健さんの
プラモコラム

その326
 HGUC ギラズールの巻

 HGUC 1/144
 AMS−129 ギラズール/バンダイ
 「機動戦士ガンダムUC」に登場
2009年12月発売 税別初出価格1800円



 袖付きが使用するギラドーガの後継機、ギラズールがHGUCで登場です。発売時期も近いし、キットでも共通箇所が多いんじゃないかな?と思ってたら、ずいぶん雰囲気が違いますね。並べてみると、ボリュームの差は歴然。小規模な組織の士気を高めようと、先祖帰りした様なジオン様式でまとめてあるらしいんですが、ディテールだけでなく、プロポーション自体もザクに近づけてあるという事でしょうか。

 それにしてもこのプロポーション、どこかで見たような気がするんですが・・・もしかして「ククルス・ドアンの島」ですか?まさかギラズールもドアンのザクも、困窮しているからあんなに痩せ細ってしまったのでは・・・。いや、何だか話がダブルオーの姫様みたいになっちゃいましたね。ともかくキットに目を通していきましょう。



 頭部は、顔とヘルメットを縦に重ねる構成。間にハサんだモノアイシールドは、アゴの下に出たツマミで左右に可動します。モノアイが丸くモールドされているんですが、顔のギザギザのラインに対してシールの位置が決まりやすし、親切設計と言えるかも。動力パイプはアゴの下から取り付け。ギラドーガ同様、が大きく上に引き出せるんですが、パイプパーツのハメ込み部分が丸見えになっても良い様に、デザイン的に処理されています。



 クチバシはガスマスクの様なデザインで、先端部は正面からハメ込み。ずいぶん細いクチバシになってるんですが、こういうデザインなんでしょうか?手元に資料が少なくてコメントしづらいんですが、がやせ細っていて、弱体化したネオジオンの魂の叫びが形になった様です(笑)。それなりに太いクチバシの上面に、仮面風のギザギザが付いてるだけかと思ったんですが、パイプの干渉を避けるには、このくらい細い方が良いのかな?成形の都合が無ければ、パイプを一部半没式にして、もう少し頬を膨らませるのも良いかと思います。



 ヘルメットは2種類付属。ツノの無い一般機用と、ツノの付いた隊長機用の物で、完成後も交換可能です。側頭部に貼る部隊マークのシールが付属しています。



隊長機用のヘルメット。完成後の一般機用のヘルメットと交換可能です。

 ボディです。は前後貼り合せ。上に大きく引き出せるパーツと、前に大きく、上に若干引き出せる二軸可動の肩関節をハサミ込んであります。エリと胸板は別パーツ化され、階級等によって異なる装飾もモールドされています。この辺のパーツは除外可能なランナー構成になっていて、アンジェロ機等のバリエーションが出る時は、新規パーツに差し替える予定の様ですね。

 エリ内側パーツは上から取り付け。ハの字に開いたエリを押さえる様に、後から取り付けます。胸左右のフックはモールドで再現。その下の丸バーニアも含めて、実用目的の物まで装飾的に配置してある様で、面白いデザインです。



 ウエストは、胸の前後から貼り合せ。前部パーツはコクピットまでを含みます。動力パイプは左右から取り付け。板状の突起で、ウエスト側面に頑丈に固定してあります。とはボールジョイントで接続。普段は横スイング、少し引き上げるとグリグリ可動します。

 です。フンドシ本体は、ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合せ。後部はリアスカートと一体になっています。動力パイプは斜め上から差し込み、両端の突起で固定。サイドスカートのポリキャップや、ウエスト動力パイプのハメ込み部分を、ほとんど見えない様に隠してくれます。股関節はフンドシの下半分ごとスイング可能、その下は飾り台取り付け穴になっていますが、フタパーツは有りません。

