニットにはシールドにつながるケーブルが、右側にはランチャーを支える可動式アームが接続されています。アームはケーブルと対称の位置(円モールド)に接続されるのが正しいんですが、可動の都合でベターな軸位置に変更したのか、あるいは軸穴とハメ込み穴の両立を考慮した結果か、設定よりも高めの配置にアレンジされています。



 武装です。GNビームライフルは、左右貼り合せの本体に銃口、レーダー(の様なプレート?)、ストックを取り付ける構成。スコープの内側は中心を避けて分割してあり、シールも用意されています。ストックは起き上がり、GNランチャーに接続する事が可能です。グリップは長めに造形されていますが、これはランチャー接続時のポーズ調整用として、握る位置に余裕を付けてあるのだろうと思います。



HGヴァーチェのビーム刃を流用しています。このキットにビーム刃は付いていません。

 GNビームサーベルは、両肩に1本ずつ装備。ツバの部分を別パーツ化した2パーツ構成となっています。サーベルホルダーには上から取り付け。ハメ込み部分がヒンジになっていて、上下に動かす事が可能です。クリアーのビーム刃は付属せず。ツヴァイあたりに付属するのではないかと思いますが、劇中のGNドライブ以上に、ビーム刃が貴重な存在となっていますね(笑)。もう少し頻繁に付属すると嬉しいんですけども。

 GNコンデンサーを内蔵していて、手を離してもすぐにビームが消える事はない、という設定ですが、説明書の解説を読んで「投げるのかな?」と思っていたら、敵に奪われて使用されるとは意外でした。長所と短所は表裏一体、ままならぬものなのです。(で、このまま技術が漏洩しちゃうんでしょうか?)



 GNシールドは、本体に表面パーツと裏面パーツを取り付ける構成。裏面パーツには合成ゴムのケーブルをセットし、バックパックと接続します。ケーブルがネジれた状態で組みあがると面倒なので、完全に閉じ込めてしまう前に、ケーブルの向きを確認しておきましょう。

 GNランチャーです。砲身は通常は二つ折りになっていて、この状態でも発射可能。砲口は二重関節のヒンジ表面にモールドされていて、展開すると下を向く事になります。詳細な設定は見てないんですが、実際は折り畳み状態の砲口の前に、延長分の砲身が追加されるんじゃないでしょうか。



背中のアームと右腕の2箇所で保持されるGNランチャー。モードチェンジのギミックであると同時に、展開時の荷重を考慮したギミックとも言えそうです。
バックパックからビームのエネルギーを供給、腕からはライフルを介してフィールド制御のエネルギーを供給して命中精度をアップ、ライフルのスコープとも連動させている、と勝手に想像しています。

 後部は下に折り畳む事が可能。さらに下部のフタが開き、グリップを引き出す事が出来ます。兄弟機がここを握る訳ですが、トリガーが付いているのは何故でしょう?血の気が多い妹が勝手に発射するんじゃないかとヒヤヒヤしますね。弟や妹はエネルギーだけ供給させて、発射の権限は持たせない方が世界平和のためになると思うんですが、実は戦隊モノの必殺バズーカのノリで、息を合わせて発射するとか?フタの表面には引き出し式のフックが有りますが、これも兄弟機と連携するための装備なんでしょうか?



 折り畳み時には速射性に優れ、砲身展開時には命中精度が向上します。また、他の2機からエネルギー供給を受けて高出力で使用する事が可能。2機連結時は「GNメガランチャー」、3機連結時は「GNハイメガランチャー」と呼ばれます。全部買ってもらえなかったお子様にも楽しんで頂ける仕様となっております。(笑)



 組立時間は1時間5分でした。HGダブルオーシリーズの可動範囲の広さとギミックの豊富さには毎回驚かされますが、ますますエスカレートしてる気がします。さらに他の2機が発売されれば、連携して遊ぶ楽しさが加わりますね。頭部や専用武器は2枚のランナーにまとめてあり、ABSランナーには切り替えが用意される等、パーツ共用の準備は万端。すでにツヴァイの発売は決まっていますから、トリニティチームが机の上に揃う日も遠くないハズ。期待して待ちましょう。

 ・・・とか思ってたら、下の二人はあっさり死亡して、形見の武器を追加装備した重武装型スローネアインが一人で大暴れ・・・なんて展開が、無いとは言えないダブルオー。まったく先が読めないのでありますよ。


 おまけ


 

 今頃になって・・・なんですが、先日から「ガンプラ・ジェネレーション」を読んでいます。機動戦士ガンダム20周年記念出版、旧世紀の書物ですな。発売当時、店頭で見かけて「プラモ狂四郎」の後日談、「プラモ狂四郎1999」だけは立ち読みしたんですが、買い逃したまま何年も過ぎてしまい、読みたいと思っていたんですよ。

 タイトルの意味は「ガンプラ世代」。メーカーの苦労話とか、製品そのものの話よりも、ムーブメントに着目した本です。特に出版物・雑誌から「プラモ狂四郎」や「MSV」が誕生し、プラモと連動していった時代を紹介してあり、出版メディアの功績や、読者の盛り上がりを振り返るのにピッタリの一冊です。

 やまと虹一さんのインタビューやストリーム・ベース座談会、時代を作ってきた記事の紹介にガンプラ関連の主要文献リスト等を収録。MSVの紹介にも力が入っているんですが、資料本の様に設定資料を掲載するだけでなく、どのMSVが、どんな流れを受けて、どんな意図でデザインされ、どの本で発表され、後にどんな影響を与えたかを解説してあるのが面白いですね。徹底して「ガンダム」ではなく「ガンプラ」の歴史を語っている訳です。唐突にMSVの話を始めずに、ファーストガンダムに登場したMSの設定や本編ダイジェストも収録されていて親切なんですが、初期デザインや没稿も掲載するなど、基本情報のコーナーさえもマニアック。大気圏突入法の初期案には仰天しました。カラーページには、紙面を飾った数々の作例も収録されていますよ。当時を知る人にも、まだ生まれてなかったという人にもオススメの一冊です。

 2008.2.17 健 竹史


  

HG ガンダムスローネアイン
HG ティエレン宇宙型
MG MS-06R 黒い三連星仕様Ver.2.0

  

HGUC νガンダム
MG MS-06Fザク2 ver.2.0
MG ザクマインレイヤー

  

MG ストライクE+IWSP ルカス・オドネル専用機
HGUC G-3ガンダムVSシャア専用リックドムセット
TFムービー スキャニング TS-02 バンブルビー

HG GNアームズ+ガンダムエクシア
HG スローネツヴァイ
HG オーバーフラッグ

  

バトルホーク DVD-BOX
トリプルファイター DVD-BOX
ふしぎな島のフローネ 完結版

  

機動戦士ガンダム0083カードビルダー コレクションバインダー
ガンダム無双スペシャル
機動戦士ガンダム00 2

  

ULTRASEVEN X Vol.1 プレミアム・エディション
ウルトラマンティガ・ダイナ・ガイア メモリアルボックス
クライマックス・ストーリーズ ウルトラマンティガ

  

変形! ヘンケイ!トランスフォーマー C-01 コンボイ
リボルテックヤマグチNo.47ホットロディマス
リボルテックヤマグチNo.46スタースクリーム

変形1 ヘンケイ! トランスフォーマー C-05 ホットロディマス


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