健さんの その274 HG 1/144 順調にラインナップが揃いつつあるHGUC逆シャアシリーズに、ギラドーガが登場です。ザク系のシブさを残したまま重装備(装甲等も含めて)の魅力も併せ持っていて、個人的に心待ちにしてたアイテムだったりします。 改めて見るとバックパックの大きさが目に付きますが、これはやはり、ラストでバーニアを噴射する見せ場がある事を意識したデザインなんでしょうか?大容量プロペラントタンクと多数のバーニアを持つギラドーガと、大型バーニアを持ったジェガン。推力が貧弱ではストーリーが盛り上がりませんが、敵味方が似てしまっても面白くありません。傾向の違う解決法を採用しているのが面白いですね。 では、そろそろ本題に入りましょうか。 頭部は、頭蓋・本体・底面を縦に重ねる構成。後頭部をC字形に囲むダクトは別パーツ化してあります。クチバシ内部はスライド金型でモールドを再現、動力パイプは下から取り付けます。頭蓋は一般機用と、アンテナの有る指揮官機用の2種から選択。完成後も組み替え可能ですが、1つしか付属していないダクトのパーツも付け替えてやる必要が有ります。
モノアイは、円盤形のモノアイレールパーツごと回転し、左右に可動。これまでにもヘルメットを分解して動かすタイプのキットが多く発売されていますが、今回はアゴの下にツマミが露出、分解せずに動かす事が可能です。どうせモノアイシールドが付いてないのだから、ピンセットでモノアイ自体をツマんで動かせば・・・いやいや、首が大きく上を向く、逆シャアMSならではの解決法ですね。ツマミが少し出っ張っていたら、もっと操作しやすかったと思います。 ボディです。胸は、引き出し可能な首と、ニ軸可動の肩関節をハサミ込んでの前後貼り合わせ。胸板は別パーツ化してあります。エリは、上方から後ハメ可能。動力パイプは、さらにその上から取り付けてあります。エリ前部から首に向かっていく様な配置が正しいんですが、キットでは敢えてエリの外周に沿わせてあり、首の可動を妨げない様になっています。 ウエストは、胸と一体の成形。中央の張り出しはコクピットハッチなので、もう少しフチにクッキリ感が有っても良かったかも知れません。濃緑色の上部ハッチとの分割ラインも、垂直面で接しているので、重なった感じが希薄かも。まあ、言うのは簡単なんですが。腰との接続はボールジョイント。ほぼ360度の回転が可能です。 腰です。フロントスカートは、左右独立してボール可動。サイドスカートはポリキャップでニ軸可動します。ここは設定ではエネルギーパックのケースになってるんですが、ビームマシンガンのサイズとの整合性よりも、設定画のイメージを重視。開閉・収納ギミックの無いワンパーツ成形ですが、エネルギーパックが設定の倍、2個入りそうなスペースが有りますね。 リアスカートは旧キットよりも大型化していますが、これはモモが大型化したした事に合わせてあるのでしょうか。裏面には、見えやすい範囲にディテールを入れてあります。ビームソードアックス用のマウントラッチは別パーツ化。装備を取り外した時の見映えも良好です。 ウエストの動力パイプは、左右一体でリング状に成形。上から取り付け、前後のフンドシで押さえてあります。ウエストのボールジョイントは、少し高めのポジションに設定。ウエスト可動部のスキマから中が見えてもスカスカしない様、円柱形の芯を造形し、その上にボールを配置してあります。 股関節は、00シリーズでは恒例となっている、フンドシの下半分ごとスイングする方式。腰の組立後、下から後ハメが可能です。ここには別売のアクションベースに対応した取付穴も有りますが、穴を隠すフタパーツは無く、常に穴が露出した状態となっています。 脚です。モモは、設定にあるパネルラインを活かして左右貼り合わせ。設定を見ると、股関節周辺の切り欠きとヒザの中心線を結んだラインで分割してあり、意味も無くラインが折れ曲がってる訳ではないんですね。 ヒザは、単独で関節パーツを組立て、モモ・スネとも後ハメ可能な構成。丸モールド部分だけでなく、スネ側のポリキャップでも可動する、二重関節となっています。動力パイプは関節パーツと一体で成形されています。 スネは、前部に露出したメカパーツをハサミ込んでの左右貼り合わせ。ヒザのスラスター(?)も、メカパーツと一体で成形してあります。最後に前面アーマーを取り付けるんですが、上端のラインは、もう少し丸みがあっても良かったでしょうか。左右のスラスターは、穴は斜め下に向いているものの、その奥にある円形バーニアをほぼ真横に向ける事で、モールドをシャープに保って造形してあります。 足首関節は、上がニ軸可動、下がボール可動の二重関節です。足首は、足の甲、クツ、足裏を重ねる構成。ポリキャップを内寄りに配置するため、左右共通のパーツは足裏のみとなっています。足裏には3箇所に台形のモールドが有りますが、フィンの様な表現になっている所を見るとスラスターを想定しているんでしょうか?この時期のMSの特徴である、ツメではないかと思うんですが。スベリ止め付きのツメに見えなくもない・・・かな?