お宝ハプニング映像

キットをそのまま組んだ場合、片足を上げただけで、フロントスカートは左右一緒にここまで上がります。

 フロントスカートは、左右一体で可動します。左右切り離しても良いのですが、ヒンジ部分だけでなく、スカート自体も左右がつながった状態で成形されているので、丁寧に切り離してやる必要が有ります。ヒンジはフンドシ上端に接続。フンドシの上半分を覆うデザインです。合わせ目が中心を通っていて、他のラインも垂直が基本。スソのラインも揃っていて、どことなく布の質感を連想させられますが、軍服とか軍用コートの合わせ目や縫い目をイメージしたデザインなんでしょうか。



フロントスカートを左右切り離した例。軸部分の切り離しはゆっくり、慎重に。

 サイドスカートは、ポリキャップ接続による二軸可動。リアスカートは固定式となっています。リアスカート中央のフタを外すとポリキャップが露出。ここに武器を直接マウントするのではなく、複数の武器を携行出来るウェポンラックを取り付ける事が出来ます。

 です。モモは前後貼り合せ。股関節の球体部分は、上から半球状のメカパーツを被せて色分け&外れ留めとしてあります。コーナーに露出した動力パイプらしき物は、内側に閉じ込めた箱状パーツの一部が露出した物です。



 側面は別パーツ化してあり、丸バーニアをモールドで再現。ここは親衛隊機が発売される時には、増設されたカバーパーツに置き換えられるのだろうと思います。組んでる時から「バーニアが付いてて、06Rのスネみたいだな」と思ってたんですが、その上位バリエーションが06R−2の様なカバー付きとなると、それを狙ったデザインなんでしょうね。高機動ザクではスネに付けていた増設バーニアを、ギラズールではモモに配置している訳です。ケンプファーの様な前例も有る配置ですし、ザクらしいスネのラインが保てて、良いデザインだと思います。

 ヒザは、丸モールド部分で回転するハサミ込み式の関節。モモ・スネ側とも後ハメが可能で、スネ側のポリキャップ部分でも可動する二重関節となっています。ギラドーガと違って、関節に動力パイプは通ってないんですね。



 スネは左右貼り合せ。足首アーマーは別パーツ化してあり、前から取り付けます。ヒザ下の丸バーニアは筒状に成形してあり、ハサミ込みの指示になっていますが後ハメも可能です。ギラドーガで内部メカが露出していた前面は装甲で覆われ、動力パイプはヒザアーマー横に移設されました。3年前、当時の親分が本当に蹴る殴るの格闘戦を演じたものだから、キックに適した装甲に改められたとか、そんな経緯が有ったりして(笑)。

 足首関節は、上が二軸可動、下がボールジョイントの二重関節。上側は、スネ組立時にハサミ込んでやります。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 足首は、足裏・クツ・甲を縦に重ね、ポリキャップを仕込んだクルブシ関節パーツを上からセット。足裏パーツから伸びたポリキャップ押さえの突起が、甲とクルブシの左右の位置決めも兼ねている感じですね。ポリキャップが内寄りに配置されていたギラドーガに対し、今回は中央に配置され、パーツが左右共通化されています。

 左肩のアーマーは前後貼り合せ。肩ブロックをハサミ込む指示になっていますが、軸受けの下側をC字形に切り欠いてあり、塗装後に肩の上から後ハメ出来る様になっています。内側にはフチを補強する様な構造がそれらしいディテール入りで設けてあり、その奥のハメ込みピンを隠してくれます。C字形に切り欠かれた軸受けも、補強と連続していると目立ちませんね。



 シールドは、ポリキャップをハサミ込んでの2パーツ貼り合せ。ハメ込みピンが太めにしてあるので、分解したくなった時にピンが折れるトラブルが起きにくいんじゃないかと思います。

 シールドは肩ブロックに直接接続するのではなく、肩の上から被せたコの字形のカバーを介してボール接続。このカバーも、左肩アーマー同様に軸受けが切り欠いてあり、後ハメが可能です。



