健さんの その227 HG ティエレンの巻 (HG 1/144 ティエレン地上型/ 敵機・量産機が魅力的なダブルオーですが、特にこのティエレンのデザインは面白いですね。シルエットはザクと全く異なりますが、こういったハイテクの臭いがしないMSこそガンダムには欠かせないと思うんですね。その志は、まさしくザクの子孫と言っても良いんじゃないでしょうか。なんて思いながら型式番号を見ると、「MS」「J」「06」「U」などという、ザクを連想させる文字のオンパレードじゃないですか。嬉しくなってきますね。 その一方で、ティエレンという名前は中国語読みの「鉄人」らしいんですけども。どうして型式番号に「28」とか「17」が入ってないんだよ!と不満を感じている人は、市販のナンバーデカールを貼って楽しんではどうでしょう?では、ぼちぼち本題へ移りましょう。 頭部は、ボディと一体で首の無いデザイン。キットでも下アゴ(?)はボディパーツの一部として成形されています。そこにモノアイと一体のモノアイレールをハメ込み、左右貼り合せのヘルメットを被せる構成です。モノアイレールは円盤状のパーツで、ヘルメットを外して左右に回せば、モノアイの動きを再現可能。目玉シールが付属しますが、細かいので、ちゃんとピンセット等を使うと良いでしょう。 ボディは、まず中央のユニットを組み、その左右に半円のパーツを取り付けます。この半円のカーブに沿って、ガンダムと同様に胸両脇のユニットが前へスイング可動。スイング用のポリキャップは中央ユニットに仕込んであり、結構長い軸で腕までつながっています。「敵ガンダムに似てる」というより「1/144旧ザクを思い出すなぁ」と感じたんですが、どうでしょう? ウエストは縦方向にワンパーツ成形。胸との間で前後スイング、腰との間で左右回転します。上側のポリキャップはなんと、以前よく頭の中に仕込んであった、小さいボール軸受けです。ウエスト側から先の丸いピンを差込んで周囲を囲み、軸可動だけを活かす形で使ってあるんですが、意外と保持力が強くて驚きました。 腰は、フンドシを前後パーツでハサミ込む構成。後部にはさらにリアスカートが付きますが、固定式となっています。グラグラしなくて良かったかも。リアスカートはカーボンブレイド用のフックを一体成形するための穴が開いています。設定にこだわりたい方は埋めてやると良いでしょう。スカートは左右で分かれている様に見えますが、カーボンブレイドを取り付ける都合を考えると、スカートが左右別々に動くと困る気がします。実際は一枚なのかも知れませんね。 スカート表面にある張り出しは、カーボンブレイドの受け面なのかも知れませんね。ここはカーボンブレイドが何度も当たった様なハゲチョロ塗装をするとか、ゴムパッドになってると解釈して質感を変えてみるなんていうのも良いかも知れません。 脚です。股関節は、フンドシのボールジョイントを直接モモに接続せず、筒状の関節パーツをかませてあります。ここは設定でも大きく描かれていますが、キットではこれを活かし、一関節多く動くような構成にしてあり、脚の自由度が大きく上がっています。股関節軸が全方向にスイング出来るような、画期的な可動です。 モモは、ヒザ関節パーツをハサミ込んでの左右貼り合せ。パーティングラインは、股関節付近の段差(二重構造の表現でしょうか)を避けて通してあるため、ペーパーがけは簡単だと思います。股関節パーツは、モモの外側に向けて接続してあり、2軸可動します。 ヒザは二重関節。上側はモモにハサミ込んだ部分が可動し、下側は丸モールドの部分で回転します。中央の一段落ち込んだ部分が回転する仕組みですが、ポリキャップを囲う様なC字形のポリキャップ隠しが仕込んであり、スキが有りません。エクシアもそうでしたが、ダブルオーの機体はヒザの丸が大きい物が多いみたいですね。 スネは、左右貼り合せの本体に、前面装甲を取り付ける構成。右脚は前面装甲の穴からフックがのぞいていますが、これは事前にスネにハサミ込んでおきます。左脚の場合は、フックの代わりにシールド取り付け用のピンをハサミ込み。実機では右脚と同じフックにシールドが接続してあるんでしょうね。装甲がスネ前面を隠してくれる事と、ヒザが後ハメ式になっている事で、接着ラインを消す手間も軽減されています。 足首アーマーは、スネ前面装甲とスネ本体の間にハサミ込む形で取り付け。保持力はしっかりしていて、走る様なポーズでも好みの角度で固定出来ます。 足首関節はボールジョイントで可動。足首は、クルブシのメカパーツを上下からハサミ込む様にツマ先を取り付け、下からカカトを取り付ける構成です。実機のカカトは可動しそうですが、キットでは固定式となっています。 腕です。肩関節は、関節軸が筒状のポリキャップ隠しに覆われていて、股関節に似た印象になっています。肩はポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合せ。上面がオープンになっているのが面白いですね。肩関節軸が高い位置なのに、怒り肩に見えない効果がありそうです。
上腕はゴツゴツしたデザインですが、筒状にワンパーツ成形されています。下方向から肉抜きされた部分がありますから、気になる人は埋めておくと良いでしょう。肩とのつなぎ目が保護されてるデザインが良いですね。こういうデザインを見ると「保護されてるから被弾に強いんだ」と感じるのと同時に「保護が必要って事はガンダムと違って壊れやすいんだな」という妙な安心感(?)も感じます。ローテク万歳!来週も思い切りのいいヤラレっぷりを期待してますよー。