左肩アーマーは、前後貼り合わせ。4本のスパイクのうち、上の2本は別パーツ化されています。側面の曲がったスパイクにはスラスター(あるいはセンサー?)らしきスリットが有りますが、スリットの中心を避けて分割ラインを配置。前部バーニアは、ポーズを調整してるうちに手が当たりやすい位置にあるため外れやすく、軽く接着しておくと良いかも知れません。
右肩アーマーも前後貼り合わせ。左肩アーマーが肩の球体にボール接続してあるのに対して、こちらはピンで接続してあります。これは右肩シールドの荷重を意識したためか、あるいは右肩シールド自体がボール可動するため、そのベースになる肩アーマーはボール可動でなくて良い、という判断なのでしょう。 ところで、右肩にアーマーが付いているのは、旧1/144キットには無かった新しい解釈です。と言うより、アーマーなのか肩ブロックなのか、迷うデザインですよね。キットでは左肩アーマーより小型ですが、前部バーニアの接続方法も同じで、設定では別物っぽいバーニアカバーもフチが折れた形にアレンジ。共通性を感じさせる物となっています。ここまで似ていると、右肩シールドに隠れてるだけで、実は右側面にもバーニアが有るんじゃないかな?とも思えてきます。 旧キットとHGUCのどちらの解釈が正しいのかは難しい所ですが、ボクはおそらくHGUCの方が正解だろうと思います。理由は、左肩の球体をメカ色としてある設定画が有ること(資料により若干の違いが有りますが)。側面バーニアが肩アーマーに付いているなら前部バーニアも同様で、肩アーマーが推進ユニットを担当しているのではないかと思える事。左右の腕を共通化するには前後対称の肩形状が好ましい事、等です。ハイコンプロは持っていないんですが、写真で見る限り、少なくともボリューム的にはアーマーを被せてある解釈である様に思えます。 右肩シールドは、スパイクの裏付近のみ裏面パーツが貼り込んであり、ここに仕込んだポリキャップでボール可動します。下端のコーナーは鋭角になっていますが、直角の方がイメージに近いかな?とも思います。どうでしょうか。 腕です。肩関節は前と上に引き出し可能。肩の球体は、ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。球の部分は左右共通ですが、肩アーマー取付ピンに違いが有るので、左右別々の設計になっています。右はポリキャップに埋まるのでシンプルな形状、左はボール軸受けまで距離が有るので、ピンにもメカっぽいモールドを入れてあります。
上腕は、筒状に成形した外装に角柱形のポリキャップを差し込む構成。肩の球体とヒジを上下から差し込みます。外側に露出したシリンダーは上から差し込んであり、うっかり外れる事の無い親切設計。少し斜めに配置してあったりすると、よりメカっぽく見えたかも知れません。 ヒジは、2パーツ貼り合せの前腕フレームに関節パーツをハサミ込む構成。フレーム・関節ともABSが採用されています。前腕の外装は筒状にワンパーツ成形、手首付近もリング状にワンパーツ成形し、噛み合わせる組み立て。腕の甲のハードポイントは、シールドのピンが外装の穴を貫通し、前腕フレームの穴に直接接続される様になっています。
手首は、左右のリアルなゲンコツと、武器保持用の右手が付属。武器保持用の手の平にはミゾが有り、武器の突起をハメ込んで保持する仕組みです。 バックパックは、前後貼り合わせの中央部に、ワンパーツ成形された側面パーツを横からハメ込んで色分けを再現。6基のバーニアは、上下の物より左右の物の方が、若干大きく造形されています。飛行ポーズの背面画では、若干大きさに違いが有る様に見え、この絵を参考にしているのでしょう。上下のセンサーが本体に半没した造形になっていないのは、内部タンクの円柱形を損なわない様にという意図のアレンジでしょうか。裏面には少しクボミが付けてありますが、これは腰との干渉を避けて可動を優先した物で、本当はクボんでないと思って良いでしょう。 バックパックは完成後も着脱可能。取り外した本体背面のディテールも設定画に準じた物になっています。設定画では、両肩のアーマー後部にもバーニアが有り、興味深いですね。上腕から露出している物もシリンダーではなく動力パイプになっていて、決定稿以前の物かも知れません。腰の動力パイプが本当は背中につながっている事も確認出来ます。
武装です。ビームマシンガンは、左右貼り合せの本体にストックがハサミ込んであり、スライド伸縮ギミックを再現。エネルギーパックは別パーツ化してあります。オプションのグレネードランチャーは、前半分のみ別パーツ化してあり、後ろ半分は本体と一体成形。このため着脱は出来ない構成となっています。フォアグリップは可動式。下からハメ込みます。
シールドは、ヒンジ部分にABSパーツを使い、折れ曲がりギミックを再現。キットに裏面パーツは有りませんが、設定では裏面は凹んでない様なので、MGが出たなら2枚貼り合わせになるかも知れません。シュツルムファウストを4本取り付け可能で、上端にはグレネードランチャーも装備。腕へは取付方向を選べるアダプターを介して接続、回転も可能です。実機ではスライドレールで上下移動出来る様なんですが、同様のレールが上側のシールドにも有る様に見えます。もっと多彩な持ち方が可能なのかも知れませんね。
シュツルムファウストは、弾頭・パイプ・ノズルの3パーツ構成。手に持たせる時は、一旦ノズルを外してやります。
ビームソードアックスは、グリップが伸びた物と縮んだ物の2種が付属。クリアーのビーム刃もピック状・アックス状の2種類が付属します。縮んだグリップには、スライド金型で先端にも取り付け穴が開けてあるので、ビームソード時の刃を他キットから流用してみましたが、ピンが若干長い様で、根元にスキマが出来ました。レズン機が出る時には専用規格のソード刃が付属するんでしょうか?縮んだグリップを腰後部にマウントすれば、収納状態を再現可能です。 組立時間は1時間10分でした。今後の展開ですが、カラーバリエーションとしてレズン機の発売が予定されていると思われます。ギラドーガのビームマシンガンには一般兵士用と小隊長用の2種が有るんですが、今回のビームマシンガンが除外可能になっている事から、レズン機には小隊長用のみが付属するのではないかと思われます。レズン専用ではなく小隊長用なので、今回も付属していると嬉しかったですね。左ゲンコツも除外可能となっているんですが、代わりに平手が付属するのかも知れませんね。 おまけ |