 です。肩の球体は前後貼り合わせ。HGUCギラドーガよりも直径が小さく、さらに前後にツブれたドラムに近い形状としてあります。肩アーマーのコンパクト化と密着感の向上に、一役買ってる気がします。

 上腕は筒状にワンパーツ成形。2本の動力パイプ(?)は、外装の内側でリング状につなげて成形、上から差し込んで取り付ける方式で、扱いやすくなっています。

 ヒジは、極小ポリキャップを仕込んでおいて、前腕フレームで左右からハサミ込み。上腕へは後ハメ可能となっています。二重関節にはなっていませんが、100度くらい曲がりますよ。



 前腕は、外装を前後に分割。動力パイプ(?)は2本一体で、内側から仕込んでやります。はU字に成形して残りを塞ぐ、2パーツ構成。装飾やラインはモールドで再現されている他、シールも付属します。このスケールでは固定式ですが、もしMGが出るなら、袖の部分で可動出来たら嬉しいですね。ギラドーガにも袖の様な物が有り、これが組織のシンボルに袖を利用するアイデアの元になっているのかも。ギラズールの配備が間に合ってない部隊は、ギラドーガの袖に装飾を描き込んで使い続けられますからね。

 手首は、左右のゲンコツと、右の武器持ち手、左の平手が付属します。ゲンコツは握った武器のガタつきを抑える目的で、親指の根元のスキマを塞いであります。・・・これ、水中バリエーションであるゼーズールの発売を想定した、水かきじゃありませんよね?(笑)

 バックパックは、芯パーツに外装を被せた2パーツ構成。上下左右にバーニアが付きますが、横のバーニアは小さく扱いにくいので、背中に背負わせる前に取り付けておくと良いでしょう。



HGUCギラドーガ(右)との比較。プロポーションの違いは、食料事情の違いによるものだと思われます(ウソ)。いや、冗談抜きで、夏服と冬服(防寒着)、正装とプロテクターみたいなな感じで、違いを楽しむと良いんじゃないかと思ったりします。
ちなみにギラドーガは50.8トン、ギラズールは55.2トンです。(え?)

 武装です。ビームマシンガンは、左右2パーツの貼り合わせ。グリップには右手に対応した接続用の突起が付いています。銃口はスライド金型で開孔、分割ラインはセンサー面を避けてあります。マガジンの着脱ギミックは有りませんが、下面にグレネードランチャーユニットを取り付け可能です。

 ところで、先端に付いてる頭の丸いピンは何なんでしょうね?銃に詳しくないので良く分かりませんが、ケロロ軍曹のビームライフルの先っぽに似てるので、連邦のライフルより数段進んだ技術が使われているんじゃないかと想像してるんですけど(笑)。

2010.1.9補足
読者の一人、きりみさんからお寄せ頂いた情報に拠ると、このビームマシンガンのモデルになったのは、ドイツ軍のStg44というアサルトライフルの様です。この銃は連射の仕組みにガスシリンダーを使ってあり、丸いピンはその栓の様だ、という事です。
きりみさん、情報をありがとうございました。



 ビームマシンガンのマガジンは、3個繋がった状態でワンパーツ成形された物が2個付属。フロントスカートのマウントラッチに装備する事がを出来ます。裏面は肉抜きされているので、気になる人は、見える範囲だけでもパテで埋めてやると良いでしょう。

 グレネードランチャーユニットは、2パーツ貼り合わせ。ピストルの様な外観で引き金も付いていて、単独でも使用可能と思われます。グリップは短めで突起も有りませんが、右手に持たせる事は可能です。ビームマシンガンの下面へは、後部のT字ミゾで接続。このミゾを使えば、スコープを自作して取り付ける事も出来るのでは・・・なんて思ってるトランスフォーマーG1世代のボクなのです。