肩部シールドは2枚貼り合せの構成。ポリキャップが仕込んであり、自由に可動します。ディテールも良い感じですし、武器の取り回しに干渉しない短さもリアリティを感じさせますね。裏面にはフタの様なモールドが追加されていますが、ポケットになってるという解釈でしょうか?今後登場するバリエーション機が、シールドを手に持って殴る様な使い方を希望します。 ヒジはポリキャップで可動。肩から伸びた軸が、上腕とヒジ関節パーツを通して前腕のポリキャップまで繋がっています。ヒジアーマーは、ヒジ関節パーツに貼り付ける形で固定。キットでは上腕から吊るしてある様にも見えてしまっています。半円の部分がヒジと平行で、上の四角い部分がメクレている様な配置になってると良かったと思いますが、前腕への密着感を優先して角度を変えてあるのでしょうね。 前腕は2パーツ貼り合わせで、甲の部分にはハードポイントが設けられています。手首アーマーは、表から押し込んで取り付ける可動式。実機の前腕は、スネと同じように、甲の部分が別のアーマーになってるんでしょうね。1/100が出るなら(出してね)、足首アーマーと同じ取付になってると嬉しいです。 手首は、左右のゲンコツと右の平手が付属します。ゲンコツは最近のHGUCに近い、手の平と指の関係が正確な物。手の甲まで同色の2パーツ構成です。手の平には穴が開いていて、ここにカーボンブレイドの突起をハメ込んで保持する仕組みです。平手はディテールが少なめで、ガンダムとはずいぶん異なった印象。ビーム兵器用コネクターの無い、純粋なマニピュレーターという事なんでしょうか。 バックパックは、ほとんど真四角の箱といった感じです。アンテナはもちろん別パーツですが、背中に密着する面を別パーツにして、キチンと塞いであるのが良いですね。少し昔だったら、上の方にちょっとスキマが出来る程度だったら放置されてた気がしますが、本当にスキの無いキットです。 武装です。200mm×25口径長滑腔砲は、2パーツ貼り合せの本体に砲口、マガジンを取り付ける構成。手に持つのではなく、前腕にマウントして使う火器で、基部はポリキャップが仕込んであり回転します。同軸機関砲が付いているなんていう設定は面白いですね。これは先に機関砲を撃つ事で、主砲の着弾点を正確に予測出来るという装備です。MSはごく普通に銃を構えているので絵としては歩兵っぽいですけど、実は戦車よりもはるかに大きな大砲を持ち歩いている訳で。巨大さを思い出させてくれる設定と言えるでしょう。
銃身の側面には角穴が開いています。宇宙型が発売される時には、この穴を利用して銃身冷却板が追加されるんでしょうね。この板はブレイドとしても使える装備だそうです。 カーボンブレイドはワンパーツ成形で、手に持たせるための突起が追加されています。左右対称のデザインなので、ひっくり返せば左右どちらの手にもフィットします。持たせない時にはリアスカートにマウント可能。スカート側のフックは抜けにくい形状で、安定して保持出来る様になっています。 脚のシールドは、ポリキャップをハサミ込んでの2パーツ貼り合せ。1パーツ+裏面ジョイントという構成にも出来たでしょうが、パーツを重ねて厚みを表現してある事で、ティエレンらしさが増していると思います。(こうなると、リアスカートの裏側も埋めてやりたくなりますね。) シールドは左足だけの装備ですが、シールドを敵に向ける(右半身をかばう)様な構えで戦う事が多いという事でしょうか。ダメージ表現を施す時などは、左右のダメージに差をつけてやるのも良いかも知れません。ティエレン長距離射撃型はシールドを両足に装備しています。キットでも左右のスネには互換性があり、右足にシールドを装備させたり、2個買って両足に装備させる事も可能です。 組立時間は1時間でした。横幅が大きなデザインのためか、安価な割に迫力があって、お買い得感のあるキットですね。構成はシンプルですが、大事な部分ではパーツ点数を惜しまず分割してある感じで好感が持てます。 今後の展開ですが、リアスカート、頭部、足首、武器類、バックパック、上腕、モモ外側が除外可能になっていて、色んなバリエーション展開が期待出来そうです。すでにティエレンタオツーの発売が決定していますが、スネ、上腕、肩と脚のシールドが含まれるCランナーは、タオツーではまるごと除外されると思われます。このCランナーの中に切り替えが有るという事は、スネをそのまま使い頭部やリアスカートを使わない、長距離射撃型の発売は想定されている物と思われます。
ところで、ティエレンって全高不詳のデザインですよね。10メートルにも7メートルにも50メートルにも見えますし、もう少しウエストを太くすれば2.5メートルくらいのパワードスーツにも見えそうです。コクピットハッチが18メートルクラスである事をかろうじて主張してますが、このパーツは除外可能になってますし。今後制作されるロボットアニメでも、主人公メカをティエレンに似せれば(使いまわしで)キット化される可能性大!かもです。もちろんユーザーも好き勝手にデコレートして、パトレイバーや鉄人28号等々と戦わせてみてはどうでしょうか?(おい!) おまけ |