 ハンドグレネードは、弾頭と柄を連結する2パーツ構成。の部分にはスリットが有り、ウェポンラックに装備する事が可能です。キットには2本付属。ガンダムシリーズには他にクラッカー等の投擲武器が登場しますが、実際にプラモに持たせて、投げるポーズが取れるというのはポイント高いですね。



 ビームホークは、本体をワンパーツ成形。クリアー成形された2種のビーム刃が付属し、取付部にはスライド金型が使われています。刃はビームなのに、目釘のモールドが入ってるのが面白いですね。ビーム発生器を固定するボルトとか、そんな想定なのかも知れません。



 シュツルムファウストは、2パーツ貼り合わせの本体に、センサーを前から取り付ける構成。ギラドーガの様にシールドから発射されるのも面白いですが、グリップが付いていて発射ポーズが一目で分かるというのは、作品知識の無い人に見せた時に、シチュエーションが伝わりやすいですね。ギラドーガがメカ的な面白さを追求してるとすれば、ギラズールは歩兵と同じアクションが楽しめる、擬人化に比重を置いたデザインと言えるかも。



 ウェポンラックは、中央と左右の3パーツを連結する組み立て。リアスカートのフタパーツを取り外し、ポリキャップに接続します。中央にシュツルムファウスト、にハンドグレネード2本、にビームホークをマウント出来ます。シュツルムファウストは本体部分をC字のグリップでハサミ込み、ビームホークはグリップとのスキマに突起を差し込んで接続。なるべく外観を損ねない工夫が見られます。ギラドーガのシールドの代わりの装備といった感じですね。これを着脱すれば、重装と軽装の2つの状態を手軽に楽しめるという、ナイスなアイデアです。



 組立時間は1時間20分でした。サザビーに対してのシナンジュの様に、一般機もギラドーガよりスリム化したという事でしょうか。角ばったモモなんかは連邦っぽくも有り、アナハイムが両軍にMSを供給している関係などから、連邦と共通の部品を使う比率も高くなっていたんじゃないだろうかとか、そんな事も思ってみたり。

 今後の展開ですが、エリ、胸板、袖の一部といった装飾に関係するパーツが除外出来る様になっている事から、親衛隊機の発売が想定されている様です。モモ横やバックパック、シールド、肩アーマーも差し替えに対応してますね。フロントスカートの切り替えはアンジェロ機に対応した物と思われます。スネが除外可能なのは、配色の異なるゼーズールに対応するためではないかと。この他にもビーム刃が除外可能だったりと、金型流用の準備が細かく行われている様です。ぜひ全バリエーションの発売を!出来れば間にMSVを挟みながらお願いしますね(笑)。


 おまけ



 一年前に引き続き、またまたセブンイレブンで仮面ライダー関連のキャンペーンが行われてますね。今回は10人ライダーの最強フォームに、ダブルを加えた11人のフィギュアがドリンクに付属。あちこちの店を回って、なんとかコンプリート出来ました。前回(おそらく)好評だった事に加えて、映画が上映中という事もあって、この時期に開催されてるんでしょうか。今後は映画をどの時期に上映するかで、キャンペーンの時期も変わってくるのかな・・・?



 実は今回、出来れば少し余分に欲しいな、というキャラが入っていた事もあり、帰省先の山口から現住所の広島まで、国道沿いのセブンイレブンに片っ端から立ち寄るという、我ながらご苦労な長距離ドライブを敢行しました(笑)。スタンプを集めてシールももらいましたが、ヨメの実家を通過するまでに親戚の子に配れるだけの枚数は集まらず、残念でした。途中でふと思ったんですが、主催者側も実は、民族大移動のこの時期を狙ってやってるのかな・・・?!長旅をすれば道中のコンビニに寄る事も増えますが、どうせならライバル店よりも、キャンペーンやってるセブンイレブンに寄ろうか、って事になるでしょうから。

 それにしても最近、毎月の様にコンビニ巡りしてる気がするんですけど。

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